翌日の早朝
「トビアくん!起きなさい!」
ジャージ姿の楯無がトビアが被っている掛け布団を引っペ返した。
「ん…んん……先輩…?まだ5時ですよ……?」
「朝練よ!ホラ時間ないから早く着替える!」
「…ふぁ〜い……」
寝ぼけながらゆっくりと着替えているとお尻を叩かれる
「ちゃっちゃと着替える!」
「は、はいっ!」
トビアは楯無に急かされ速攻でジャージに着替えさせられ、外に連れていかれる。
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寮の外、まだ外は薄暗かった。
「うぅ……寒っ…」
トビアは身を抱えている。
「だらしないわね〜、心頭滅却すれば火もまた涼しって言うでしょ?」
「これ以上寒くするつもりなんですかっ!?」
「心配しなくてもこれから熱くなるわよ、今日のところはコースを覚えるためについてきてね」
そう言い楯無は走り出す。
「コース?」
トビアは疑問に思いながらついていく。
楯無は走りながら説明する。
「私って毎日朝早くどっか行ってたじゃない?」
「はい?」
「その時ね、この学園の敷地内走ってるってことよ」
「学園の敷地内って………すごい広いですよね………」
「うん、じゃあペース上げるわよ!」
「え…!?あ!!」
楯無はもともとはやかったペースをさらに上げた。
元々宇宙暮らしで重力化の生活には多少の難を感じていたトビア、だが何度か地球に来ているうちに慣れはした。木星戦役時、ガンダムのパーツを買いに行くときも山道を数km歩いた。
だが、歩くとの走るのではまったく別だ。
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「……っ!はっ!………くっ…!……」
トビアは楯無のペースについて、敷地内を数周した。
「これから毎朝走るからコースも覚えておいてね」
「ま…毎朝…?」
「さ!帰って朝ご飯食べちゃうわよ、はやくしないと学校も遅れちゃうしね」
楯無は部屋に戻っていった。
「毎朝これか……」
トビアもヨロヨロと部屋に帰った。
部屋では楯無の用意したご飯も全然食べられなかった。
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1年1組
トビアは現在机の上に突っ伏していた。
朝食後、部屋のシャワーに入っていた時に楯無も入って来たりなどそういう余計な疲労も重なって、まだ朝なのにクタクタである。
そして……
バンっ!とトビアの頭に出席簿が襲いかかる。
「……………?」
ムクっと起きるとそこには千冬がいた。
「もう授業始まっているのだが?よく居眠りなんて出来るな?」
「織斑先生……」
「まったく…とっとと準備しろ」
その後トビアはとても疲れた顔で授業を受け続けた。
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放課後
「トビア、なんかあったのか?」
トビアに一夏が話しかけてきた。
「大丈夫、ちょっと疲れただけだから」
「そうか?ならいいけどさ。それよりこの後ISの特訓するんだけどトビアもどうだ?」
「ごめん、俺このあと職員室行くからさ」
「そうか、じゃあまた明日な」
「うん、また明日」
トビアは職員室のほうまで歩いて行った。
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職員室
「すみません、織斑先生は居ますか?」
トビアはドアを開け中を確認する。
「アロナクスか、ちょうど私もお前を探していたところだ」
千冬がトビアに気付き話しかけてきた。
「探してた?」
「あぁ、クラス代表の件でな」
「それなら俺も同じです、俺…クラス代表辞退したいんですけど…ダメですか?」
「ほう…?理由を聞こうか?」
「はい、俺は本来この世界にいない人間、いや…いてはならない人間です……だから…」
「だからこの世界ではあまり目立たないようにと?」
「はい……」
「残念だがそれは不可能だ、お前は既に二人目の男性操縦者ということで世間からも注目されている。その時点でもう目立っているのではないのか?」
「そうですよね…」
「お前はこれからどうするつもりなんだ?」
「どうするって…?」
「仮にもすぐ帰る方法が見つかったとする。そしたらお前はすぐに帰ってしまうのか?」
「それは……俺も色々考えましたけど…少なくともここでの3年間は一夏やみんなと一緒にいるつもりです。」
「…そうか、ならその3年間は思いっきり楽しんだらどうだ?」
「………え?」
「どうせ3年間はここにいるんだ。楽しむか楽しまないかだったら楽しんだほうがいいだろう?」
「それは…そうですが…」
「とりあえず今回のクラス代表の件は了解した、それとこれからは私の言ったことを忘れずにな。お前がどこから来たにしろ、私の生徒には変わりないんだからな」
千冬はトビアの頭をポンポンと叩き職員室に戻っていった。
「楽しむ…か…」
トビアは待機状態のガンダムを見て呟く。
「………あっ!そう言えば放課後先輩に呼び出されてたんだ!早く行かなきゃ怒られるっ!」
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アリーナ内
楯無はISスーツに着替えてアリーナ内で待っていた。
「すみません!今来ました!」
そこにトビアが息を切らしてやって来る。
「もうっ!遅いわよ!お姉さんだって暇じゃないんだからね!?」
「すみません、先生と少し話してて…」
「まあいいわ、それよりアリーナの使用時間も限られてるしちゃっちゃと始めるわよ!」
「始めるって何を…?」
「決まってるでしょ、特訓よ。朝はランニング、夕方はアリーナでISを使った実戦ってこと。」
「なるほど…ね、わかりました!」
「理解の早い子はお姉さん好きよ♪」
楯無は自分の専用機、ミステリアス・レイディを展開する。
「うわぁ〜!綺麗な機体ですね!」
「フフフ、ありがと。じゃあトビアくんのISも見せて♪」
「わかりました!………こい!ガンダムっ!」
トビアもIS、クロスボーンガンダムX1 パッチワークを展開する。
「………かっこいいんだけどさ…その色はどうにかならないのかな?」
「俺もどうにかしたいですよ…」
「後で一緒に塗ってあげるわね………………じゃあ始めるわよ!掛かって来なさい!」
「遠慮なく行かせて貰いますよ!」
トビアはビームザンバーで切りかかる。
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何時間か経ち、アリーナの使用時間も終わった。
特訓の内容としては最初に実力の確認と称して簡単な模擬戦、その後問題点の改善というものだった。
トビアの場合は戦闘センスは良かったのだが、ISの基本的なスキルは皆無だったので徹底的にしごかれた。
「つ……疲れた…先輩が鬼コーチだったなんて……また明日も朝からランニング…夕方には実戦式訓練か…」
トビアはヘロヘロになってアリーナから出てくる。楯無はまだ仕事があるとかで先に帰ってしまった。
アリーナから出てくるとクラスの女子がトビアのところにやって来る。
「あ!いたいた!アロナクスくん、今から織斑くんのクラス代表就任パーティーをするの、食堂に集合ね!」
そう言い走り去って行く。
「一夏の就任パーティーか、急がなきゃな」
トビアはヘロヘロの体を引きずって食堂に向う。
「そこのアンタ、ちょっといいかしら?」
その途中トビアは1人の少女に声をかけられる、肩にはピンクのボストンバッグをかけている。
「ちょっと本校舎まで案内してもらえるかしら?」
「へ?本校舎?ここからはほぼ正反対だけど…?」
「んなっ!?そうなの!?」
「俺も近くまで行く予定だったからさ、ついてきてよ」
トビアはその少女を連れて本校舎まで歩く。
「自己紹介とかまだだったね、俺はトビア・アロナクス」
「ふ〜ん…アンタがトビア・アロナクスねぇ……」
その少女は観察するような目でこちらを見てくる。
「な……なに…?」
「2人目の男性操縦者っていうから期待してたけどアンタも弱そうね」
「ハハハハ………まぁ弱いんだけどさ…」
「私は鳳 鈴音、中国の代表候補生よ」
「代表候補生!?すごいじゃないか!」
「まぁそれなりにはね」
「鳳ってどんなISに乗ってるの?」
「鈴でいいわよ、近距離に………ってなんでアンタに教えなきゃいけないのよ!」
「あ、ごめん。簡単に教えちゃダメなんだっけ?」
「そういうことになってるけど調べたらいくらでも出てくるわ」
「情報が開示されているのか…なら俺のガンダムも…」
「?どうしたの?」
「いや、なんでもない!それよりも本校舎、着いたよ」
トビアが本校舎を指さす。
「お、ありがとね〜!」
鈴は走って本校舎に向う。
「元気な子だったな………あ!一夏の就任パーティー行かなきゃ!」
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パーティー会場とされている食堂に着いた。
そこには多数の女子に囲まれている一夏の姿が
「ごめんごめん、遅くなっちゃって」
トビアは一夏に声をかける、すると一夏が
「なぁトビア……お前…セシリアに勝ったんだよな……?」
「うん、勝ったけど?」
「ならなんで俺がクラス代表になってんだよ!?」
「あー……俺が辞退したからかな?」
「それならセシリアだろ!」
「私も辞退しましたのよ、一夏さんに勝ったのは考えたら当然のこと」
(またこの子は……)
セシリアの言い方は前と変わらず上から目線なモノの言い方だ。
それに対して一夏はムッとした表情をする。
「ですが…大人気なく怒ってしまったことを反省しまして、辞退した次第です」
「簡単に言うとセシリアは一夏に代表やってもらいたかったってことだよな?」
トビアはセシリアに聞いてみる、するとセシリアは顔を赤くして
「もうっ!トビアさん!からかわないで下さい!」
と言う。
すると
「はいはーい、新聞部でーす。注目の専用機持ちのインタビューに来ました〜」
2年生だろうか、新聞部の取材ということでトビア、一夏、セシリアの3人のもとに来た。
「じゃあクラス代表の織斑くんを中心にセシリアちゃんとトビアくんで挟んで下さい」
そして3人で写真を撮った………はずだったのだが
「なんで皆さんも入ってくるのですか!?」
「セシリアだけ男子2人と写真なんてずるいでしょ〜」
ちゃっかりその場にいた全員が写真に映りこんだ。
「まったく、一夏人気者だな」
「俺だけじゃなくてお前も人気なんだけどな」
「箒に怒られるぞ?」
「ははは…それはないよ。な、箒?」
「……………」
箒は黙って一夏を睨んでいた、効果音を表すなら「ゴゴゴゴ」か「ドドドド」であろう。
「あの〜…箒さん…?」
箒はそっぽを向いてしまう、一夏は部屋に帰ったら何かされると危機を感じてしまう。
「あの〜…一夏さん、これから良かったら私がISの操縦を教えて差し上げましょうか?」
「え!?まじか!だったらおね「結構だ!」…?」
一夏が頼もうとしたところそれを箒が拒んだ。
「一夏のISの訓練は私が担当している、よってお前の手は借りない!」
「ですが私は代表候補生、いくら篠ノ之博士の妹であるからといっても教えることには限界があるのでは?私はそれを補えますわ」
「くっ…!」
「なら2人で教えたらどうだ?」
「トビアさん…」
「アロナクス…」
「いや、一夏を教えるのにも1人では限界もあるだろ?」
「お、おいトビア…」
「確かに私だけでは限界を感じていたな……」
「トビアさんの言うことも一理ありますわ…」
「「じゃあ(では)一夏(さん)!明日からよろしく頼む(みますわ)」」
「お…おう……トビア、お前も一緒にどうだ?」
「ありがとう、でも俺はもうコーチ付いてるからさ。そのせいで朝からクタクタだよ…」
「そうか、悪かったな」
「いや、大丈夫だよ。…………もう俺は部屋に帰るよ、明日も早いし」
そう言いトビアは帰っていった。
そして時間も遅くなってきたので他の生徒たちも解散した。
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トビア、楯無部屋
トビアが部屋に戻って来るとまだ楯無は戻って来ていない。
「あれ…?先輩まだ戻って来てないのかな…?」
トビアは部屋を見渡してみるが楯無の姿はどこにもない。
「先輩には悪いけど先に寝ちゃおうっと」
トビアはその後シャワーに入り、歯を磨き、寝巻きに着替え、ベッドに入った。
その間にも楯無は戻って来ない。
「結局戻って来なかったな………ふぁ〜…寝よ…」
トビアはそしてすぐに眠ってしまった。
その30分後………
ガチャ…と部屋の扉が開く。
「トビア・アロナクス………クロスボーンガンダムX1 パッチワークという謎のISを駆る世界で2人目の男性操縦者…経歴はほぼ不明と…」
その人物はトビアも良く知る人物である
「実際に戦ってみてわかったけど見たこともない兵器ばっかりだし……いくら織斑先生の頼みでもこんな子を騙すみたいなこと………仕方ないのかもしれないけどね……もっと調べてみないとね……」
楯無はトビアの寝顔を見ながらそう言うと自分も寝巻きに着替え、眠った。
トビアと会長の戦闘描写はカットしました、会長の戦闘デビューはまだ先かな?