暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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鷹岡の時間

 

 

 

 

俺と渚がヘリポートに上がるとヘリポートの中心にはナイフが二本刺さっていた。鷹岡は俺と渚が登ったことを確認すると鷹岡はハシゴを外して、落とす。

 

 

「これでもう誰も登って来れない。つまり、お前等に助けは来ないって訳だ。そこのナイフで俺のやりたい事は分かるな?この前のリターンマッチだ」

「待ってください鷹岡先生。僕達は闘いに来たわけじゃ無いんです」

 

 

鷹岡の提案はやはり俺達への復讐。しかも手助けが無いようにヘリポートに上げてからハシゴを落とすとか、かなりの念の入りようだ。つーか、何がリターンマッチだ。テメーにむちゃくちゃ有利な状況じゃねーか。

渚が鷹岡に戦う気は無いと告げると鷹岡は何故か、笑みを浮かべた。

 

 

「だろうなぁ。だがな、闘わなければ俺の気が晴れない。けどその前にやる事やってもらわなくちゃな」

 

 

鷹岡はへリポートの床を指さして言った

 

 

「謝罪しろ。土下座だ。実力が無いから卑怯な手で奇襲した。それについて誠心誠意な。鶴久お前もだ。俺が奇襲でやられた後にお前にも奇襲されてるからな」

 

 

このクズ野郎。だが断れば治療薬は手に入らない。渚は膝立ちになった。さて俺も土下……あ、ヤバい。

 

 

「僕は...」

「それが土下座かぁ!?バカガキが!!頭こすり付けて謝んだよぉ!!」

 

 

鷹岡の指示に渚は頭を下げた。俺は……体が動かない。

 

 

「僕は実力が無いから卑怯な手で奇襲しました。...ごめんなさい」

「おう。その後で偉そうな口も叩いたよな。『出ていけ』とか。ガキの分際で大人に向かって、生徒が教師に向かってだぞ!!」

「ガキの癖に、生徒の癖に、先生に生意気な口を叩いてしまいすいませんでした。本当に...ごめんなさい」

 

 

渚の謝罪を受けた鷹岡は笑った。悔しい……こんな奴に頭を下げなきゃならない渚に何もしてやれない事が。

そして鷹岡は体が動かない俺に視線を移す。

 

 

「よーし、やっと本心を言ってくれたな。父ちゃんは嬉しいぞ。それに鶴久。土下座と言ったのに何を寝てるのかな?」

「ぐ……あ……」

 

 

目の前のクズはうつ伏せで動かない俺を襟首を掴み片腕で持ち上げる。俺は鷹岡と目があった。

 

 

 

「やっぱりなぁ。最初にお前に違和感を感じた。そして今、見て確信したよ………お前、ウイルスに感染してるな」

 

 

鷹岡はニヤニヤとしている。コイツ、気付いていてわざと……

 

 

 

「父ちゃんは優しいんだ。わかるだろ?体調が悪いなら……寝てなきゃな!」

「がはっ!!」

「鶴久!」

 

 

鷹岡は体が動かない俺を一本背負いでヘリポートに叩き付けた。投げられたと同時に千葉の声が聞こえたが俺の意識は朦朧とし始めている。

 

 

「ほぅら……怪我もして動くと……こうなるぜ!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

鷹岡はさっき怪我した俺の腕を強く踏みつける。痛みに耐えかねた俺の叫びは鷹岡の心を揺さぶったらしい。

 

 

「ほぅら……あの時みたいに俺に一発食らわせないのか?」

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

鷹岡は俺の腕を踏みながら自身の頬を指でつつき『殴ってみろよ』と挑発してきてる。ウイルスや治療薬の事がなければ間違いなく殴ってるよクソ野郎。

 

 

「ひゃははははっ!いい気分だ。そうだ褒美に良い事を教えてやろう。あのウィルスで死んだらどうなるかスモッグの奴に画像を見せてもらったんだが、笑えるぜ、全身デキモノだらけ。顔面がブドウみたいに腫れ上がってな。見たいだろう?渚君、鶴久」

 

 

 

そう言うと鷹岡は俺から離れて治療薬が入ったケースを持ち上げる。コイツまさかっ!?

 

 

「やっ、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 

烏間先生が叫ぶが、鷹岡はそのままスーツケースを空に投げるとリモコンのスイッチを押した。それと同時に治療薬はスーツケースもろともに爆破されてしまった。

そして鷹岡の耳障りな笑いが聞こえ始める。

 

 

「あははははははははっ!そう、その顔が見たかった!夏休みの観察日記にしたらどうだ?お友達の顔面がブドウみたいに化けていく様をよぉ!ははははっ!」

 

 

渚は絶望した顔で寺坂を見た。俺は皆の顔を見た。見てしまった。皆が絶望し、泣きそうな顔になってる。

その時、俺の中で何かがキレた。

 

 

 

「安心しな。お前にだけはウイルスは盛ってない。鶴久は別としても、なにせお前は今から..…ん?」

 

 

鷹岡の話の途中で渚は息を荒くしてナイフを持った。俺は動かない筈の体が動く。体はダルいけどなんか熱い。頭にキテる筈なのに妙に冷静になれていた。

 

 

「殺...してやる...!」

「………殺す」

 

 

俺と渚の意見は一致していた。

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