凛と真姫と花陽の友情を思う存分堪能してください。
それではどうぞ。
ある日の早朝 珍しく凜は早起きをして、バタバタと身支度を整えていた。普段なら未だ夢の中である彼女が早起きをしたのは理由があった。
それは数日前に遡る。
「かよちーん 真姫ちゃん。一緒に帰ろう」
放課後になり、帰り支度を済ませた凛は二人に声をかけた。同じく帰り支度をしていた真姫と花陽も凛に近寄って話しかける。今日は絵里と希は生徒会の仕事があり、穂乃果達も家の事情でμ'sの練習は休みという事になっている。
「うん いいよ。今日は何処かに寄り道していくの?」
「それは名案だにゃ。三人一緒なら何処へ行っても楽しいに違いないよ」
「だよね。だよね。そうだ。真姫ちゃんは行きたい所はある?」
「その事だけど、今日は寄り道するのは無理ね。一緒に帰るのは平気だけど」
「ええ~ どうしてなの?折角、色々と見て回ろうとしたのに」
「私もそうしたいけど、今日は家にパパの知人が来るから早めに帰らないといけないのよ」
「そうなんだ。そういう事なら仕方ないね」
「真姫ちゃんも色々と大変そうだにゃー」
寄り道について話している凛と花陽に真姫はばつの悪い顔で寄り道は出来ないと告げる。
事情を聞くと家に大事な客が来訪するとの事だった。
「誘ってもらったのに悪いわね。お詫びとして、今度寄り道する時はクレープでも奢るわ」
「別にいいよ。用事があるんじゃ仕方ないから」
「そうだよ。それに寄り道しなくても、かよちんと真姫ちゃんと一緒に帰れるだけで凜は楽しいにゃ」
「あ、ありがとう。私も二人と一緒に帰るのは楽しいと思ってるわ」
凛の言葉に真姫は照れた表情を見せて、自身の素直な気持ちを言葉にする。まさか、真姫からそのような言葉が返ってくるとは思っておらず、凜も照れた顔を見せる。
そんな二人の様子を花陽は優しく微笑みながら見つめていた。その後、二人が立ち直るのに数分を要した。
いつもの帰り道を歩きながら三人は談笑していた。
「それでね。その時のかよちんってば、すごい顔してたんだよ」
「あの時は驚いたよぉ。角を曲がろうとしたら、いきなり飛び出して来るんだもん」
「全く、凛の悪戯には困ったものね。花陽もそう言う時はビシっと言いなさいよ」
「うーん。確かに真姫ちゃんの言う事も解るけど、あれは凛ちゃんなりの励ましでもあるんだ」
「そうなのかもしれないけど、悪戯した時は言わなきゃ駄目よ。そうしないと凛の為にならないわ」
「真姫ちゃんは相変わらず固いにゃー!それにいつもツンツンしてるし、もう少しかよちんを見習うといいにゃ」
「凛は軽すぎるのよ。もう子供じゃないんだから、少しは考えなさい」
悪ノリした凛を真姫が注意をして最後に花陽が二人を宥める。数ヶ月前には無かった光景がそこには在る。
逃げる自分を追いかけてくる真姫と花陽の姿を見ながら、凛はそんな毎日を過ごせる事に喜びを感じていた。
そんな時、走っていた凛は足を止めて壁に貼ってある一枚のポスターに目をやった。後からやって来た真姫と花陽も凛と同じく、壁に視線を向ける。三人が見ていたポスターには、日曜日に町内会が開催するハイキングのお知らせが記載されていた。それを見ていた凜はパッと明るい顔を浮かべると二人にある提案をする。
「そうだ。二人共。今度の日曜日に開催されるハイキングに行こうよ。きっと、楽しい思い出になるにゃ」
「いいね。皆で一緒に綺麗な景色を見て、お弁当とか食べるのも面白そう」
「確かにそれも楽しそうね。だけど、日曜日に練習が在ったらどうするの?」
凛の提案に花陽と真姫も賛同するが、真姫はある疑問を凛に投げつける。今日は練習が無かったが、日曜日にはあるかもしれない。その場合は当然ながら、ハイキングには行く事が出来ない。凜もそれを失念していたのか、真姫の言葉を聞いてハッとした表情を浮かべていた。
「そっか。日曜日に練習あるかもしれないもんね。すっかり、忘れてたにゃ」
「確かに日曜は練習があるだろうけど、午後からなら行けるんじゃないかな?」
「そうだとしても準備はどうするのよ?お弁当を作るにも時間が掛かるし、行く頃には日が暮れるわよ」
「うーん 三人でハイキングに行くのは。いい案だと思ったんだけどなぁ」
「元気出しなさいよ。一緒に行く機会なんて、そのうち来るわ。その時は三人で行きましょ」
自分の提案が流れた事に落ち込む凛を見て、真姫は慰めの言葉をかける。慣れない事に頬を染めてそう言う真姫に凛は自分の胸が温かくなるのを感じていた。
「ふふ そうだね。いつか、一緒に行ける日が来るのを楽しみにしてるよ。ありがとう 真姫ちゃん」
「別にいいわよ。それじゃあ、私はこっちだから…また、明日ね」
「うん また明日」
「真姫ちゃん また明日も一緒に帰ろうね」
途中で別れる真姫に二人は挨拶を交わす。
それを聞いた真姫も振り返り、微笑みを浮かべて手を振っていた。
やがて、真姫の姿が見えなくなると二人も家路に向かって歩き始める。その道中、花陽はふと思った事を凛に尋ねた。
「そういえば、凛ちゃんと真姫ちゃんは仲が良いよね。最初はいがみ合ってたように見えたけど」
「そうかにゃ?まあ、会った頃は凛とかよちんの間に入ってきて、嫌な思いしたけど…あの日、かよちんの為を思って行動してくれたのは嬉しかったんだ。そして、お互いに名前を呼び合う時に友達となったと凛は思ったんだよ。あはは!こんなの凛らしくないよね」
「ううん。そんな事ないよ。あの日が在ったから…私も真姫ちゃんと友達に慣れたし、何より私も素直になれたからね」
「そうだね。あの日が無かったら、今みたいに充実した毎日は来なかったよ。凛もそう思う」
自分らしくないと言う凛に花陽は首を横に振って、自分の素直な気持ちを笑顔と共に言葉にする。凛も花陽の言葉に頷き、自身の気持ちを呟いた。
その後 二人も家に帰る道が違う為、挨拶を交わして別れた。
夜 夕食と風呂を済ませた凛が自室で漫画を読んで寛いでいると、傍においてある携帯が鳴り出す。
突然の事に吃驚した様子を見せたが、携帯を手に取って確認すると穂乃果からのメールであった。凛は慣れた手つきでメールを開くと、書かれていた内容に驚きの表情を浮かべる。そのメールにはこう書かれていた。
『凛ちゃん。夜遅くにごめんね。今週の日曜の練習だけど、また家の用事が出来たからその日も中止になっちゃった。いきなりの事で本当にごめん。だけど、その分明日から土曜まで練習はみっちりと出来るからそれで勘弁してね。それじゃあ、また明日ね』
穂乃果からのメールを見た後、凛はラインを起動して真姫と花陽のグループを開くと、メールについて書き込んだ。
『二人共。穂乃果ちゃんからのメールは見た?』
『見たよ。日曜Bの練習が中止になったみたいだね」
『そうだにゃ。それで…今度の日曜についてなんだけど」
『ハイキングに行こうという話でしょ?言わなくても分かるわよ』
『何で分かったの?真姫ちゃんはもしかして、エスパー?』
『そんな訳ないでしょ。日曜に練習が中止になって、貴女が日曜の事を聞く時点で要件は一つしかないじゃない』
『確かにそうだね』
『む~ それじゃあ凛が単純と言われてるみたいだよ。二人共ひどいにゃー』
『そんな事より、日曜日はどうするのよ?行くにしたって、場所とか待ち合わせの時間とか決めてないんでしょ?』
凛の言葉を受け流して、真姫は日曜日の予定を尋ねた。その言葉を見て、花陽も思った事を書きこむ。
『行くなら、お弁当も必要だよね?良かったら、二人の分も作るよ』
『それだと、花陽の負担が掛かるから別にいいわよ。各自、自分で用意しましょう」
『うん。凛も真姫ちゃんの意見に賛成だにゃ。それと、行く場所については凜が決めて二人に教えるよ。それでいい?』
『私は構わないわよ』
『私もそれでいいよ』
『了解にゃ。詳しい事は明日、学校で話すよ』
『ええ 解ったわ』
『それじゃあ、また明日』
そうして、三人の会話は終了した。その後、携帯で行く予定の場所を調べようとした時、ある場所を思い出した凛は本棚にあるアルバムを手に取った。ひたすら、アルバムのページをめくっていると一枚の写真に目をやった。
その写真を見て、凛はある提案を思い付く。
翌日、学校で行く場所等を二人に詳しく伝えて、凛は来る日曜日に想いを馳せていた。
そして、話は冒頭へと戻る。
時刻は6時を回っていたが、日曜日という事もあり起きているのは凛だけであった。
着替えを済ませた凛は台所に立ち、自身のお弁当を作り始める。
数十分による格闘の末、凛はお弁当を完成させ、弁当箱を大事に風呂敷で包むとリュックサックへ入れた。
そして凛は待ち合わせの場所に向かう為、ウキウキした様子で家をあとにする。
外に出ると空は雲一つない快晴であり、空を見上げて凜は柔らかい笑みを浮かべた。
家を出てから、10分くらい歩いた所にある待ち合わせ場所の公園に辿り着くと…既に二人は到着していた。
凛が二人に近づくと、真姫と花陽も凛に気付いて近寄って来て言葉をかける。
「おはよう。凛ちゃん。今日は晴れて良かったね」
「それに遅刻せずに来たわね。もしかしたら、雨が降ったりするかも」
「もう~ いくら、凛でも約束の日に遅れたりしないにゃ。それに最後のはどういう意味?」
「そのままの意味よ」
「酷いにゃー!真姫ちゃんだって、朝が弱くてボ~としてる時もあったでしょ?人の事を言えないよね」
「まあまあ、二人共。こんないい天気の日に喧嘩したら駄目だよ」
「そうね。花陽の言う通りだわ。凛も悪かったわね」
「別にいいよ。それじゃあ、気を取り直して出発にゃ」
「「おおー」」
真姫の言葉に食って掛かる凛を花陽が宥める。真姫も花陽の言葉を聞いて、凛に謝り何とか場は収まった。
そして、三人はハイキングへ出発した。
バスに乗り、1時間程経った頃 三人はハイキングの場所である森林公園へ到着した。木々に囲まれたその公園には、同じくハイキングへ来た人や散歩で利用している人がちらほらと目に映る。
「ふわぁ。すごいね。見渡す限り森だよ。それに意外と人も多いね」
「流石、森林公園というだけはあるわね。それに空気も綺麗だし、同じ都会とは思えないわ」
「うん。それに上の方にまで道が続いていて、頂上の展望エリアではこの辺りを見渡す事も出来るにゃ」
「それは楽しみね。早速、行きましょう」
「そろそろ行こうよ」
「楽しいハイキングの始まりにゃ」
真姫の言葉を合図に三人は森林公園の中へ足を踏み入れた。中の道は綺麗に整備されており、歩きやすいように配慮もされている。休日とはいえ、人が多く集まるのもこれが理由の一つでもあるのだろう。
園内にある木々の間から差し込む木漏れ日を見つめて、真姫が口を開く。
「それにしても、凛はよくこんな場所を見つけたわね」
「うん 実はこの場所に一度だけ、来た事があるんだ。まだ、凛が幼稚園の頃だよ」
「そうだったんだね。というより、幼稚園の頃の事をよく覚えてたね。そっちの方もすごいよ」
「ええ 普通は覚えてないもの」
「あの時、上から見た景色は凄かったんだ。その光景は言葉に出来ない程だったにゃ」
その時の出来事を思い返しながら、そう呟いた。二人は優しい顔でそんな凛を見つめている。
「その風景‥とても綺麗だったのね。私も早く見てみたいわ」
「私も見たい」
「それなら張り切って進んでいくにゃ」
そう言うと、凛は張り切って歩き始めた。凛の話を聞いて、頂上の風景に興味を抱いた二人も先頭を行く凜に負けない様に追いかけていく。
頂上を目指して歩き始めてから数十分が経って、時刻は12時を回っている。一本道をひたすら歩いていた事もあり、三人のお腹も空腹に苛まれていた。
「ねえ 時間も12時になったし、お腹も空いて来たから…そろそろお弁当を食べない?」
「もうお昼の時間だもんね。確かに私もお腹が空いたよ」
「二人ともあと少し、歩けば休憩場所となってる広場に出るよ。お弁当はそこで食べようよ」
「そうなの?それじゃあ、そこで食べましょう」
「確かに広い場所の方がいいもんね」
昼食を取ろうと言う真姫に凛はこの先に休憩場所がある事を伝えた。空腹であったが、昼食を食べるなら広い所が良いと真姫と花陽は凛の提案を受け入れて、先にある広場に向かって足を進めた。
数分後 三人は凛が言っていた休憩広場に辿り着く。広場には休憩スペースだけでなく、訪れた人が食事を出来る様にテーブルや椅子も置かれている。三人はその一つに座ると持って来た弁当を広げた。
「やっと、お昼ご飯が食べれるね」
「そうね。それにこんな広場が在ったなんて驚いたわ。てっきり、シートを引いて座るのかと思ってたから」
「ここは時期によって、キャンプ場として使われる事もあるんだよ。だから、そういった設備があるんだにゃ」
「そうだったのね。確かに此処でキャンプをしたら楽しそうね。空も良く見えるし、夜は天体観測も出来るかもしれないわね」
凛の説明を聞き、真姫は楽しそうな表情でその時の事を想像していた。そんな中、花陽のお腹が可愛らしい音を鳴らす。真姫と凛は顔を見合わせるとクスクスと笑いを溢した。それを見てた花陽は顔を真っ赤に染めて俯く。
「それじゃあ、お弁当を食べましょう。花陽は我慢の限界のようだしね。ふふふ」
「あはははは!凛は今のかよちんも好きだにゃ」
「も、もう 二人共。そんなに笑わないでよ」
笑う真姫と凛に花陽はそう言葉を掛ける。
二人はそんな花陽に謝ると、リュックからそれぞれお弁当箱を取り出してテーブルに置いた。
そんな中、凛だけが暗い表情を微かに浮かべてる事を真姫と花陽は気づいてはいなかった。
「私が作って来たお弁当はこれだよ」
最初に弁当箱を開いたのは花陽だった。その中には青のりや鮭のふりかけで彩られたおにぎり おかずには一口サイズの卵焼きやタコの形をしたウインナー等が入っている。
「私のお弁当はこれよ」
次は真姫が弁当箱を開く。中はサンドイッチが綺麗に並べられている。具にはハムとチーズ 卵やトマト等、様々である。
「凛のお弁当は…これだよ」
最後に凛が自信無さげに弁当箱を開く。中には形の崩れたおにぎり おかずには焦げた一口ハンバーグや中身が飛び出したコロッケが入っていた。
二人の作った弁当と自分の作った弁当の差に凜は内心落ち込んでいた。それでも二人に気を遣わせまいと、凛は作り笑いを浮かべて言葉を吐く。
「ごめんね。凛 普段はあまり料理しないから失敗しちゃった。お腹壊すから二人は食べない方が…」
そう言って凛が弁当箱の蓋を閉めようとした時、二人はは凛のお弁当に手を伸ばした。真姫はおにぎりを花陽は一口ハンバーグを掴むとそのまま口に運び、無言で食べ始めた。
一言も発せず、静かに自分の料理を咀嚼する二人を凜は不安気な顔を見つめる。
やはり、何も言わないのは自分の料理が不味かったからだろう。そんな暗い事を考えて、凛は出そうになる涙を堪えていた。
しかし、二人は発した言葉は意外なものだった。
「「美味しい」」
「え?二人共、今なんて言ったの?」
「だから。美味しいって言ったのよ」
「真姫ちゃんの言う通りだよ。見た目は少し悪いけど、凛ちゃんの料理は美味しいよ」
「二人共、無理してない?だって、おにぎりの形は崩れてるし、ハンバーグは丸焦げなんだよ」
「無理なんかしてないわよ。本当に美味しかったから美味しいと言ったのよ」
「そうだよ。ハンバーグも外は焦げてたけど、中身はジューシーで美味しかったよ」
二人の言葉が信じられず、卑屈になっていた凛に真姫と花陽は偽りのない言葉をかけた。二人の顔を見れば、その言葉は嘘やお世辞等ではない事は一目瞭然である。そんな自分は友達の素直な気持ちを疑ってしまった。
「ありがとう。そう言ってくれて、嬉しいにゃ。さあ、どんどん食べてよ」
「そうね。それじゃあ、食べましょう」
「うん 私もお腹ペコペコで限界だよ」
一悶着あったが、それも解決して三人は昼食を食べ始める。それぞれのお弁当を摘み、楽しそうに談笑しながら食べる三人の間には先程の暗い雰囲気は感じられなかった。
そして、昼食を食べ終わって休憩していた三人は頂上を目指して歩き始めた。上に続く道を歩いていると、真姫がある物を発見して二人に声をかけた。
「ねえねえ 二人共。あれを見てよ」
「うん?どうしたの?真姫ちゃん」
「何か、面白いものでもあったの?」
「ええ あれよ」
「わあ!ここはロープウェイもあるんだね」
「何か面白いものがあると思ったら、ロープウェイの事かにゃ」
真姫が指を指す方向に凛と花陽が目を向けると、一台のロープウェイが見えた。それを見た花陽は驚いていたが、凛の反応はあっさりとしたものだった。
「何かとは何よ。というより、その様子だと凜はロープウェイの事を知ってたの?」
「そういえば、二人にはロープウェイの事を言って無かったにゃ」
「うん。私は知らなかったよ」
「それなら何でもっと早く言わないのよ。初めから知っていたら、頂上だって楽に行けたじゃないの」
ロープウェイの事を黙っていた凛を真姫は問い詰めるが、凛は何処吹く風で真姫に言葉を返した。
「それじゃあ、ハイキングの意味が無いにゃ。それにあのロープウェイは下りる時しか使えないよ」
「え?それはどうして?」
「頂上までの道は木がいっぱいだったでしょ?昼間はいいけど、夜は真っ暗になって何も見えなくなるにゃ。道には外套も無いし、それで迷って道を外れる人もいるからそうならない様に登った人はあれで下に行くんだよ」
「へえ~ そういう事だったのね。それなら帰りは楽そうね」
「ロープウェイからの景色も結構すごいんだにゃ。それにロープウェイが見えたという事は、頂上まであと少しだよ」
「それじゃあ、気張って行きましょ」
「うん」
「二人共。ファイトを込めて行っくにゃー!」
凛の話で頂上が近い事を知り、三人は軽い足取りで歩き出す。それから30分程 歩いた頃、三人はついに頂上の展望エリアに到着した。そこから見える光景に三人は目を瞠る。夕日が照らされた町並が言葉に出来ない程、美しかった。
「すごいね。こんな風景が見れるなんて想像してなかったよ」
「ええ 天気がいいから遠くまで見えるし、それに夕日がとても綺麗だわ」
「でしょ?凛は此処から見た風景が好きだにゃ。それを二人にも見せたかったんだよ。凛の大事な友達に」
「凛…」
「凛ちゃん…」
「あはは 今日の凛はいつもの凛らしくないよね」
照れ笑いを浮かべる凛を挟むように並んだ真姫と花陽は凛の手をそっと掴む。突然の事に凛は驚いて、二人を見ると真姫と花陽は柔らかい笑みを浮かべると凜に話しかけた。
「いいんじゃない?偶にはそんな自分でもね。私はそっちの凛も好きよ」
「それにいつもの凛ちゃんもいいけど、今日の凛ちゃんも魅力的だよ」
「真姫ちゃん かよちん」
「凛には感謝もしているの。今日、ハイキングに誘ってくれなかったら、この風景も見る事は無かったもの」
「私もそうだよ。凛ちゃんのお弁当もお弁当も美味しかったからね」
「ありがとう。凛も二人と一緒にハイキング出来て良かったよ。いつか、三人一緒にまた来ようね。」
「ええ 三人一緒にね」
「うん 約束だよ」
三人は沈む夕日を見て、約束を交わす。いつか、三人でまた来ようという大切な約束を‥
この日の事も凛の忘れられない思い出となる。
今回の凛誕生記念はいかがだったでしょうか?
三人の絆と強い友情を読んでくれた読者さんも感じてくれたらうれしいです。
誤字等があれば、報告お願いします。
感想の方もお待ちしています。