ファンタシースターオンライン2 if    作:ラル・ノベル

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PSO2の世界を小説ど素人がオリジナル要素込で書いた妄想小説もどきです。

Phantasy Starの世界が好きな方はオリジナル展開・要素が多いためお勧めしません。

原作のpso2に興味がある方は参考にはならないと思います。

更新は不定期なうえに、視点はよく変わり、読むのに苦労する、理解できない文章・展開も多いと思います。

そんな自己満足な妄想小説もどきですが読んでいただければ幸いです。


~Phantasy Star~
壊れた少年の壊れた世界


暗い部屋に薄く光る空中ディスプレイ。

 

そこに映る光景は悲惨なものだった。

 

星の光りが明るく照らす宇宙空間。

 

しかしその宙域を照らすのは星の光だけではない。

 

数隻の巨大な船とその周りを漂う大量の機器の残骸。

 

船からは周囲に向けて絶えず光線が撃ち出されていた。

 

漂う機器の残骸は未だその役目を果たそうと光を発したままである。

 

そんな宙域を所々で起こる爆発がよりはっきりとその光景を映しつつディスプレイを明滅させる。

 

 

そしてそんな光量では足りないと言わんばかりに赤黒い強烈な閃光がディスプレイを埋め尽くす。

 

つづいて起こる鼓膜を打ち破らんとするほどの爆音。

 

その音とともにディスプレイの映像が途切れた。

 

しばらく続く砂嵐のようなノイズと映像。

 

映像が戻るころには・・・一つの船が沈んでいた。

 

 

 

全長70kmはある巨大な戦艦のような船。

 

つい数分前には10隻はあった船。

 

それが今では5隻しかない。

 

その一隻が今の閃光によって一瞬で宇宙を漂うゴミになる。

 

一体どれほどの人が乗っていたのだろう。

 

どれほどの人が、犠牲となったのだろう。

 

視界の狭いディスプレイに映るのはつい先ほどまで船だったものの残骸のみだった。

 

 

否、残骸だけではなかった。

 

大小大量の残骸が漂う中を大小複数の”影”が、漆黒の(もや)を吐き出しつつ宇宙を駆ける。

 

数多の黒い害虫を操り船の半分を覆いつくしてしまう不気味な”影”。

 

笑っている。

 

影に向かって抵抗を続ける人達を壁に叩き付け、腕を引きちぎり、おもちゃのように投げ飛ばす二つの小さな”影”。

 

笑っている。

 

影に向かって光を纏う巨大な砲艦を向ける戦艦に対し、形の歪な錫杖(しゃくじょう)を向けその光を消失させる長い長い靄を纏う”影”。

 

笑っている。

 

砲撃を停止させた戦艦に向かって漆黒のフォルムと紫の刃を伴う武器を手に持ち接近する三つの”影”。

 

一つは仮面をしている。

 

一つは機械のようだった。

 

一つは顔に大きな火傷を負っていた。

 

その”影”達の表情はわからない。

 

三つの”影”は船を蹂躙する。

 

抵抗する人々を圧倒する。

 

一撃で人を斬り払い、一撃で機器を叩き潰し、一撃で建造物を消失させる。

 

 

 

小さな”影”達が一つの船を襲う中。

 

戦艦さえも覆い隠す”巨大な影”が動き出す。

 

”巨大な影”は山のような巨体の腹部と額に紅い水晶を埋め込んでいた。

 

そして身体の側面から腕を8本左右対称に生やしていた。

 

否、身体を震わせるとさらに2本の腕を生やす。

 

そのまま腕を額の前に突き出した。

 

すると水晶を中心に赤黒い靄が集まりだす。

 

ほどなくしてその靄は額の水晶から腕を伝い、胸の水晶へと赤黒い光となって収縮されていく。

 

胸の水晶の色が紅から黒に変わると同時に。

 

腕を大きく広げ、その黒い水晶を船に向かって突き出す。

 

刹那、水晶からは赤黒い光線がほとばしる。

 

 

高笑いとともに撃ち出された赤黒い閃光が。

 

またもディスプレイの映像を打ち消す。

 

 

そんな凄惨な光景を映し続ける空中ディスプレイの前には一人の少年。

 

かつて歴史そのものを変える”力”を持った少年。

 

その少年はディスプレイに映る光景をその瞳に映し続ける。

 

その手にはもう歴史を変える”力”はない。

 

その相貌には精気が感じられない。

 

死んだ様な瞳。まるでこの世には絶望しかないと悟ったかのような無表情な顔。

 

それでも彼はその映像を見つめ続ける。

 

ただただディスプレイの光をその瞳に映しながら。

 

 

 

 

また人が死んだ。

 

なんで逃げないんだろう?

 

勝てる相手じゃないのに。

 

あぁ、俺が指示したからか。

 

六芒均衡(ろくぼうきんこう)は?

 

あぁ、マザーシップを護るんだっけ。

 

 

 

なんで俺はここにいるんだっけ?

 

あの人達と一緒に戦うんじゃなかったっけ?

 

あぁ、怪我を理由に離脱したんだっけ。

 

俺がいれば必ず勝てるから。

 

俺が全快で戦えるば勝てるから。

 

だから皆が離脱を認めてくれたんだ。

 

 

俺がいれば必ず勝てるんだっけ?

 

あんな化け物の群れを相手に?

 

人が100万人は入るような船をいくつも墜とす怪物に?

 

あぁ、誰かに言われたんだ。

 

君には不思議な力があるって。

 

君ならできるって。

 

 

だから俺は戦うんだ・・・だから僕は戦うのか?

 

 

違う。あの娘が言ったんだ。

 

君とならできるって。

 

一緒にならなんだってできるって。

 

だから僕は頑張っていたんだ。

 

 

 

 

ここはどこだっけ。

 

あぁ、あの娘の部屋だ。

 

あの娘はどこだっけ。

 

あぁ、病院だ。

 

なんで病院にいるんだっけ。

 

あぁ、僕のせいだ。

 

僕があの時間違えたから。

 

あんなことをしなければ。

 

頑張らなければ・・・

 

こんなことにはならなかった。

 

 

・・・苦しい・・・。

 

頭が痛い。呼吸がしづらい。

 

もういいじゃないか・・・。

 

不思議な力を持った少年はいない。

 

少年を導く少女も、いない。

 

一緒に笑い合う仲間なんて、いない。

 

 

 

じゃぁ僕は何をしてるんだろう。

 

そうだ。ゲームだ。

 

ここはパソコンの中のゲームだったんだ。

 

適当にバイトして、ほどほどの給料をもらい、気まぐれでパソコンを買って。

 

偶然ネットで見つけた無料オンラインゲームを気まぐれで始めて。

 

面白い、こんなゲームの中に行きたい、と虚言を吐き。

 

ゲームしながら寝落ちしたんだろう。

 

その時から夢を見続けているだけだ。

 

いや起きてるのかもしれない。

 

起きてゲームの続きをしているのだ。

 

目の前に映っているのはいつものモニターの映像だ。

 

敵を倒し損ねてゲームオーバー。

 

そして画面の向こうの知らない相手と笑い合うのだ。

 

こんなのもクリアできないのかと草を生やすのだ。

 

運営が悪い、と騒ぎたてるのだ。

 

 

 

その時ディスプレイに映った映像に、無表情のまま意味のない思考を巡らせていた少年はその身体を震わせる。

 

画面に映ったのは一つの船。その瞳に映ったのは未だ破壊されず健在な船。

 

普段なら真っ先に安全圏へ逃げているはずだった。

 

こんな危険な場所に残っているはずないと高を括っていた。

 

 

その船は他の船の4分の1ほどの大きさだった。

 

そして船の側面には目立つように巨大なロゴが光っている。

 

ロゴのデザインに端にはアークスの文字で”医療艦《メディウス》”と書かれていた。

 

「あ・・・あぁぁ・・・」

 

彼の口からうめき声が零れ落ちる。

 

その表情は先ほどまで絶望の無表情とは違い、これから起こり得ることを想像し、焦燥に顔をゆがめていた。

 

「逃げてくれ・・・速、く・・・速くっ!!」

 

少年は声を荒げながらディスプレイに怒鳴りつける。

 

意味がないと知りながらも怒鳴らずにはいられなかった。

 

その船には彼女が乗っている。

 

《メディウス》は医療を目的としているため戦闘機能は一切ない。

 

変わりにその速度は速く、ワープホール高速渡航だけでなく空間を直接移動する”テレポート”も使える。

 

しかしいつまでも”テレポート”を使わない。

 

「な、なんでっ・・・っ!?」

 

答えはディスプレイの端に映っていた。

 

長い靄を纏う影が持つ歪な形の錫杖。

 

”メディウス”の光が失われていくのに変わり錫杖の端々が光を灯す。

 

”メディウス”に向けられた錫杖がそのエネルギーを奪っていることが予想できた。

 

 

もはや完全に動きを止めた”メディウス”に接近する二つの小さな影。

 

「やめろ・・・やめてくれ・・・」

 

二つの影は片方が船の先端へ。片方が船の後部へ。

 

「ダメだ・・・嫌だ・・・」

 

影同士が呼応するように赤黒い光を点滅させている。

 

徐々に大きくなる光。

 

徐々に点滅する光の感覚が速くなる。

 

そして二つ光の点滅が大きく速くタイミングが重なった時。

 

「やめろおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

影は船を貫通し、互いの場所へと駆ける。

 

出来上がったのは赤い閃光の道筋。

 

その道筋を小さく連続した爆弾がなぞる。

 

小さな爆発はやがて船の全体へと広まっていく。

 

 

そして船は轟音とともに崩壊した。

 

 

彼の瞳から一筋の涙が流れ落ちる。

 

「・・・・・・っ!・・・・・・」

 

喉元まで出かかる叫びを押し殺した。

 

(僕は・・・何も・・・してない・・・彼女のために泣く資格も・・・ない・・・なにもできない・・・)

 

(こんなことになるなら・・・来るんじゃなかった。)

 

(もう・・・いやだ・・・こんな世界・・・・・・)

 

少年は黙り続ける。

 

行き場のない憤りを拳を握りつぶして耐える。

 

大切な人を失った悲しみを歯を食いしばり耐える。

 

それでも留まることなくあふれ出る負の感情に耐え切れなかったのか。

 

「誰か助けて…」

 

一言、他人頼りの言葉を漏らした。

 

 

 

 

どれぐらい時間がたっだろうか。

 

ディスプレイからは時折爆発音が響き続ける。

 

少年はもはやディスプレイすら見えていない。

 

気づけば表情からは悲しみも憤りも消え失せていた。

 

表情は消えていた。

 

この世に希望を失ったかのように。

 

そして少年はディスプレイをなぞり消す。

 

部屋にあった唯一の光源は消える。

 

真っ暗闇の部屋で少年はただひたすら自身の無力さを呪い続ける。

 

 

 

 

部屋を薄く漂う気配に気づかないまま。

 

 

 

 

 




ありがとうございました。

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