今回はタイトル詐欺ですはい。ぶっちゃけ『剛の過去になにがあったのか?』がサブタイトルです。というわけで今回は剛の過去が明らかになります。
ではどうぞ!
「ボーデヴィッヒの様子が最近おかしい?」
学校への潜入捜査を初めてから2週間。もうそろそろ夏休みに入ってしまう今日この頃。シャルロット・デュノアが私のところへ悩みを持ってきた。事件が解決していない今、本当は悩み相談所などやっている暇なんてないが私が始めた事を中途半端で投げ出すことはしたくない。
「最近妙に考え込んだり、電話の相手を怒鳴ってたりして。心配なんです!最近は大好きなプリンまで手をつけなくなって」
「確かにそれはおかしいな。だが心配ならお前が聞いてみたらいいんじゃないか?」
「聞いてみても『今は話せない』の一点張りで」
ボーデヴィッヒは無類のプリン好きであり、クラスメイトのプリンを片っ端から喰らっていたこともある。ベルトさんは『プリンイーター』と呼んでいた。しかし最も親しいデュノアにも相談出来ないことなのか?
「そうか・・・・なら私もボーデヴィッヒに聞いてみる。があまり期待するなよ」
「え?は、はあ・・・・」
ボーデヴィッヒには初めて出会ったときから違和感があった。私と同じような気がする。しかし今ボーデヴィッヒが何処にいるのか検討がつかない。最近じゃ部活にも顔を出していないとか。
とか思いながら捜すこと一時間。学校の屋上にボーデヴィッヒはいた。銀色の髪を靡かせながらコーヒー片手に街を見つめている。
「何か見えるのか?」
「!・・・・織斑先生ですか。驚かさないでくださいよ」
「驚かすつもりはなかったんだがな。それでどうした?悩みがある顔をしているが」
「先生には話せませんよ。こんな子供みたいなこと」
「子供みたいなことかは私が決める。話すだけ話してみないか?勿論無理にとは言わないが」
そう言ってフェンスにもたれ掛かる。私ことだが良いこと言ったな!しかしボーデヴィッヒが『子供みたいなこと』と言い切る位の悩みか・・・・
「実は私・・・仮面ライダーに出会ってからずっと憧れているんです。出来れば仮面ライダーになってみたいんです」
うんお前の目の前に仮面ライダーいるよ?仮面ライダーと出会ったということはグローバルフリーズのときに私以外の誰かと出会っているのだろう。
「仮面ライダーになってどうしたいんだ?」
「そうですね・・・・私にもよくわかりません」
「そうか・・・・実はな私も仮面ライダーと会ったことがあるんだ」
「先生も仮面ライダーと出会ったんですか!」
「ああ何人にかな。彼らは人々の自由と平和の為に戦っていた。でもな、何人かの奴らは自分の目的のために人々の敵になることもあった。まあ何が言いたいかと言うとな、目的がハッキリしない内はその夢を追いかけるな、ってことだ」
「・・・・」
「あいつらはそれぞれ人々の味方と敵に別れているが、ハッキリしているのは“自分の目的”だ。それがある内は自分の道は決して外れないんだ」
「・・・先生には自分の目的があるんですか?」
「私か・・・・」
私は成り行きでベルトさんと出会い、そして人々を守るためにドライブに変身した。しかしその“守る”というのは警察官としての正義感からくるものだろう。一人の人間として仮面ライダーに変身したら何をするか分からない。もしかしたら危険な殺人鬼になっているかもしれない。それを可能にするぐらい仮面ライダーとは危険な存在なのだ。
「私は皆を守るよ。例えそれが絶望的な状況になっても、絶対に諦めない、諦めたくない」
「・・・・まるで既に仮面ライダーみたいですね。羨ましいです」
みたいじゃなくて本当に仮面ライダーなんだけどね。ボーデヴィッヒの表情はさっきまでの悩んだ顔ではなく、少し吹っ切れた顔になっていた。
「今日は帰ります!相談にのっていただき、ありがとうございます!」
「すまんな、私がほぼ一方的に話しただけだったが」
「いえ、相談にのっていただいただけ有り難いと思っていますので。今度お礼に一杯どうですか?」
「・・・・全く。生徒の前ではそんなこと言うなよ隊長」
ここに来る前にボーデヴィッヒについて少し調べていた。彼女はドイツ出身だ。生年月日は私の生まれた1ヶ月後。つまり彼女は高校生ではなく、私と同じ成人女性なのだ。しかもドイツ軍の特殊部隊の隊長を勤めている。
「それにしても何故お前はこの学校に通っているんだ?軍の仕事はどうした?」
「それが・・・・ある女に『日本の穂群原学園に行けば仮面ライダーに出会える』と言われて」
「それで日本の学校に来たと。はぁ・・呆れた」
「ハハッ・・・・そうですよね。それで軍から早く帰ってこいと連絡がありましたし」
「まあ目的が決まるまでここにいればいいさ。誰もお前が消えていいなんて思っていないんだからな」
ボーデヴィッヒと階段を下りながら日常的な会話を続ける。ともあれこれで生徒の悩みを1つ解決したのだ。
翌日、デュノアにこの事(彼女の年齢とドイツ軍の事以外)を伝えたとき『ラウラらしいです』と嬉しそうに笑っていた。これでまた一人の悩みを解決した。
そんな気分の良い私の耳に悲鳴が届いた。現場に駆けつけるとそこには数名の生徒が倒れていた。意識はなく気絶しているみたいだ。
(階段から落ちたには不自然だな。何処も打ったあとがない。ん?)
野次馬の中から足早に立ち去る一人の男。そいつは私と目があった瞬間に立ち去った。どう考えても奴が怪しい。駆けつけた山田先生に生徒を預け私は男を追った。
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「どうだ?少しは分かるようになったか?」
「わかんねぇよアレ。クロックアップを見破るなんて」
「お前が言い出しっぺだろ?ならやれよ」
加賀美さんとの特訓は過酷なものだ。と言っても過酷なものにしたのは俺だけど。クロックアップを見破る。そう言ったのは俺の方だ。クロックアップは簡単に言えば『他の動きがゆっくり見える状態』らしい。その状態ならクロックアップしていない相手のカウンターは食らわないらしい。なら食らわすことが出来れば俺の力はだいぶ上がったことになるはずだ。
「しっかしクロックアップを見破るなんて俺でもしなかったぞ。なんでそこまで必死なんだ?」
「ロイミュード・・・・ロイミュード004を倒すためです」
「なんか個人的な理由があるみたいだな」
「・・・・先輩が004のせいで今も意識不明なんです」
「先輩?」
「俺がアメリカに留学していた時に通っていた大学の先輩です。セイバー・ジョセスターフって言うんです。イタリアから留学していたんです。」
本当に仲良くしてくれた。でもあの時・・・・
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「ほらゴウ!早くしてくださーい!」
「ちょっと待ってよ先輩!」
その日は先輩と映画を観に行く予定だった。なんでもアメリカで先行上映される映画らしい。勿論全て英語だ。サッパリ分からないだろうが先輩がどうしてもとせがむから一緒に観に行くことになった。
「何とか間に合いましたねゴウ。そうだゴウ、今日の服はどうでしょう?オシャレしてきたんですが」
「ん?ん~まあ似合ってるよ先輩。あれ髪型も変えたんだ」
「oh!気づきましたか。どうです?可愛いですか!愛しいですか!ラブラブしたいですか!!」
「ちょっと待ってよ先輩!?確かに可愛いけどさ、俺彼女いるからね!日本で待ってるからね!」
「ならアメリカ限定の彼女ならどうでしょー!」
「いやそれ二股!」
「フタマタ?」
先輩との会話は疲れる。でもそれが留学中の癒しでもある。もし俺に彼女がいなかったら先輩と付き合ってるかも。そんなこんなで映画が始まる。そしてその30分後・・・・全てが遅くなる。グローバルフリーズが始まったんだ。
ドゴォン!!
映画館の入り口が吹き飛ばされる。そこから入ってくる怪物。この時怪物=ロイミュードは1体だけ。そう004だ。この時奴は片っ端から人を殺していった。それもただ胸を殴っていくだけで。じゃあ何故死んだってわかるかって?音がしたんだ。パァンって。その瞬間人が倒れていった。
(不味い!このままじゃ先輩まで殺される!)
先輩の目は脅えきっていた。俺だって足が震えている。それでも先輩だけでも逃がさないと。幸いにもこの映画館には入り口が二つある。もう1つの入り口から入ったからそっちから出りゃ先輩を逃がせれる。でも、
(くそっ!思った以上に動けねぇ!)
近付いてくる怪物。逃げたくても逃げれないもどかしさが俺を苛立たせる。そして怪物が目の前に迫ったとき、
「そこまでだ!」
一人の男が怪物を吹っ飛ばした。そいつはこのゆっくりとなった時間の中ただ一人動いていた。そうこの男がエミヤシロウだった。腰にベルトを着けるとバイクみたいなアイテムを装填し、
「変身!」
『ライダー!マッハ!!』
変身した。これが後に俺が変身することになる仮面ライダーマッハのプロトタイプ、仮面ライダープロトマッハだ。プロトマッハの右肩にはタイヤがついてなかったんだ。まあその時はそんなことどうでもよかったんだけど。
「せいっ!」
プロトマッハは双剣を作り出し004に攻撃を仕掛ける。突然の攻撃に004は攻撃を食らうがすぐに体勢を整え攻撃を仕掛ける。一新攻防の戦い。プロトマッハは周りの人に被害を出さないように戦闘をしている。
「これで終わらせる!」
『ヒッサツ!フルスロットル!!マッハ!!!』
「セイヤァァァァ!!!」
プロトマッハのキックは004を粉砕した・・・・ように見えた。004は火花を散らせながらこちらに振り向き、先輩に矢を突き刺した。その場に倒れ込む先輩。そして004は、
「お前は誰一人救えんのだ」
俺に向かってそう言った。そして笑いながら砕け数字(後に知るコアと呼ばれる部分)だけが飛んでいった。本当にその通りだよ。俺は先輩を守れなかった。悔やんでいると時間がもとに戻る。グローバルフリーズが終わったんだ。自由に動けるようになった他の観客は一目散に逃げ出す。劇場に残ったのは俺とプロトマッハ。そして倒れた先輩。3人だけになった劇場には映画のエンドロールが響いていた。
「彼女はまだ死んでいない。今はそれしか分からん」
翌日、エミヤシロウの家で先輩はまだ生きていると言われた。俺はそれだけで安心したと同時に自分の無力さを痛感した。俺は何も出来なかった。時間の止まった世界だからといってもそれは言い訳にしかならない。
「君は・・・・戦う力を求めるか?とこれでは悪の組織だな」
「戦う力・・・?」
「変な言い方になってすまない。だがこう言った方が手短でね」
「それは・・昨日のアレか?」
「アレはまだプロトタイプだ。しかもアレはどうも私と相性が悪くてね。どうやら魔術師は機械と向き合わない方がいいかもしれん。そこで君に声をかけさせてもらった訳だが」
「やるよ。やってやる。今までの何も出来なかった俺から変わりたいんだ」
「力を獲ればその分代償も大きいが、それでもやるかね?」
答えは揺るがない。先輩を意識不明にしたのは004だ。でもそれから救えなかった俺の責任でもある。これはそのせめてもの償いだ。いやこんなことでは償いにもならないかもしれない。それでも、
「やる」
「・・・・そうか。なら君に伝えることが1つ。君は死んではならない。それこそ彼女は救われないんだ。分かったな」
そして俺 篠ノ之剛の戦いの日々が始まったんだ。そしてそれからいろんなことがあった。姉ちゃんが亡国に連れ去られたり、世界中を回ってロイミュードを撲滅したりした。そして日本に帰ってきて姐さんが仮面ライダードライブと知った。そして一緒に戦ってきて、チェイスも仲間になって・・・・そんで今ここにいる。これが仮面ライダーマッハとして戦う前の記録である。
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私はその男を追いかけて学校を出た。異様にも奴の足は早い。私でも中々追い付けない。そして奴が曲がり角を曲がり私も追いかけた先に、
「っと・・・お前は、剛とチェイスを倒した“黄金の騎士 仮面ライダーマルス”とやらか」
「仮面ライダードライブ、織斑千冬だな。ここで消してやろう」
『気を付けろ千冬、奴の力は未知数だ!』
「ああ、分かってる。変身!」
『ドライブ!タイプスピード!!』
ドライブに変身しハンドル剣を構える。それと同時にマルスは剣を盾から引き抜く。ビリビリと空気が震える。こいつは久し振りの強敵の予感だ。
「ひとっ走り付き合って貰うぞ!」
ラウラは大人だった!しかも千冬と同い年です。
そして004について。今回アメリカで004をシロウが倒したわけですが、分かってると思いますがグローバルフリーズの時日本で千冬が001から009までを倒しています。勿論004も。なら何故?それが004の能力なんです。詳しく説明するのはちょっと先になりそうです。
次回は箒と鈴の悩み相談です。相談を受けるのは最近出番のないチェイス!ロイミュードは人間の悩みを理解できるのか?
では次回もひとっ走り付き合ってください!