続きです、ではどうぞ。
そんなドヤ顔で言われても困る。
なんだよ、すげぇだろ?みたいな顔で
こっち見てくんなよ。
いや、今はそれどころじゃないな。
視線を戻すとそこはまだにらみ合いが続く
膠着状態。
『仕上げだ、アドレナリン100%。脳の神経回路切断。やれ、[N.W.H.001]』
フシュー…
彼のこわばっていた体から
急に力が抜け、上半身がダランとしリラックスしたようなスタイルに変わった。
そして、虎が反応するよりも一瞬早く
物凄い勢いで突進して行った。
2頭の間にピタリと止まり、
左側の虎を
左手の甲で殴り飛ばした。
殴った瞬間にはもう彼の視線は左側の虎には無い
右側の虎はそれよりもワンテンポ遅く
彼の方を向いた
そして、向いたと同時に強烈な右アッパーが見舞われた。
軽く宙に浮いた虎の体に、
脇腹目掛けて
左足からの追撃。
吹き飛んだ。
左側に居た虎は重症で済んでいるだろうが、
右側に居た虎は口からは、舌をダランと出し
多量の吐血をしている。
2頭の虎はあっさりと、そして本当に鮮やかに彼の餌食にされてしまった。
『蝶のように舞い、蜂のように刺す』
彼にぴったり過ぎる言葉だ。
もっとも彼は蜂そのものだが。
獲物を失った彼はまだ物足りなさそうに
下を向いたまま広場をウロウロしている。どっちが虎かわからない。
しかしおかしい。
絶対的な力を手に入れたとは言え
こんなにも自信に満ち溢れ、何の戸惑いも無く
あんなに非情に生物を殺せるのか?
さっきまでおどおどしていた彼が?
やっぱり彼等に何かされたせいか。
望んでも無いのに、勝手にこんな事をされ
おまけに洗脳まがいの事までされて
何が新人類だ。
俺達は兵器だと?
なんだよ、これ…。
「なんだよ、これ!!!!」
ピピッ
[N.W.H.016 アドレナリン上昇中 現在18%]
『興奮しているぞ?浩司。いや、016。そして、無駄な事はするな。お前達は我々に管理されている。デビッド、001と、016のアドレナリンを下げろ。』
なんだ、
さっきまで早く動いていた心臓は落ち着きを取り戻したかのように
ゆっくりと元に戻っていくのがわかる。
同時に頭も冷めてきて、怒りが無くなっていく。
管理ってこうゆう事か、
あの青年もいつのまにか元の姿に戻ってるし、またおどおどしたさっきまでの彼になっている。
『多々疑問はあるだろうが、今日はここまでだ。また順を追って説明する。』
それだけ言い残して一人帰って行きやがった。
『あなた、なにかとてつもない事になってたけど大丈夫なの!?』
女の子が、あの青年に聞いた。
青年は
『最初は、何が起こるかわからないし怖かったよ。
で、虎を見た瞬間腰が抜けたね。
だけど、急に恐怖が消えたんだ。
恐怖が消えたと思ったら…、
何て言うんだろ。軽い興奮状態?になった。
気が付いたら変なコスチューム着てたし。
で、途中から記憶が無い。』
そう答えた、
なぜ虎があんな風になったかはわからないらしい。
俺達全員あんな事されてるのかよ。
あのアメリカ人は"蜂"だったが、
他のメンバーは何なんだろうか。
そして俺は?
出来ればカブトムシか、クワガタがいいな。
ちくしょう!
どんどん彼らのベースを明かして行きたいと思います!