暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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新任教師の時間

 

 

 

 

波乱に満ちた球技大会が終わり、七月に入り日射しの暑さにやられ気味な今日この頃。

今日の体育は対先生ナイフでの模擬戦。

 

 

「ハッ!フッ!」

「動きは良いがまだまだだ!」

 

 

俺は烏間先生にナイフを振るうが上手く避けられてしまう。あくまでナイフ術のみなので拳や蹴りは使うなと以前、烏間先生に指摘されたのだ。

フェイントや小技で使うならまだしも俺だと闘拳メインになってしまうのでナイフ術のみと縛りを出した上での授業となっている。

 

 

一連の指導が終わると俺の番は終了し、次は渚の番だ。

出番を終えた俺は少し離れると千葉が話し掛けてきた。

 

 

「流石だな鶴久」

「擦らせるのが精一杯だけどな」

 

 

千葉の発言に俺は苦笑いで返す。

 

 

「擦らせるのが精一杯って言うけど俺等じゃ擦らせるのも難しいんだよ」

「いや、逆に俺は射撃が駄目だからさ」

 

 

我ながらピーキーな才能である。

なんて思っていたら背筋がゾクッとした。

 

慌ててゾクッとした方に振り返ると渚が烏丸先生に吹っ飛ばされていた。烏間先生は力加減を間違えたと言っているが本当だろうか?

 

 

「今日の訓練はここまで!」

「「ありがとうございました!」」

 

 

授業が終わり、全員が気を抜く。各自、放課後の予定があるから別行動となる時間だ

 

 

「烏間せんせー。放課後、皆でお茶しよーよ」

 

 

倉橋が烏間先生をお茶に誘う。烏間先生狙いはマジなのだろうか?

 

 

「ああ、誘いは嬉しいがこの後は、防衛省との会議があるんだ失礼させてもらう」

 

 

烏間先生はジャケットを羽織るとさっさと行ってしまう。

 

 

「訓練もだけど、私生活でも隙がないなー」

「っていうより、私達と一定の距離を保つ壁みたいなのを作ってるよね……」

「厳しいけど、優しくて私達の事を大切にしてくれてるのは分かるけど……それってやっぱり任務だからかな……」

 

 

それぞれが口々に烏間先生の事を残念そうに言った時、殺せんせーが現れ、それを否定した。

 

 

「そんなことはありませんよ。確かに彼は先生を殺すために雇われた人ですが、彼にもちゃんと教師の血が流れてます」

 

 

その時、烏間先生と入れ替わりに誰かが来た。エラく大量の荷物を持ったE組では見かけない大人だった。

大量の箱と袋を担いだ男はそれらを地面に置き、皆の前で自己紹介を始めた。

 

 

「俺の名前は鷹岡明。今日から、烏間の補佐としてここで働く事になった!よろしくな」

 

 

鷹岡と名乗った男が持ってきた物は、エクレアやロールケーキといったスイーツだった。幾つか見覚えのある店の包装があるな。貰い物だったけど食べた覚えがある。

茅野なんか目がハートになってるよ。

鷹岡はそれを皆に食べて良いぞと促す。

 

 

「いいんですか?こんな高いの?」

「おう食え!俺の財布を食らうつもりでな!お前らと早く仲良くなりたいし、それに、皆で食う飯は一番だろ!」

 

 

そう言って、鷹岡は全員と甘いものを食い始めた。女子は我先にと食べ始め、男子もそれに続く。見事に全員の心を掴んでる。

けど……コイツは……

 

 

「どうしたの鶴久?」

 

 

俺が思考を走らせてる最中、速水が話し掛けてくる。手には、ちゃっかりエクレアが握られているが。

 

 

「俺さ、仕事柄なんとなくだけど人成りを見る癖がある。なんとなくだけど、あの人は信じちゃいけない気がする」

 

 

これは俺の感。確証なんてない。でも……

 

 

「胡散臭いんだよ。アイツ」

 

 

俺の勘は後日、見事に命中する事になる。

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