聖ジャスミン学園物語―女子と共に甲子園へ― 作:パワプロ大好き男
試合は5回まで進み、3ー0で勝っていた。
インターバルを利用して体をゆっくり休む一方、駈杜高校はピッチャーの交代をしていた。
一体誰が投げるのか?
そして、少年は青道高校の仇を討つことが出来るだろうか?
3回戦の後半が始まる。
『6回の表、駈杜高校の攻撃は、4番キャッチャー有村君』
この回は4番有村佐治からスタートだった。
シュ、カキーン
あっさりセンターフライ。
続く5、6番も凡退に抑え、ピンチを切り抜いた。
『6回の裏、駈杜高校の選手の交代をお知らせします。』
俺は、はぁ?と思った。
なぜ神童裕二郎が替わるのかよく分からなかった。
今まで好投なのにどうしてなのか理解できなかった。
『ピッチャー、神童君に変わりまして、早川君。』
なんとピッチャーが神童裕二郎から女の子の早川あおいがマウンドに上がった。
さらに、驚くべきアナウンスが流れた。
『キャッチャー、有村君に変わりまして、六道君。』
えっ!?と思った。
あの有村も?と思った。
バッテリーごと替えるなんて思ってもいなかった。
「どういうことでやんす!?」
矢部君も信じられない表情を隠すことが出来なかった。
「どうやら、流れを変えるために思いきった采配をしたのかもしれないニャ。」
かりんちゃんが言った。
「厄介なことになりそうだ。」
そう言って俺は打席に立った。
――――――――――――――――――――――
彼女はアンダースローの右投げ右打ちの投手。
正直言ってタイミング取りづらかった。
「なんだこの娘、やりづれぇ~。」
しかし、俺は自分に言い聞かせた。
「ここで打たなきゃ、あとのバッターに悪いイメージをついてしまうからな、何がなんでも打ってやるぜ!!」
そして、俺はフルスイングした。
何を打ったか覚えていない。
けど、打球はかなり伸びていく、そしてスタンドイン。
ソロホームランで4ー0となった。
「ヨッシャアァ―!!」
雄叫びをあげると、ベンチは大盛り上がり。
「ゴメンね、聖。」
早川あおいが言った。
「気にしないでください、次、行きましょう。」
六道聖が言った。
――――――――――――――――――――――
試合は7回裏まで進み、この回は矢部君がソロホームランを放ち、5ー0と大きくリードした。
矢部君、恐るべし!!
「イヤッフォー♪オイラ最高に嬉しいでやんす~!!」
矢部君がテンション高めに言った。
「矢部っち凄すぎー!」
小鷹が言った。
「エッヘン!オイラやれば出来る子でやんす!」
「アハハハハ!」
ベンチは明るいムードだった。
『8回の表、駈杜高校の攻撃は、4番キャッチャー六道君』
途中出場の六道が打席に立った。
シュ、カキーン
初球にいきなり打たれ、ヒット。
この娘、初球に強いなと思った。
しかし、そこは慌てずに処理し、ピンチを切り抜いた。
『8回の裏、駈杜高校の選手の交代をお知らせします。』
またかよと思った。
『ピッチャー、早川君に変わりまして、橘君』
今度は橘みずきがマウンドに上がった。
左投げ左打ちのサイドスローの女の子だった。
『8回の裏、聖ジャスミン学園高校の攻撃は、8番キャッチャー小鷹君』
小鷹が打席に立った。
彼女は驚いた。
「この娘も凄くタイミングが取りづらいわね。」
橘みずきはスクリューを投げるピッチャー。
やりづらそうなのはベンチにいる俺達まで伝わってくる。
「でも、私が打たなきゃ意味ないわ。」
小鷹はスクリューを打ち返し、出塁。
これを皮切りに、一挙3得点。
試合は9回表まで進んだ。
最後は三者凡退にしめ、勝利をおさめた。
「やったぜ一也、仇を討ったぞ!」
聖ジャスミン学園高校は駈杜高校を下し、3回戦突破。
4回戦進出を果たした。
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バスに乗り込み、俺達は勝利の余韻に浸った。
「やったね、青道さんの仇を討てたね。」
太刀川が言った。
「そうね、神童裕二郎を攻略出来たわね。」
小鷹が言った。
「イヤアァ~早川あおいちゃん、橘みずきちゃん、六道聖ちゃんの3人は可愛かったな~」
矢部君が言った。
「あぁー矢部っち変態ー!」
美藤がからかった。
「違うでやんす~」
「アハハハハ」
バスの中にいても明るいムードだった。
そのとき、猫塚かりんちゃんから電話が来た。
「もしもし、かりんちゃん?」
『あっ、土屋君、4回戦の相手なんだけど………』
「どうかしたの?」
『去年の秋の大会で1回戦負けした二子玉川学園が、私立パワフル学園に負けちゃったニャ………』
「えっ………」
また番狂わせが起きた。
去年の秋の大会で1回戦負けした二子玉川学園が私立パワフル学園に負けた。
今年の大会は本当に恐ろしかった。
3回戦がやっと終わりました。
長くて申し訳ありません。
ご愛読ありがとうございました。