ダンジョンにアイツが現れたそうですよ? 作:ヤマダ タロウⅡ世
セフィロスは今までにないほど攻めきれずにいた。
黒龍に斬撃をしても浅く切れるだけで大したダメージにはならないのだ。
かといって、メテオなどの魔法技はほとんど効いていないときた。
「仕方がない。こんな魔法は使いたくないんだが。」
「ヘイスト。」
セフィロスの動きが格段に上がる。そして、
「ストライ」
攻撃力上昇。この魔法を使ってしまうと相手の原形をとどめないほどの威力で斬ってしまうため、自重していたのだ。
「これで少しは攻撃が通るか。」
「ギィアアアア!!」
今まで浅かった攻撃がしっかりとした手応えと共に身を刻む。
しかし、
「!超速再生だと?」
敵に与えたはずの傷は、物の数秒で跡形もなく消えてしまった。
「ふ、ふははは。」
笑わずにはいられない。嘗てこんなにも自分を楽しませてくれたものはいただろうか、自分の攻撃がこんなにも通じない相手がいただろうか。
否、断じて否。
ここまでの耐久力、攻撃力に優れたモンスターなどいない。選ばれし者の力を持つ自分でも感心せざるを得ないほどに。
「居合切り!」
前方へと斬撃を飛ばす。並みのモンスターなら即死の技だ。
それを黒龍は尻尾で弾き、爪でセフィロスを襲いにかかる。
それを、セフィロスは背後に大きく跳躍することで回避。
「八刀一閃!」
黒龍の体の8箇所に一瞬にして、大怪我を負わせる。
骨が見えているところさえあった。
しかし、それさえも既に回復しつつあった。
黒龍も負けじと某カ◯ス並の火力でファイアーブレスを吐く。
が、セフィロスはこれをバファイを唱えることによって炎のダメージを激減させ、かすり傷で済ませてしまう。
そして、それすらもリジェネにより、自動的に治癒されてしまった。
両者とも攻めるが、攻めきれないといった攻防をもう30分は繰り広げている。
「この俺の技の連続使用、受けきれたらお前の勝ちだ。黒龍。」
その言葉を受け、身を固める黒龍。
「一閃!」
黒龍の体の13箇所から突如として血が吹き出す、しかし、呻き声はあげるものの、再生し始める。
しかし、再生しきるのを待つ事なく次の技が放たれる。
「天照!」
斜め下から上方に向かって斬りつけ、黒龍に新たな斜めに入った大きな傷ができる。
が、まだ倒すには至らない。
「虚空!」
高速ですり抜けた後、無数の傷が黒龍に生まれる。
だが、まだ届かない。
「スーパーノヴァ。」
セフィロスが結界を展開し、黒龍をそこに引きずり込み、銀河系の彼方からエネルギー体を呼び寄せ、冥王星、土星付近の小惑星、木星を粉々に粉砕して、それが太陽に飛び込み、太陽を爆発的に膨張させ、水星、金星を巻き込み黒龍へと迫る。
もはや世界規模どころか宇宙規模の技を使うためだけに展開した結界。
これが正真正銘、
轟音の後、弱弱しい姿をした黒龍がいた。
「ギ...ァァァァ....」
片翼の骨組みと、頭部を残すのみとなった黒龍は再生能力を失ったのか、間に合わないのか時々動くが呻き声をあげるだけである。
「良い戦いだった。」
世界を崩壊させるような技を使い平然としている男セフィロス。
正宗を頭上高くに振り上げ、一振り。
それだけで、黒龍は黒龍の爪を残し、霧散した。
「スーパーノヴァを喰らって、体が残っていようとはな。さすがの私も驚いたぞ。黒龍。」
さすがに疲れたのか、セフィロスはオラリオの町に戻るため、帰路につくのであった。