蘇る彼と聖遺物   作:はるひよる

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もう二期の事に半分意識が飛んでいるはるひよるです。

今回は奏の依代探しとオリ主がようやく二課と接触する事を決めるお話です。

最後まで読んでもらえると次回の励みになります。


帰還と陰と

さて、あの空間から戻って来たが奏の依代を選ばないとな。これは聖遺物を私から切り離すのでは無く私の一部で分身を造るという感じだ。勿論、活動には聖遺物のエネルギーも使うが、その聖遺物へとエネルギーを供給しているのは私である。そして、奏に使用するとある程度のリソースを割り当てる事となりこちらのパフォーマンスは低下してしまうだろう。そうなると、燃費の悪いレーヴァテインは候補から外れる。ハデスの兜も低下すると困る。アイギスも出力を抑えてしまうのは困る。

 

残る聖遺物はヴァジュラとガングニールだな。この二つならばどちらか一方を使わなくても何とかなるだろう。だが別に今ある聖遺物でなくてもいいのかもしれない。私には繋ぐ力がある。そして、聖遺物を受け入れる精神力も増して余裕があるのだ。ならば、世界に眠る聖遺物を感知の力で探してそれを私に融合する。そして、奏の依代にしてもいいのではないか。まあ、それはこの2つとの相性次第になるな。

 

———ガングニールの場合———

 

頭に直接奏の声が聞こえる。

 

『以前使ってたから相性いいと思ってたんだけどよ………よくよく考えてみると適合するのに我ながらめっちゃ無茶してた。あんま相性よくないみてぇだ。』

 

 

———ヴァジュラの場合———

 

『さっきよりはマシだけどなぁ………やっぱしっくりこねぇな。って事は聖遺物探しに行くのか?』

 

「そうだな………奏の依代に使うのだから相性の良いものにしたい。良ければそれだけ力を引き出せるからな。」

 

 

結局聖遺物を探しに行く事になった。ステルス状態で日本全体が見渡せる高さまで来ている。

 

「今私の感知の力で見える事を奏にも繋げているが視えてるか?」

 

『ああ、なんか青いのが視えてるけどどうすりゃいい?』

 

「その青い中から直感で惹かれる所に行こうと思っている。何か惹かれるのはあったか?」

 

『この中だとあそこのが気になるな。早速行こうぜ!』

 

「ただし、誰かの所有物だった場合は諦める。未発見の物だけにするぞ。」

 

そうして私は跳躍する。

 

着いた場所は遠くに大きな橋が見える海上でこれといって何も無い。

 

「となるとこの下の海の底か。円錐型の障壁を張って一気に目標に接近し回収する。今二課に追われると奏の依代探しが遅れてしまう。直ぐに始めるぞ。」

 

円錐型の障壁を張りゆっくり海面に沈み込む。海面から見えなくなり一気に海底を目指す。海の中を潜ったのは初めてだった。

 

『こんなの初めてだ。やっぱり生き返ってよかった!』

 

「まだだからな………もうすぐ目標だ。」

 

そこには一見すると何も無い。2〜30cm程の石が少し転がっていたりするだけだ。私は繋ぐ力で目標物との繋がりを作り辿ると小指サイズの小さな欠片があった。目標を手に握り海面ヘと向かう。海面が近くなるとゆっくりと浮上する。近くに見えた人気のない砂浜へと跳躍する。

 

その欠片との繋がりを強くし、モードアイギスとなり聖遺物を吸収する。肉体と魂に融合させた事により聖遺物の情報が判明する。この欠片の正体は《天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)》の刃の欠片だったのだ。

 

武家屋敷へと帰った私は早速地下へのシェルターへと向かう。奏と天叢雲剣の繋がりを作る。

 

『お?こいつはなんかしっくりくるねぇ。それにこいつとは気が合いそうだって思うんだよ。なあ大和、あたしの依代はこいつに決めた!早速融合させてくれ!』

 

私は更に奏と天叢雲剣の繋がりを強く強固にしていく。奏の存在が天叢雲剣に定着したのを感じた私はエネルギーを送る。

 

『温かいのがどんどん来てチカラが湧き上がる!それでどうやったら表に出られるんだ?』

 

私は天叢雲剣を意識して出現させる。黒い大剣が出現した。

 

「今、出現させたがその感覚を覚えたら自由に出られる筈だ。戻すから今度は奏が出てみてくれ。」

 

一旦戻し奏を待つ。すると直ぐに目の前に朱い人の光の像が出来る。少しずつ光が落ち着きそこには奏が存在した。

その姿は風鳴たちのギアに近い姿をしていたが印象は全く違った。黒と藍の全身スーツには所々に朱のラインが挿されてある。手首にには黒に近い藍の籠手。同じ色のブーツのような物には朱が挿してある。顔には黒と朱のヘッドギアで目元まで朱いバイザーで隠れている。

 

「やっと生き返ったって感じがするぜ。何故かギア纏ってるけどな。」

 

どうやら奏の想いに応えてギアのようになってあるらしい。

 

「どこか違和感は無いか?」

 

手を閉じて開いたり軽くジャンプしたりしながら楽しそうな奏。

 

「ねぇな。それどころかガングニールの時とは比べものにならないくらい調子がいい!さっさとこの天叢雲剣の力を使ってみてぇ!大和いいか?」

 

私はモードアイギスとなる。

 

「すべて防ぐから問題ない。先ずは天叢雲剣の機能を確認していこうか。風鳴のように武器を出せるか?」

 

奏は掌へとエネルギーを込める。すると身の丈ほどもある黒い大剣が現れる。奏は両の手で握り振るう。

 

「こいつの力をぶっ放すから受け止めてくれよ?それじゃあ、いっちょ派手にいくぞ!」

 

黒い大剣を大きく振り上げこちらの方向へと振るうと黒い斬撃が飛んでくる。障壁でガードすると正面から激突する。その瞬間爆発し障壁ごと吹き飛ばされた。途中で天井まで跳躍し奏の方へと戻る。

 

「こいつはすげぇ威力だな。ガングニールの時と出力がまるで違う。」

 

黒い大剣をまじまじと眺めながら楽しそうにする奏。

 

「エネルギーはこっち持ちだからあまり暴れられても困るぞ?それと私の魂とも繋がってあるから最低限のアイギスの障壁と鳥之石楠船神の力で対ノイズ戦闘も可能だ。」

 

「これで翼と一緒に戦える。大和も手伝ってくれるだろ?」

 

私はどうしたものかと悩む。私も奏もかなり特殊な存在だろう。そんな存在が知れれば様々な連中に追われるなど容易に想像出来る。今の所私の存在を知っているのは二課だけだろう。その二課も私と謎の人物は結びついてはいない筈だ。だが、奏は二課へ所属していたので接触すればバレてしまうだろう。そして、何故蘇ったか聞かれれば私の事も話してしまう気がする。いっそのこと奏と二人で外部協力者という形でこちらの詮索をしない事を条件に中に飛び込んだ方が気が楽なような………。あの司令は信用出来るが櫻井だけは絶対に接触したくない。何か不吉な気配というかそういうものを感じるのだ。最悪、拘束されてモルモットにされそうになった場合、奥の手のレーヴァテインで少々手荒だが強引に逃げよう。

 

「………私も腹を括るとするか。明日にでも二課へ向かい外部協力者としてこちらに過度の詮索や干渉をしない事を条件に対ノイズ戦闘に協力する事にした。ただし、極力櫻井との接触を控えてくれないか?彼女からは不穏な気配がするんだ。それで奏はいいか?」

 

奏は首を傾げるが何か思い当たるのか納得した表情になる。

 

「あ〜………確かに興味のある研究対象を見る目が凄く怖かったよ。わかった、そうするよ。」

 

二人で地下を後にする。地上へ戻り奏は久しぶりに入浴したいと浴室へ向かおうとする。そこで奏はふと疑問に思う。

 

「ところでこの格好とか普段着とかどうしたらいいんだ?」

 

私は説明する為にその場で着替え方を披露する。一瞬にしてあの時の青いパジャマ姿になる。

 

「そうだったな。はじめのうちは実際に服を着たまま聖遺物を発動したんだ。すると身につけた衣服をダメにしてしまったんだ。そんなある日にふと思った。聖遺物で鎧を展開出来るのなら聖遺物で服を展開すればいいと。雑誌やテレビの服装を見てイメージするとその通りに出来た。この服では聖遺物の力を最低限しか出せないから戦闘時は変える必要がある。要するに好きな服を着替え放題だ。」

 

「本当か!?そいつは気に入った。それじゃゆっくり入ってくるよ。」

 

それを見送った私はそういえばと日付を確認する。結構な期間あの空間にいたみたいだ。ニュース番組では風鳴 翼のライブでの海外進出の話題をしていた。日が経っていたので冷蔵庫も整理して使える食材で簡単な食事を作る。

 

「そういえば、誰かの分の食事を作るのは久しぶりだ………。」

 

生涯独身だった私は仕事一辺倒に生きてきた。そんな私が蘇るなんてフィクションだ。そのフィクション世界の住人となるなど思ってもみなかった。そのおかげで今私には奏という家族………いや、運命共同体の方がしっくりくるな。そんな存在ができた。そんな事を考えているとここまで奏の歌が聞こえてくる。そういえば奏には好き嫌いがあるのだろうか?また後で聞いておこう。四人でも使える座卓へ料理を二人分並べる。まだ歌が聞こえてくるのでしばらくはかかりそうだ。私は縁側で仰向けになる。今日はよく晴れており心地のいい暖かさと聞こえる歌に段々と眠たくなり寝てしまうのだった。

 

 

世界の危機がもう直ぐそこまで迫っているとも知らずに。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

オリ主達は原作の5〜10話開始まで話が飛んでます。
次回に響と翼視点でその次にクリス視点の予定です。

天叢雲剣は天羽々斬の刃が欠けた時に一緒に欠けた刃が海底に沈んでいたという独自設定です。

次回もよろしくお願いします。
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