暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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土下座の時間

 

 

 

 

「うん……あ……」

 

 

目を開けば見覚えの有る天井。

 

 

「保健室か……そっか……速水のビンタで」

 

 

一瞬の間を置いて覚醒した頭で何が起きたかを思い出した。

そしてビンタをされた事を思い出したが、もう一つ思い出して……って言うより忘れられないのが、右手に残る柔らかな感触の記憶。

 

 

「鷲掴みとかヤバいよなぁ……どうしよ」

 

 

謝るしか選択肢は無いがそれで許されるかは速水次第である。

 

 

「まさか、放課後まで目が覚めないなんてね」

「予想外だね~」

「……反省してる」

「いいのよ、女の胸にはそれだけの価値があるのんだから」

 

 

廊下から声が聞こえる。矢田、倉橋、速水、姉さんが保健室に向かって歩いてきてるみたいだ……って、どうする!?

まだ考えが纏まってないのに!取り敢えず出来ることと言えばコレしかない!

そう思い付いた俺はガラリと保健室の扉が開かれると同時にソレを即座に実行しま

 

 

「な、何してるのよ紅?」

 

 

姉さんの困惑気味な声が聞こえる。恐らく、速水達も同様なのだろう。

 

 

「速水に謝るにはコレしかないと思って……」

 

 

俺は頭を上げずに話す。

そう、俺は速水の前で『土の下に座る』略して『土下座』をしているのだ。

 

 

「な、何もそこまで……」

「いや、深く反省しとります」

 

 

矢田が困惑気味な状態でフォローしようとするが俺が謝るのは速水だ。

速水に許して貰わない以上は誠意を示すしかない。

 

 

「もう良いから頭上げて」

 

 

すると速水が俺の側で告げる。

俺が頭を上げると俺が土下座まですると思ってなかったのか寧ろ悪いことをさせてしまったと言う表情の速水だった。

 

 

「アレは訓練中の事故。私もやり過ぎたからお互い様だから」

「許してくれるのか?」

 

 

速水はコクリと頷く。助かった、恨みとか言われたらどうしようかと……

 

 

「でも最後に質問していい?」

「おう、なんでも答えちゃる」

 

 

と思ったのも束の間だった。でも聞きたいことに答えるくらいなら……

 

 

「私の胸………どうだった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

THEワールド。再び時は止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?

 

なんでこんな地雷臭のする質問が来るんだよ!?

 

え、え、何、なんて答えれば正解!?

 

 

………………駄目だ!俺がどんなに頭を捻っても正解が見当たらない!

 

 

ん、姉さんや矢田、倉橋が何処から出したのかカンペに何かを書いている

おお、回答を出してくれるのか?

やはり、こんな時は女性が頼りになる

 

そしてカンペを書き終えた姉さん方は俺にカンペを見せる

 

 

 

 

『エロかったぜ』

『ナイス胸』

『惚れたぜ』

 

 

 

 

姉さん、矢田、倉橋の順にカンペが提示されるが言えるかっ!

言ったらさっきのは倍の威力のビンタが来るわ!

つうか三人共ニヤニヤしてる辺り、面白がってる

なんて場合じゃない……

俺はなんて言えば……

 

 

 

 

 

「あー……えっとだなぁ……結構なお手前で……」

 

 

って何言っちゃてんの俺ぇぇぇぇぇぇっ!?

 

 

「………そう」

 

 

失敗したよ!地雷踏んだって言うか、地雷を踏み抜いちまった感じだ

速水も一言済ませたら後ろ向いちゃったよ

 

 

 

「そ、それじゃ、また明日」

 

 

 

そう言うと速水は足早に保健室を出て行く

 

 

 

出てちゃったよ、俺の発言から一度も目を合わせてくれなかったよ

 

 

ニヤニヤしながら矢田も後を追い、倉橋が「凜香ちゃん、可愛い~」と言いながら矢田の後に続く

 

 

 

なんか姉さんは「天然のツンデレは貴重ね」なんて言ってるけど俺はそれどころじゃないんだけど

 

 

「凜香も照れてるだけだから、時間を置けば大丈夫よ」

 

 

なんて姉さんが言ってくれるが不安しか残らん

 

 

 

 

しかも次の日に速水に話を聞こうかと思えば、殺せんせーが妙にやる気を出して分身で俺達に授業をし始めた

 

 

 

これのおかげで俺は暫く、速水と話す機会を失うのだった

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