暗殺教室 鶴久紅の事件ファイル   作:残月

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夏祭りの時間

 

 

 

なんやかんやあったが俺達は祭りを楽しんでいた。

その中で大量の景品を抱えた速水と千葉。心なしかへこんだ様子だ。

 

 

「速水、千葉。どうしたんだ?」

「…射的で出禁食らったんだ」

「イージー過ぎて調子乗った」

 

 

どうやらE組のスナイパーコンビは射的で荒稼ぎしたご様子。ふと射的屋に視線を移せば速水と千葉の写真が立て札にかけられ『この二人、出入禁止』と書かれていた。いや、どんだけ景品ゲットしたのよ、お前等。

 

 

「鶴久、ガン○ムのプラモやるよ。城の模型は俺が貰うけど」

「え、マジで?じゃあ、なんか奢るわ」

 

 

千葉が大量の景品からガン○ムのプラモを貰った。って、ちょっと待て。射的の景品でプラモって一番取るのが難しい奴じゃ……しかも千葉は城の模型プラモまで持ってるし。そりゃ出禁にもなるわ

 

 

「はい、あげる」

「え、いいの凛香さん!」

 

 

あっちはあっちで速水が優奈にオモチャ渡してる。なんとなく姉妹みたいに思える光景だ。

 

 

「おじさーん、俺今五千円使って五等以上の当たり一個もないじゃん。残りの糸の本数と賞品の数からして、当たりが出ない確率は、なんと0.05%に本当に当たりあるのかなー?おまわりさん呼んで確かめて貰おうか?」

「悪かった坊主、これ返すから黙っといてくれ」

 

 

あっちじゃカルマが紐クジ屋で絡んでいた。カルマに目を付けられた段階でアウトだな、あの店。

 

 

「俺、返金の為に五千円も投資したんじゃないよ?そのゲーム機欲しいなぁ」

「カルマ君は相変わらずゲスいね」

「最初から当たりないって見抜いてたな」

 

 

返金すると言う店の親父にカルマは揺すりを掛けていた。苫に祭りに来ていた不破や岡島はカルマの行動に苦笑いしてるし。

そして磯貝は高速で金魚をすくっていた。手際が良いやり方で金魚を大量ゲットして、その光景を前原が感心しながら見ていた。

 

 

「お前はなんでもそつなくこなすなぁ」

「コツだよ。ナイフ切る要領と同じさ。こんなもんかな、うち貧乏だから一食分浮いて助かるわ。」

「へえ、それは良かったな………って、食うの!?」

 

 

磯貝と前原の話に耳を傾けていたが、なんか凄い言葉が聞こえた。いや、食べれるらしいけどね金魚。

 

 

「しっかしまあ、皆荒稼ぎしてるねー」

「普段やってる事のおさらいみたいになってるからな」

 

 

矢田が俺に話しかけてくる。夏祭りの出店って普段授業でやってる事と大差ないんだよな。

 

 

「あれ、そう言えばビッチ先生は?」

「商工会のテントでタダ酒飲んでるよ。後で回収に行かないとならんな」

「お姉ちゃん、お酒好きだもんね」

 

 

そこで速水と一緒に優奈も来た。速水が姉さんの事を聞いてくるが姉さんは商工会のテントに来ている大和屋の常連と共にタダ酒を飲んでいてこの場にはいない。後で姉さんの回収に行かなきゃと思うと面倒だ。

 

 

「って鶴久。そのお面どうしたの?」

「ああ、コレ?さっきお面屋のおっちゃんから売れ残り貰ったんだよ」

 

 

速水が俺の持っていたお面に気付く。先程、大和屋の常連さんがやっていた店の売れ残りを貰ったのだ。

貰ったのは四枚でそれぞれが人気アニメのキャラのお面。

 

 

「丁度いいしやるよ」

「え、いいの?」

 

 

俺の提案に矢田が驚いた様だが俺としても、こんなにお面はいらないから。

 

 

「矢田にはコレ。速水はコレ。優奈はコレっと」

 

 

俺はそれぞれに似合った物を渡す事にした。

矢田には『電気ネズミ』

速水には『自爆ネコ』

優奈には『青猫タヌキ』

そして俺自身は『アンパン男』

 

 

「なんか子供に戻った気分」

「ま、たまには良いだろ」

 

 

俺は速水達にお面を着ける。真っ正面に着けるのではなく頭のちょい上で斜めに着けるのがポイントだ。

 

 

「あ、ありがと」

「ありがとう、大事にするね」

 

 

速水は若干テレながら矢田は普通に嬉しそうにしてくれた。喜んで貰えたなら何よりだ。

 

 

「あ、そろそろ花火の時間だね」

「ん、もうそんな時間か?」

 

 

時計を見れば結構良い時間で花火がそろそろ始まる頃合いだ。

 

 

「あ、じゃあ私と鶴久君で飲み物買ってくるね。行こう鶴久君」

「え、あ、俺も?」

「私の手は二本しかないの。さ、行こ」

 

 

矢田が飲み物を買う提案をしたのだが俺も一緒に行かなきゃならんみたいだ。確かに俺達だと殺せんせーと違って手は二本しかないから四本飲み物買ったら余るわな。

 

 

「優奈、速水、先に行っててくれ」

「行こう凛香さん」

「あ………うん」

 

 

俺が矢田に手を引かれるのと逆方向に速水も優奈に手を引かれて行った。なんか最後の様子がおかしかった気がしたけど気のせいか?

そんな事を思っていたら矢田に手を引かれるがまま歩いていたのか祭り会場から少し離れた場所に来ていた。

 

 

「矢田?飲み物買うんじゃ……」

「鶴久君!」

 

 

俺の問いを遮る様に矢田が俺の手を離して背後に回る。そして、その直後俺の背中に柔らかくて暖かい物が触れた。

 

 

「あの……ね……ずっと……ずっと伝えたいと思ってた事があるの」

「え、あ、その……」

 

 

矢田が俺の背中に密着している。身長差もあるから矢田の吐息が首筋に当たる。

 

 

「私ね……鶴久君がE組に来てから……助けてもらってから……ずっと好きだったの」

「や、矢田……」

 

 

矢田の言う『助けてもらってから』と言うのは全校集会の帰りの時に本校舎の連中に絡まれてた時の事だろう。と言うか今、俺の事、好きって……

 

 

「だから……だから……」

「あ………」

 

 

矢田は背中に密着していたが腕を俺の胸の辺りに回してギュッと力を入れた。力強くそして何処か震えた腕で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を………鶴久君の恋人にして下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とてもシンプルなその言葉に俺はドキッとした。

心臓が早鐘の様になってるのが分かる。

俺はこの告白に答えなきゃならない。

俺は……

俺の答えは………

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