聖ジャスミン学園物語―女子と共に甲子園へ― 作:パワプロ大好き男
次の対戦相手は二子玉川学園高校を破った私立パワフル学園。
あまりの番狂わせに戸惑いつつ、4回戦に挑むのであった。
寮に戻り、私立パワフル学園との対戦の前にビデオを見た。
「警戒すべき人物は猪狩兄弟だニャ。」
投手が兄・守、捕手が弟・進だった。
顔は凄く似ているが弟の方が優しい感じがした。
「お兄さんの方はピッチャーも出来、バッターも出来るニャ、しかし、コントロールはかなり悪いから、ストライクに来たところを打てば攻略できると思うニャ。」
かりんちゃんが言った。
「俺と同じエースで4番か………」
俺が言った。
「弟の方は長打はないものの、出塁したら必ず盗塁を仕掛けてくるニャ、絶対に出さないことニャ。」
かりんちゃんが言った。
「足ならオイラに任せるでやんす!」
矢部君が対抗した。
「とはいえ、二子玉川学園を破ったわけだから勢いはあると思う、気を付けないとな。」
俺が言った。
猪狩兄弟もそうだが、このショートとレフト守ってるヤツも気を付けないといけないと俺は感じた。
「ショートの佐久間君は走攻守バランスがとれているから、気をつけるニャ、レフト守ってる木崎彰君は元々はキャッチャーだったんだけど、肩の強さを買われて外野手にコンバートしたらしいニャ、バッティングもかなりのパワーがあるから高めには要注意ニャ。」
かりんちゃんが言った。
「4回戦は攻守にわたって気をつけて試合に臨もう!」
「はい!!」
期待と不安をもちながら4回戦に臨むのであった。
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スタメンは3回戦と同じだが、守備位置が変わり、先発は太刀川広巳、三塁手は大空美代子、左翼手は俺となった。
試合は投手戦となり、1歩も引かない状況だった。
相手もコッチも、チャンスは作るものの、得点に結び付かないという、なんとも歯がゆい試合展開となった。
そんなとき、均衡を破ったのは、ラッキーセブンの7回裏、こちらの攻撃の時だった。
『7回の裏、聖ジャスミン学園高校の攻撃は、9番ファースト川星君』
「ほむほむー!何でもいいから出塁してー!!」
味方の声援に、川星はセーフティーバントで相手バッテリーを惑わせた。
さすがの相手も不意をつかれて驚いたのか、慌ててボールを拾ったが既に遅し。
川星はあっという間に一塁に到達した。
「ヨッシャアァー!!」
川星が吠え、ベンチは大盛り上がり。
「ほむほむが吠えた!」
夏野もビックリ。
続く、1番の小山のところで川星が盗塁した。
もちろん、彼女の足なら楽々セーフ。
猪狩兄弟も困惑した。
一方、小山も19球粘り、20球目でフォアボールとなり、出塁。
ノーアウト一、二塁の場面で夏野に打順が回ったが、胸に当たり、デッドボール。
満塁となった。
『3番センター矢部君』
「オイラ、だいぶ彼の球にあってきたでやんす。」
そう言って打席に入った。
シュ、スパーン
<ボール!>
シュ、スパーン
<ボール!>
シュ、スパーン
<ボール!>
なんとあの猪狩が3ボール。
これはいけると思った。
「ストレート、スライダー、カーブが来た…てことは…残っているのは…」
シュ
「やはり、フォークでやんす!!」
カキーン!!!
矢部君の読みが当たり、満塁ホームラン。
これが決勝点となり、4回戦は見事に勝利をおさめた。
――――――――――――――――――――――
試合を終え、ナインはバスに乗った。
「矢部っち凄いよ、満塁ホームランだなんて。」
小鷹が言った。
「嬉しいでやんす♪」
矢部君は上機嫌だった。
この調子でいけば甲子園が見えてくる。
そんな気がしたのであった。
そのとき、かりんちゃんから電話が来た。
「もしもし、かりんちゃん?」
『あっ、土屋君、準々決勝の相手が決まったニャ。』
「どことだい?」
『薬師高校と対戦することになったニャ。』
「了解、また後で合流しよう!」
準々決勝の相手は破壊力のある強豪、薬師高校。
必ず勝って見せる。
長くなってしまい、申し訳ありません。
ご愛読ありがとうございました。