THEワールド
時は止まった。
なんて言ってる場合ではない。
状況を整理しよう。
俺は速水、倉橋、矢田、渚とE組校舎のグラウンドで俺の技説明兼訓練をしていた。そして俺と速水が実践形式で訓練をしていた。
俺が速水に仕掛けた足払いに一瞬の油断があった速水は勢い良く前のめりに倒れそうになったので俺は慌てて支えようと手を伸ばした。
そしたら俺の右手に柔らかい感触が伝わった。
俺→支えようと手を伸ばした。
速水→前のめりに倒れそうになっていた。
導き出される答えは……俺の右手は速水の胸を鷲掴みにしていた。
※此処までの思考 約1秒
一瞬で赤面になった速水は右手に持っていたエアガンで俺の太腿を撃つ。
「ぐあっ!?」
痛みで怯んだ俺に速水は半歩下がり、体を捻り、その捻った分の加速を付けて、速水は俺にビンタを放った。パァン!と綺麗に俺にビンタが決まる
しかも俺と速水の身長差故に速水のビンタは俺の下顎に完璧にクリティカルヒットした。
一瞬で意識が飛びかけ、足元がふらつく。ふらついた足で後退した結果、俺は躓き後ろに仰向けに倒れた。
気を失う前に俺が最後に見たのは、心配そうに俺に駆け寄る渚、矢田、倉橋と顔を赤らめながら胸元を押さえている速水だった。
◆◇side速水凜香◇◆
やりすぎた、それが私が今、思ってる事だ。鶴久と実戦形式で組み手をしていて、私の足が払われ前のめりに倒れそうになった。それを支えたのは鶴久。しかし鶴久の右手は私の胸をがっしりと掴んでいた。羞恥と怒りに身を任せて、鶴久の足を撃ち、ビンタを放った。
撃った時に鶴久は痛そうにしてたしビンタは私の予想を超えて完璧に下顎を捉えた為に鶴久は気を失った
その後、慌てた様子で倉橋達が烏間先生達を呼び、鶴久は保健室に運ばれて行った
私は渚と一緒に事の経緯を烏間先生や殺せんせーに話した。烏間先生からは技術は見事だが今後は気を付ける様にと注意され、殺せんせーからは青春ですねぇと言われた。顔がピンクになっている事がより一層腹立たしい。
それと岡島が『鶴久めーラッキースケベをしやがって』と騒いでいたから次の訓練の時に狙撃してやる
そして私は今、気絶して保健室に寝ている鶴久のベッドの近くの椅子に腰掛けていた。鶴久の頬には私が付けた紅葉がクッキリと残っていた。気絶するなんて、やりすぎたかな?などと思っていたらビッチ先生が来た。
「倒れたって聞いたけど大丈夫そうね」
ビッチ先生は脇目も振らずに鶴久に歩み寄り、顔色を見る
そう言えば鶴久とビッチ先生は姉弟だった
「あ、あの……」
「ああ、謝らなくていいわよ。話は聞いたけど紅が悪いわよ」
謝ろうとした私を止めたビッチ先生。
「しっかしやるわね凜香。ハニートラップの初歩の技よ」
ビッチ先生がグッと親指を立てるが嬉しくない。
「ま、紅が起きたら話を聞いてみなさい。面白くなるから」
そう言って出て行くビッチ先生。 その顔は教師でも殺し屋でもなく、弟を思う姉の顔だった。しかし鶴久が起きたら話を聞くか……お互いどんな顔をするべき何だろうか。
未だに眠ってる鶴久を見ながら私はそんな事を思っていた。