?「サブタイトルでバレバレかな?まあとりあえずバッチリミナー!」
『対象1体の消滅を確認。残り2体は逃走』
「そうか・・・・マコトとアランは取り逃がしたか」
薄い光を放つ石板の様なもの。その石板の光を上から浴びながら会話しているのは二人の男。
一人は黒い服を着ている。それはこの世界の制服の様なもの。男の服はその中でも上に立つ者の服装だ。
もう一人は白いボディスーツを着ている。かなり体のラインが出てしまうピッチリめの服装だ。
そしてこの二人の最大の特徴は・・・・どちらも同じ顔をしていることだろう。兄弟でもここまで似ることはないだろう。最早これはドッペルゲンガーと呼んでもいいだろう。
「では天空寺タケルを処分せよ。お前の世界でな」
その言葉を聞くと白い服の男は突如現れた穴に入っていき姿を消した。
「しかしすごい力だ。まさか平行世界に関与するガンマイザーがいるとは」
ガンマイザー。それはこの世界の守り神のような存在。そしてこの世界は『眼魔』と呼ばれる存在の暮らす世界。この男=アデルはこの眼魔の世界の長である。
「さあ天空寺タケル。お前はどうする?」
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「・・・・ん?・・・・あれ?」
体を起こす。寝てた?いや起きたのだから寝てたのだろう。しかしこれは・・・・
「俺のベッドじゃない?千冬姉のでもないし」
そういえば千冬姉は大丈夫だろうか。嫌な予感しかしない。いや俺がしっかりしないと、千冬姉の方が心配しちまう。
しっかしどこなんだここは?取り合えず部屋を出てみる。うん間違いなく俺の家じゃない。なんだこのバカみたいに長い廊下は?
「取り合えず・・・・どうしよ?」
下に降りてみる。誰もいな・・・・いや一人いる。
「あ、お目覚めですか一夏様。おはようございます。今日も清々しい朝でございますね」
誰だ?いやさっぱり分からない。ホントに誰なんだ?
「えっと・・・・君は?」
「いやですね一夏様ったら。カタナですよ?」
「え?あ、あーーああ。そう、だったな。悪いボケてた」
目の前のメイド姿の女性は『カタナ』というらしい。俺自身そんな人物は知らないが向こうは知っている。ならあわせないと。
「今日の朝食はこちらになります。ではご用がありましたらなんなりと」
それだけ言うとカタナは部屋を出ていった。ホントに誰なんだ?いや可愛いけどさ。多分あんな水色の髪をしていても可愛いのは顔が整っているからだろう。
「あ、美味しい」
「ありがとうございます」
「うわっ!ビックリした、急に声をかけないでくれ」
「あ、申し訳ありません!つい嬉しくて」
俺の使用人?ってだけあってこんなことを言われるのは嬉しいみたいだ。俺もこんな味になればなぁ。
「では学校の支度も出来ておりますので」
「学校?」
時刻は7時30分。学校に行くにはまだ余裕がある。少しゆっくりできるな。
「そんなにゆっくりでよろしいのですか?ここから学校まで歩いて1時間。車で30分ですよ?しかもこの時間帯になると朝の通勤ラッシュで渋滞しますし」
え?歩いて1時間?嘘だろおい!どんだけ遠いんだよここ!急いで朝食を押し込むと制服に着替える。
「お車の方を玄関にまわしておきますか?」
「いい。走っていくから。んじゃ行ってきます!!」
「行ってらっしゃいませ一夏様」
「あれ?何処の学校に行けばいいんだ?」
◇
結局何処の高校か分かったものの時既に遅し。正門は閉じており授業も始まっていた。遅刻と欠席だけはしない俺だったが遂に欠席してしまった。やはり学校探しに時間をかけすぎたみたいだ。
「はあ、どうしよ」
現在商店街を歩いている。制服を着ているとサボりと怪しまれるので学ランは脱いで鞄に突っ込んでいる。
「取り合えず家に戻るか?」
彼処が家と言えるのか分からない。第一ここは冬木じゃなかった。『岩間町』って言うらしい。でもここは本当に存在する町なのか?『くーくる先生』で調べてみたが一件もヒットしなかった。怪しさ全開だが町の人は何も気にしていないようだ。やっぱり気のせいかな?
『ダメだ!疑い続けて!自分を信じて!』
「え?誰?」
誰かに声をかけられたような気がした。でも周りを見ても誰も俺を呼んでいないような。
「空耳か?」
おかしなことが多いな今日は。起きた時もなんか変だったし。
◇
「ただい・・・・ま・・・・怒ってる?」
「当然です!そこに座ってください」
「あ、はい・・・・」
一応の家に帰るとカタナが大変ご立腹のご様子で玄関に立っていた。朝とは大違いだぜ。
「今日学校から連絡がありました。『一夏君が登校してませんがお休みですか?』って!何処に行っていたんですか!」
「わ、悪い!でもさ・・・・たまには学校もサボりたくなるよ」
取り合えず笑っておく。しかし相手はそんな俺を見てなお怒りメーターを上げていく。これは敵わないな。
「ごめんなさい」
「・・・・心配したんですよ?電話があってからすぐに出てあなた様を探しました。でも何処にもいなくて。もしかしたら事故をおこしてしまったのではと」
「ごめん。心配してくれてありがとな。明日からはちゃんと学校いくから」
思わず泣きそうなカタナを慰めの意味で頭を撫でる。泣くのはギリギリ止まってくれたけど、今度は逆に顔が赤くなっている。風邪でもひいたか?
「と、とりあえず!今回の件は無かったことにしておきます」
「ありがとう。ところで今日の晩御飯は」
「一夏様を探していたので作れておりません。買い置きのカップラーメンでお済ませください」
「・・・・・・・・はい」
◇
次の日、カタナはキチンとご飯を作ってくれたし機嫌も直っているみたいだ。ただ顔を赤くしているが。本当に大丈夫か?
学校にもキチンと行った。授業は分かりやすかった。俺の知っている人はいなかった。でも向こうは俺を知ってくれていた。
そして学校から帰る途中、
「なんだ今の音?」
帰り道の工場近くから大きな音と金属と金属のぶつかる音が聞こえる。たしかここはもう使われていない筈だ。まあ不良が何かしているのかも。そう思ってスルーしようとしたら、
「え?お、おい!何処いくんだよ!」
鞄の中から千冬姉からのお守りがひとりでに飛んでいく。何かに引っ張られるように。そしてお守りが止まったところは不良なんてカワイイものだと思えるレベルの人?がいた。
「仮面・・・・ライダー?」
一人は恐らく仮面ライダーだろう。メインは黒でオレンジの縁が入っているパーカーを着ている。手には刀を持っている。
そして二から十までは人とはよべなかった。それは明らかに怪人と判断できる姿ではなかったからだ。真っ黒の姿で小刀を振り回して仮面ライダーと戦っている。
「くっ!ムサシ!」
『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』
『カイガン!ムサシ!決闘!ズバッと!超剣豪!!』
仮面ライダーはベルトに赤い丸いものを装填するとベルトからパーカーが飛び出した。それはまるで幽霊みたいだ。パーカーは仮面ライダーに被さると仮面ライダーは刀を変形させ二刀流にする。そこからは流れるような作業だった。二刀流で次々と敵を切り裂いて倒していく。
「スゲェ。千冬姉以上か?」
千冬姉も二刀流で稽古するときがある。その時は『千冬流奥義』なんてものを使ってくる。正直見た目重視の技ばかりだ。
「はあっっ!!」
最後の1体を倒すと仮面ライダーは変身を解除した。何となく着物を改造したような服を着た茶髪の男。歳は俺と近そうだけど。男は俺に気づくと駆け寄ってきた。
「君!大丈夫?怪我はない?」
「ああ、大丈夫です。むしろ俺の方から寄ってきたので」
「そうなんだ。あ、俺天空寺タケル」
「織斑一夏です。タケルさんは仮面ライダーですか?」
「うん。仮面ライダーゴースト、って君見えたの?」
「え?仮面ライダーって見えないんですか?」
「いや俺の場合ゴーストだから・・・・ん?その手のは」
タケルさんは俺の手に持っている物に気づいたようだ。やはり気になるのか?
「ねえ、それって」
「姉から貰ったお守りです」
「え?お姉さん!?」(泊さん、実は女だった?いやでも『織斑』って言ってるから違う人?)
「実は姉も仮面ライダーなんです」
「(やっぱり泊さんは・・・・実は織斑って名前だった?)へ、へえ。そうなんだ」
「なんか変な汗かいてますけど?」
タケルさんは大丈夫と言って深呼吸している。そして思い出したように俺に聞いてきた。
「ねえ、織斑君は何か感じない?こう世界が違うような」
「感じまくりですよ。朝起きたら家が違うんですよ!違和感ないほうがおかしいですよ」
「でもこの世界ではそれが当たり前になってるんだ」
「え?どういうことですか!」
「この世界はね、ガンマイザーっていう敵が作り出した疑似世界なんだ。俺はその調査中にガンマイザーにこの世界に入れられた。多分出るためにはガンマイザーを倒せばいいと思うんだけど」
「疑似世界って・・・・じゃあこの世界は偽物?」
「世界は偽物だけど、この世界の人は皆本物だよ。いろんな平行世界からガンマイザーによってこの世界に連れてこられたんだ。そしてガンマイザーによってこの世界の当然の住人として過ごしている」
「つまり記憶や経験がこの世界で過ごしたものになっている?」
「そう。例えば元の世界でサラリーマンだった人も、この世界では俳優として過ごしていることになっているんだ」
それじゃあカタナも?でも何で俺はその影響を受けてないんだ?
「多分君はそれのおかげで記憶改竄を免れたんだと思う」
「こいつのおかげか」
手に持っているお守りを見る。こいつのおかげで記憶改竄を受けなかったり、タケルさんと出会えた。お守り様々だな。
「君が元の記憶を持っているとなるとガンマイザーも襲ってくるかもしれない。今夜はそっちに泊まっていいかな?」
するとタケルさんのお腹から空腹を知らせる音が。
「実は昨日から何も食べてなくて」
◇
「ご馳走さま。美味しかったよ」
「ありがとうございますタケル様」
「そんな様だなんて。タケルだけでいいから」
「かしこまりましたタケル様」
「・・・・・・・・」
3人で夕飯を済ませタケルさんと今後について話を始める。ってかタケルさん・・・・
「カタナを見すぎですよ」
「え!い、いやそんなジロジロ見てないけど。可愛いよね」
「ですね。まあ俺には心に決めた人がいますけど」
「え!そうなんだ。青春だね」
「そんな青春だなんて。まだ告白する勇気もないヘタレですよ俺は」
「心に決めて誰を見ても揺らがないその思いは確かだと思うよ?」
タケルさんは18才らしい。俺と少ししか違わないのにこんなに大人びてるなんて。これが仮面ライダーの力か?
「早速だけどガンマイザーはいつ現れるか分からない。今日かもしれないし、明日かも。下手をすればずっと現れないかもしれない。そこは分かってくれ」
「はい。覚悟はできてます」
「うん。じゃあそれだけ」
「え!?これだけですか?」
「うん。ガンマイザーは本当にいつ現れるか分からないからね、一旦寝るよ」
おやすみーとタケルさんは寝てしまった。なんとも気が抜ける仮面ライダーだ。
◇
「手伝うよ」
「あ、一夏様!いけませんあなた様は休んでおいてください」
「悪いな、これが俺にとっての休みなんだ」
有無を言わせず皿洗いを手伝う。カタナは手際が良くていいけど・・・・話すならここしかない。
「なあカタナ」「一夏様」
「「・・・・・・・・」」
「ではお先に失礼します。一夏様は意中の女性がいらっしゃるのですか?」
「いるよ。っても今は会えないけどな」
「今は?」
「うん。こっから俺から話したかった内容になるけど、俺は別の世界から来たんだ。俺だけじゃない、信じられないかもしれないけど君も」
「・・・・・・・・ええ知っております」
「そっか・・・・・・・・ってえええええ!?」
嘘だろ?まさかこの人も仮面ライダーなのか?
「私の世界にもあなた様がいます。ですからこうして一緒に過ごせて嬉しかったです。私は貴方が好きだから」
「そうか・・・・え?マジで?」
「マジでございます。ですからずっとこの事は黙っておりました。と言いましても私も貴方と同じ日にこっちに召喚されましたからそれほど日はたってませんが」
カタナはこの世界が楽しかったんだ。少ししか話してないが俺と一緒にいられて嬉しかったんだろう。
「でも俺は」
「分かっております。タケル様と共にこの世界を壊すのですね」
「・・・・ああ」
「・・・・ふう。お任せましました一夏様」
「え?なんで?俺はてっきり止めるのかと」
「貴方を見ていて理解が出来ました。貴方という人間を。ですからもう大丈夫です。この世界を・・・・頼みます」
何も言えなかった。カタナはこの世界の方が楽しいだろうに、俺やタケルさんがこの世界を壊そうとしても止めなかった。彼女は本当に優しい。
「泣かないでください一夏様。貴方が泣くとこちらまで・・・・」
「・・・・ごめん。でも、ありがとう。俺達がこの世界を壊す。だからその時まで・・・・」
その日は夜が明けるまで一緒に過ごした。
◇
「いきなり現れたなガンマイザー」
突如空間が裂けると中から怪物が現れた。紫色の怪物。あれがガンマイザーなのだろう。ガンマイザーは大量の雑魚を召喚する。
「一夏君、下がって」
タケルさんが腰に手を当てるとベルトが現れ、その中に黒い目玉のようなもの=アイコンを装填する。そしてベルトから現れたのは黒いパーカー。俺が始めてみたやつだ。
『バッチリミナー!バッチリミナー!』
「変身!」
『カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』
タケルさんは仮面ライダーゴーストへ変身して雑魚達へ立ち向かう。その剣捌きは俺もしっかりと目に焼き付ける。しかしガンマイザーには力不足なのか圧倒されている。
『消去、開始』
「うわああ!!」
ガンマイザーの攻撃をくらい俺の方まで吹っ飛んでくる。
「大丈夫ですかタケルさん!」
「大丈夫。そうだ!シフトカー貸して!」
「シフトカー?ああカーっていうぐらいだから」
お守り、いやシフトカーをタケルさんに渡すとタケルさんは印を結ぶ。するとシフトカーは煙に包まれ、
「パーカーになった!」
「前のやつは無くなっちゃたからね。ちょっと借りるよ!」
パーカーはベルトに吸い込まれる。するとベルトから赤いアイコンが排出される。まるでガチャガチャだ。赤いアイコンをセットすると再びパーカーが現れる。
『バッチリミナー!バッチリミナー!』
『カイガン!ドライブ!警官!正義感!タイヤコウカーン!!』
パーカーを纏うとゴーストの顔はドライブの顔と同じになっている。ゴースト的にいうと『ドライブ魂』と言ったところだろう。
「ひとっ走り付き合ってもらうぞ!あれ?前と若干台詞が違う?」
ドライブ魂がフルスロットルでひとっ走りすると雑魚達があっという間に倒された。普通に強い。流石千冬姉の力だ!
「次はお前だ!」
『新たな驚異を確認。消去、開始』
『ダイカイガン!ドライブ!オメガドライブ!!』
タケルさんはハンドルのついた剣を構える。その構えはただ腰に剣を添えるだけ。俺はそれを知っている。千冬姉の十八番。本当の奥義。
「明けの境界」「明けの境界」
ガンマイザーに一降り。たったそれだけでガンマイザーの胸にあった球体が破壊される。それと同時に空に穴が開く。どうやらアレがこの世界を維持しているような物だったらしい。つまりこれで帰れるのか。
「一夏君!これ!」
「っと!もういいんですか?」
「うん。それとごめんね、形変えちゃって。まあ俺からの祈りも入ってるってことで!」
「いえそんな。それより早くしないと!」
「俺はこいつ倒してからいくよ。君は絶対に帰るんだ。待っている人が沢山いるんだからね」
「タケルさん・・・・はい!帰ります。だからタケルさんも!絶対に帰ってくださいよ!タケルさんを待っている人もいるんですから!」
「うん!また会おう一夏君」
そして俺の体は光に包まれた。
◇
「一夏様!」
「カタナ!どうして?」
「最後に伝えたくて。私頑張りますから。元の世界でも貴方と一緒に過ごせるように頑張りますから。だから!」
「おう!よろしく頼むぜ。きっとそっちの俺もそれを望んでる。お前と一緒に過ごせることを!」
「はい!一夏様も、意中の女性を泣かせるようなことはしないでくださいよ!」
「ああ。そんじゃあサヨナラ。元気でな刀奈!」
「!・・・・はい!」
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「あとはお前だけだガンマイザー!」
『更に新たな驚異を確認』
『ムゲン進化!チョーカイガン!ムゲン!
KEEP・ON・GOING!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!!』
『イノチダイカイガン!ヨロコビストリーム!!』
『驚異、対処不能』
「ふう。終わった。さて俺も帰らなくちゃ。アカリ達が待ってる」
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「!!・・・・帰ってきたのか」
現在ソファの上。うん間違いなく俺の家のソファだ。そしてだんだんと思い出してきた。
あの時千冬姉を送り出した後、急に光に包まれたんだ。あれがガンマイザーの仕業だったのか。
「ったく今思い出しても意味ないんだよ」
刀奈はどうするのかな?まあゆっくり時間かけりゃ俺ぐらい落とせるだろう。彼女にはそれほどの魅力があるのだから。これでダメだったら俺がブッ飛ばしてやる。
「・・・・どうやら向こうと同じ時間を過ごしたみたいだな」
テレビをつけ日付を確認する。平行世界は時の流れが違うなんて偉い人が言っていたけど、まああれは疑似世界だしな。
「千冬姉・・・大丈夫かな」
俺は千冬姉の無事を形の変わったお守りを持って祈る。絶対帰ってきてよ千冬姉・・・・
一夏「刀奈はまあ知ってると思うけど『メイド姿の会長』だ!可愛いな!」
タケル「浮気はダメだよ!」
一夏「分かってますよ!さて『激闘の1週間』も残り2話!最後までひとっ走り付き合ってくれよな!」