異界変スピンオフ 東方幻想歌 ~Dark Fantasia~   作:秋塚翔

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センテンススプリング!(挨拶)
久し振りの投稿にしてスピンオフ、今回はコラボ回です。本編の最新話を書いたら同時に投稿しようと思ってたんですが余りに書けないから先出し。異界変の次章ネタバレがありますので「構わねぇ!読ませろ!」とか「お前の作品のネタバレ?あんなのにバレもクソも無ぇだろ」とか言う方は……










どうぞ!(ネタバレw防止の行空け)


二人の麟と新たな世界

麟「くっ!何なのよコイツら……!?」

 

ココは『東方怪人録』の世界。数ある東方と仮面ライダーが交差する世界の一つだ。そこの小さな森で『冴月麟』は3体の怪人と戦っていた。

 

ダヴィンチ眼魔「我ハ全知全能ノ神ィーッ!」

 

ミケランジェロ眼魔「オォォォッ!」

 

ラファエロ眼魔「エンジェルジェルー!」

 

仕事でこの森にやって来た麟の前に銀色のオーロラから突如現れたこの怪人達……ダヴィンチ眼魔とミケランジェロ眼魔とラファエロ眼魔。まだこの世界に居ない(筈の)その3体は現れるや自我は無い様子で喚き散らして暴れる。それに巻き込まれた麟は所持する契約カードの内、ダークウイングを使って変身し襲い掛かる怪人らへ迎え撃った。

 

麟「良く解らないけど貴方達を野放しにしたら危険な気がするわ。喰らいなさい、音波【ナスティボイス】!」

 

「「「ヌゥッ!?」」」

 

背中から生えた翼を翻して麟は音波を繰り出す。3体の眼魔はそれに苦悶。しかし内のミケランジェロ眼魔はつんざく音響を振り切ると体に巻き付ける蛇を伸ばして放った。

 

───バシィッ!

 

麟「っ……!」

 

しなる蛇による反撃を受けた麟は鞭で叩かれた様な痛みを食らって後退。その怯んだ隙を狙ってダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ眼魔は一斉に飛び掛かる。対して麟はすぐに返り討とうとするも意外に素早く、一足早くダヴィンチの攻撃が目前に迫った。麟は連続のダメージを覚悟する……

 

が、その時───

 

 

 

~~~♪~~~~~♪

 

 

 

麟(? 音楽……?)

 

他には誰も居ない筈の森に不可思議な旋律の音楽が響き渡る。一瞬、戦っているのを忘れてその幻想的な音調に耳を奪われる麟。すると一方の眼魔達は、

 

「「「……ガ、グゥッ!?ガアァアァアァッ!」」」

 

麟「!?」

 

対照的に苦しみ出す眼魔3体。耳を押さえてボディには何故かヒビ割れが窺える。まるで自分()のナスティボイスと同じく、しかし桁違いの音波で攻撃されている様に。

そんな3体へ歩み寄る形でガサガサと繁みを掻き分けて向こうから指揮棒を振るう少女がやって来た。どうやら音楽は彼女が奏でているらしい。少女は指揮棒を振り終えるとスペルカードの宣言みたく呟く。

 

?「───最終楽章『悪滅』」

 

「「「ァ、ガハッ……!グワアアアアアーーーッ!!」」」

 

その一言に応じてルネサンスの三大偉人を模した眼魔達は爆散。爆風を麟は翼で防御し事無きを得る。ボディが爆発して地に落ちた3つの眼魔眼魂も砕け散った。

矢継ぎ早の事態に麟は一瞬呆ける。と、そんな麟に指揮棒を仕舞った少女は親しげに近付く。その少女の顔に麟は更に驚く事となった。

 

麟「ゴメンなさい、大丈夫だった?……『私』♪」

 

麟「ッ!?貴女は……!」

 

ニッコリと笑い手を小さく振るもう一人の冴月麟(自分)に麟は有り得ないものを見る表情で驚く。『怪人録』の麟と『ダークファンタジア』の麟。ココに二人の麟が出逢いを果たした───

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

麟(怪人録)「はい、ミルクティーで良かったよね?」

 

麟「有り難う♪すまないわね、突然押し掛けて紅茶を出してもらっちゃって」

 

麟(怪人録)「構わないよ。仕事を手伝ってくれたお陰で早く終わったし♪」

 

冴月堂。怪人録側の麟が経営する店でダークファンタジアの麟は差し出されたミルクティーを一口飲む。怪人録側の麟も自分のものを淹れるとダークファンタジアの麟と向かい合う形で座って啜る。因みに冴月堂には現在麟一人(今は二人か)。従業員のエレンとカナは別の依頼からまだ帰ってきてない様だ。

 

麟(怪人録)「さっきは助けられたわ。怪人そのものはスペルカードルール守らないから、それを忘れててやられる所だった。有り難う」

 

麟(あの眼魔はダークファンタジア(ウチ)で複製したのが脱走したから襲われたのは私の所為だけど……言ったら不信感抱かれるかもだし、黙っとこうっと)

 

敢えて口を紡ぐ麟。親しみを持たれている同じ自分(冴月麟)に隠し事をするのは罪悪感を覚えるが、そもそも自分は『悪』だからと自分で自分を誤魔化す。

それから二人の麟はお茶を手に楽しく話し合う。ダークファンタジアの麟は自身の素性だけは包み隠さず明かした。最初こそ悪党である事に驚かれるも、同じ自分で何か感じるものがあるのか怪人録の麟はダークファンタジアの麟を受け入れる。

怪人録の麟も身の上話をした。ダークファンタジアの麟は聞き上手で、たまに幻想郷で楽しく過ごしている彼女を自分と照らし合わせてか本当に嬉しそうで、何処か憂いを感じる表情で聞く。悪と善、大別すると真逆の立場である筈の二人の麟はさながら姉妹の様だ。

 

麟(怪人録)「……えっ?異変の協力?」

 

麟「ええ、この世界で私達が起こす均衡を歪ませる異変に是非協力してほしいのよ。私がココに来たのは(脱走した怪人の処理と)下見とその為でね」

 

その最中でダークファンタジアの麟は『本題』を持ち掛ける。この世界の自分と親交を持ったのは計画の内じゃ無かったが、それに乗じて自身の目的を話す。すると怪人録の麟は少し考え込むと、すぐに答えを出した。

 

麟(怪人録)「…………うん、良いよ。手伝ってあげる」

 

麟「本当に?」

 

麟(怪人録)「貴女の話を聞いてると私が住むこの世界を悪いようにはしなさそうだからね、同じ私の頼みなら冴月堂として受けるよ。それに……ちょっと異変を起こしてみたかったんだ♪」

 

麟「フフフッ、流石は私。話が早いわ♪」

 

そう答えて悪戯っ子を思わす笑顔を浮かばせる怪人録の麟に釣られてダークファンタジアの麟も微笑む。と、続けて怪人録の麟は付け加えた。

 

麟(怪人録)「但し、条件があるわ。貴女の異変を手伝う前に私のお願いを聞いてくれないかな?───」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

麟(怪人録)「───ゴメンね?店に招待したのに、また外へ連れ出しちゃって」

 

麟「良いのよ。それよりもうすぐかしら?」

 

所変わりココは幻想郷の外れにある森。麟達が出逢った小さな森とはまた異なる名も無き場所だ。

怪人録の麟に連れられるままダークファンタジアの麟はその奥地へ踏み入れる。すると崖下らしき岩壁前で立ち止まった。どうやらココが目的地の様だ。

 

麟(怪人録)「ココだよ、さっき道すがら話した私の友達達が封印されてる場所は」

 

言われて見ると岩壁に小さな洞窟があった。それは指摘されて漸く気付く"隠蔽の細工"がなされている。

洞穴に鎖が張り巡らされ、そこに何枚も魔を抑える『封魔』と認識を薄くする『隠匿』の御札が張られている。例え何者かが立ち入ってきても無闇や好奇心で封印を解かれたら困ると言う事からだろうか。どうやら話の通り妖怪、つまりは怪人録の麟の友人が閉じ込められている様だった。

 

麟(怪人録)「まだエレンやカナが居なかった頃に仕事を手伝ってくれてた友達なんだけど、恨みを持つチンピラに雇われた陰陽師に封印されたの。それからそのチンピラや陰陽師は別の妖怪に襲われて、もう居ないから解けなくなって……お願い、二人を助けて」

 

麟「任せて。この位なら解除できるわ」

 

頭を下げて懇願する怪人録の麟。対してダークファンタジアの麟は事も無げに応えて洞窟に近付く。

確かに生半可な者では解けない意外と頑丈な封印だ。しかし、とダークファンタジアの麟はついと指で鎖をなぞる。そうすると……鎖は呆気無く外れて封印が解けた。

 

麟(怪人録)「……!」

 

麟「ディメンションインストール『博麗霊夢』……どんな封印も解いちゃう霊夢のインチキ技を借りたわ。ココの誠実そうな霊夢じゃ会得してなさそうだけどね」

 

「「───……ん、んうっ……?」」

 

驚く麟と微笑む麟の眼前、封印が解かれた洞窟の奥で何かが動き、外へ出てくる。ソレらにとって暫くぶりな日の下に現れたのは二人の少女だった。

一人は宇佐美蓮子そっくりの、帽子に装飾がなされた黒い洋服。麟と同じ金髪をロングに伸ばし、腰には十字架を携えている。もう一人は紅美鈴とそっくりの星が着いた中華風の帽子を被る紅白の洋服。黒髪をサイドテールにしている。

二人のその少女は状況が解らないと言った顔付きで明るくない辺りを見渡す。そんな彼女らに麟は名前を叫んだ。

 

麟「ジャラ!空翔(コウシャン)!良かった、助け出せて……!」

 

ジャラ「あれ、麟。どうした?」

 

空翔「何で私達こんな所に居るの?確か前に悪さしてるのを懲らしめたチンピラに絡まれて……」

 

どうやら閉じ込められていた間の記憶が無い様子の二人、金髪の少女ことジャラ・ホーケットに黒髪の少女こと(ほう)空翔(コンシャン)。しかし喜ぶ怪人録の麟に何となく笑い返した。そうした方が良いと感じたからである。

 

麟「感動の再会ね。私も嬉しいわ♪」

 

ジャラ「? アンタは?」

 

空翔「麟に凄くソックリだけど……何者?」

 

麟「それはソッチの私が落ち着いてから話しましょうか。何なら助け出した貴女達にもご協力願いたいしねジャラ・ホーケット、蓬空翔♪」

 

 

 

少女説明中……

 

 

 

ジャラ「───成る程ね。余り気乗りしないけど、そう言う事なら協力するよ」

 

空翔「私達を助けてくれた恩人だしね。麟も認めてるし、同じ麟なら喜んで力を貸すわ」

 

それから怪人録の麟が落ち着いてジャラと空翔にも話をする。悪党に手を貸すと言うのはちょっと気が引ける面持ちだが、協力してくれるらしい。それを聞いたダークファンタジアの麟は微笑んで懐から二つのアイテムを取って二人に差し出した。

 

麟「有り難う♪これはお近付きの印。今の幻想郷はこう言う力を使うから貴女達も今から使い慣れときなさい」

 

ジャラ「これは……目玉?」

 

麟「眼魔眼魂。これを使えば貴女達も偉人の力を宿した怪人少女になれるわ。それぞれドラキュラのモデルになった串刺し公、中国の有名な策略家の魂が籠められてるの」

 

空翔「へぇ~っ」

 

手渡された眼魔眼魂を見詰めるジャラと空翔。それを一瞥してダークファンタジアの麟は怪人録の麟に向き直る。怪人録の麟もダークファンタジアの麟と話したい様だ。

 

麟(怪人録)「本当に有り難う。約束通り私達は貴女達に協力するわ」

 

麟「フフフッ、貴女も中々の策士ね。協力の代わりに友達をどうにか出来そうな私に助けさせるなんて……流石は別世界の私だわ」

 

麟(怪人録)「利用しちゃってゴメン……」

 

麟「良いわ。そのお陰で貴女が友達と幻想郷で更に楽しく過ごしてくれるなら私も嬉しい……それじゃ私はもう行くわ。その時になったら私の仲間を連れて冴月堂に訪ねる。呉々も織神鬼矢や圧芽乃亞、白麟黄純とかには内緒にね?」

 

麟(怪人録)「解った。任せて」

 

麟「それから貴女にもプレゼント。ダークウイングとかの力を悪事に使いたくなければ、この特製契約カードを使いなさい。それじゃあね♪」

 

言って怪人録の麟にムカデの紋章が描かれた契約カード2枚を手渡すとダークファンタジアの麟はボーダーメモリを使って立ち去る。残された怪人録の麟、ジャラと空翔。怪人録の麟はまた会える日を密かに楽しみにしつつ二人を連れて冴月堂へ帰るのであった───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

???「ウフフフッ♪ダークファンタジアが次の世界へ手を伸ばし始めましたねぇ。そろそろ私も"他の幻想郷"で動き出すとしましょうかぁ♪」

 

何処か暗い空間で邪悪に笑むある少女そっくりな少女。その手には鎖で縛られたリンゴが掲げられるロックシードが握られていた。

物語の影で動く二つの悪……二つの幻想郷を巻き込む騒動がじきに始まろうとしている───




と言う訳で今回はDr.クロさんとのコラボ。同時に次章はクロさんの『東方怪人録』とのクロスオーバーになると言う予告でした。

こんな出来で良かったですかね?大分キャラを好き勝手使った気が否めない……鬼矢達主人公勢は名前のみなのにはご容赦を。ウチの麟と鬼矢達を今出会わせたらややこしい事になりそうなので( ̄▽ ̄;)

怪人録麟の友人、ジャラ・ホーケットと蓬空翔はオリキャラの様でオリキャラじゃありません。ピクシブでは麟と一緒に描かれる『ジャケットのあの子』と『レーベルのあの子』です。クロさんと話し合って名前をオリジナルに考えました。その二人に渡された眼魂……正体は次章にて。

そして最後の怪しいキャラ。これはもう一つとのコラボの伏線になります。次章はMOVIE大戦風()と言う今章の『とある』の世界より難易度高そうな試みを目論んでます。何処の幻想郷に行くかはご期待を!
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