「はい、皆さん。おはようございます」
「「「おはようございます殺せんせー」」」
HRが始まり、殺せんせーが挨拶を済ませる。
「皆さんも聞いているとは思いますが今日からE組に編入する生徒が居ます。入ってきて下さい」
殺せんせーの合図と共に俺は教室に足を踏み入れる。
教壇の前に立ち黒板に名前を書いた後に席に座る生徒に向かい合う。
「A組からE組に編入になった鶴久紅です。堅苦しいの苦手なんで適当にヨロシク」
適当に挨拶を済ませた俺だがイマイチ反応が悪い?
「お前、本当にA組だったのかよ?」
疑うような視線の中、聞いてきたのは前原だった。
殺せんせーから名簿を見せて貰ったのでクラスメイトの名前はうろ覚えだがある程度は頭に入っていた。
「成績不振でE組行きになったんだわ。つーか今までE組にならなかったのが不思議な状態」
「ヌルフフフ。彼は得意な教科は学年トップクラスですが苦手な教科は底辺ですねぇ」
俺の言葉を引き継いで殺せんせーが説明する。
「えーと、じゃあ趣味とかは」
手を上げて質問したのは倉橋。
「趣味は読書と料理かな。本ならなんでも読むし、料理は家が居酒屋だから自然と上達してた」
「殺せんせーは殺せそう?」
倉橋の質問に答えたら更にカルマから質問を重ねられた。
カルマから質問に殺せんせーをチラリと見ると緑の縞々になっていた。
ナメられてるなぁ。
「まぁー……ボチボチ殺ってみるわ。今は勝算は見えないけど」
「ヌルフフフ。そう簡単にはいきませんよ」
俺の言葉に殺せんせーは緑の縞々のまま笑っていた。
すると丁度チャイムが鳴りHRが終了した。
「1時間目は体育だから全員着替えてグラウンドに集合してください」
殺せんせーはそう言いながら教室を出て行った。
「本当に居るんだなー……超生物」
殺せんせーが出て行った扉を見ながら呟く俺。
「まだまだ殺せんせーには驚かされると思うぞ」
俺に話し掛けたのはクラス委員の磯貝だった。
「非常識が服を着て歩いてる様なもんか」
「非常識がマッハ20で飛んでるんだけどね」
俺の言葉に苦笑いだったのは渚だった
「とりあえず体育だから着替えてグラウンドに行こうぜ」
談笑する俺達を杉田が促す。
「んじゃ行くか」
「なんつーか、緩い奴だな」
適当に行こうとした俺に呟いたのは菅谷だった。
◇◆グラウンド◇◆
「では今日の授業を始める」
グラウンドに烏間先生の声が響き渡る。
「体育は烏間先生なのか」
「殺せんせーの体育受けてみる?マッハ20の動きを要求されるよ」
「烏間先生でお願いします」
俺の疑問に答えたのは岡野。
マッハ20の体育ってどんな授業だよ。
「まず鶴久君。来てくれるか」
「あ、はい」
烏間先生に呼ばれて前に出る俺。
「まずはキミの力を見せて貰う」
「どれくらい動けるかですか?」
疑問を口にするとコクリと肯く烏間先生。
「りょーかいッス」
ナイフを構えた俺は烏間先生と対峙する。
(……空手か?)
俺の構えを見た烏間先生は眉をピクリと上げる。
それと同時に俺は掛けだして烏間先生に仕掛ける。
まずナイフを持った右手で斬りかかるが当然避けられる。
避けられたナイフの勢いを消さない様に右肘を烏間先生に放つ。
その右肘も受け止められたが体を反捻りして後ろ回し蹴りを繰り出す。
烏間先生は驚いていたが、しっかりと回し蹴りをガードしていた。
更に受け止められた右足を機軸に左足で背面蹴りを烏間先生に放つがそれも避けられる。
体勢を崩しながらも一度、烏間先生から距離を取る俺。
「中々良い動きだ」
「全部防がれた上に完璧に見切られた上で言われてもなぁ」
烏間先生は俺を褒めるが全部避けられて褒められてもねぇ?
「凄い動き……」
「受け手だったと言っても烏間先生があんなに動かされるなんて……」
周囲がザワザワとしていた。
「動きは良いが少し、違和感を感じたな。空手を習っていたにしては重心の移動が悪かった気がしたが」
「今のでどんだけ察してるんですか。俺の空手は道場で習ったんじゃ無くて店の常連に空手の有段者がいるんですよ。酔っ払った時に話を聞いたり喧嘩になった時に身を以て技を味わいました」
烏間先生の疑問に俺は少し遠い目をしていた。
「なるほどな良い意味でも悪い意味でも実践的に学んでいたか」
烏間先生は腕を組みながら納得した様に呟いた。
「キミの実力もある程度はわかった。では授業を再開するぞ」
俺の実力を把握した烏間先生は授業を再開させる。
「凄いな鶴久」
「完全に捌かれてたけどな」
杉野が俺を褒めてくれるが俺は苦笑いで返した。
その後もクラスメイトから質問攻めになったが、少なくとも俺はA組に居た時よりも楽しさを感じていた。
その後の体育の授業だったが
俺はエアガン片手に的に向かって発砲するが……
「20発中当たったのが3発か」
「体術は凄いのに射撃は駄目なのね」
俺の射撃を見ていた速水が感想を零す。
「どうも、この手合いのギミックが多い獲物は手に馴染まんね」
「そんなもんなのか?」
指先でエアガンをクルクルと西部劇のガンマンの様に回しながら呟いた俺に千葉はタラリと汗を流していた。
この後、速水と千葉に射撃を習ったが結果は20発中当たったのは5発だった。