暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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エロ本トラップの時間

 

 

 

 

 

夏休みの始まり。

店の手伝いもそこそこに俺はE組校舎に来ていた。

 

 

「悪いな鶴久にも付き合わせて」

「虫取りなんて久々だからな。たまにはこんなんもいいだろ」

 

 

俺と渚と前原は杉野に誘われて昆虫採集に来ていた。

杉野は町育ちで昆虫採集に憧れていたらしく、前原は小遣い稼ぎでクワガタ採取を狙っていた。俺と渚はほぼ付き添いだ。

 

 

「一応、クワガタ採取用に焼酎持ってきたけど」

「いや、なんでお酒!?」

 

 

俺が手にした焼酎に驚いてる渚。

 

 

「蜂蜜に焼酎を混ぜて木に塗るんだよ。トラップとしては最適らしいんだが」

「その蜂蜜にバナナとか、黒酢を混ぜると更に効果が上がるよ」

 

 

俺が焼酎の効果を説明していると上から声が掛かる。振り返り見上げると木の上に倉橋が居た。

 

 

「倉橋、来てたのか?」

「うん。凜香ちゃんと桃花ちゃんも一緒だよ」

 

 

倉橋の発言に視線を下ろせば速水と矢田も居た。

 

 

「二人も来てたのか」

「うん、私達も誘われたの」

「ま、丁度暇だったし」

 

 

反応からして恐らく矢田も速水も倉橋の付き添いなのだろう。

この後、倉橋が既に設置していたクワガタトラップ箇所を数カ所、回ることになった。

結構な数を仕掛けたらしいので上手く行けば一人頭千円くらいの小遣いになりそうとの事だった。

 

 

「甘いなお前等。それでもE組か?」

「「岡島!!」」

 

 

木の上でエロ本を読みながらドヤ顔をしていた岡島が俺達に声を掛ける。

エロ本を持ってドヤ顔が似合うのはコイツくらいだな。

 

 

「千円ちょっとの小遣いよりも狙うならビッグな小遣い100億だろ」

「100億って……まさか」

 

 

岡島が木の上から下りてきたのだが渚が何かを察した様だ。100億と言う辺り狙うのは殺せんせーの暗殺だろう。

 

 

「ふっふっふっ……コレを見ろ」

「こ、コレって……」

 

 

 

岡島が木の葉の下に隠していた物を俺達に見せ付ける。

その物に女子一同が引き気味だ。

 

 

「苦労して集めたんだぜ。流石に俺も買う事は出来ないけどE組校舎の周辺にエロ本を捨ててく奴も居るんだぜ」

「お前がE組校舎周辺のゴミ拾いを率先してたのはコレが理由か」

 

 

ドヤ顔の岡島。俺は岡島が放課後にE組校舎周辺のゴミ拾いをマジメにやっていたのを思い出していた。

 

 

「俺ん家、妹いるからこんなの置いとけないんだよな」

「バカヤロー、年頃の女の子にこそ必要なんだよ」

「アンタ等は社会的に必要無いけどね」

 

 

しゃがみ込んでエロ本を手に取った俺と岡島は自論を語ったと同時に速水が俺達の後頭部をエアガンで撃った。超痛い。

 

この後、岡島が殺せんせー用に用意したエロ本トラップで殺せんせーが読み耽ってる間に足下に対殺せんせー用網を引き、身動きが取れなくなった所を岡島がナイフで殺すというプランだった。

 

しかし、この暗殺はかなりアッサリ終了した。

確かに殺せんせーはエロ本トラップに引っ掛かったが倉橋が殺せんせーに合流してしまったのだ。

 

 

「奇怪なナマモノと女子中学生がエロ本の上ではしゃぐって凄い光景だな」

「これからの人生でも絶対に見れない光景だよね」

 

 

俺の言葉に渚が同意している。

この後、殺せんせーから話を聞くとエロ本トラップには気付いていたらしいのだが日々着々と殺せんせー好みになっていくエロ本の誘惑に勝てなかったそうだ。ある意味で岡島の策は正解だったらしい。

 

そして倉橋が殺せんせーと合流してしまったのは殺せんせーが捕まえたミヤマクワガタが原因だった。

このミヤマクワガタはアルビノ個体と言う希少なミヤマクワガタで学術的な価値もあるらしく、なんと数十万円と値段が付くらしい。

 

 

「ゲスな人~コレ欲しい人、手を上げて~」

「「欲しい!」」

 

 

倉橋はミヤマクワガタを持ったまま山に逃げ、渚達はそれを追っていく。

 

 

「おや、鶴久君は追わないんですか?」

「倉橋が殺せんせーに頼んだ奴だし……俺が後から奪うのもね」

 

 

殺せんせーがエロ本を読みながら俺に話し掛ける。いや、エロ本は置けや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◆◇

 

 

 

因みに途中から会話に一切参加してなかった速水と矢田だが実は鶴久と一緒に来ていなかった。

彼女達は岡島が集め、鶴久が手に取ったエロ本を見ていた。

 

 

「鶴久君、こう言うのがいいのかな?」

「鶴久は……巨乳派か」

 

 

鶴久が何気なく持ったエロ本に鶴久の好みを探っていた。彼女達の迷走は鶴久が迎えに来るまで続き、正気に戻った後は顔を真っ赤にして反省していたりする。

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