深く濃い緑に
真っ赤な目
ところどころにある黒のライン。
"サナギ"から出てきた男の肩のプロテクターには
[N.W.H.016]としるされている。
一歩、また一歩。
ゆっくりと歩いている。
生まれたての彼は
少し歩いた所で立ち止まり。
辺りを見渡した。
視界には"East 153m"という文字と、三角形の矢印のような物が出てきた。
その方角を向き、
彼はまるでウォーミングアップ中の陸上選手のように
助走をつけ
跳んだ。
"East 100m"
数字がだんだんと減っていく。
跳んだそのままの勢いで、建物の壁を蹴り
更に目標を目指す。
"East 63m"
視界に捉えた。
また壁を蹴り、どんどん近づいて行く。
目標付近からはけたたましい銃声が聞こえてくる。
建物が邪魔して現場が良く見えない。
"East 14m"
ここまで来れば、よくわかる状況。
戦車が一台、その後方に最新型のライフルを持った兵士
達。
恐らくはAmbition社製の銃火器。
対するは民間兵と思われる、武装勢力。
ちょうど戦車と、民間兵の中間地点に
降りた。
一瞬両勢力の戸惑いがあった。
隙が出来た瞬間だった。
彼は勢い良く地面を蹴り上げ、
戦車に向かって再び跳んだ。
そして空中で前に1回転し、
かかと落としの形で戦車の銃口をグシャリと
簡単にへし曲げた。
軽く後輪側が浮くくらいの衝撃。
新たな勢力に戸惑っていたが、
戦車側勢力の兵士達は彼に向け一斉に射撃を開始する。
当たらない。
まるで踊っているかのように華麗にかわし
一人の兵士の目の前まで来た。
もちろんの如く兵士は驚く、
一瞬銃撃が止む。
しかし、またすぐに銃を構え直し
トリガーに指をかけた。
と、同時に彼の手刀で銃は吹き飛ぶ。
今度はナイフを取り出す。
斬りかかって来たが、
上半身を後ろに退け反らせて
これも避ける。
左足を一歩後ろに下げ、
右足を膝から折り曲げて
目の前の兵士の膝を勢い良く踏みつけた。
バキッ!
嫌な音と共に兵士は前に倒れ込む。
もう彼は見ていない。
彼の目線は空。
また銃撃が始まった。
同時に彼は真上に跳んだ。
何か巨大な物体が飛んできた。
丸く、球体のように変形させられた戦車だ。
こんな事が出来るのは他のメンバーしかいない。
他のメンバー達も近くで大暴れしているようだ。
跳び上がった彼は物凄い勢いと早さで前に回転しだした。
そしてタイミング良く
こっちに向かって来た丸い戦車を
またもかかと落とし。
爆発が巻き起こり兵士達も吹き飛ばされ
誰も立ち上がらない。
『メーデー!メーデー!新たな勢力の加入を確認!!!隊は壊滅的被害!
いえ!新勢力は見た事の無い武器?です。
国籍も不明!
了解。写真を送ります!』
カシャッ‼
ピクッ
見付けた。
ドンッ!!
という衝撃音と、衝撃が辺りに響いた。
物凄いスピードで
前方200mの距離の建物の2階にいる
連絡部隊の兵士の元に跳びかかった。
驚異的なスピードで迫ってくる何か。
ライフルを構える。
発泡。
当たらない。
発泡。
当たらない。
兵士は焦っている。
そして再びライフルのスコープを覗きこむ。
いない。
スコープから目を離す。
目の前に立っている。
彼の股の間にライフルがある状態。
妖しく、そして血のように赤いその目が
こんなにも天気がいいのにしっかりと輝いているのがはっきりとわかる。
"シャシン ハ ドコダ"
驚いたが、ライフルからハンドガンへと持ち替え、
発泡。
今度は命中。
しかも頭部。
が、生きている。
もう一度トリガーに指をかける。
トリガーを引くより一瞬早く
兵士の首を掴む。
"シャシン ハ ドコダ"
兵士は首を掴まれたまま
持ち上げられている。
今にも意識を失いそうな程の力で掴んでいる
喋れる訳がない。
人間はもろい。
使い物にならない。そう判断したのか手を離す。
落ちてくる頭目掛けてタイミング良く
膝で一発蹴りあげた。
グリャリという鈍い音と共に
兵士は吹き飛んだ。
殺した。
辺りを見渡しすと、使われたであろうカメラと
これから写真を送るであろうパソコンにUSBが刺さっている。
ひとつひとつ手に取り破壊していく。
そしてその場を離れ。
次は民間兵の元に行った。
武装している兵力は全て敵と見なされる。
一人一人丁寧に確実に息の根を止めていく。
そこに銃を持った子供がいなかったのが幸いだ。
しかしその光景はまさに地獄絵図。
現場に到達して10分程の出来事だった。
騒がしかった戦場も今や
彼の歩く音と、遠くの方で聞こえる銃撃音のみ。
これが…俺?
言葉が出なかった。
結構長くなってしまった。
読んでくれてる人は頑張って下さい。(笑)
すみません(笑)