「・・・・リストアップ完了!」
腕を伸ばして凝った体をほぐす。
結構バキバキ言うなぁ・・・。
「提督?」
「司令官まだ起きてたの?」
丁度入ってきたのは如月と敷波だった。
何してんだこんな時間に・・・?
「あと一時間で消灯だぞ?」
「あらあら、硬いこと言わないで。あら、かなり肩が凝っているじゃない。」
そういい返してきた如月は俺の肩を揉んできた。
「おぉう・・・かなり上手いな。」
「ふふっ、少し本で読んだ程度だけどね♪」
「ふんっ、イチャイチャしてさ…敷波のことなんか、どうせ忘れてるよね…まぁ、いいけどさ……よくない…。」
「忘れてないぞ?そんなことしてみろ、ソロモンの鬼神に八つ裂きにs「呼びましたか? し れ い か ん ?」アイエエエエ! アヤナミ!? アヤナミナンデ!?」
うっかり口を滑らせたら後ろに綾波が艤装を付けた状態で立っていた。
顔は笑顔だが出てくる黒いオーラのせいで生きた心地がしない。
「す、すまなかった!だから艤装を下ろせ!」
「・・・・・もう、私だって女の子なのに鬼神なんてひどいです。」
「「(あれは鬼神だよ・・・。)」」
如月と敷波が同じことを考えていそうな顔してるけど放っておいて。
「兎に角お前たちは何の用で来たんだ?もう消灯前だぞ?」
「一つ聞きたいことがあったのよ。」
「なんだ如月?」
「倉庫付近での深雪ちゃんとの初体験はどうだった?」
「黙れこの脳内ピンク駆逐艦!」
何処で見たか知らんがなんでこんな誤解を招くような言い方をするんだ…。
「褒め言葉ありがとう♪」
ダメだ完全に如月にもてあそばれてる。
「とにかくどうするんだ・・・綾波と敷波が二人揃って俺を汚物を見るような目で見てるじゃないか!因みに俺にそういう趣味はないからな?」
「・・・・・・ケダモノ。」
「おい敷波、今から9㎜拳銃を自分のこめかみに押し当てて引き金引くぞ?」
やる気はさらさらないが。
「とにかく帰れ、今は仕事で忙しい。」
「仕事と言っても図面を引いているようですが・・・。」
「ん?綾波姉、これなんて書いてあるの?」
「Hubuki-class Long-distance marine patrol destroyer?」
「おいコラ!勝手に見るな!」
全く、油断できんな。
それより綾波の奴、発音上手いな。
「さあさあ、帰った帰った!明日は0600に起床だぞ!」
俺は三人をテントから摘まみ出した。
「ふう、俺のところに青葉がいなくてよかった。」
あれを知られちゃまずいからな。
俺はもう一度図面を見る。
「・・・・・・陸上自衛隊初の護衛艦なぁ。」
俺はその図面を鞄にしまってその日は眠ることにした。
~翌朝~
「全員そろっているな。」
現在0600、全員が74式特大型トラックに集合しているのを確認してから用件を伝えた。
「現在、この鎮守府の艦娘は精神的に病んでいる。そこでだ、数日間の交流を経て横須賀鎮守府に案内することにした。」
「ですがご主人様、交流ってどうするんですか?」
「そこだ漣、いつの時代でも美味しい食事にはみんな心を奪われる。」
「つまり料理で胃袋を掴んで我が物にしようと・・・。」
「深雪は後で憲兵とお話な。」
「そりゃないぜー!」とか聞こえたけど気にしない。
「ですが司令官、誰が料理を?」
「まぁ、そこになるが家には磯風と比叡がいないのが幸いだな。」
核よりひどい物なんて出されたら友好どころの話じゃない。
「で、作るのは俺がやろう。」
『『『『え?』』』』
「シンクロしたうえで意外なものを見るような眼は止めろ・・・。」
最近来た漣、望月、敷波、睦月、村雨、如月が意外なものを見るような眼で見てきた。
一応料理は出来るんだぞ?
「ともかくそう言う事だから、総員、友好な関係を築く様に努力すること。以上解散!」
さーて、刈谷中尉に会いに行くか。
「おぉ、いたいた。刈谷中尉!」
「ん?あぁ、吹村大尉殿、どうかなされましたか?」
丁度鎮守府内の建物を歩いている刈谷中尉を見つけることが出来た。
俺は早速交渉を行うことにした。
「刈谷中尉、野外炊具1号はあるか?あと、食材なんかも。」
「確かトラックで引いて持ってきたはずです、食材もこの鎮守府のが大量に。」
「じゃあ、野外炊具1号を貸してくれ。」
「何に使うんです?」
「まずは飯を振る舞うところから始めようかと。」
「なるほど、それは良い考えですね。野外炊具1号は倉庫近くのトラックに繋いでいるので使ってください。」
「ありがとう。」
刈谷中尉に借りることが出来た俺は礼を言った後に食糧庫に向かった。
「良い食材ばっかだな・・・。」
俺は食糧庫にやってきたが良い食材ばっかりある。
ただし提督用と書かれた冷蔵庫に入っているものだけだが。
艦娘用と書かれた方には腐りかけの食材が大半を占めていた。
「とにかくこれだけ豪勢な食材があれば最高の料理ができるぞ。」
適当に綺麗な段ボール箱に食材を詰め込んで俺は野外炊具1号を取りに向かった。
「さーてここでいいな。」
74式特大型トラックと繋いだ野外炊具1号を艦娘達が籠っている倉庫の前に止めた。
そして俺は颯爽と準備を始めることにした。
「海鳴りが声を消し去って~♪」
歌を歌いながら料理をすると最高に気分がいい。
まぁ、この歌は海自が主役のアニメの主題歌なんだがな。
そんなこんなで大量の陸自特製カレーと豚汁、肉じゃが、ご飯が完成した。
「さぁ、食ってくれるといいんだけどな。」
俺は艦娘達を呼ぶために倉庫の中に入った。
やっぱり艦娘達は光が宿っていない目でぼーっとしている。
「お~い、山城。飯が出来たから食いに来いよ。」
「・・・・いらないわよ。」
「良いのかなぁ?陸自特製のカレーに豚汁、肉じゃが、ホカホカのごはんだぞぉ?」
「・・・・別にお腹なんて・・・。」
そんな時に飯の良い匂いが流れてきた
グゥ~!! ギュルルルゥ~!!
「・・・・・腹は正直だったようだな。出て来いよ。」
「・・・・・・・不幸だわ。」
山城は顔を赤くして牢屋から出てきた。
「お前らも飯の時間だ。さっさと出て来い。」
そう声を掛けると何故か全員操り人形のように動き牢屋から出てきた。
「一体全体どうしたんだ?」
「この時間帯にまずい生ごみを出されていたのよ。で、食べるときは外に出で食べに行っていたの。」
「なーる、そいじゃみんな外にある椅子と机に座って待っててくれ。」
俺の指示に何も言わず全員がゆっくりと出ていった。
下手なホラーよりも怖いなこれは。
全員が着席したのを確認した俺は飯をよそっていった。
「おかわりが欲しいなら言ってくれ。それと白飯にカレーがかけたかったら言ってくれ、よそうから。」
「それじゃあいただきます。」
「・・・・いただきます。」
山城以外は何も言わず口に運ぶ。
マナーのかけらもねえな。
「・・・・・グズッ、ヒグッ。」
「どうした?何かヤバかったか?一応味見はしたんだが・・・。」
「いえ、こんなにおいしいの食べたことなくて・・・。」
ここの艦娘の潮が泣き出したから何事かと思ったが心配ない様だ。
よく見ると全員が泣いている。恐らく潮と同じ理由だろう。
「そんな風に言ってもらえて嬉しいよ。お代わりはたくさんあるから食いたいだけ食え。」
そういうと同時に全員が飯を口に放り込み始めた。
よほど腹が減っていたんだろう、次から次へとお代わりが入りあっという間に作っていた分は消えてしまった。もちろん俺の分も。
「予想以上の食欲に驚いたが・・・・それ以上に何処にあれだけの飯が消えたのかが
気になる・・・。」
皆腹は膨れているようだが200人分の飯が消えたにしてはそんなに膨れていない。
艦娘の不思議の一つに認定だな。
「・・・・ところでお前たちの今後についてなんだが。」
「・・・・解体ですよね。」
「え・・・なぜそう思うんだ最上。」
「僕たちは弱いから・・・・解体される、だからこんなにご飯が豪勢だったんでしょう?」
「はぁ~・・・。」
俺はため息をつきながら席を立ち最上に近づいた。
「あいたっ!」
そして拳骨をお見舞いしてやった。
「馬鹿かお前は。自分が解体されるのを普通に認めやがって・・・。」
「僕たちは弱いんだよ?だったら解体されるのは普通じゃないか。」
「あのな、誰だって最初は弱いんだよ。俺だって自衛隊に入る前はいじめられっ子だったぞ?」
実際自衛隊に入るまでカツアゲなんかされていた。
「それに俺の秘書艦はひと月前は艦娘なのに水上を滑れないぐらい弱かったんだぞ?今じゃあすっかり成長したがな。」
「・・・・。」
「いいか、これだけは言える。だれだって最初は弱い。だけど努力する気持ちさえ持っていれば誰だって少しだけでも強くなれるんだ。」
俺の話を全員が黙って聞いていた。
「お前たちはこれからは俺の部下として横須賀鎮守府に所属することになる。俺はどうこう言う気はないがせめて俺のことは信じて欲しい。言いたいことはそれだけだ。」
俺は片付けの為に野外炊具1号に向かった。
「誰か片づけを手伝ってくれないか?流石にこれを一人はつらい。」
「えっと・・・じゃあ私が。」
「私も・・・。」
潮と初霜が出て来てくれた。
これで多少は楽に出来るな・・・。
「よし、それじゃあ他の奴は自由に行動してくれ。」
こうして俺の胃袋GET作戦は一応成功したようだ。
これからが重いな・・・。
敷波「計画を実行できた司令官。
そんな司令官にまたしても災難が・・・・。
次回「衝突!『陸上自衛隊』と『日本国陸軍』対『艦娘保護団体』」
次回に向かって、前進ー前へ!」