「良い湯だニャー」
アカツキとカズキはユクモ村の温泉に浸かっていた
「ふぅ、散々な目に遇った」
カナンとアリスの襲撃はめんどくさい。アカツキがいなかったらどうなっていたことか
アカツキは体を洗いにいったが自分はまだ浸かるつもりだ
絶え間無く涌き出る温泉、静かな波と雨漏りのように上から落ちてくる水
ん?雨漏り!?
ユクモ村の入浴場は外壁が無く完全ユクモの木で出来た吹き抜けだ
「アカツキ、雨が降ってるよ」
「フニャー、ほんとだニャぁ」
「まあマイハウスが集会場と行ったり来たり出来るから傘を必要としないんだよね」
ユクモ村で雨が降るのは珍しい
まるで………これから起こる災害のように
家に帰るとたくさんの仲間がいた、およそ50……
「なんでユクモ農場のアイルーがこんなにいるんだよ!長老!」
「いやぁ、アイルーは雨に濡れたら髭がな、手入れ大変なんじゃ。わかってくれ」
「解せぬ」
「………なあココアよ」
「どうしましたかニャ?」
「さっき見つけた古文書、見せてみるか。雨だし」
「良いんじゃないんですかニャ?ありえニャいですし」
カズキは長老に一つの古文書を貰った
「これは、アマツ・マガツチ?」
「アマツマガツチ!?そう言いましたか?」
アリスが声を挙げる
「ごめんなさい。いきなり声をあげて」
「どうしたアリス、具合が優れなさそうな顔をして」
「長話ですが、聞いてください。私の村の言い伝えですが」
「………山の外れにアミナ村と言う村がありました。実に450年前です、その村はある古竜、アマツマガツチを祭っていました。そのアマツマガツチは村人が『作った』神なのです。その神は豊作を訪れさせる神と言われていました。だが現実は違ったのです、アマツマガツチはそのアミナ村を襲撃しました。超大型タイフーンにより村人は飲み込まれ、家は壊滅。その村はその後復旧を果たしたましたがアマツマガツチは疫病神として恐れられました。それがアマツマガツチです。アマツマガツチは疫病神ではないんですけどね」
『……………』
話が深すぎて皆黙ってしまう。それもそうだ、アリスの発言は古竜なのだから
「すみません、こんな悲しい話をして。まあ、別の話でもしましょうか………」
「待つんだ、アリス。なんでその話を知っているんだ?」
「それは、私の村が過去にアマツ・マガツチに襲われたからです。」
古竜の起こす災害を人は『天災』という。アマツ・マガツチは他の古竜よりは衰える強さだがそれでも古竜。ジンオウガやイヤンガルルガとは強さが桁違いだ
「まあ、アマツ・マガツチと戦う訳じゃないんだからそんな事言わなくてもなぁ」
シーナは対して慌てる様子がない
「まあそうだね、そもそもアマツ・マガツチは山に生息するからユクモ村は圏外だし、て言うかアリスの村もわかったし」
「アミナ村、ですか?」
「うん。」
次回はアリスの村に訪れるかも?も