暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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エキシビジョンマッチの時間②

 

 

 

 

野球部に対し、E組の優勢。予想外の事態に野球部は勿論、ギャラリーも唖然としている。

このまま行けるかな?と思っていたが早くもラスボスが登場した。

 

 

「顔色が優れませんね寺井先生、お体の具合が悪いのでは?」

 

 

理事長は冷たい笑顔でグラウンドに入ってくる。野球部の監督の顔がどんどん青ざめていく。

 

 

「り、理事長…いや、この通り私は元気で……」

「病気で良かった」

 

 

理事長は監督の言葉を遮ると顔に手を添え、冷徹な目で彼を見つめた。

 

 

「病気でもなければ…こんな醜態をさらす指導者が私の学校に在籍してるはずがない…寺井先生は少し休んでいてください。審判タイムを」

 

 

その冷徹な瞳に見つめられた監督は泡を吹いて倒れる。『いや、病気にさせたのアンタじゃねーの』と思わず心の中でツッコミを入れたが事態は更に進んでいく。

 

 

「いったいな…何を…」

「お気になさらず、少し教育を施すだけですよ」

 

 

そう言うと理事長はグラウンドへ入っていった。野球部と何やら話をしている理事長。顔は笑ってるけど目は全然笑ってねーなアレ。

 

話が終わるとベンチに入っていく理事長。監督は担架で運ばれていくけど……。

その後、放送部のアナウンスによると野球部監督は試合前から重病で、選手たちもそれが気になって試合に集中できなく。急遽理事長が野球部顧問に代わって指揮を執るとの事だった。

 

野球部の諸君、監督を病気にさせたのは理事長だよ。と言いたくなるけど無駄だな、こりゃ。

案の定、進藤の球は速くなった上に内野手も外野手も全員内野に集め、野球部はバントを封じる作戦にきた。これは本来なら反則の筈だけど……審判を見ればニヤニヤとしている。抗議するだけ無駄になるか………

 

 

 

 

◇◆sideイリーナ◇◆

 

 

「やー惜しかった!」

「勝てるチャンス何度かあったよね。次リベンジ!」

 

 

女子達はバスケの試合を終え、男子達の野球を見るためグラウンドへ向かっている。確かに今日のバスケは惜しかったわね。

 

 

「ゴメンね、足引っ張っちゃった……」

 

 

カエデが女子全員に謝ってる。試合中、カエデの動きは妙な感じだったわね。

 

 

「試合中にブルンブルン揺れる女子バスケのキャプテンの胸を見ていたら怒りと殺意で目の前が真っ赤に……」

「茅野っちの巨乳に対する憎悪はなんなの!?」

 

 

カエデが心情を吐露するとヒナタがツッコむ。そう言えば私がE組に来た頃に『巨乳反対』って言ってたわね。

 

 

そんな中、ふと気が付けば凜香や桃花が妙にソワソワしている。よく見てみると凜香はタオル、桃花はドリンクを持ってるわね。

ま、頑張りなさい。二人とも。

 

 

 

◆◇sideイリーナ・out◆◇

 

 

結局、守備のプレッシャーにやられ前原、三村、千葉は打ち取られE組は一回表三点獲得で終わった。とりあえず三点は先制したんだし良しとしておこう。

 

一回裏で野球部の攻撃。杉野の活躍で三者三振に抑えたが俺には気掛かりな所がある。ベンチに座ってる間、理事長が進藤に『教育』を施しているのだ。どっちかと言えば『洗脳』にも見えるが。

 

そんな訳で二回表でE組の攻撃。打順はカルマからになる。

 

俺も次のバッターなので準備をしてたらバスケの試合を終えた女子達が見学に来ていた。

 

 

「すごい!野球部相手に勝ってるじゃん!」

「あーここまではね。あっちのベンチ見てみなよ」

 

 

E組の優勢に色めき立つ女子達だが三村が指差す方を見ると、そこには理事長の姿。

 

 

「うわー、1回裏からラスボスか」

「何してくるかわからないからな」

 

 

片岡の発言に三村は応える。確かに絶賛洗脳中だしな。

 

 

そんな事を思っているとカルマはバッターボックスに入る前に大声で叫ぶ。

 

 

「ねえ、これズルくない理事長センセー?こんだけジャマな位置で守ってんのにさ、みんなおかしいと思わないの?あ、お前等バカだから守備位置とか理解してないか」

 

 

観客を煽るカルマ。当然、ギャラリーからは大ブーイングだ。

この後、バッターボックスに入る俺の事も考えてくれ。そう思っていたのだが何故か殺監督は満足そうにしている。

 

カルマに抗議をさせたのは何かの作戦って事か……

俺はそう結論付けるとバッターボックスに立つ。

 

 

「鶴久君、頑張れ-!」

「紅、打ちなさいよ!」

「…………頑張れ」

 

 

矢田、姉さん、速水と俺を応援してくれてる。嬉しいなこれは。

なんて思ってたら進藤の球は更に速くなっていた。

 

 

「おのれ、E組……おのれ鶴久……」

 

 

理事長の洗脳が変な方向に拗れたか?E組じゃなくて俺個人に恨みが来てる気がする。しかも球速上がってるし。

 

 

「ちっ、E組が……」

「デッドボールでもさせちまうか」

 

 

舌打ちをしたのは審判の先生。危なげな事を呟いたのはキャッチャー。

コイツ等揃いも揃って……

少し、オシオキしてやるか。野球のルールの範囲内でな……

 

 

そう思いながら俺はバットを握り直した。

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