異界変スピンオフ 東方幻想歌 ~Dark Fantasia~ 作:秋塚翔
今年も俺はシングルベル、カップルを見てメリークルシミマス(泣)そんな私ですが自分のキャラは思う存分クリスマスを楽しんでもらうぜ!あー羨ましいなぁ妬ましいなぁパルパルパルパルパルゥ!
それではどうぞ!
あ、今日は三次元の恋人と聖夜を満喫するとほざく人は申し出てください。自宅にサンタクロース眼魔を向かわせて鉛玉と言う名のクリスマスプレゼントをお届けに上がります♪(黒笑)
夜に差し掛かろう夕暮れの通りをイルミネーションが明るく彩ったとある並行世界の街。今日、12月25日に親子連れやカップル等が賑わう中で麟と四阿は仲睦まじく手を繋いでクリスマスデートを楽しんでいた。
麟「綺麗ね。正にクリスマスって感じで素敵だわ♪」
四阿「そうだなぁ……」
イエス・キリストの聖誕祭が変質した子供やカップルらにとって特別なこの日は悪の組織リーダーと幹部の肩書きを本拠地に置いてきてクリスマスムード一色の街を並び歩く二人。麟は白いコートに黄色いマフラーを巻いて革のブーツ、四阿は青いジャケットにジーパンと言った世を忍んだ服装だ。何処からどう見ても世界を脅かす悪党とは誰も思うまい。
麟「アリス達には感謝しないとね。パーティを引き受けて私達だけこうして二人きりにさせてくれたんだもの」
四阿「向こうは向こうで楽しんでるだろうけど礼を言おう……行く時に寂しそうだった縁理には何かプレゼント買おうか」
麟「何が良いかしら?ドーパントのぬいぐるみとかあればこの上無いんだけど」
四阿「……財団Bを買収して作らせとけば良かったな」
本来なら年間行事は欠かさず執り行うダークファンタジア本部でクリスマスパーティだったのだがアリスを筆頭に幹部・主力勢が気を利かせて送り出し二人はこの街に居た。この世界を拠点としている第5支部から聞いていたオススメ通りただ歩くだけでも充分楽しめる。子供が親に玩具屋でプレゼントをねだったりカップルがいつもと違かろう気分で歩いてる光景はクリスマスならではの風情だ。
麟「あ、コレ可愛い。ペアネックレスだって」
四阿「二つ合わせるとハートに、か……」
麟「買っちゃおうかな?四阿とお揃いしてみたいし♪」
四阿「……それは良いけど、ちょっと恥ずかしい……」
店先のガラスショーケースに飾られたアクセサリーを眺めながらそう呟く麟に顔を赤らめる初心な四阿。こうしてデートらしいデートをするのは久し振りで組織の活動が活発化した頃には基地内での逢瀬ばかりだった。それもそれで悪くないのだがアリス達が設けてくれたこの時は実に嬉しく、二人は悪党から離れて一組の恋人同士として今日、クリスマスと言う一夜を楽しむ。
が、そんな笑顔の溢れる一時の裏にも影がある。光と影……クリスマスで言えば有名所は非リア充の橋姫大喜びなリア充への嫉妬であろう。しかしソレとはまた別の影が麟達に狙いを付けて襲ってきた。
??「ちょこ~っと宜しいかなソコのお二人さァん?俺達に少しだけ付き合ってもらえるカナァー?」
「「!」」
~~~~~~~~~~
不良A「───おーおー、カッコ良いねお兄サン?彼女には指一本触れさせない!ってかァ?ソイツはもしかして最近彼女と別れた俺への当て付けなのかな~?」
不良B「彼女さん可愛いねェー。そんな貧相な彼氏なんて放っといて俺らと遊ばない?忘れられない夜にしてあげるぜェ~♪」ニヤニヤ
不良D「おっ!コイツら結構持ってるじゃん!一発目から美味しいのを捕まえたぜ!」
四阿「……」
麟「……」
声を掛けられて言われるがまま路地裏に着いてきた麟と四阿。そこで待ち受けていたのは下卑た笑みを浮かべる男達だった。数は5人で染髪やピアス等にストリート風の風貌と言った見るからのチンピラ。1人は折り畳み式のナイフを手に持って麟達を逃がさない様に正面を陣取り、2人は壁際に囲んだ麟と四阿……特に麟を品定めする厭らしい目付きで眺め、もう2人は麟達から奪った財布の中身を改めている。どうやらこの男らはクリスマスで浮かれるカップルを標的にカツアゲを行う不良らしい。
そんなカツアゲ集団に麟と四阿は抵抗せず無言で───四阿は男らが麟に触れない様に一歩前へ出て彼女を守ってるが───させるがままにしている。その表情に恐怖や動揺は(勿論)無い。何せ片や不良如き話にならない悪党を纏め上げる組織のリーダーと片やその幹部だ。生憎と変身ベルトは本拠地に置いているものの素手で軽く叩き伏せられる相手である。しかし二人はあえてまだそうしない……何故なら今日はクリスマス、人を殴って後味を悪くしたくないからだった。
不良C「どうするよ。女の方は顔が良さげだし初っ端だけど拐っちゃう?」
不良B「だな。男は適当にブン殴ってポイ捨て一択。そんで俺達は朝迄クリスマスパーティと行こうぜ」
不良D「じゃあ俺一番手!ヒィヒィ言わせてあげるから楽しみにしてなよ彼女さん♪」
不良E「馬鹿お前。そう言って前の女は壊れる迄独り占めして散々やってたろ?今年こそは皆でナカヨク遊ぼうぜ」
不良A「そう言う訳だ。満場一致でテメェの女は貰うかんな。構わねェなら殴る位で見逃してやっけど嫌だってなら……刺し殺すぞ?」チャキッ
四阿「……お前らが勝手に決めるな。麟は渡さない」キッ
不良A「ハァーーーッ!?聞こえないなァ!もっとハッキリ言ってくれねーかなァー!?」
捕まえた獲物が不運にも自分達より遥かに上な存在なのに不良らは致命的にも気付かない。完全に人を見掛けで判断し気弱な優男と見た四阿をおちょくった顔と挑発的な声色で脅しに掛かる。無論そんなのは逆効果で静かに怒りを沸かす四阿は殴る一歩手前に来ていた……しかしソコへ彼が守っている少女の横槍が入る。
麟「やめなさい四阿……それに貴方達も。このまま私を渡せ渡さない、殴るぞ刺すぞと言い争っててもお互い損しか無いわよ?」
不良B「! ……アァ?」ギロリッ
突然の落ち着き払った
麟「私達は貴方達を殴り倒せば、後のデートが後味悪くなるわ。逆に貴方達は有言実行で私達を殴るなり刺すなりすれば良くて暴行罪と傷害罪、悪くて殺人罪か死に物狂いの私達に反撃されて一生ものの怪我を負うかも知れない」
「「「「「……はァ……?」」」」」
麟「勿論私を拐おうものなら私も抵抗するわよ?果たして女の私でもどれだけ貴方達に抗って骨折させるなり目を潰すなり……大切な所を機能不全させたりできるかしら」
「「「「「…………」」」」」
残念ながら簡略的な言語しか解らない(要するにバカ)不良らは麟の理論を口頭では理解できない。だが感覚的に自分達にとって宜しくない事を予言されてる様なニュアンスだけは覚えた。そして同時にさっき迄男に守られてるいたいけな
麟「ああ、ついでに言わせて貰うけど刺すなら刺すでそんな持ち方じゃ手前にスッポ抜けちゃうわよ?脅し用にチラつかせてるだけで使い慣れてないのかしら。そんなんじゃ……」グッ ヒョイッ
不良A「ッ!?」ギョッ
麟「こうして奪われる事も有り得るから気を付けなさい」チャキッ
流れる様な自然さで、それとなく前に出た麟に正面の不良はナイフを奪われた。指摘通り握りが甘かったが大の男から少女が武器を奪われたと言う事実に指摘云々を忘れて驚愕する男達。単に相手の間接を利用した柔術の軽い応用だが学の無い彼らは結果のみを見て恐れを覚えた。同時に理解する、自分達が捕まえたのは“美味いカモ”では無く“とんでもない奴”だったと。
麟「生憎と私達は貴方達と程度は兎も角、同類だから警察には連れてかない。だから大人しく退いて頂戴。そして願わくば今日と言う日を貴方達も迷惑掛けずに楽しみなさい?」ポイッ
不良A「!」パシッ
麟「それじゃあメリークリスマス♪」ニコリ
不良A「……は、はい。メ、メリークリスマス……」
言って麟はナイフを折り畳んで持ち主である不良に返す。柔らかな笑みを見せる麟に不良らは口々に『メリークリスマス』と返答し、そそくさと路地裏から出ていった。麟に気圧され戦意喪失、意気消沈させられた不良達はもう今日一日また誰かにカツアゲを仕掛ける事は無いだろう。因みに財布も中身をソックリそのまま残して返している。
麟「さて、私達も行きましょうか」
四阿「……凄いな麟は。言葉だけで追い返すなんて」
麟「コレ位出来なくちゃ悪党達のリーダーは務まらないわ。それよりゴメンね?折角私を守ってくれてたのに」
四阿「麟が無事なら良いよ……俺こそ手を患わせてゴメン」
麟「謝る事なんて無いわ。私としては四阿が守ってくれた事が嬉しいし。流石は私が好きになっただけあるわね♪」
四阿「そ、そんな事……」
照れ隠しに顔を反らすも耳迄赤くなる四阿。麟はそんな頼れる愛しい恋人を引き連れて路地裏の影から光指すクリスマスムードの中に再び入っていった───
~~~~~~~~~~
四阿「……そろそろ時間だな。中央に行こう」
麟「そうね。第5支部の皆が口を揃えて評価してたし、どんなのか楽しみだわ」
暫く店を転々と回り予定の時間が近付いてるのを確認すると二人は街の通りの中央に足を運ぶ。第5支部リーダーの話では中央に鎮座している大きなクリスマスツリーは点灯されると素晴らしく、もうすぐライトアップの時間が来ていた。他の通行人達もソレ目当てらしく同じ方向へ向かっている。
??「泊さん!早くしないとライトアップ間に合いませんよ!」
???「待てよ霧子、そんな急がなくても大丈夫だって」
?「すみません呉島さん、海外から帰ってきたばかりなのに今日は色んな所に連れていっていただいて……」
??「いえ、私がしたくてやった事ですから。それに晶さんの為なら寧ろ…………コホンッ、失礼、何でもありません」
中には何処かで見た事あるカップル二組程が居たが気にしてばかりでは先に進まない。何処ぞのポリスライダーとメロンの君らを含めた人達は皆クリスマスツリーに集まる。
そして、
───パアッ……!───
麟「わぁ……」
四阿「……凄い」
開始時間になったと共に通りの真ん中に鎮座する大きなモミの木で作られたクリスマスツリーが点灯する。暗かったイルミネーションが一斉に光り出し眩くツリーがライトアップ。その光景に見物に来た者達はそれぞれ感動の声を上げた。今にもサンタクロースが降りてきそうな予想以上の華やかさだ。
更に、
麟「……!あら?」
四阿「雪……」
まるでそのライトアップと示し合わせた様にしんしんと雪が降ってきたのである。絶妙なタイミングで偶然とは思えない雪に麟達を始め、ツリーに集うカップル達は声を上げた。予期せぬホワイトクリスマスの中でイルミネーションが照らされるツリーは言い表せない幻想的な雰囲気を醸す。
麟「…………ふふふっ」クスリ
四阿「? どうかしたの……?」
と、暫く畳み掛ける感動に圧巻としてツリーを眺めていたら不意に麟が笑い声を漏らす。何が可笑しいのかと四阿が首を傾げると麟は笑みの形を取る唇を軽く押さえつつ答えた。
麟「いえね、まさか悪である私がこうしてクリスマスの光を見上げられるなんて昔は思いもしなかったのを思い出して……悪の道にすがったその時から闇の中で生きるのを覚悟してたのに」
四阿「……」
麟「それが今は貴方って言う恋人と一緒に悪でありながら光を見ていられる。しかもホワイトクリスマスなんて素敵なものをね……有り難う四阿、貴方のお陰で私は絶望せずにこうして居られるわ」
四阿「……俺の方こそ、有り難う。麟が俺の恋人になってくれなら幸せだ」
麟「クスッ……何だか照れるわ。だけどたまにはこんなのも悪くないわね♪」スッ…
四阿「ああ、そうだね……」
言って二人はゆっくり距離を縮めて唇を重ねる。他のカップルらもそんな雰囲気な様で彼女達のキスは雪降る景色の中に溶け込む。しかし二人にとっては掛け替えの無い特別な、互いの気持ちを伝え合う一時だった───
12月25日、クリスマス。それは妬む者も居れば待ち望む者も居る悪の道に進む者すら光を見れるかも知れない聖夜の日……
どんな者に対しても今日と言う日にはこう言わせてもらおう、
これを書いてて気付いた、俺ってゲスキャラ好きだなぁ……www
妖魔と言いDQNなモブキャラと言い何故こんなに台詞を書いてて楽しいんだろう?書いてる本人が性根ゲスいからかな(笑)
因みに麟が不良達に掲げたロジックは穴だらけです。例えば抵抗するなら縛るなり気絶させるなりで無力化すれば良いし殺しを厭わない奴だったら被害者を生かして罪に問われるより口封じで殺人を犯すでしょう。麟は穴があるのを解った上でカマを掛けました。結果、アホだった不良達は退散しましたがね。
それでは皆さん、リア充も非リア充も良いクリスマスを。次の投稿は筆が乗らない場合は新年になります。