そんな日常系を目指したい(願望)
第一話「艦娘養成学校」
「ここかぁ・・・艦娘養成学校。」
確認するようにつぶやいている俺は吹村雪樹(ふきむら せつき)一等陸尉、陸上自衛隊の自衛官だ。
更に言うと俺はこの世界の人間じゃない、俺にもさっぱりだが演習中、気が付いたら横須賀鎮守府に車両や装備と共にこの世界に飛ばされていた。
一瞬、この世界でドラゴンに鉄の逸物でもぶっ放すのかと思ったらそうじゃなかった。
いや、相手はドラゴンじゃなくて深海棲艦と言う化け物なんですが・・・・。
早い話、護衛艦が70年前で無双やオタク自衛官が特地に行ってハーレムを作るみたいにするのではなく、ここで指揮官、つまり提督をしろと言われました、ハイ。
んで、様々な条件付けて承諾、ここ、艦娘育成学校に初期艦を選びに来ました。
え?自衛隊法云々?仕方ないでしょ、現状指揮官は自分1人だし。
ボッチ言うな!ハイポート走させんぞ!俺これでもレンジャーだぞ!
「どうもー、自分、陸上自衛隊の吹村雪樹一等陸尉です、元帥殿から連絡があったはずですが。」
「はっ!聞いております、どうぞこちらへ。」
警務隊のような人に声をかけて自衛官証明書をみせて中に入れて貰った。
言い忘れていたが俺は今、制服でいる。
え?「演習中に来たんだから迷彩服3型じゃないのか」って?
なぜか一緒に来た74式特大トラックに搭載済みでした。
で、警務隊のような人に連れられて来たのは校長室、ここのお偉いさんの部屋だ。
「どうぞ、此方に。」
「どうも、ありがとうございます。」
「自分はこれで。」
そう言えば今の人、兵曹長だったな・・・てことは准海尉だったのか。
意外と階級高かった・・・。
「失礼します、日本国陸上自衛隊、第37普通科連隊、小銃小隊長、吹村雪樹一等陸尉です!」
身だしなみ整えてから扉の前で挨拶。
「どうぞ。」
中から声がしてからopen the door。
「失礼します。」
「どうぞ、座って下さい。」
校長・・・って!この人大佐だよ!
こっち(自衛隊)で言う一等海佐だよ!
やべぇ・・・。
「元帥殿から聞いております、いやはや、陸軍・・・いえ陸上自衛隊の中でも凄腕の片が何故ここに?」
「色々事情がありまして・・・。」
「そうですか、では本題に移りましょう。これから1週間、貴方はこの艦娘養成学校を選ぶために滞在するという事ですね?」
「はい、そういう事です。あと、出来れば在校生の名簿の写しを貰えますか?」
「分かりました準備しておきます。」
1週間じっくりと決めるという事は大切なことだ、これから苦楽を共にする仲間だからな。
「では、1週間よろしくお願いします。」
「自分もよろしくお願いします大佐。」
大佐に敬礼をする。
・・・・陸軍式でも大丈夫だよね?
「今、他の職員が部屋に案内しますのでお待ちください。」
そう言われて数分後、今度は若い少尉がやってきた。
「大尉・・・・いえ、一尉殿、お部屋にご案内します。」
「よろしく頼む。」
そして歩くこと数分、宿舎の一室に案内された。
「ここが一尉殿のお部屋になります、鍵は此方です。」
「ありがとう、次に出ればいいのは何時だ?」
「それは、此方の冊子に1週間分の予定表が掛かれています、御確認を。」
「なるほど、これによると次は1時間後の朝礼に出ることになっているな。」
渡された冊子には1日目に朝8時に朝礼で挨拶をする事となっている。
さっきも総員起こしが終わった後の所為か食堂も騒がしかったな、幹候時代が懐かしい。
「はい、くれぐれも遅れないようにお願いします。」
「分かっている、案内してくれてありがとう。」
「失礼します。」
敬礼を交わした後、若い少尉は去って行った。
「さて、荷運びとするか。」
俺は一旦高機動車に戻り、高機動車を宿舎横に止め、荷物を下ろした。
その後、迷彩服3型に着替えて朝礼に備えた。
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そんでもって屋外の運動場で朝礼である。
どこの学校でもある校長先生の挨拶があって、その後に俺が挨拶をする番になった。
と言うより、さっきからチラチラ見られてんのよ・・・・すげぇ恥ずかしい。
「では、吹村一尉、どうぞ。」
校長に呼ばれ朝礼台に上がってマイクが動いているか確認してから話す。
「えー、皆さん初めまして、自分は日本国陸上自衛隊の吹村雪樹一等陸尉です。一等陸尉は簡単に言うと大尉です。これから1週間、皆さんを視察します、そしてこの中から自分が優秀だと思った者は自分と横須賀鎮守府に着任して貰います。」
「オオォォォォ・・・・。」
「静かに!」
「・・・・。」
俺が少し強めに言うと全員が静かになった。
「俺はこれでも新人自衛官の教官を務めたことがある、その点は理解していてくれ。以上です。」
「ありがとうございました、次は・・・。」
そんなこんなで朝礼が終わり、授業が始まる。
授業は8時50分からなので、それまでこの世界の歴史を復習してみる。
まずここは艦娘たちが深海棲艦と戦っている「艦これ」の世界。
時代は1990年3月7日、
1980年頃までは正常な歴史をたどっていたが深海棲艦が出現したことでそれ以降の現代の歴史とは全く違うものになっている。
ただし日本国内では技術の進歩が大きく、平成前期と現代が7:3の割合で混ざった状態である。(かなり高価ではあるがスマホやノートパソコンもある。)
深海棲艦が出現したことで半強制的に憲法改正。
陸上自衛隊は日本国陸軍に、海上自衛隊は日本国海軍に、航空自衛隊は日本国空軍になった。
しかし、護衛艦や戦車で応戦しても深海棲艦相手には全く効かず、赤子の手をひねるように一蹴された。
そんな\(^o^)/オワタ状態の時に現れたのが艦娘達だった。
艦娘は妖精さんによっていくらでも量産可能。
そして、このような養成学校は鎮守府がある近くのところにあって、大本営が建造した艦娘がいる。
それで、横須賀鎮守府については前任者が異動になって艦娘達と共に異動したらしい。
そこに丁度自衛官の俺が来たってことだ。
・・・・・なんてご都合主義。
とまぁ復習してみてもあんまり実感無いのよねぇ・・・。
さて視察の準備するか。
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1~2時間目「座学」
現在は座学、教室の後ろで視察中。
まぁ、普通の学校と似た風景だな。
ん?あの子は・・・・俺の艦これ知識が正しければ「吹雪」だよな?
さっきから必死にノートを工夫して書いているな。
これは良いな、候補に決まりだ。
名簿には・・・・oh、散々に書かれてるな。
まぁ、何とかなるだろう。
3~4時間目「実戦訓練」
艤装を付けての訓練。
海に浮かべた的を艤装を使って破壊するというものだ。
ふ~む、空母は「赤城」「加賀」「瑞鶴」「翔鶴」に軍配が上がるな。
他の者は大抵、俺に見せつけようとしている、マイナスだな。
おっ、次は吹雪か、しっかり見てみよう。
・・・・・・・まず一言。
こ☆れ☆は☆ひ☆ど☆い
あそこまで酷いとは思わなんだ。
こけて顔面から海面に突っ込み、今度は出力上げ過ぎて的に衝突、果ては発射した砲弾が的では無く俺に飛んでくる始末。
砲弾が飛んできたときには死ぬかと思ったし、吹雪も真っ青、教官にボロクソ怒られていた。
だが健気に頑張る姿は嘘偽りがない、プラスポイントだな。
昼休憩
医務室で簡単な治療を受けた後昼食を食べに食堂に向かった。
「~~~~♪おっ、ここか。」
最近始まった陸自主演のアニメのOP曲を歌いながら食堂に着いた。
あれはドラゴンだからいいけれど、こっちは知性持った化け物だぜ・・・・。
「さてと、おっ、色んな種類があるな。」
食堂に入ってみるとたくさんの艦娘が食事を取っていた。
兎も角メニューを見てみるとなんと50種類位あった。
・・・・・と言うより周りの目線が気になる・・・。
まぁ、迷彩服姿の男がやってきたら普通びっくりだがな。
「えっと、すみません、このかつ丼セットを下さい。」
「はい分かりました、少しお待ちください。」
食券を渡して待つこと数分。
「お待たせいたしました、かつ丼セットです。」
「ありがとうございます。」
今の人って間宮さんだよな?
すげえ美人さんだった。
さーて食う場所を探すか、ポイントは
・艦娘がいる
・大勢でない
この二点、でもそんな条件満たすとこなんて・・・あったぁー!
丁度一人でいる吹雪を発見、何故か皆も近づかないようにしてるしここに決めた!
「やぁ、相席しても良いかな?」
「えっ?あっはっハイ!」
吹雪の許可を得て吹雪も正面に座る。
許可を得ることは大切だからね。
「あっ、あの!すみませんでした!」
いきなり頭を下げてくる吹雪、さっきの事かね?
「HAHAHA、気にしなくてもいいさ、ほんのかすり傷だけだしな。」
「でも・・・・。」
「大丈夫だって、こう見えても山で5日間飲まず食わず寝ずで60㎏の装備もって山籠もりしたからな、それに比べれば、へのカッパだよ。」
「そんなことをなさってたんですか!?」
まぁ、驚くのが普通だよね。
「まぁね、それに警務隊・・・・ここでは憲兵だね、そこにいたこともあるから艤装なしとの艦娘とやり合うこともできるよ。」
艦娘は艤装なしだと鍛えた成人男性より少し強い位の力だからな、自衛官を相手に考えた自衛隊逮捕術なら通用するだろ。
「あの・・・吹村大尉は、なぜここに?」
「朝も言ったけど、初期艦選び。自衛隊からいきなり日本海軍に来たからその文化になれるという事もあるけど。」
「では、自衛官は辞めるんですか?」
「・・・・辞めねえよ、たった一人になっても俺は自衛官であることを否定しないし辞めようとも思わない。辞めたら自衛官になった意味がないからな。途中であきらめたり、自分だけが良いとするヤツは大っ嫌いでね。」
「そうなんですか。」
「そうだ、吹雪、お前かなり評価悪いらしいな。」
「うぐっ・・・。」
図星ですな。
「俺も高校の時は成績が酷かった・・・・そんな先輩からのアドバイスだ。」
「自分が出来ることを一生懸命やれ、誰かはしっかり見てくれているさ。」
「出来ることを・・・一生懸命・・・。」
「そうだ、それじゃあ俺は次の準備があるからこれで。」
「あの、ありがとうございました!」
「おう、頑張れよ!」
side change
「おう、頑張れよ!」
その言葉に私は少し高揚した。
この艦娘養成学校に入ってからいつもビリで誰も相手にしてくれなかった。
更には陰口まで言われていた、そんな中でも吹村大尉は私に話しかけてくれた。
大尉の言った通り出来ることを一生懸命やってみよう。
自分が選ばれることは無いだろうけど少しでも頑張れば・・・。