店の暖簾を下げ、千葉を見送りによって外へ出たら赤岩のオッサンが待っていた
「いやいやいやいや、紅君に千葉君。お晩です」
ニコニコと俺達に歩み寄るオッサン。
不意にオッサンは着ていたジャケットを俺に投げつけてきた。
「なっ!?」
「下がってろ千葉」
俺は千葉を下がらせるとジャケットで視界が塞がれていたが蹴りを放つジャケットを挟む形で俺とオッサンのハイキックが交差する。
「ほう、この蹴りを受けきる事が出来る様になるとは。いやいやいやいや、成長してるようで」
トンと互いに足を下ろして距離を空ける。オッサンはニコニコとしながらも構えていた
「赤岩さん、急に何を!?」
千葉が動揺しながらオッサンに叫ぶ。
「止めとけ千葉。このオッサンは一度、喧嘩を始めたら止まらん。昔っから、こんな風によく喧嘩してたんだ」
俺は説明しながらもオッサンを睨む。少しでも気を抜いたら間違いなくやられる。と思っていたらオッサンが構えを解いた。
「………オッサン?」
「いやいやいやいや、本当なら楽しみたいんですがね。これから自分は仕事について行かなきゃならないんでね」
オッサンはジャケットを拾うと肩に掛ける。
「ま、今回は紅君が成長してるのと千葉君が中々楽しみな子だと分かっただけでも収穫はありました。ではまた今度」
ニコニコとオッサンは帰路につく。
「なんだったんだ?」
「俺の力量確認と千葉も獲物の一人になったかな?」
去り行くオッサンの背を見ながら呟く千葉と俺。しばし呆然とするしかなかった俺等だった。
◇◆side赤岩秋水◇◆
いやいやいやいや、最近、伸び代が少なかった紅君でしたが随分と強くなって。
しかも戦い方から普段から素早い者を相手にしてるかの様な動きだ。
お友達の千葉君も中々に興味深い。
最近、銃を扱い始めた様なタコが手に有った。
彼等は中学生だがまるで精鋭部隊に居るかの様な体付きになってきている。
「気になりますねぇ……」
自分の顎髭を弄りながら呟く。
今回、仕事がなければ彼等の生活を見てみたいとさえ思う。
いやいやいやいや、自分が知らない所で色んな事が起きてるようですね。
最近、この町では妙な噂も流れている。
黄色い巨大タコを目撃したとか、コンビニスイーツを買い占める妙な男とか、胸がデカい女性限定で「ヌルフフフ」と言う謎の声を聞いたとか。
「赤岩さん、迎えに来ました」
「はいはい、ご苦労さんです」
考え事をしていたら雇い主様の使いの方々が来ましたねぇ。
はてさて、今回の仕事は日本政府さん。
どんな仕事が待っているやら。
今回は色々と楽しくなりそうですねぇ。
次回から修学旅行編です