聖ジャスミン学園物語―女子と共に甲子園へ―   作:パワプロ大好き男

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青道高校と決勝戦を繰り広げてる聖ジャスミン学園。
1回表から5回表まできっちり抑えてくれた百田先輩に対して、青道高校の降谷も1年生ながら5回裏までしっかり抑えていた。
しかし、インターバルの時、足を吊るというアクシデントに教われた。
果たして6回から一体誰がマウンドに上がるのか?


第13章 高城先輩達の最後の試合(後編)

<6回表、聖ジャスミン学園高校の選手の交代をお知らせします………>

 

アナウンスに聖ジャスミンの応援スタンドがざわついた。

 

「どうしたのかしら?夏菜子、調子が悪かったのかな?」

 

同時に青道高校のメンバーもざわついた。

 

「ケッ、あの百田夏菜子ってヤツがここで降板かよ。」

 

伊佐敷純が言った。

 

「あっ、そろそろ次のピッチャーが来るよ。」

 

小湊亮介が言った。

 

<ライトを守っていました土屋君がピッチャー、ライトには美藤君が入ります。5番ライト美藤君。6番ピッチャー土屋君。>

 

青道ナインは唖然(あぜん)とした。

 

「ハァ!?ライトがピッチャーかよ!!」

 

伊佐敷純が言った。

 

「凄い采配だ……」

 

小湊亮介が言った。

 

「なぜ彼が?」

 

丹波光一郎が言った。

 

「うむ、これは驚いたぜ。」

 

増子透が言った。

 

「皆、投手が誰だろうと、必ず打つぞ。」

 

結城哲也が言った。

 

「あったりメェだ!あんなやつに負けてたまるかよ!!」

 

伊佐敷純が言った。

――――――――――――――――――――――

「ゴメンね土屋…足をつっちゃった…」

 

百田先輩が寂しそうな顔をして言った。

 

「気にしないで下さい。先輩のためなら私はこの身に代えても投げ抜きますから。」

 

俺の言葉に百田先輩は泣いてしまった。

 

「お願い…必ず抑えて…」

 

百田先輩は泣きながら言った。

 

「土屋君、バッテリーよろしくね。」

 

「はい」

 

高城先輩の掛け声に返事した。

 

<6回の表、青道高校の攻撃は、1番ショート倉持君。>

 

この回から先頭バッターは倉持洋一。

青道中学のチームメイト。

 

(土屋、来いよ。)

 

倉持が心の中で思った。

俺は倉持に対して、めいっぱい投げた。

 

シュ、スパーン

 

(はっ、速ぇ…)

 

倉持は呆然(ぼうぜん)としていた。

電光掲示板を見ると160㎞/hのストレートだった。

 

(うっ、嘘だろ…)

 

倉持は、あっけをとられた。

 

「オイオイ、アイツ2年生なのにチョー速ぇじゃねぇか…」

 

伊佐敷純がビビりながら言った。

 

シュ、カキーン

 

倉持をピッチャーゴロに抑え、この回は三者凡退に抑えた。

 

<6回の裏、聖ジャスミン学園高校の攻撃は、1番レフト有安君。>

 

有安先輩が降谷からヒットを皮切りに、玉井先輩が送りバントで1アウト二塁、佐々木先輩がフォアボールを選ぶと、1アウト一、二塁になり、続くバッターは4番の高城先輩だった。

 

(何としてでも打たないと…)

 

その時だった、降谷の球がすっぽぬけ、高城先輩の体に当たり、デッドボール。

1アウト満塁になった。

しかし、美藤が三振に倒れ、2アウトになった。

 

<6番ピッチャー土屋君>

 

俺は打席に入った。

降谷が投げた。

 

シュ

 

俺は降谷のストレートがど真ん中に入ったのを見逃さなかった。

めいっぱいフルスイングした。

 

カッキーン!!!

 

レフトスタンド一直線。

満塁ホームラン。

 

「ワァー」

 

応援スタンドが盛り上がった。

 

「ナイス土屋君!!!」

 

ベンチも大盛り上がり、4ー0と大きくリードした。

――――――――――――――――――――――

気が付けば9回まで来た、2アウトまで追い込み、あと1アウトで甲子園が見えてきた。

しかし、ここで悪夢が起きた。

1番の倉持洋一、2番の小湊亮介、3番の伊佐敷純を歩かせてしまい、まさかの満塁。

4番の結城哲也に走者一掃のタイムリーツーベースを放ち、3得点。

4ー3と1点差まで詰め寄られた。

 

「大丈夫よ、土屋君、落ち着いていこうよ。」

 

高城先輩がタイムを掛け、俺に話し掛けてくれた。

 

「はい、分かりました。」

 

続くバッターは、5番の増子透。

長打が出れば同点、1本出れば逆転される。

気が緩めない。

 

<5番サード増子君>

 

俺は増子透に向かって投げた。

 

シュ、スパーン

 

1ストライク。

 

シュ、スパーン

 

2ストライク。

 

ここまではいいけど、そのあとがいけなかった。

3ボールと連続で決められ、焦る俺。

疲れが出てしまい、球速も落ちた。

160近いストレートも140近くまで落ちた。

変化球もキレが無くなってきた。

 

(これしかない。)

 

俺はストレートで押しきろうとした。

 

シュ、カキーン

 

増子透の当たりはレフト方向にグ~ンと伸びていった。

フェンス直撃のタイムリーツーベースを打たれた。

4ー4とついに同点に追い付かれた。

続くバッターは、6番の御幸一也だった。

 

(土屋、お前の決め球を打ち返してやる。)

 

御幸一也はそう思った。

――――――――――――――――――――――

「土屋、お前はどこに行くんだ?」

 

「あぁ、担任の先生から聖ジャスミン学園高校に進学することを進められたから、そっちに行こうと思うんだ。」

 

「ホントに?」

 

「今年から男女共学になるわけだし、男子の俺でも受験できるし、そこの野球はメッチャ強いから、そこで野球しようと思ってるんだ。」

 

「そうか…俺は、お前と青道高校で一緒にやりたかったな…」

 

「俺はお前と違って実力も技術も桁外れなほど差がある。一緒にプレーしても強くなれないし、お前を越えることは出来ない。だからこそ、違う高校でお前と対戦したいんだ。」

 

「そうか、分かったよ。実を言うと俺も同じことを考えていたんだ。甲子園かけてお互い別の道で戦おうぜ。決勝戦で会おうな」

 

「あぁ」

――――――――――――――――――――――

(俺は土屋に勝って、甲子園に行くんだ、本気で来い。)

 

御幸一也はバットを高々と上げた。

 

「やってやるぜ。」

 

俺は渾身(こんしん)のストレートを投げた。

 

シュ、カキーン

 

ライト方向にグ~ンと打球が伸びていった。

美藤も懸命に走るがスタンドに入った。

4ー6と逆転を許した。

 

「チクショウ!!」

 

俺は御幸に打たれ、悔しかった。

次のバッター、門田将明にはフォアボール出したものの、白州健二郎をセカンドゴロに仕留め、9回裏の攻撃に繋いだ。

 

しかし、三者凡退に抑えられ、試合終了。

またしても甲子園逃した。

高城先輩たちは泣いた……………。




長くなってしまい、申し訳ありません。
ご愛読ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
あと感想もドシドシお待ちしております。
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