暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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実行の時間

 

 

 

次の日、寺坂は学校に来なかった。思いっきり殴ってやろうかと思ったんだがな……

つーか、むしろ寺坂よりも殺せんせーの方が気になる。今朝から涙をボロボロと流してる。正直、気持ち悪い。

 

 

「なによ、意味もなく涙流して」

「涙じゃありません、鼻水です。これは目じゃなくて鼻です」

 

 

昼食の時間で姉さんも教室に居たのだが、やはり気になったのか殺せんせーに聞く。殺せんせーはそれに答えるが目と鼻が近くにあるから紛らわしい仕組みになってる。

その時、教室のドアが開き、寺坂が入ってきた。

 

 

「おお、寺坂君!今日はもう来ないかと心配してましたよ!昨日の事ならもう気にしてませんよ!ねぇ、皆さん!」

「うん、それよりも寺坂の顔が大変な事になってるよ」

 

 

茅野の言葉通り、寺坂は殺せんせーの鼻水でグショグショになってる。

寺坂は怒るかと思えば、無言で殺せんせーのネクタイで顔を拭く。

 

 

「おい、タコ。今日の放課後、お前を殺してやるよ。放課後にプールに来い。テメー等も手伝え!!俺がコイツを水に落としてやるからよ!」

 

 

その言葉に皆は顔を見合わせると、前原が寺坂の前に出て問いかけた。

 

 

「寺坂さ……お前、皆の暗殺に今まで協力してなかったのにいきなり手伝えって言われて『はい、手伝う』……なんて言うと思うか?」

「けっ!別にいいぜ、来なけりゃ、俺が一人で百億は頂きなんだからな」

 

 

そう言い残し、寺坂は教室を出ていく。あの顔……気になるな、何を考えてんだ?

 

 

「なんなんだよアイツ」

「もう正直ついていけねーわ」

 

 

唯一連んでた村松や吉田も最近の寺坂の行動に反発してる。ま、当然か。

 

 

「私行かないーい」

「同じく」

「俺も今回はパス」

 

 

クラスの皆は寺坂に協力する気はなく、全員行く気が無かった。

 

 

「鶴久君も行かないよね?」

「……とりあえず様子は見に行ってみる。なんか妙だからな」

 

 

矢田が俺に話し掛けるが俺は一応、見に行くつもりだ。こんな時の勘ってのは良く当たるからな

 

 

「皆、行きましょうよ」

「のわっ!粘液が!?」

 

 

殺せんせーは溢れ出る体液を固めて俺達の動きを封じた。いつの間にか殺せんせーの体液は教室内に広まっている。いや、俺は行く気だったんだけどね。

 

 

「せっかく寺坂君が殺る気を出したんです。皆で行って、気持ちよく暗殺して仲直りをですね」

「いや、まず殺せんせーが気持ちわりーよ。つーか、この体液をどうにかして」

 

 

マジで動けないんだけど、この固まった体液の塊。

それは兎も角……嫌な予感が収まらない……

そんで放課後になったのだが……

 

 

「よーし、そんなん感じでプール全体に散らばっとけ!」

 

 

寺坂はプールに入らずに俺達に指示を出す。やっぱり昨日の段階で沈めてやるべきだったと少し後悔した。

因みに作戦は至ってシンプルで『寺坂が殺せんせーを水の中に落し、水の中で待機してた俺達が対先生ナイフで刺す』

 

言うのは簡単だが殺せんせーがそんな簡単に罠にハマるとは思えないし……あ、竹林が寺坂に水に落とされた。

 

 

「鶴久……上手く行くと思うか?」

「いや……思わない。それにいくら寺坂が馬鹿でも今回のは無理がありすぎる」

 

 

近くに居た千葉が俺に話し掛けるが俺はこんなやり方で上手く行くとは到底思えない。

 

 

「覚悟は出来たかモンスタ-。俺はずっとテメーが嫌いだった。消えてほしくてしょうがなかった」

「ええ、知ってますよ。この暗殺の後でゆっくり二人で話しましょう」

 

 

殺せんせーの言葉にムカッと来たのか寺坂のコメカミに青筋が浮かぶ。そして、寺坂は銃の引き金を引いた。

その瞬間、凄い音がプールの後方で鳴り響く。

 

 

「なん……がっ!?」

「鶴久!?」

 

 

俺は爆音に驚いて振り返ると同時に頭に衝撃がきた。その痛みで薄れていく意識の中、俺を呼ぶ千葉の声が妙に遠くに感じた。

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