殺せんせーの暗殺テーマが決まった翌日。
俺と千葉は朝から将棋を指していた。
「いつもとは違う攻め手だな」
「ん、ああ……たまにはな」
千葉がいつもとは違う指し方をしてる俺に違和感を感じた様だ。
まあ、俺も自分らしくない指し方をしてるとは思うが今はそんな気分なんだ。
「おい、大変だ!プールが!」
岡島が教室に入ってくるなり叫んだ。
全員で校舎裏のプールに向かうと、プールは荒らされゴミなどが浮いていた。
「メチャクチャじゃねーか!」
「ビッチ先生がセクシー水着を披露する機会を逃した!」
確かに酷いことになってた。力任せに壊したって感じだなコレは。
タオルを身体に巻いてポツンと立つ姉さんを見て誰かが叫ぶ。姉さん、頼むから節度を持った水着にしてくれ。
「ゴミまで………誰かこんなことを……」
「悪質だな……」
奥田がゴミを拾い上げ、杉野が呟く。
「あーあ、こりゃ大変だ」
「いーんじゃね?プールとかめんどいしよ」
すると俺達の後ろから吉田と村松が現れる。村松は俺を見て少し、後ろめたい顔付きになってる。うん、なるほど。
答えに辿り着いた俺の前に寺坂が現れた。ニヤニヤと笑ってるって事は当たりか。
「なんだよ、お前等。俺等が犯人だって疑ってんのか?」
寺坂はドヤ顔でクラス全員を見渡す。確かに証拠はないけど、その態度は『俺が犯人です』って言ってる様なもんだぞ。
「いんや、疑っちゃいないさ。だがお前達の潔白を証明して貰おうか」
「どーやってだよ?」
俺の発言に松田が食いついた。ではジャッジメントタイム。
「今から、お前達を丸太に縛ってプールに落とす。浮かんできたら有罪、沈んだら無罪だ」
「魔女裁判か!」
俺の審判に寺坂のツッコミが入いる。因みに吉田は引き気味で村松は少し脅えた様子。
「落ち着きなさい鶴久君。プールなら………もう元通りです」
そんな最中、殺せんせーはマッハ20のスピードでプールを修理した。ゴミの撤去からプールサイドの整備まで済ませてる。
「さぁ、皆さん。いつも通り楽しんできてください」
「………ちっ!」
殺せんせーの言葉にクラスの皆が「はーい」と返事をする。寺坂達は舌打ちをすると、その場から離れていった。
とりあえず村松をとっ捕まえるか。
村松に真意を聞こうと捜していると何やら言い争う声が……寺坂と村松か?
聞き耳を立てると、なんかヌルヌルを連呼してんだけどどんな会話?
寺坂は村松の態度が気に食わなかったのか村松を蹴り飛ばすと校舎の方へ行ってしまう。さて、今度こそジャッジメントタイムだ。
「村松……お前の罪を数えな」
「鶴久!?ま、待った……俺達は寺坂に言われて……」
村松の背後からビビらせる様に告げる俺に村松はマジビビり。
先程の村松のビビりも俺が普段から喧嘩をして強いって分かってるからビビってたんだよな。まあ、店の常連客の中にはヤバい方々も居るし、それで本当にヤバいと思ったんだろう。
そして話を聞いてみると、やはり寺坂主犯で悪巧みをしていたらしい。
最近のE組が活躍しているのに対して、自分達が居心地の悪い場所になったと主張したいのだと。さらにそれは殺せんせーのせいであり、それを受け入れているE組も嫌になったとか。
「くだらねーな。自分の思い通りにならないで駄々を捏ねる子供か」
「すまねえ……」
俺の発言に村松が謝る。謝る対象は俺だけじゃないだろ?
「とりあえず教室行こうぜ」
肩を落とす村松を連れて校舎へ向かっていると校舎の方から何かが壊れる音と、皆の悲鳴が聞こえた。
「お前等……」
「いや、違う!俺はもう何もしてない!」
また寺坂主導で何かしでかしたのかと村松を睨むが首を横に振って否定する村松。んじゃ、寺坂か。
俺と村松は校舎に入り、教室を目指す。その途中で寺坂と遭遇した。
「おい、寺坂。さっきの教室の騒ぎもお前か?」
「るっせーんだよクソが!」
俺の発言にキレた寺坂はそのまま荒々しく歩いて校舎から出て行く。
俺と村松は寺坂は一先ず置いといて教室行くと教室内はめちゃくちゃになっていた。
何があったのか聞くと先程のプールの嫌がらせが上手くいかなかった事にイラついた寺坂は殺せんせーと仲良くしていた吉田に激怒。
怒りを露わにすると周囲に当たり散らし、更に殺虫剤の様な物を散布して教室内をめちゃくちゃにしたらしい。
「ったく……寺坂の奴。明日、学校に来たら叩き聞かせてやる」
「言い聞かせるんじゃないんだね……」
俺の発言に茅野は苦笑いになっていた。