異界変スピンオフ 東方幻想歌 ~Dark Fantasia~ 作:秋塚翔
秋塚翔「ふぁ~あ、ヤベェ……そろそろ眠くなってきt」ノビーッ
パチッ
秋塚翔「あ”っ!?」
前に背伸びしたらアドバンスSPの電源に触れてしまいスイッチオフ。最後にレポートした多数トレーナー戦前のデータへ逆戻り……そんな前のデータじゃないけど地味に精神ダメージ来た。
そしてDSとかが長押し式の電源な理由が解った気がする
と言う下らない近況は置いときまして、お待たせしました放仮ごさん!漸く書き上がりましたよドクマリの恋愛(的な)話!私クオリティなので余り過大な期待を持たずに皆様お読みください
それではどうぞ!
地下層の研究・開発エリアにある第2専用個室、ソコがドクマリことDr.マリオの仕事部屋だ。様々な良く判らない機械が置かれており材料で少し散らかった雰囲気のこの場所でDr.マリオは主にガイアメモリ等を製作している。今日も机に向かい書類に目を通して新たな発明品の構想を組み立てていた、のだが……
???「ドクマリさーん、頼まれた資料持ってきましtきゃあっ!」ドテッ バサァーッ!
Dr.マリオ「…………またか」ハァ
そんな独創は助手の転倒により遮られる。これで何度目だと言わん呆れた視線でDr.マリオはそのドジな助手を机から見下ろす。慌てて床に散らばらせた書類を集めるのは白衣に身を包む長い金髪のうら若き女性。白衣から溢れる見る者を見とれさせる大きな胸を挙動と共に揺らしながら持ってきた書類を拾う。しかし、いかんせん転んだ時に落とした眼鏡が無くては何も見えないらしく余計にワタワタしている。見かねてDr.マリオは席を立ち眼鏡を拾い上げた。
Dr.マリオ「ほらよ、書類よりまずは眼鏡を掛け直せ。集まるもんも集まらないだろソレじゃ」
???「あっ、有り難う御座います……!」チャッ
Dr.マリオ「全く……お前のドジぶりは見放してなれねぇな、セレナ」
セレナ「すみません、ご迷惑を掛けてしまって……」シュン
眼鏡を取り戻した助手の女性───セレナ・クアイエットはDr.マリオの顔を見てその場で正座する様に縮こまり落ち込む。今回だけで無くダークファンタジアの中では「足元にドSな悪戯妖精が憑き運命の女神に嗜虐心を与えたんじゃないか」と噂されるドジっ娘として彼女は有名だ(本人は気にしておりコンプレックス)。
彼女は前述した様にDr.マリオ唯一の助手として務めている。Dr.マリオが要らないと言ってたのを秀飛が「せめて」と無理言って配属させたのだ。お陰様で狂気の医者は時折、セレナのドジの被害に遭い苦労していた。
~~~~~~~~~~
Dr.マリオ『ブフォッ!?塩辛ぇっ!』
セレナ『ゴ、ゴメンなさい!砂糖と塩を間違えて入れてましたぁ!』
~~~~~~~~~~
Dr.マリオ『おい、ページの順番が途中からバラバラだぞ?』
セレナ『えっ!?すみません!すぐに正しく直します!』
~~~~~~~~~~
Dr.マリオ『……何だコレ?昼飯は炭か?』
セレナ『も、申し訳ありません……あんなに自信を持って作りに行ったのに……』
~~~~~~~~~~
例えばこんな感じ。まだまだあるのだが、兎に角ダークファンタジアに加入していても余り人と交流しないつもりで居たDr.マリオはセレナのドジでいつもその予定とは真逆の毎日を送っている。だが、そうだと言うのにDr.マリオはセレナを助手から外さずに着任して二ヶ月も自分の手元に置いていた。それを他の構成員達は謎だといつも首を傾げている。
セレナ「どうぞ。今日は麟さんから頂いた豆を使ってみました♪」コトッ
Dr.マリオ「……ああ」
拾って纏め直した書類を眺めつつDr.マリオはセレナの淹れたコーヒーを若干恐る恐る一口飲む。ゴクリと液体を喉に通すと香ばしいコーヒー豆の香りが鼻を擽る。どうやらこのコーヒーは奇跡的に(と言える頻度でやらかす)ドジっていなかった様だ。
セレナ「その資料って確か次に歪ませる世界に関する情報ですよね?ソレを見てどうするんですか?」
Dr.マリオ「単なる確認だよ。万が一にも計画を覆す要素がこの世界にあっちゃ面倒だからな。事前確認なんて俺の柄じゃ無ぇが世界一つを壊さずに不安定な形にするんだ。一応の念押しによ」ペラッ
セレナ「そうですか…………」ジーッ
Dr.マリオ「……?何ジッと俺の顔を見てんだ?」
セレナ「! い、いえっ!な、何でもありませんよっ!?」アセアセ
Dr.マリオ「…………」
セレナ「…………」
特に意味は無い事を取り繕おうとしたが「こんな娘が悪の組織に入るなんてどんな経緯があるんだ?」とも噂されるセレナは嘘が苦手らしく慌ててるのが表情や態度で丸解りである。訝しんで目を逸らすセレナを逆に見返すDr.マリオに彼女は観念して問いに返答した。
セレナ「実は、ドクマリさんがそうして何かを集中してやってる姿が私の父と良く似てるんです。だからつい見とれて……」
Dr.マリオ「俺に似てる?お前の父親はこんなヒゲ面なのか」
セレナ「いえ、顔じゃなくて雰囲気なんですが……私の父は医者だったんです。そこもドクマリさんと同じですね」
Dr.マリオ「そうかよ。俺みたいな狂った奴に似てるって言われちゃ、お前の父親も嬉しくないだろうがな」
セレナ「っ……」
Dr.マリオ「? ……何だよ」
と、返した途端にセレナの顔が曇る。それに気付いたDr.マリオが聞くとセレナは曇った顔付きに苦笑を浮かべてまた返答した。
セレナ「父も狂ってましたよ。人を救う事が信条だったのに、そうする為と人の命を奪っていったんですから」
Dr.マリオ「…………」
その答えに黙るDr.マリオ。セレナは続けて言う。
セレナ「私が住んでいた世界では奇病が流行ってました。不治の病と言われて父以外の医者は皆、匙を投げるか同じく病に侵されるかで頼れるのは父だけになってしまったんです。そして父は病の特効薬を造る糸口を見付けたんですが、」
Dr.マリオ「それが人体実験しなければ得られないものだったのか」
セレナ「その通りです。特殊な劇薬を人体に投与して非人道的と言える手術の末にその特効薬は作れる。人々に頼られた父は頼ってきた人達を『救う』事に囚われてそんな狂気の薬に着手しました。そして……父は頼ってきた人々やその親族に殺されたんです」
Dr.マリオ「……」
セレナ「あちら側からしたら人間をモルモットにする狂った医者を裁いた、ですね。断罪された悪たる父は磔にされ、父をそうした人達はたちまち奇病で後を追いました。残ったのは造れた特効薬の被検体になっていた私だけです」
Dr.マリオ「ハッ、自分を助けてくれる奴を正義感で殺して自分の首を絞めたのか?とんだ自業自得だ」
セレナ「父も同じ様なものですよ、信条の根本を見失って悪に手を染めたんですから……だけど私は父が間違っていたとは思えない。だから父の後を継ぎ、ダークファンタジアの一員になりました」
Dr.マリオ「成る程な」フンッ
知られざるセレナがダークファンタジアに入った経緯を知りDr.マリオは(嘲った訳で無く)鼻で笑う。そして同時に理解した、何故こんなドジばかりして苦労させてくれる
セレナ「父は狂ってました、でも結果的には命を救おうとしていた父の研究は間違ってません。だからこそ私は父を継いで悪でも誰かが救われる研究を始めたんです」
つまり彼女もまた“狂って”いたのだ。父親が道に外れてると解ってはいてもソレが間違いとは思えず自身も悪に落ちて狂気の道を選んだ。ベクトルは違えど同じ『狂気』を宿すから故にDr.マリオはセレナを捨てずにいた。同族嫌悪ならぬ同族好意と言うべきか。
セレナ「って、すみません。つい関係無い話を……」
Dr.マリオ「構わねぇ。久し振りに面白い話を聞けた。ああ、悪い意味じゃなくな?」
セレナ「えっ?」
Dr.マリオ「俺がお前に興味を持ってた理由が漸く理解できたぜ。礼を言うわ」
セレナ「き、興味!?そそそそれって一体!?」ワタワタ
Dr.マリオ「言葉のままだが?何をそんな慌ててんだよ」
セレナ「えっ、えええええっ?」コケッ
ドテーッ!
セレナ「きゃあっ!?あわわわっ!ま、また眼鏡が……!」アタフタ
Dr.マリオ「……飽きさせてくれない女だなぁ」フッ
またもコケて慌てふためくセレナを見下ろしDr.マリオは珍しく笑う。狂気の医者と狂気の助手、案外悪くない組み合わせなのかも知れない───
翌日、変わらず好意的なセレナに心無しか友好的なDr.マリオの姿が構成員達の目に止まった。後に「もしや熱愛?」と疑われ期待されるも、そうなるか否かは二人もまだ知る由は無い───
これが限界。期待外れだったら申し訳無い!
あえて恋人未満にしてみましたドクマリとセレナ。セレナのイメージは矢吹先生の作品『BLACKCAT』『ToLOVEるダークネス』のティアーユ・ルナティークを参考にしました。最近ダークネスのヤミが表情豊かになってファンとして嬉しい♪UHWさん所のエリーチカみたいにウチでも出そうかな(笑)
因みに名前の由来はセレナ=穏やか、クワイエット=静かで狂気を冠するドクマリに対照的な形にしました……が、最終的に似た者同士みたいな感じになった(汗)つまり心に闇を抱えてるが根は心優しい天性のドジっ娘キャラですね。この娘一人で一つの物語が書けそうです。
ドクマリはこんな感じで良かったですかね放仮ごさん?(^_^;)