ダンジョンにアイツが現れたそうですよ? 作:ヤマダ タロウⅡ世
ギルガメッシュが目を覚ますと、なにやら室内であった。
「ここは、何処だ?」
豪華な装飾に、赤いカーペット。
どこかの貴族の屋敷かと見間違うほどの豪華さである。
愛用の大剣を取り出し肩に担ぎ、この建物を探索しようとしたところ、
「目が覚めましたか。」
チビの少年が声を掛けてきた。
このちびっ子の隣には、嘗て戦ったことのあるアマゾネスの姉の方である。
こんな歳で女を侍らすとは、とんだマセガキだな。
「なにか、失礼なことを考えてませんか?」
「いや、それよりも、アイズは居るか。」
「はい、あの扉の向こうに居ますよ。」
そう言って指差したのは、現在ギルガメッシュがいる位置から3メートルほど離れた所にある扉である。
普通の木造の扉で、警戒するようなことはない。
ガシャガシャと鎧の音を立てながら、その扉へと向かい、扉を開ける。
「目、覚めたんだ。ギルガメッシュ。」
そこに居たのは件の少女、アイズ。
「お前に渡すものがある。」
セイブザクイーン。
かつて、最強の女将軍が使ったとされる伝説級の武器である。
「次は....」
武器を手渡し、話の途中で去っていくギルガメッシュ。
ふと、振り返り
「お前とアイツ、どちらが強いか興味がある。」
黒い結界を展開し、アイズを強引に引きずり込む。
突然のことに反応できなかったアイズは、なすがままに引きずりこまれてゆく。
目を開けると、何やら神殿のようなところにいた。
隣にはギルガメッシュが居り、ただ一点を見つめている。
「アレが、俺が今まであった中で最強の男だ。」
黒いコートに右手に途轍もなく長い剣。
銀の髪を腰まで伸ばし、細身でありながら筋肉質の体。
「またお前か、ギルガメッシュ。また性懲りも無くきたか。いいだろう、何度でも相手をしてやろう。」
ギルガメッシュがいつも負けているかのような発言をしているこの男はいったい何者だろうか、只者ではないオーラを発しているのはわかる。
だが、そこが深すぎて見えない実力だ。
「いや、今回は俺じゃない。この娘だ。」
「ほう。」
興味ありげにこちらに視線を向ける、謎の男。
「私の名はセフィロス。」
無言の圧力で、自分にも名前を言うようにと圧力がかかっているのがわかる。
こんな事で怒りの琴線に触れることはないだろうが、名前程度ならいいだろう。
「ア、アイズ・バレンシュタイン。」
言葉を発するのが辛い、この男のプレッシャーが尋常ではないのだ。
局地的に重力が増しているのではないかと錯覚してしまうほどに重い。
「それでは、始めようか。」
両者、剣を構える。
アイズは、貰ったばかりのセイブザクイーンを握り締め思う。
これは、勝てないかもしれない。
男の刃が迫る。
ギルガメッシュの攻撃の比ではない程の高速の斬撃。
半ば直感による対応で弾く始末。
反撃する暇などない、一撃一撃が重く、油断すると自分が仰け反ってしまいそうになる。
「どうした?その程度か?」
この戦いの最中、話す余裕があるとは、次元が違いすぎる。
「終わりにしよう。」
セフィロスから黒い片翼が生え、宙へと飛ぶ。
そして手をこちらに向けて広げ、ただ一言唱える。
「メテオ。」
私はそのとき見た。異空間から突如として現れる隕石を、それを生み出したのであろう男の姿を、剣姫だ何だと持て囃されてきたがこんなにも強者と呼べるものが存在した。
私より強いのはオッタルだけだ。
そう思っていたのは昨日までだ。
オッタルさえ超える実力を持つ、ギルガメッシュ。
さらに、そのギルガメッシュすら優に倒してしまう力を持つ、セフィロス。
「つよい...」
自分ももっと強くなりたい。
ただその願いだけがアイズの脳裏をよぎり、光がアイズを包み込み、目の前がまったく見えなくなってしまった。