~艦これ~もしもブレイヤーが艦これの世界に飛ばされたら~ 作:軌羅龍仁
高3の夏、2015年7月14日ーーーーー
この季節になっても、俺は未だに受験勉強に専念できず、艦こればかりをやりつづける日々を送っていた。
...........この先に本当にやり続けたい、と思える事がなかなか見つけられないからだ。.......まあ、何を言っても言い訳にしかならないが。ただ、VR世界に少しばかりの憧れを抱き、情報工学系の大学の学部への入学を目指して少しずつでも勉強を進め始めたところ...そんなとても中途半端な毎日だった。
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ピンッ
いつものように補給ボタンをクリックする。
カチッ
『Teatimeは大事にしないとネー‼』
第一艦隊の補給完了。
「よし、次は出撃、と。....ハア、これで5連敗....やっぱり、5-3はキラ付けしないと効率悪いのかな...」
艦これを始めて半年が過ぎようとしているのに、未だに通常海域もオールクリアできずにいる。
「やっぱりこの海域、他と比べて格段に難しいな...」
『午前零時justデース!』
時報が鳴る。...おっと。もうこんな時間か。
「そろそろ寝るか...」
俺は寝ることにした。
なにか、こう、この生活習慣を変えられるようなきっかけがほしい。他力本願だとはわかっているが...
「zzz...」
ーーーーー世界線000912848。000912849トノリンクゲートヲカイホウ。コレヨリ、同調ヲカイシシマス。ーーーーーーーー
ーーー2013年4月23日ーーーーーーー
「...ウ~ン...まだ眠い~...」
いつもどうりの退屈な朝だ。まず顔を洗って.....................ん?
「な、何だ...?どこだ、ここ...!?」
見渡す限りの大海原。俺の足元の周り約3m位だけ、ぽつんと小さな島になっている。
「いっ一体何がどうなって...!?」
ええと...俺は確かどこにでもいるただの高校生で、日本に住んでて、平凡な毎日を送っていたはずじゃ...
「何でこんな所に...?」
そこへ。
「沈メ...!」
突然、全体的に黒い人の形をしたナニカが現れた。
しかも、そいつは俺を狙って銃口のようなものを向けているようだ。
「え!?」
突然過ぎる出来事に硬直して指一本も動かせなくなる。
けれど、一瞬で分かってしまう。こいつは俺を殺す気だ。
俺は生まれて初めて本物の死の恐怖というものを感じ取った。
ーーーどうすることも出来ない。こいつに引き金を引かれれば、それだけで
俺の人生はあっけなく終了する。
ーーーそんなのはいやだ。自分が何を本当にしたいのかも分からないまま、いきなりこんな訳のわからない所に飛ばされて、訳のわからない奴に殺されるなんてーーー
奴の目が大きく見開かれる。
せめてもの抵抗だと、歯をくいしばった、その刹那。
「榛名、全力で参ります‼!」
ドオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!と。
轟音が鳴り響く。そして、俺にその強烈な殺意を持って殺そうとしたモノはまた突如として現れた何者かによって粉砕され、海底へと沈んでいった。
目まぐるしく変わっていく状況に理解が追い付いていかない俺はただただその砲弾を放った者を見つめることしかできない。
「こっこんどは一体何が起こったんだ!?」
どうやら窮地を救ってくれたらしい者は俺を心配そうな目で見つめると、
「お怪我はありませんか?」
と、問い掛けてきた。
よく見ると、今度はさっきのような強い殺気を放つモノではなく、普通の人の姿をしているようだ。しかも、10代後半から20代前半の若い女性。
薄く灰色がかった黒い艶やかなロングヘアーは、このだだっ広い大海原の色とは相反するようで強烈に目に焼き付いて離れない。そして背中に何か砲塔のようなものを背負っている。ん?この姿、どこかで見たような...?
「あのー...?」
話しかけられていることに気付かなかった。慌てて返事をする。
「だっ大丈夫‼ありがとう、助かったよ。」
「よかった!ところで、なぜこんな所にいるのですか?」
「それが俺にもよくわからないんだ。目が覚めたら突然、この広い海に飛ばされてて...」
「そうなんですか..不思議ですね...」
彼女にも俺がこの場所に飛ばされた事は不思議らしい。そこへ、
「Hey榛名‼!どうしたのデスk...what!?人がイマース!!一体どうしたのデスカ?」
またしても、見覚えのある人が現れた。俺の推測が正しければ、彼女は金剛型四姉妹の一番艦、金剛だ。
「...ええと、(以下略)で...」
もう一度、状況を伝える。
「そうなのデスカ...不思議デスネ...とにかく、ワタシ達と一緒に鎮守府に行きマスカ?」
「あっありがとう。できれば、そうして貰えると助かるよ...!」
この絶望的な状況を脱する唯一無二のチャンス‼この機会を逃すわけには絶対にいかない。金剛(?)達には悪いが、ここは遠慮なくお言葉に甘えさせて頂こう。色々と聞きたいこともあるし。
「じゃあ決まりデース!さあ、ワタシの背中に乗るデース!」
「こ、金剛お姉様...!」
そしてこの状況においてもお姉サマを気遣うシスコンは、もう間違いなく比叡だろう。
「大丈夫デース!比叡!heyキミ、早く乗るデース!!」
「あっありがとう。それじゃお願いするね。」
ん?乗る?まさかオンブするのか?
...大丈夫なんだろうか。まさか沈んでしまうのでは...
ーーーーそんなことは全くなかった。
だが金剛の背中に乗った感覚は、ごく普通の女の子のそれだった。こんなに華奢な身体で、俺に加えてなぜこんなに重そうな装備を背負っていられるのかととても不思議に思う。
「その...金剛さん、俺をおぶって重くないの?一応俺も、60キロ位はある
と思うんだけど。」
「oh、それなら問題nothing!!元々今日は遠征だったのデ、重い艤装は付けてないのデース!だから、あと150キロは大丈夫デース!」
想像以上だ。やはりこの娘たちは、俺達とは少しばかり違う存在らしい。
「へ、へえ~そ、そうなんだ。金剛さん達って凄い力持ちなんだね。」
もちろん、力持ちどころの話ではない。この娘たちは一体、何者なんだ。
「oh、うれしいデース‼ありがとうございマース‼」
素直な娘だなぁ。
ーーーそれから一時間後、俺は金剛四姉妹に連れられて、鎮守府と思われる軍港に到着した。...見たことがない所だ。金剛達が日本語を(金剛は所々カタコトだったが)話していたので、鎮守府も日本の海沿いのどこかだと思っていたのだが。まさか...
「ここがワタシ達の鎮守府デース!
とりあえず、アナタは提督室へ行って貰っても良いですカ?」
「うん。ここまで連れてきてきてくれてありがとう。そうさせて貰うよ。」
...ここの提督に話を聞けば、なにかが判るかもしれない。
「ok!それじゃまた後デネー!」
「うん、またねー。」
金剛達と別れる。
ーーー提督室へ向かう途中で、沢山の艦娘達(もう確定だろう)と会った。皆、不思議そうな顔をして俺を見ていた。やはり、俺はここではイレギュラーなのか。
「失礼します。」
2回ノックをした後、部屋に入る。
部屋には、提督サン用のらしいご立派な椅子と、ジュークボックス(何故このご時世に?)、それから窓際には夏の季節らしく風鈴が飾ってあった。
...涼しそうな薄い青の壁紙と相まってなかなか良い組み合わせだと思う。その中に、70~80代位の白い軍服を着たお爺さんがいた。
「君が沖ノ島付近で金剛達が発見した少年だね。初めまして、私はこの横須賀鎮守府の提督、茅場和人だ。何か、聞きたいことはあるかね?」
「はい、お願いします。色々あるのですが、構わないでしょうか?」
「ああ、構わないよ。何でも聞いてくれたまえ。」
「では、まず最初に、なぜ彼女達が、あのとても凶悪そうな怪物達を相手に戦っているのですか?なにもあんな少女達が戦う必要はないはずです。」
至極真っ当なことを聞いたつもりだった。しかし、また予想外な答えが返ってってきた。
「ふむ、どうやら君は、この世界の人間ではないようだ。恐らく、あの沖ノ島から突然現れたのだろう。...まあ、取り敢えず質問に答えよう。なぜ我々のような通常の軍人ではなく、彼女達が戦わなければならないのか、だね。それは我々人類の保有する通常兵器が効かないという所が大きい。何しろ、10年前、深海凄艦が現れた時、我々は遂には核兵器まで持ち出したのだ。しかし、奴らには傷一つ負わせられなかった。その状況に我々人類が絶望したとき、奇跡か、神の気まぐれか、彼女達、艦娘が現れた。彼女達はとうとう内陸にまで進攻しようとしていた深海凄艦を、すんでのところで撃退してくれた。それ以降、我々は彼女達のために鎮守府を建造し、日本の海域全体を守護して貰うようになったのだ。
...これが事の顛末だ。確かに悲しいことだが、今我々が生き残るためにはそれしか方法がない。理解して貰えたかな?」
ーーーー何だって。
頭が混乱する。世界がそんな危機に陥っていたこと、彼女達が(予想通り)艦娘だと確定したこと、その敵がやはり深海凄艦だということ、ーーーそして、本当に自分は異世界に飛ばされたという確信。ーーーでも、やっぱり彼女達を戦いに送り出すのは疑問に思う。...だが、今の俺にはこの状況をどうにかできる手段がない。
そんな中、ある一つの疑問が浮かんだ。
「...じゃあ、外国の領海はどうなったんですか?」
「この話を聞いた後にその質問か。君、冷静を通り越してなかなか異常じゃないか...まあ、いい。外国は、何故か第二次世界対戦時に日本と同じように軍艦を持っていた国々の場合には同じように艦娘が現れ、領土を侵略されることは避けられた。...持っていない国々は、地獄絵図となってしまったがな...」
「そうだったんですか...確かに、日本はWW2次大量の軍艦を持っていましたからね...ということは、アメリカにはかなりの艦娘達がいるはずですよね?アメリカ政府と同盟を結んで、太平洋海域を奪還することは可能なのでは?」
「...残念ながら、アメリカ政府との通信は10年前に途絶えたままだ。向こうにも大量の艦娘がいるはずだが、それ以前に深海凄艦が強力過ぎる故に近くに行って通信することもできない。屈辱だよ。」
「...ありがとうございました。俺があなたに聞きたいことは、これで全部です。...これから俺はどうすれば良いのでしょうか?」
「...金剛達の様子から察するに、君は多くの艦娘と上手くコミュニケーションを取れるようだ。しばらくの間は、この横須賀鎮守府で生活し、彼女達の心のケアをして欲しい。報酬は出そう。構わないかね?」
なるほど、確かに合理的な判断だ。
...?ちょっと待てよ?いきなり現れた俺にそこまでの信頼をしても良いのか?
「いきなりそこまで信頼するんですか?急に現れた俺を?」
「なにしろ、我々にとっても彼女達は急に現れたイレギュラーだからね。多くの人間は、彼女達を不審に思って近付こうとしないのだ。...イレギュラー同士、仲良くしてくれたまえ。」
...なんか、随分と適当だな。しかし、ほかにできる事がない以上、少しでもこの世界の人類の役に立ったほうが良いだろう。第一、断れる状況でもないし。[(ホンネ)あと、いちゲーム提督として本物の艦娘と知り合いになれる事は単純に浪漫を感じる‼]
初めての二次小説投稿です。...というか初めて小説を書きました。皆さん、どうか暖かい目で読んでみて下さい。m(_ _)m
次は、艦娘達とともに海域奪還作戦を展開して行く予定です。