聖ジャスミン学園物語―女子と共に甲子園へ― 作:パワプロ大好き男
少年が仲裁に入るも2人の仲は悪くなる一方。
そこで佐々木先輩の提案により、3年生の力を借りて2人を和解させようとする。
果たしてうまくいくのだろうか?
食堂で起こったあのケンカ以降、2人は全く口を開かなかった。
練習の時でもバッテリー組まなかったり、食堂にいても一切話さなかったり、部屋にいてもかなり険悪だった。
いつぶん殴りが起きてもおかしくない状況だった。
ある日、そんなことを象徴する出来事が起こった。
「土屋君、バッテリー組もう。」
「はい」
シュ、スパーン!!
「いい球投げるじゃん。」
「ありがとうございます。」
そこに百田先輩が来た。
「さすが土屋君、エースになれるよ。」
「ありがとうございます。」
「いいなぁ…土屋君…彼女とバッテリー組めて…」
百田先輩は高城先輩の方を見た。
すると、高城先輩が無視した。
百田先輩は高城先輩を見て、こう言った。
「私のバッテリーはもうアイツじゃないわ、違う人と練習するから………」
俺は驚いた。
今まで高城先輩のことをアイツ呼ばわりなんて聞いたことなかったからビックリした。
俺は高城先輩にかけ寄って言った。
「いいんですか先輩?」
「いいの、私は嫌われものだから、アイツは私のやってる行動が気に入らなかったんでしょ。」
こちらも驚いた。
高城先輩までアイツ呼ばわりだなんて、酷いありようだった。
さすがの俺も引いた。
「でも、こうやって土屋君とバッテリー組めるんだから、幸せよ!!だって私、土屋君のこと大好きなんだもん!!もっと早い球投げてよ!!受ける度にキュンとくるんだもん!!なんなら私のこと『れにちゃん』って呼んでね!!」
「は、はい…………」
本当に酷かった。
どうしていいか分からなかった。
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俺と矢部君で3年生の先輩に訪ねてみた。
「そうか……それはいただけないな。」
高橋キャプテンが言った。
「どうする?みなみ。」
前田副キャプテンが言うと
「この件は難しいけど、放っておくわけにはいかんな、よし、手を貸そう。」
と高橋先輩が言った。
「ありがとうございます。」
「お忙しい中申し訳ありませんでやんす。」
俺と矢部君は深々と頭を下げた。
「こういうことは私達もあったよ、任せといて、私は高城をやるから、あっちゃんは百田をやってくれないか?」
「オッケー!!」
ちなみにあっちゃんとは前田敦子先輩のことである。
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高橋先輩と高城先輩は屋上で話していた。
「何と言いますか、その、自分の意見を殺してまで相手の意見を受け入れると言いますか、その…」
高城先輩はしどろもどろな口調で話していた。
「つまり、れには夏菜子の言うことが自分のことを批判されて嫌になったというわけか?」
「嫌ではないんですが…それはキャプテンとしてはよろしくないと思うんです。」
「それじゃあ、れには自分の意見が通らなかったらや辞めるのか?」
「えっ?いや、その、あの………」
「私もそうだった、キャプテンはとても窮屈で辛いこともあったよ。でもね、れには無理してキャプテンのようにたち振る舞う必要ないよ。上手くまとめるよりもプレーで皆を引っ張っていけばいいんだ。」
「プレーで?」
「あぁ、監督から言われた言葉でな、上手くまとめようとすると、人間は窮屈(きゅうくつ)に感じ、自分を見失ってしまうことがある。プレーを通じて自分をみがくことによって周りの人間は自然と着いてくる。れにはまさにキャプテンにふさわしいと思って指名したんだ。」
「先輩…」
「もう一度キャプテンとしての立場を考え直してごらん、れにに不可能なんてない。」
「はい……ありがとうございます……」
高城先輩が泣きながら言った。
そして高橋先輩に抱かれていったのであった。
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その頃、前田先輩と百田先輩は室内練習場で話していた。
「れにの行動が許せなくてついカッとなってしまいまして……」
百田先輩が悲しそうな顔して言った。
「そうか、確かに突き放すのはよくないよね。」
「ホント許せないんです。」
「でもね夏菜子、れには皆のこと考えて、自分なりに考えてやってるの。」
「でも………」
「彼女は1人で解決しようとして色々と考え込んでいるの。キャプテンとして大事なことだけど、れにだって1人の人間だから、やっぱり限界があると思うの。それを支えてあげるのが副キャプテンの役割だと思うわ。」
「支えてあげる……」
「うん、私も最初はみなみをどう支えてあげればよいのか分からなかった。でも彼女は1人で何でもしようとした、けどやっぱりつまずいてしまったんだ。そこでそっとそばにいるだけでも、人間は安心できるのよ。」
「そうか……」
「だから、れにの悩みとか聞いてあげるのも副キャプテンの役割だと思うわ。」
「はい……ありがとうございます…」
「まずは、れにちゃんに謝らないとね。」
「はい……」
百田先輩は泣きながら前田先輩に抱かれていったのであった。
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こうして2人は仲直りしたのであった。
小島瑠璃子先輩の件について話し合ったが、実は彼女は本当は辞めるつもりはなく、周りとの温度差が激しいと感じ、自分から身を引いた方が良いのではないかと思い、高城キャプテンに相談したのだという。
その後、小島先輩は周りの支えが励みになったということで、辞めることはなく、部活を続けることになった。
当初はマネージャーなどの裏方に徹しようかと迷っていたが、チームの戦力になって欲しいということで、選手になったのである。
この事を高橋先輩、前田先輩に報告した。
「そうか、役に立ててよかったよ。」
「やったね、みなみ。」
「あぁ。」
これで一件落着した。
「ありがとうございました。」
「本当に感謝でやんす。」
俺と矢部君は2人揃って頭を下げた。
「また相談したくなったら、私に言って。」
「みなみとウチ待ってるからね~」
すると、高城先輩と百田先輩が来た。
「みなみ先輩、お騒がせして申し訳ありませんでした。」
「敦子先輩、大変失礼しました。」
と言った。
「気にするなって~」
「いつでもおいで~」
高橋先輩と前田先輩が笑顔で答えた。
これでもう大丈夫だろうと思ったのであった。
長くなってしまい、申し訳ありません。
ご愛読ありがとうございました。
こんな感じでいきたいと思います。