異界変スピンオフ 東方幻想歌 ~Dark Fantasia~   作:秋塚翔

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まず1つ、変更があります。

以前に本編でダークドライダースパイドと表記していましたが今回より名称を変える運びとなりました。理由は個人的な駄作の癖して何故そんなに拘るんだと自分で自分に突っ込みたくなる下らない感性からです。

了承していただける方は本編での名前公開は某裸エプロン先輩の過負荷(マイナス)の如く無かった事にしてもらってご覧ください。


悪しき蜘蛛の力

ココは『仮面ライダーカブト』の世界であってオリジナル(天道総司)のソレとは似て非なるもう1つのリ・イマジネーションカブトの世界。

地球外生命体“ワーム”による人類の支配が本格的に始まりマスクドライダーの変身者達を筆頭とした人類はワームとの熾烈な戦いを繰り広げていた。しかしそんな最中に異世界より予期せぬ介入者が現れる。

 

並行世界を股に掛けて暗躍する悪の組織、ダークファンタジアだ。

 

接触してきたダークファンタジアと手を組んだワームは人類側にとっては最悪な事に侵攻の勢いを強めていく。やがてライダーの内、ザビーとドレイクとサソードが倒れてカブトとガタックを残すのみとなる。ワームの地球侵略はすぐ目前に迫っていた……

 

 

 

 

 

峰岸「ココ迄ご協力有り難う御座いました。貴女方のお陰で我々の侵略が漸く遂げられます」

 

ヤマメ「おめでとう。喜んでもらえたのなら手伝った甲斐があったよ♪」

 

神島「最初こそ胡散臭い連中と思っていたが、こうも厄介だったライダー共を易々と追い込めるとはな。全く以て恐ろしい助っ人だ」

 

乗っ取ったZECTの拠点ビルでそう会話を交わしているのはワーム達を統括する外見こそ人間だが正体は同じくワームである峰岸に神島、そしてダークファンタジアの幹部であり今回この世界に出向きワームに手を貸した黒谷ヤマメ。3人は背後に強化服を着込む兵隊『ゼクトルーパー』を控えさせて街の各所に設置された監視カメラより大画面へ送られるワーム達の侵攻状況をリアルタイムで映し出す映像を眺めている。街を襲うワームの軍勢、そんなワーム達から逃げ惑う人間達を守らんと戦う2体のマスクドライダーにZECTの生き残り数名。戦況は火を見るより明らかなワーム側の優勢だ。

 

峰岸「本当に恐ろしい限りですね。私達が散々苦汁を飲まされてきたライダー達がああも劣勢となり得てるんですから」

 

神島「後は俺1人でも終わらせられそうだ。もうお前達の力を借りる迄も無いな」

 

ヤマメ「そう連れない事を言わずに最後迄協力させてよ。折角無償でやってるんだし使わないと損じゃないかな?」

 

外の状況を映す画面を眺めながら峰岸は微笑みに邪悪を込めさせる。最早ザビーやドレイク、サソードゼクターはこちらの手中にあって残るハイパーゼクターを持たぬカブトとガタックは数だけでも叩き潰せる程に疲弊していた。人間側唯一の対抗策であるマスクドライダーシステムを失えばワームの勝利は目前だ。

故に残りは我々ワームが片付けると提言した神島に対してヤマメは親しげに何の狙い無く親切心でそう返す。神島に代わり峰岸がその返答に笑みを浮かべつつ答えた。

 

峰岸「いやぁ、お気遣いどうも。しかしこれは私達の世界の事ですから最後位は私達自身で完遂させたいんですよ。もうライダーは後一歩で始末できて地球はワームの支配する時代が訪れます。

 

 

 

だからもう貴女方は用済み……いえ、目障りなんですよね」

 

 

 

ヤマメ「……えっ?」

 

ザザザザザッ!

 

「「「「「」」」」」ジャキンッ!

 

と、峰岸の言葉でヤマメが呆けている隙に控えていたゼクトルーパーの集団が素早くヤマメを囲む。そして手に握るマシンガンブレードの銃口を向け「動けば撃つ」と言う意思表示を見せて拘束した。そこから言いたい意味を解したヤマメはおどけた様な笑みで一応疑問を投げ掛ける。

 

ヤマメ「…………間違ってたらゴメンね。これは一体どう言うつもり?」

 

峰岸「見たままですよ。そして、さっき言った通り貴女方が目障りなので消えてもらいます」

 

神島「お前達の協力でココ迄こじつけられた事には感謝する。だが同時にそのライダーを圧倒できる力は我々の脅威になりうるかもしれないのでな」

 

ヤマメ「成程、つまり私達が成果を横取りしに掛かるかもしれないから先手を打とうって?まぁ、妥当な判断じゃないかな……私達ダークファンタジアがそこら辺に居る様な普通の悪の組織だとしたらね」

 

四方から銃器を向けられ、連れてきた部下達(ワーム)は街で侵攻を手助けさせており自分1人しか居ない状況にも関わらず、まるでソレを楽しんでいるかの様な面持ちのヤマメ。取り囲んだ最初こそ勝ち誇った顔の峰岸と神島であったが余裕な態度を見せる彼女を訝しむ。

無論、ヤマメの部下はこちら側のワームに戻ってくるなら阻めと命じてあり助けが来る可能性は低いのでその理由は判らない。それについて神島はどうせ強がりだと考えを切り換えて自身の右腕にライダーブレスを取り付けた。

 

神島「まず手始めに貴様だ。それから部下共も始末してダークファンタジアに警告する。我らに手出しするなとな」

 

ヤマメ「私達を抑止力目的で殺さなくてもウチのリーダーは貴方達の邪魔や横取りなんてしないよ。寧ろ物凄い逆効果なんだけどなぁ」

 

ブゥーーーンッ

 

神島「言っていろ。変身」ガシャッ

 

《HENSHIN》

 

吐き捨てる様に返した神島のライダーブレスに何処からか飛んできた金色のゼクターが止まる。言葉に応じてそのゼクター……『カブティックゼクター』が自らブレスに填まると神島は左腕から装甲が纏われていく。《CHANGE BEETLE》の音声がブレスから発せられ、まるで金色のコーカサスオオカブトを模す姿の仮面(マスクド)ライダーコーカサスに変身した神島は続いてカブトより奪取していたハイパーゼクターを左腰に装着。そして……

 

《HYPERCLOCKUP》

《HYPERCLOCKOVER》

 

神島「フンッ……」

 

ヤマメ「──────」ブシュウウウウウッ!

 

一瞬すらも遅い加速でヤマメを切り裂く。1ミリも動く暇無く血飛沫を上げたヤマメは声無くそのまま床に倒れ込む。端から見ても神島自身からしてもその結果からして勝敗は決していた。

 

神島「片付けろ」

 

「「「「「ハッ!」」」」」

 

命じられてゼクトルーパー達はヤマメの片付けに掛かる。眺めていた峰岸はヤマメによりもたらされたコーカサスに変じる神島へ笑顔で話し掛けた。

 

峰岸「これだけ扱えていれば貴方一人でもカブトやガタックは簡単でしょう。お願いしますね」

 

神島「当然だ。それにしても幹部でこの程度ならダークファンタジアも敵では無いかもしれないな」クククッ…

 

仮面の下で邪悪に笑う神島。カブトらのみならずダークファンタジアすら潰す自信を沸き上がらせる。それに峰岸も同調する形で更に笑みを顔へ浮かばす。

 

が、そんな2人の顔は瞬時に消え失せた。

 

 

 

───ザンッッッ!

 

 

 

ブシャアアアアアーーーッ!

 

「「っ!?」」

 

背後から唐突に発せられる鋭利なものが何かを切断する音と多くの何かが噴き出る音に何事かと峰岸と神島は振り返る。すると始末したヤマメを運び出す為に集まったゼクトルーパーの内、数名が首から上を失い血を噴いているのを見た。そして無事だったゼクトルーパーが後退し、一拍遅れて首を切断され絶命したゼクトルーパーが倒れた中心で立ち上がる“死んだ筈の”ヤマメが目に入る。

 

ヤマメ「痛たたた~……女の子に容赦無いなぁ。一張羅が台無しになっちゃったよ」ギチギチ

 

神島(……何だ、アレは……?)

 

一撃で仕留められる容赦無き深い傷を負わせた筈だったが発する言葉とは裏腹に(それでも充分そぐわないが)平然と立ち上がるヤマメ。彼女の背中には服を突き破って節足動物……蜘蛛の様な脚部が二対四本生えている。更に見れば先程左肩から右脇腹に掛けて切り裂かれた傷がみるみる塞がっていっていた。元より人間で無いのは解っていたがワーム目線から見ても驚愕するヤマメのその様子に峰岸達は戦く。

 

ゼクトルーパー「ッ!くそっ!しぶとい奴め!」ジャキッ!ダダダダダァンッ!

 

しかしそんなのは一瞬の事。気を取り直したゼクトルーパーの1体が同胞を殺し立ち上がった危険存在たるヤマメにマシンガンブレードを撃ち放つ。無数の弾丸が自身目掛けて放たれて身体を抉ってくるのに対してヤマメは……

 

ヤマメ「よっ」ヒュッ

 

ボボボボボッ!

「「「「「「」」」」」」…ドシャアーーーッ!

 

軽い掛け声と共に目にも止まらぬ速さで背から生やした蜘蛛の脚を振るい爪で銃撃するゼクトルーパー他、周りの残るゼクトルーパーらの頭部を消し飛ばす。首を吹き飛ばされたゼクトルーパーらは断末魔無く数秒フラついてバタバタ倒れる。それらに目もくれず「やれやれ」と言わんばかりに苦笑するヤマメは峰岸の方を見やった。

 

ヤマメ「まぁ、服はどうとでもなるから良いけど……刃向かってきたのなら同じく台無しにした信用の方はどうにもならないよ?あまつさえそんな程度の力で私達ダークファンタジアに立ち向かえると思うなんて……どうしようも無い身の程知らずだね」ハァ

 

神島「何だと……?」ピクッ

 

ヤマメ「いや、怒るのはコッチだよ?折角タダで協力してあげたのに思い違いで私の親切を無駄にしてくれちゃってさ。私達を裏切ったからにはどうなるか覚悟できてるんだろうねェ……?」ザワッ

 

峰岸「ッ!?」

 

銃弾を受けた傷すらもその会話の間に治癒させたヤマメは怒りを顔に表す。そうして傍目から判る程沸き立つオーラに峰岸は何故か過敏に反応。まるで有り得ないものを見ている様に目を見開かせて心中にある言葉を口から漏らした。

 

峰岸「……ま、まさか貴女はっ……!?そんな、馬鹿な!“アレ”は地球へ降り立った際に死んだ筈だ!何故お前がココに居るマ───」

 

ヤマメ「」シュビッ!

 

ザンッ!

峰岸「ザー……───」

 

神島「っ!」

 

言い終わらぬ内に峰岸は沈黙。別に正体を喋らせても構わなかったが面倒臭いからと再び振るわれたヤマメの爪により頭部が半壊し今度は驚愕した顔のままドサリと倒れ伏す。こうしてワームの血で血生臭さ漂う中にて神島のみが彼女と敵対する者で一人残る。神島は仲間意識を然程持ち合わせていない為、同胞を多く失っても冷静で居た。そんな意識で仲間を殺された事に怒りを沸かせるよりも脅威たる眼前の敵の排除を彼は優先する。

 

ヤマメ「さて、これからどうする?まだ向かってくるなら相手になるけど。命乞いするんだったら見逃しても良いよ」

 

神島「巫戯けた事を……ココ迄した貴様に命乞いなぞする気は無い。俺だけでも片付けてやる」

 

ヤマメ「そっか。それじゃあ───」チャキッ

 

神島(! ライダーブレス!?)

 

返答を聞いたヤマメは残念そうな表情をしつつ左手に黒いライダーブレスを装着。すると天井から蜘蛛型の黒いゼクターが糸を伸ばして彼女の手に降下し収まった。そしてヤマメはそのゼクターをブレスにセットする。

 

ヤマメ「変身」ガシャッ

 

《HENSHIN》

 

ゼクターがライダーブレスにセットされるとヤマメの姿は変じる。左手から黒いアーマーが纏われていき八ツ目の紅い複眼を持つ蜘蛛を意匠とした黒いマスクドライダー……いや、ダークドライダーとなり神島へその姿を現す。

 

《CHANGE SPIDER》!

 

ヤマメ「ダークファンタジアに牙を剥いた罪はこの私、ダークドライダー『スパーダ』に命で償ってもらうよ」

 

神島「っ……!ほざくなァ!」ダッ!

 

怒りで声を荒げた神島はヤマメ変じるスパーダに詰め寄る。そして振り上げた拳を渾身の力で叩き込もうとした、が……

 

───ガシィッ!

 

神島「何っ!?」

 

繰り出されたパンチはいとも容易く止められた。持ち上げられた腕で防ぎ平然とするヤマメに怒りを増す神島は更に二度三度と攻撃を続ける。だが決して弱くないコーカサスの攻撃をスパーダとなったヤマメは尚も軽く防御し、かわし、捌く。業を煮やした神島はハイパーゼクターのゼクターホーンを押し込んだ。

 

《MAXIMUM RIDERPOWER》

 

神島「死ねえええェェェッ!」グオッ!

 

それによりマキシマムライダーパワーを供給しハイパーライダーキックを放つ神島。先程より強烈なキックが自身目掛けて繰り出されるも対するヤマメは防御や回避の姿勢を取らない。代わりにヤマメの正面に蜘蛛の巣を模したエネルギーが展開する。

 

バチィィィッ!

 

神島「! な、何だコレは……!力が抜ける!?」キュウウウウウッ…!

 

ヤマメ「スパーダのネットバリアに掛かった獲物はエネルギーを吸い取られる。この私にそんなエネルギー纏った攻撃は寧ろ悪手、だよッ!」ドガァッ!

 

神島「うぐあああッ!?」ザザザーーーッ!

 

ヤマメ「今度はコッチの番♪ライダーウェブ」ガシャッ!

 

《RIDERWEB》!

 

何と攻撃を受け止めた蜘蛛の巣型のエネルギーは神島からマキシマムライダーパワーを吸収。そうして奪ったエネルギーを乗せたパンチを逆に神島へ喰らわせて殴り飛ばす。返されたマキシマムライダーパワーを纏うパンチを喰らい悶える神島に対し続けてヤマメは蜘蛛型ゼクター『スパーダゼクター』を180度反転させ必殺音声を鳴らしゼクターから紫色の蜘蛛の巣を模す網を神島目掛けて勢い良く射出した。

 

バシュッ!

神島「うっ……!?」グイッ!

 

ヤマメ「ライダーバイト」ガシャッ

 

《RIDERBITE》!

 

射出された網が神島の四肢を捕らえてヤマメが引っ張る事で神島は抵抗虚しく引き込まれる。次いで更にゼクターを180度回転させる事によりゼクターの頭部から牙状のエネルギーが展開されヤマメは引き込んだ神島へそのゼクター着ける左拳を繰り出した。

 

ドシュウウウッ!

 

神島「ッッッ……ガッ、グワアアアァァァーーーッ!!!」ドガアアアアアンッ!

 

スパーダゼクターの牙が神島をコーカサスの装甲ごと貫く。そのまま神島は断末魔を上げて世迷い言無いまま爆発。巻き起こる緑色の炎を振り払ってスパーダから変身を解いたヤマメは「全くもう……」と漏らし反逆を仕掛けてきた峰岸らを哀れむ様に息を吐いた。と、そこに扉をバァンッ!と押し開けて集団が駆け込んでくる。

 

部下1「ご無事ですかヤマメさん!?」

 

ヤマメ「あ、遅いよー?私一人で片付けちゃった」

 

部下2「すみません……邪魔してくるこの世界のワーム共を潰してたら時間を掛けてしまいました……」

 

その集団はヤマメ率いるダークファンタジアの構成員(ワーム)。街でこの場に自分達が来るのを阻むワームらを蹴散らして駆け付けてきたらしい部下らはヤマメの衣服が破れてるのに気付くと一人が脱いだコートを着せる。それから彼女が片付けた峰岸らの遺体を見やり持て囃し始めた。

 

部下3「しかし見事ですね。お一人で裏切ったコイツらを軽く一掃してしまうとは」

 

部下4「流石は我らのリーダーたるヤマメさんだ。その強さは相変わらず俺らじゃ足元にも及びませんぜ」

 

ヤマメ「褒めてたって何も出ないよ?それより本部へ連絡して。悪が勝利する事で世界のバランスを歪ませる“プランA”は峰岸達の裏切りで更なる悪に悪が潰される事で歪む“プランB”に変更しました、ってさ」

 

部下1「了解しました!」

 

ヤマメ「それと、それが済んだら道草食って何処かの世界で焼肉屋にでも行こうか。アンタ達の労いと今褒めてくれたご褒美を兼ねて♪」

 

「「「「「おぉーーーーーっ!」」」」」ワァッ

 

歓声に沸いた一同は早速撤収に掛かる。ヤマメはそれを監督しながら破れた一張羅の服はこの際だからイメチェンしようかなとかこの世界のカブトらがこの惨状を見たらどんな反応をするかな等と楽しげに考えていた。

 

黒谷ヤマメ。彼女もまた世界を敵とするに敵った力を持つダークファンタジアのメンバーである───




ココに来て後付け設定感漂うけど実際そうだから仕方無い、って萎えるメタ話は円環の理に導いときまして……

と言う感じで今回はヤマメ活躍回でした。魔改造を目指したつもりでしたが表現できてれば幸い。文章力の低さで読み難かったなら今後もそんな風なんでご了承くださいと頭を某天ノ川学園校長より深く下げさせていただきます。

何かネイティブ、じゃなくてネガティブな発言が目立つな今回の俺(汗)

気を取り直しましてヤマメの正体は果たして何でしょうね?このスピンオフか本編で明かす予定です。ご期待を!
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