在りし日々の記憶   作:アリアンキング

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ラブライブ!のアニメを見て自分も書きたくなりましたので、思い切って投稿しました。

拙い文ですが楽しんでくれたら幸いです。


本編
夕日の思い出


「ワン ツー スリー フォー」

 

一人の少女が手拍子でリズムを刻みながら、目の前で踊る8人の少女を見つめている。彼女の名前は園田海未 音ノ木坂学院に通う2年生でスクールアイドルμ'sの一人である。同じメンバーの綾瀬絵里と交代しながら、ダンスの指導をしている最中に海未の厳しい言葉が飛ぶ。

 

「花陽 少し遅れています!凛は少しリズムが速いです!穂乃果は振り付けを間違えています!」

 

それぞれの悪い箇所を指摘しながら、ダンスの練習は1時間近く続いた。

 

「今日のレッスンはここまでにしましょう!」

 

その言葉を聞いたメンバー達は息を切らして、その場に座り込む。

その中で疲れを感じさせない穂乃果がことりを連れ添って、海未に話しかけてきた。

 

「ねえ 海未ちゃん 今日は行きたい所があるから、三人で一緒に帰ろうよ。」

 

穂乃果の言葉をキョトンとした表情で聞いていた海未だったが、微笑を浮かべて穂乃果の誘いに首を縦に振った。

 

「分かりました。それでは着替えとシャワーを済ませたら、行きましょう。」

 

「それじゃあ、善は急げだね。」

 

「待ってよぉ~ 穂乃果ちゃ~ん」

 

「穂乃果!ことり!待ちなさい 廊下を走っていけません。」

 

勢いよく屋上を飛び出す穂乃果とその後をついていくことりを見て、海未も走っていった二人を諌めながら後を追う。

 

「あの三人は相変わらずね」

 

「仲良しやなぁ~ うちらも帰ろうか」

 

「そうね。私たちも行きましょう」

 

「はぁ 汗でベトベトだよぉ」

 

「凛はお腹空いたから、ラーメンが食べたいにゃ」

 

「馬鹿な事を言ってないで、私たちも帰るわよ」

 

そんな三人の様子を遠くで眺めていたメンバー達も思っている事を口にしながら屋上を後にした

 

「お待たせしました。さあ、行きましょう」

 

着替えを終えた海未が校門で待っている二人の下へ小走りでやってくる。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

穂乃果は二人と並ぶように歩き始めた。

 

「所で行きたい場所というのは、何処なんですか?」

 

穂乃果とことりの隣を歩きながら、海未は尋ねる

 

「それは内緒!着いてからのお楽しみだよ!!」

 

穂乃果は悪戯な笑顔を浮かべて言った

 

「勿体ぶらないで教えてください!」

 

そんな穂乃果に、ムッとした表情の海未が強い口調で言い返す。

 

「まあまあ、海未ちゃん。とりあえず、穂乃果ちゃんについて行こうよ。」

 

「ことりは穂乃果に甘すぎます!」

 

「えへへ~ ごめんね」

 

ほんわかした雰囲気に毒気を抜かれた海未が溜息を吐いて、怒りを収めた。その様子を見てた穂乃果も反省した様子で二人に話しかけた。

 

「ちょっと、悪ふざけが過ぎたね。これから行く場所は、どうしても三人揃ってじゃないと意味がないんだよ。時間も押してるし、少し急ごう!」

 

真剣な顔で言うと、急ぎ足で歩き始めた穂乃果を二人も急ぎ足で追いかけた。会話もなく、しばらく歩いていると穂乃果が急に立ち止まって一言「着いた」と呟いた。その先にあったのは三人が小さい頃に遊んだ児童公園だった。

 

穂乃果が公園に生えている木の前まで歩いていくと、振り返って公園の入り口で立っている二人に向かってある提案をした。

 

「ねえ、これから木登りしない?」

 

そう言うと穂乃果は片手でスカートを押さえながら、器用に木を登って少し上にある枝に座ると、茫然としてる二人を呼んだ。

 

「早くおいでよ」

 

「何してるんですか!?」

 

「危ないよ 穂乃果ちゃん」

 

心配して駆け寄る二人に穂乃果は手を差し伸べる。それを見て、ことりは何かを思い出したような表情を浮かべ、穂乃果の手を握って木に登ると穂乃果と同じように枝へ腰かけた。

 

「ことりも穂乃果も一体、何をしてるんですか!?」

 

目の前の出来事に慌てふためく海未に二人は手を差し伸べて、ただ一言「「海未ちゃんもおいでよ」」というだけだった。訳も解らずに差し出された二人の手を握り、海未も木に登ると穂乃果とことりに挟まれる形で枝に座った。

 

そして、穂乃果が「あれを見て」と指を指した。その方向に目を向けると幼き頃に見た同じ夕日の光景がそこにあった。夕日を見つめて、穂乃果が口を開いた。

 

「三人で見たあの時の夕陽は今日のこの日だったんだ。だから、何としても三人で見たかったんだよ」

 

その言葉を言った穂乃果の目から涙が流れていた。そして海未とことりも同じように涙を流していた

 

「まだ小さいあの頃はいつも一緒にいる事が出来ると思ってたけど、ことりちゃんの留学の話を聞いた時にその願いは叶わないと思い知らされた。だけど、三人で見た夕日の思い出はずっと一緒にいる事が出来るんだよ。」

 

「穂乃果」

 

「穂乃果ちゃん」

 

穂乃果の言葉を胸に海未とことりは優しく夕日を眺め続けた。そして、夕日もそんな三人を優しく見つめ返していた。在りし日々の記憶を忘れないように

 

 

 

 

 

 




思えば、アニメでは思い出を語る時は夕日の場面が多かったので夕日をチョイスしました。皆の心に響く話になれば良いなぁ。

7/19 文章を一部修正しました。

8/10 誤字を修正しました。
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