それは、やがて伝説に繋がる物語   作:豚汁

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9話 サタデー・ナイト・ウォーキング

 

 ――今日は予定盛りだくさんだったなぁ……

 

 俺はそう思って予定をすべて終えた達成感に浸りつつ、暗い夜道の中で歩いて家に帰っていた。

 

 それにしても、今日の朝に真姫に連れられて、真姫の家に行ってから今まで本当にあっという間だった。

 

 真姫の家に着いて、その想像を超えるほどの豪邸っぷりに驚く間もなく俺は、やたらニコニコしながら玄関前で出迎えてくれた真姫のお母さんに、一緒に居た真姫と引き剥がされながら、強引に引っ張って連れられて――そして、そのまま真姫のお父さんと対面。

 

 その時、てっきり俺は真姫のお父さんに『よく来たな、真姫に近づく虫ケラ……駆除してくれるッ!!』と言われると思っていたのだが――そんなことも無く。

 

 

『――よく来た。君が“あの”ひかりさんの息子の正也君か……うん、良い目をしてるな、君の母親にそっくりの意志(いし)の強い瞳だ。いつも、真姫と仲良くしてくれて感謝しているよ』

 

 

 優しくそう言われて、警戒心が一気に解けた俺は、見事に真姫のお父さんと意気投合して、真姫についての話で軽く盛り上がる事ができたのだった。

 そしてその後、真姫の作曲したという楽譜を渡され、これを演奏して欲しいと頼まれた俺は、楽譜と同時に渡されたカッコいい黒のタキシード服によって買収され、迷うことなくその依頼を引き受けた。

 そしてコンサート本番、俺はドッキリみたいな形で真姫に自分の作曲した曲を演奏させることに成功したのだった。

 

 そして、その俺達の引退コンサートの後、真姫の家にまた戻った俺は、真姫のお母さんの猛烈な薦めもあって、晩御飯を頂くことになり――そして結局、結構遅くまで真姫の家に居させて貰ってしまったのだった。

 

 

「――――ねぇ、なに考え事してるのよ正也?」

 

 

 俺がそんな風に今日の事を振り返っていると、隣から声が聞こえてきた。

 俺はその声の主――真姫(まき)に向かってこう言う。

 

 

「いや、今日は色々あったなって思ってさ――それにしても真姫、送ってくれようとしてくれる気持ちは嬉しいんだけどさ、別に……俺は1人でも歩いて帰れるぜ?」

 

「そういう訳にはいかないわ、ママが正也に無理言って晩御飯を食べさせたから、こんな遅い時間になったのに……家まで送るぐらいさせて頂戴」 

 

 

 そう俺は今、真姫と共に夜道を二人で歩いていた。

 理由は真姫の言った通り、晩御飯を頂いて帰ろうとしたら、真姫が『私が送るわ』と強引に付いてきて今の状態になっている。

 全く、俺は女の子じゃないんだから、夜道ぐらい1人で平気だってのに……

 

 

「いや、本当に送らなくて良いんだって――それに、俺を送った後真姫はどうするんだ? 真姫を夜道を1人で家に帰す事なんて、カッコいい男を目指す俺として、出来ると思ってるの?」

 

「良いのよ、それに私は正也を家まで送ったら、また車で迎えに来てもらうから問題ないわ」

 

「……おい真姫、それだったらこんな風にわざわざ歩かなくても、最初から車で良くないか? それだったら俺と二人で歩く時間も省けて、すぐに俺の家の前にまで着いたのに……」

 

「…………ばか」

 

 

 俺の問いに、真姫は機嫌を損ねたようにそっぽを向いてそう言った。

 

 何故だ? 俺何も間違ったこと言ってないよな?

 

 ……あ、そうだ、そういえば思い出した。

 先月ことりに、安くてカッコいい服を選んで貰う為に、休日に二人で買い物に行った時があった。

 その買い物途中で、俺は財布を忘れた事に気がついて、家まで1人で取りに帰ろうとしたんだけど、その時、俺に付いて来ようとしたことりを……

『気持ちはありがたいんだけど、時間の無駄だから先にことり1人で選んでて貰っていい? また戻ってくるから』

 ……って言って断った時も、今の真姫と同じような感じで、ことりに機嫌を損ねられた記憶がある。

 

 ああ……父さんも言ってたけど、『女心を理解するのは心理学者に任せとけ、普通の男には理解不可能な代物(シロモノ)だあれは……』って言葉、全力で同意したい。

 

 

「ば、バカってなんだよ真姫! これでも俺、二学期の中間テストの平均点は81点なんだぞ! 確かにそこまで自慢は出来ない点数だけど、少なくともバカではないぞ!」

 

「はぁ……もういいから正也、あなたの家に着くまで暇だから何か話しなさいよ」

 

 

 俺の言葉に、真姫は何かを諦めたような表情になって俺にそう言う。

 なんだよ本当に真姫は、今日はおかしくないか? ……まぁいいか、我が儘なお姫様の気まぐれに付きあうのも、カッコいい男の務めって事で。

 

 

「はいはい、了解ですよっと――じゃあ、二週間前に生徒会に来た、迷惑なパパラッチの話をだな………!!」

 

「正也、悪いけどその話は何回も聞いたわ。その(あや)ちゃんって子が、生徒会の取材に来た話よね?」

 

「いやいや……何回でも言い足りないぐらいなんだって真姫……! アイツには一年前にちょっとした“借り”があるから取材受けたけど、やっぱり受けるんじゃ無かった!

 『やっぱりハーレム生徒会っ! 愛の力で依頼も解決っ!?』

 ――なんてふざけた記事を書きやがってぇ……! おかげで今もクラス内での俺のアダ名は“ハーレム会長”だよ! クッソ……誤解解けるかなぁ? もう誤解解ける前に音中卒業って事になってそうだなぁ……」

 

「もう諦めなさいよ正也……第一、身内だけで生徒会のメンバーを固めて、しかもそれも全員が正也の幼馴染の女の子だったら、邪推(じゃすい)したくもなるのが普通の反応だわ」

 

「ぐっ……! だって……俺と一緒に生徒会やるってって言ってくれたの、穂乃果(ほのか)達しか居なかったから仕方なくて……」

 

 

 俺は真姫のそんなごもっともな意見に、ダメージを受けた。

 くそ、やっぱりそう思われるのかっ! 確かに、彩の記事は生徒会としての歴史に名を遺す記事にはなったけど、“ハーレム生徒会”として音中の生徒会の歴史に名を遺すことになるとか嫌すぎるっ!! 彩の奴め許さん……! まだ俺はいいけど、好きでもない奴と噂される穂乃果達の方がかわいそうだろ!

 

 

「……“穂乃果”またその名前。本当にその幼馴染さん達と仲が良いのね……ふん」

 

 

 そう言って真姫はそっぽを向いてしまった。

 この反応……もしかして……

 

 

「おお? もしかしてヤキモチってやつですか真姫さん? 大丈夫大丈夫! 付き合いは穂乃果たちの方が長いとはいえ、真姫も俺にとっては大切な幼馴染の内の一人なんだからさ! 大好きだぜ、真姫!」

 

「なっ……! なななな、なにそれ意味わかんないっ! よくそんな事、恥ずかしげもなく言えるわね正也はっ!」

 

「おお……見事に顔が真っ赤でございますね、真姫ちゃ~ん! いや、ここまで可愛い反応されたら、からかい甲斐があるってもんですよ~!」

 

「もう……! ふざけないで!!」

 

 

 おお、真っ赤になりながら怒ってるよ真姫。これ以上刺激するのはさすがに本気でキレられそうだからやめとこ……

 

 

「正也はまったく……そういえば、生徒会の任期もそろそろ終わりでしょ? 次の生徒会の引き継ぎはどうなってるの?」

 

「……それなんだよな、次の水曜日が生徒会選挙の立候補者募集の締め切りなんだけどさ……1人も立候補が居ないんだよ」

 

 

 そう、これが今の目下の俺の悩みだったりする。

 生徒会のメンバー構成が、俺と穂乃果たちで全員三年生なのもあり――引継ぎがとても難しい問題となっていた。

 まぁ、流石に俺は生徒会の任期が終わっても、新しい奴に仕事を教える為に生徒会室には通い続ける予定だったんだが――そもそも、立候補者からして居ないとは思わなかったのだった。

 これも、音中の生徒数が、他の中学と比べて少ないのも影響してるのかもしれないが――それにしても頭の痛い話だった。

 

 

「身内だけで生徒会を回したツケが来たわね、他の一年生や二年生も仕事知らないんじゃ、立候補するのにも抵抗があるに決まってるじゃない」

 

「くっ……! せめて真姫が音ノ木坂中学に通ってたら、無理やりにでも生徒会に引きずりこんでたのに……!」

 

「ちょっと!? 私の意志は関係ないわけ!?」

 

 

 怒ったように文句を言う真姫の声を聞きながら、俺はそんなありもしない可能性を考えて悔しく思う。

 

 ――真姫が通っている学校は小中一貫の9年校で、区で唯一の義務教育一貫校のモデルケースになっているっていう所らしく、小学校を卒業してから、次に通う中学校に選択の自由は無かったらしい。

 

 本当に残念な話だ、もし真姫が音中に来てたら、もっと楽しい中学校生活になったんだろうなと思うと、とても寂しかった。

 でも俺は真姫に心配をかけないためにも、そんな寂しい気持ちを笑顔の裏に隠して明るく笑う。

 

 

「――あはははははは! ごめんごめん、冗談だって真姫、気にすんな」

 

「もう――――私だって、行けるなら正也と同じ学校……行きたかったわよ」

 

 

 そう言って笑う俺に、俯いて何かを呟いた真姫。

 しかし、その声は小さくて俺の耳には届くことは無かったのだった。

 

 

「――え? なんか言った真姫?」

 

「な、何でもないわよ! ほら、気にしてないで前見て歩きなさい!」

 

「うん、なんでもないならいいんだけどさ……」

 

 

 真姫は焦ったようにそう言って、俺を前に急かした。

 絶対なんでもない事ないとおもうんだけどなぁ……現に真姫の顔がまだ赤いのが気になるし……絶対今恥ずかしい事言ったぞこれ……くっそ! 聞き逃した! 悔しい!

 

 俺がそんな風に思っていた時、話を戻すかのように真姫がこう言った。

 

 

「――で、結局どうするつもりなの? 生徒会に立候補者が居ないのは事実なんでしょ?」

 

「まぁ、実はな……1人だけ、もしかしたらやってくれるかもって思う子は……居るには居るんだけど」

 

「“子”って、また他の女の子の話……もしかして正也、女の子の友達しか居ないの?」

 

「し、失礼だな真姫! 俺が話にはしないだけで、ちゃんと男の友達だっていっぱい居るっての!」

 

 

 俺はそう言って、真姫が俺に向ける冷たい目線に真っ向から見つめ返して対抗する。

 さっきといい、今といい、真姫今日は俺に対して特に冷たくないか? 本当にどうしたんだよ……もしかして今日機嫌悪いのか?

 

 

「はいはい、分かったわよ……で、その子がやってくれそうなら、早速声かければいいじゃない」

 

「いや……あんまり無理やりって訳にもいかないんだ。

 その子――(りん)っていう名前なんだけどさ、凛は陸上部に今入ってるから、やるとしたら陸上部とかけもって貰わなきゃいけないし、どうしても声かけにくくて……」

 

「……正也なりに気を使ってるって事ね、でもどうするの? その凛って子がだめなら誰も居ないじゃないの」

 

「今生徒会の顧問の先生が、二年生で成績優秀な子に生徒会長にならないかって声かけてるらしいから、最悪誰も居なかったらその子になるんだと思うけど……やっぱり俺としては、そんな無理やりな形でやって欲しくないって思うんだよ、真姫」

 

 

 無理やりやってみた所で、生徒会なんて大変な仕事出来るはずもない。

 だから、俺としては誰かに立候補してもらうか、まだ生徒会の仕事に慣れてる凛にやって欲しいのだが……現実はそうはいかないのだった。

 

 特に生徒会長は、人にやらされて務まるものでは無い。それだけ責任のある役職なんだという事は、実際に生徒会長を一年間務めて来た俺だからこそ分かる。

 

 

 だからそれが出来るのは、俺の知っている限り――“あの人”だけだ。

 

 

 

 そう、俺は“例外”を一人だけ知っている。

 

 

 

 その人は――先生から押し付けられた“生徒会長”という肩書きを、一人孤高に背負い込んで、そして周りに一切媚びることなく、強い責任感でその重責を見事勤め上げた。

 

 

 今でもその姿は、ハッキリと俺の頭の中に焼き付いている。

 

 

 目の覚めるような金髪ポニーテールに、陶磁器のように白い肌。

 中学生とは思えないほど綺麗に伸びた両手足。

 そして、その顔は見事に整った目鼻立ちで、瞳の色はどこまでも澄んだサファイアブルー。

 

 

 

 その人の名前は――――絢瀬(あやせ) 絵里(えり)

 

 

 

 先代の生徒会長であり、俺の永遠の憧れの先輩で……そして――

 

 

 

『今までこんな私に付いてきてくれて……ありがとう、感謝してるわ。

 だから、もし良かったら……正也君。私が卒業した後の、この生徒会を任されてくれないかしら……? 君にだったら、任せられる気がするの』

 

 

 

 1年前……俺に、音ノ木坂中学の“未来”を託してくれた人である。

 

 

 

「…………だから真姫、俺は凛に声をかけてみるけど、強制はしないつもり」

 

「ふーん……わかったわ。その凛って子が生徒会、引き受けてくれたら良いわね」

 

 

 少し絢瀬(あやせ)先輩の事を思い出して、言葉の間で暫く黙ってしまった俺だったが、真姫はそんな俺に何も言わずに、少しぶっきらぼうにだが、彼女なりに優しくそう言って俺にエールを送ってくれた。

 応援してくれてるなら、素直にそう言ってくれたらいいのに。真姫は本当に素直じゃないなぁ……。

 そうこうしてるうちに、俺はいつの間にか家の近くにまで来ていた事に気が付いた。

 うっそ、もうここまで来てたのか、時間ってすぐ過ぎるもんだな……。

 

 

「真姫、そろそろこの辺りで大丈夫だぜ、送ってくれてありがとうな」

 

「……そう、もう着いちゃったのね……分かったわ、じゃあ私はこれから車を呼んで帰るから、正也は家に帰ってて良いわよ」

 

 

 そう言いながら、真姫は車を呼ぶために家に電話をかけた。

 そうだ……そう言えば真姫は、これから家に帰るまでに車を待たないといけないんだった……待ってる間に真姫に何かあったら心配だな……よし、こうしよう。

 

 

「おっと、じゃあ車が到着するまでに暇な真姫のお相手を俺が勤めましょう。

 さて、何でも話を振ってくれていいぜ!」

 

「正也ならそう言いそうな気がしてたわ。ありがとう、じゃあ付き合ってもらおうかしら」

 

 

 そう言って、真姫は楽しそうに微笑んだ。その笑顔は、普段は大人びた表情をみせる事が多い真姫の、飾らない年相応の可愛らしさがあった。

 くっ……可愛い……真姫はこんな笑顔をあまり見せないけど、だからこそ、たまに見せるこのインパクトがやっぱり強い。

 

 これで真姫は学校でぼっちとか絶対に嘘だわ、だってこんな可愛い子、男女問わずクラスの奴が放っておくはずもないし、それなのに友達居ないのは相当だ。どんだけ学校で冷たい反応してるんだよ真姫は……。

 ――ちなみに、俺なら絶対放っておかないけどな! 例え冷たくされたって、何度でも話しかけに行くレベル。

 最初は冷たくあしらわれ続けても、根気強く話し続けていくことで、態度は軟化していくんだって事を、俺は絢瀬(あやせ)先輩で学んだんだからな! もうホント、今はフレンドリーに接してくれるけど絢瀬先輩も最初の頃は取りつく島もないぐらいに突き放され続けたんだからな!

 だから頑張れ、真姫のクラスメイトの誰かさん! 真姫に暖かい手を差し伸べてやってくれ!

 俺はそう思って、両手を合わせて合掌した。

 

 

「――正也、何やってるの?」

 

「いや……なんでもない、ちょっとした願い事をしただけだから」

 

「ふふっ、なにそれ意味わかんない……」

 

「あっ……笑ったな! 俺は真剣な願いをしてるんだぞ真姫!」

 

「はいはい、わかったわ――それにしても、本当に正也は最後まで私達の活動の事、学校の友達には話さなかったわね。どうして? 私はてっきり正也はこういう目立つ事が好きだと思ってたんだけど」

 

 

 すると真姫は、急にそんな事を俺に問い掛けた。

 それを聞かれると恥ずかしいんだけどな……まぁいいや、もう引退した事だし、真姫に話そう。

 

 

「まぁ……それはな、俺自身の都合と言いますか……その……」

 

「正也の都合?」

 

「うぅ……ああもう! 言うよ、言う! それはな……ほら、俺ってさ、真姫のピアノの演奏に影響されて、ギターをまた弾き始めたのって中学一年生になったばっかりだっただろ?

 それから今まで練習してきたけど……いくら普通に弾けるようになったからって言っても、みんなの前で上手くない演奏見せるのって、なんか“カッコ悪い”じゃん……」

 

 

 俺はそう言うと、思わず恥ずかしくて顔を背けてしまう。

 

 うわぁ……言ってて恥ずかしい……なんか気にしすぎとか言われそうだ。

 でも、気になるんだから仕方ないんだ。どうしてもカッコいい姿を見せたいってなっちゃうんだよなぁ、俺って……

 

 

「……はぁ、やっぱり正也、あなた厄介な性格してるわね。正也のギター、普通に人前で演奏しても大丈夫だと思うけど」

 

「――じゃあ、聞くけど真姫! 俺のギターってどんぐらい上手い!? ピアノのコンクール準優勝者の音楽センスを持った真姫としての意見を聞きたいんだけど!?」

 

「ちょっと、それは言い過ぎじゃない? でも……そうね…………」

 

 

 そう言って、真姫は少し考えこむような仕草をした。

 さて、どんな意見が飛び出すのか……でも、やっぱり病院で定期的に演奏するだけの、小規模な音楽活動グループとはいえ、『Right(ライト) Cycle(サイクル)』っていう立派な名前のある音楽グループの頼れる相棒として、真姫にはパートナーである俺への、思いやり溢れる優しい意見を期待したいが……

 

 

 

「……正也のギターの腕前は、良くも悪くもない“普通”ね」

 

 

 

 しかし、その俺の淡い希望は無慈悲にも打ち砕かれた。

 

 

「え……ええ~……こういう時って、実は俺が気づいていないだけで、俺には秘められたギターへの才能があるって、真姫が俺に言ってくれるっていう……漫画でよくあるパターンのやつじゃないの?」

 

「悪いけど、聞いてて素晴らしくもない演奏を素晴らしいとは言えないわ。

 確かに下手ではないけど、ミスは多い。一人でギターを弾くと、勝手に気分が上がってテンポを上げるからリズムも一定じゃないし、これ以外にも細かく言えばまだまだあって――――」

 

 

 そう言って、容赦なく俺のキターの欠点を上げていく真姫に、俺は若干いじけてその場にしゃがみ込む。

 

 

「へぇ~……真姫は俺と一緒に演奏しながら、いつも俺のギターにそんな事思ってたんだ……へぇ……」

 

「正也、なにそんなにへこんでるの?」

 

「いや……思いのほか真姫の言葉が刺さってて……自分でもわかってる事が沢山あるんだけど、改めて言われると効くっていうかなんというか……」

 

「でも、自分でわかってるなら良いじゃない。今足りない部分は、これからの練習でいくらでも改善できるわ、これからも頑張りなさい正也」

 

「はぁい……鬼教官……」

 

 

 ひとしきり真姫に言われた後、俺は弱々しく真姫にそう返す。

 でも、真姫に厳しくそう言われても、俺は全然悲しくは無かった。

 ――だって、そう言って厳しい意見を言ってくれるっていう事は、本気で俺の事を考えてくれている(あかし)だから。

 

 

「まぁ……今まで色々言ったけど、正也のギターには良い所もあるわ」

 

「――――え!? なになに!? 教えてくれよ真姫!」

 

 

 俺は、真姫のその言葉に驚いて、気になって慌てて真姫に詰め寄る。

 真姫が素直に俺のことを褒めようとしてくれてるなんて……明日は雪が降るのか!?

 

 俺がそんな風に驚いていた時、真姫が俺の質問に返すように、俺の演奏の良いところを話しはじめた。

 

 

「正也のギターには――そうね、正也がギターを弾いてて“楽しい”っていう感情がこっちによく伝わることかしら」

 

「――ギターを弾いてる俺の感情が……伝わる?」

 

「そうよ、私の好きなピアノに限らず、この世にある楽器の全てには、その楽器を演奏する人の感情を表現する“力”があるの――でも、それが出来る人は決して多いとは言えないわ。

 だから、ギターを弾くことを心から楽しいって思う素直な感情を、そのまま表現できる正也は――そう言う意味では、才能があるって言えるのかもしれないわね」

 

「……そっかぁ! だったら俺、聞いてて楽しいって思ってもらえるような、そんなギターが弾けるように頑張る! ステージの上で楽しそうにギターを弾いてるギタリストってさ――超カッコいいじゃん!」

 

 

 俺は、自分がやる気に満ち溢れていくのを感じていた。

 何気に俺、誰かから“才能ある”って言って貰ったのは初めてかもしれない……だったら、俺に才能あるって言ってくれた真姫の為に、これからもギター頑張るしかないでしょ!

 

 そして、俺がいつか完全にギターの演奏が上手くなったら、その時はまた真姫と――

 

 

 ――俺がそこまで思ったその時、俺は大事な事を思い出した。

 

 それは、俺がこれからもギターを続ける上で、一番真姫に聞いておきたいことだった。

 

 

「――なぁ真姫、俺達『Right(ライト) Cycle(サイクル)』は今日で終わったけどさ…………真姫は……これからもピアノ、続けるよな?」

 

「…………」

 

「いや……あれだぜ? わかってるって、真姫は西木野総合病院の跡継ぎとか期待されてて、簡単にピアノやりたいって言えないのはわかってるけど……でも、趣味の範囲でいいからさ、これからもピアノ……続けるよな? ってか、続けて欲しいなって思うんだけど……」

 

 

 そう、俺の聞いておきたい事はこれだった。

 

 俺はこれからもギターを続けるけど――肝心のギターを聞いてくれる相手であり、そして一緒に音楽を続けていける真姫が居ないと、俺は悲しいんだ。

 だから、真姫……例え音楽グループはやめても良いんだ。でも……ピアノ自体までやめるなんて事は言わないでくれ……!

 

 

「……私は、これでも感謝してるの」

 

「え? ……急になんだよ真姫?」

 

「ちょっと長くなるんだけど……聞いてくれないかしら?」

 

「あ、ああ……全然いいよ、話してくれ」

 

 

 すると、真姫が急にそう言って語り始める。

 俺はそんな真姫の話に耳を傾けることにした。

 

 

「私は……西木野総合病院の院長の一人娘。

 周りが私が病院の後を継ぐことを期待していて、そして……一番に私のパパとママがそれを期待していたわ」

 

「……だろうな」

 

「私がまだ小さかった頃、私のパパとママは、私を病院の跡継ぎにすることだけを考えてて……それ以外の事には少しも関心を持ってくれなかったの。

 だから幼稚園の頃、パパとママが私を初めてピアノ教室に連れて行ったのも、二人にとっては、“西木野総合病院のお嬢様”らしい習い事の内の1つでしかなかった」

 

「…………続けてくれ」

 

「だから私は、ピアノと出会って音楽の楽しさを知っていって……でもそれと同時に、音楽は私の将来の夢にはつながらないんだっていう事も同時に悟っていくような……そんな毎日を過ごしてたわ」

 

「――ああ、その話は母さんから聞いてる。その頃の真姫は、ピアノを弾いてる時は楽しそうで、そして弾き終わったら寂しそうな顔をしてたって――」

 

「えっ!? 聞いてたの!? ひかりちゃん、おしゃべりなんだから本当に……!

 ――話を戻すわ。

 だから、その頃の私は……きっと、パパとママの言われるがままに人生を生きてきたの……でも、しょうがないわよね、まだその頃の私は小さかったんだから……」

 

 

 そこまで話して、真姫は目を閉じて、まるで大切な思い出を振り返るかのように少し間を置いてから話しはじめる。

 

 

「――でも、私が小学一年生になった時の夏の“あの日”に、そんな操り人形だった私の毎日を……あなたのお母さん……ひかりちゃんは、一切合切(いっさいがっさい)めちゃくちゃに壊して私を助けてくれた……」

 

 

 

 真姫のその話を聞いて、俺は小さかった頃の記憶を掘り返していた。

 そうか……きっと真姫はあの日の事を言ってるのか。

 働き者で、普段滅多に休みなんて取らない看護師の母さんが、珍しく有休をとって意気揚々と出かけて行った――あの日だ。

 

 

『じゃあ、響也(きょうや)! 正也! これから私、織部(おりべ)ひかりは、ピアノ発表会という、親友の晴れ舞台に出陣するでありますっ! 

 ちなみに帰投(きとう)は夜になる模様! お昼ご飯と晩御飯は、お鍋に入ったカレーがあるので、二人で協力して食べておきたまえっ! では、さらばっ!』

 

 

 家で留守番をする父さんと俺に向かって、少しお茶目にそう言って、朝に笑顔で出て行った母さん。

 でも母さんはその日の夜、泣き腫らした目をして帰って来た。

 

 

『ヒック……グスッ……ごめんっ……響也ぁ……正也ぁ……私っ……やっちゃった……今働いてる病院の院長さんと、その奥さんの顔を思いっきり引っ叩いちゃったよぉ……病院、クビになっちゃうかも……というか、絶対クビになるっ……! ごめんなさい……ごめんなさいっ……!』

 

 

 その日の事を母さんはあまり話してはくれないが、それでもその日、きっと母さんは何か大切な物を天秤にかけ、リスクを承知した上で、それでも真姫を救うために全力を尽くしたんだろう。

 

 結局、その後母さんは病院をクビになる事は無かったけど……でも、それでも母さんはその時、自分のクビを覚悟していた。

 

 そして、その日の母さんの、真姫の為にやった人生をかけた大暴れが、今の真姫の嬉しそうな笑顔を作ってるのだとしたら、母さんはきっと、今でも真姫にとっての永遠の英雄(ヒーロー)なんだろう。

 

 

「……あの日から、パパとママは変わったわ。

 病院で忙しくても、出来る限り私との時間を作ってくれるようになったり、私のピアノの演奏を良く聞いてくれるようになって……私自身の未来の可能性に目を向けてくれるようになったの。だから、ひかりちゃんには今でも感謝してる……」

 

「ありがとう真姫……母さんが聞いたらきっと喜ぶよ」

 

「何言ってるの正也……私が感謝してるのは、あなたにもよ」

 

 

 俺が真姫にお礼を言うと、真姫はいきなりそう言いながらズイっとこっちに詰め寄った。

 

 

「はい!? ど、どうしたっていうんだよ真姫!?」

 

「きっと……一度しか言わないから、よく聞きなさい正也。

 私……あなたにも……とっ、とっても感謝してるわ……! 

 病院で初めて出会った時から今まで……正也は私の事を、ずっと“総合病院のお嬢様”としてじゃ無くて、ただの“ピアノの上手な真姫ちゃん”として扱って、気楽に接してくれた……

 そんな正也だから私……あなたと一緒に居る時は、病院の跡継ぎとかそんな難しい事を考えずに、ただの“西木野真姫”個人として、ピアノに打ち込むことが出来たわ――本当に、ありがとう」

 

 

 普段は全く素直じゃなくてひねくれた発言が多い真姫の、そんな素直な感謝の言葉に、俺は喜びというより、むしろ驚きの方が大きかった。

 真姫に対する態度だって、全然気を使った覚えもないし、自然に接してただけだからお礼を言われてもむしろ困る……でも、そんな俺の態度が真姫にとって救いになっていたのだったら、それはとても嬉しく思えた。

 

 ……でも、なぜだろう。俺は嬉しいと同時に、そんな真姫の言葉に何か嫌な予感を感じた。

 

 まるで、この後真姫に、取り返しのつかないような言葉を言われそうな――そんな予感を感じて――

 

 

 そして、その予感はすぐに的中した。

 

 

 

「だから……ピアノに全力で打ち込んで、そして本気で優勝目指して臨んだ、先月のコンクールでの“準優勝”っていう結果でハッキリ分かったの。――上には上が居る。

 きっと、将来を期待されるレベルの一流のピアニストは、もっとレベルが上……そんな中、本気で挑んで優勝を取れずに二位の私は、きっと途中で挫折するって実感して分かったの――」

 

「おい……なんだよその話の流れは……嫌な予感しかしないんだけど……真姫?」

 

 

 俺の言葉を無視して、真姫はついに決定的なセリフを吐く。

 

 

 

「だから――もう、ピアノは綺麗すっぱり辞めるわ。多分、もう趣味でも弾かない。

 本当に感謝してるわ。ひかりちゃんにも、正也にも……。

 こんな清々しい気持ちでピアノの道を諦める事が出来たのは、きっと二人のおかげよ……ありがとう」

 

「え……嘘だろ……真姫……!?」

 

 

 

 そんな真姫の言葉を聞きながら、俺は頭が真っ白になるのを感じていた。

 

 嘘だ……俺の所為で真姫がもうピアノを弾かない……? 嫌だ、そんな……そんなの俺が絶対嫌だ……俺は真姫の、あの綺麗なピアノの音色が大好きなのに……。

 

 ショックを受けて呆然とする俺。そして真姫は、そんな俺の目の前に立ってこう言った。

 

 

「……そんなに、私にピアノ続けて欲しいの?」

 

「あ……当たり前だ……だって俺、小さい時に初めて会った時から、真姫のピアノの一番の大ファンなんだぜ……? 続けて欲しいに決まってるじゃん……」

 

 

 今でも耳に残る、初めて会った日に聞いた彼女の『きらきら星』。

 伸び伸びとした綺麗なメロディーに、清く澄んだ星空を感じさせる音の表現力。

 だからハッキリと言える――俺は真姫のピアノが大好きなんだ。だから、やめて欲しくない。

 そんな俺に――真姫は不意に笑ってこう言った。

 

 

「だったら……正也が条件を呑んでくれるならピアノ、続けても良いわよ」

 

「……え!? 本当か真姫!?」

 

 

 真姫の言葉に俺は一も二も無く食いつき、続く言葉を待った。

 さぁ、どうしたらピアノを続けてくれるんだ真姫!? 今なら俺なんだって出来る気がするぜ!?

 そんな俺に真姫は、もったいぶったように間を開けて、そしてその条件を口にした。

 

 

「……ええ簡単よ。正也が私に『これからは俺の為だけにピアノを弾いてくれ』――って言ってくれたら、私はピアノを続けるわ」

 

 

 言われたその条件に、思考が一瞬フリーズするのを感じた。 

 そしてしばらくした後、真姫の言っている条件を頭で理解し、俺は叫ぶ。

 

 

「――――は? は……はいぃぃぃ!? な、なんでそんな!?」

 

 

 俺は思わず顔が熱くなっていた。

 な……なんて条件付けるんだよ真姫は!? そんなの……なんかプロポーズしてるみたいで恥ずかしいだろっ!?

 

 

「なんでって……だってそうじゃない。これから先、私自身の為にピアノを弾く理由が見つからないんだから、これからは正也の為だけにピアノを弾くって事になるわ。だから、何もおかしな事なんてないと思うけど……」

 

「いや……で、でも真姫……」

 

「約束するわ。正也がそう言ってくれるなら、私はいつどんな時でも、正也が求める時には、いつでもあなたの為にピアノを演奏してあげる。

 そしてこれから先、私がピアノを演奏する事があったら、それは全て正也の為に捧げる曲よ――喜びなさい、私は今、貴方専属のピアニストになってあげるって言ってるの」

 

「え、ええええええ……! 真姫、ちょっ……マジで言ってるの?」

 

 

 

 俺の目を見て、そんな恥ずかしい事をいう真姫に、俺はあまりの恥ずかしさで頭が沸騰してしまいそうになっていた。

 でも、それでも……真姫がピアノを辞めないなら……真姫のピアノを聴き続けていられるなら……俺はっ……!

 

 俺はそう決意し、俺の事を見つめる真姫に向かって宣言する。

 

 

 

 

「わ……わかった、言うよ。

 ……真姫、頼むっ! これから先の一生、ずっと俺の為にだけにピアノを弾き続けてくれーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 夜の町中であれど関係なく、俺は大声でそう叫んだ。

 

 ――これでどうだ……? そう思って、俺は真姫の反応を待った……すると。

 

 

 

「ぷっ……ふふふふふふっっ……正也、残念ね……嘘よ」

 

「――――は? 嘘? はぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

 

 

 いきなり笑い出した真姫に、俺は思わずそう叫ぶ。

 嘘って……嘘ってなんだよ真姫! てっきり雰囲気がマジだったから俺、本気に思っちゃったじゃねぇかよ!!

 

 

「ふふふっ……いつも私の事をからかうから、そのお返しよ正也。私がピアノを本気でやめると思った? 安心しなさい、私は確かにピアニストの夢は諦めたけど、趣味でピアノを弾くのを辞める訳じゃないわ――時々、勉強とかの合間に弾き続けるつもりよ」

 

「――――なんだぁ……よかったぁ………」

 

 

 俺は真姫のその言葉に、さっきまで騙されてた怒りもすっかり忘れ、心から安堵した。

 しかし――その時真姫は、手に持ったスマホを操作して、画面をこちらに向ける、すると、聞きなれた俺の声がそのスマホから響いた。

 

 

『……真姫、頼むっ! これから先の一生、ずっと俺の為にだけにピアノを弾き続けてくれーーーー!!!』

 

 

 あれ……その声って……さっきの俺の……!? 

 その画面が表示するのは、録音機能の付いた携帯アプリの画面表示……つまり……という事は俺は……!

 そこまで俺が考えた時、丁度真姫の迎えの車が到着した。

 

 

「じゃあ、迎えの車も来たから、私はこれをお土産にして帰るわ」

 

「――――っ!!?? 真姫! 待って、その録音データ消して!!」

 

「嫌よ、諦めなさい正也」

 

 

 そう言って、真姫は俺の恥ずかしい録音データを取ったまま、迎えの車に乗ってしまう。

 くそう! 俺の恥ずかしい記録が真姫にとられた……!

 俺はあまりの恥ずかしさに、車の中にいる真姫に向かって恨み節を呟く。

 

 

「真姫……なんであんな冗談を……!」

 

「だって……そうでもしないと正也、私の事をちっとも意識してくれないじゃない……」

 

「意識? それってどういう意味だよ?」

 

「はいはい、正也は分からないと思った……じゃあ、今日は楽しかったわ、正也。

 これからも私は病院に顔を出すつもりだから、また病院に来た時に会ったら、その時はピアノを聞かせてあげるわ」

 

 

 真姫はそう言って車の中から軽く俺に笑いかけた。

 そんなイタズラが成功したような笑顔でそう言われ、俺はなんだか毒気が抜けたような気分になってしまった。

 

 

「……はぁ、まぁやられたのはもうしょうがないか、了解! また病院に行くから、その時に会ったらピアノ聞かせてくれよ真姫! じゃあな!」

 

「ええ……またね、正也」

 

 

 

 最後にそう言って、真姫は車に乗って家の方まで帰って行ってしまった。

 

 全く、急にからかわれて困ったよ真姫は……実は俺、からかうのは良いけど、逆にからかわれるのは慣れてないかもな……。

 

 俺は自分の弱点を新たに発見し、一人ため息をつく。

 

 さて、俺は今日の用事全部終わったし、ようやく家に帰って寝れる――

 そう思って、俺は家の方に歩き出そうとした……その時、気が付いてしまったのだ。

 

 

 

「……あの子……さっき女の子にプロポーズみたいな事をしてなかったかしら……?」

 

「……若いわねぇ……私もあれぐらいの時は、もっとアグレッシブな恋愛をしてたわぁ……」

 

「死ねっ……リア充は死ねっ」

 

 

 

 ――――そんな声が周囲から聞こえてくるのに。

 

 あっ……これ近所の人たちだ…………

 

 そう言えば……さっきの真姫との件で、俺結構大声出しちゃったっけ……ヤバい、今のままだったら、恥ずかしくて家に帰れない。このまま帰って顔を覚えられたら、伝説的な告白野郎として近所の人の中で俺は有名になってしまう。

 くそっ……こうなったのは真姫の所為だ!

 覚えてろよ真姫ーーーーーーーー!!

 

 

 俺はそう思い、急いでその場を離脱し、そして一人、夜の淡路町のランニングに出かけたのだった。

 

 




 
 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

 では前回に引き続き、評価をくださった方に、深い感謝を……

 春菌さん

 本当にありがとうございました。
 
 また、お気に入り登録してくださった方や、感想を書いてくださった方にも心からの感謝を……
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