蘇る彼と聖遺物   作:はるひよる

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暑さで熱暴走したはるひよるです。

オリ主帰還までのビッキーのお話です。いつもの4〜5倍です。オリ主は一切出ないのに一番長いです。

最後まで読んでいただけると励みになります。


繋ぐ少女と想いと

———響サイド———

 

師匠との特訓で少しずつは強くなっているけど………。弱気になってちゃダメだ! 私はみんなを守れるようになるんだ! でも………未来にずっと隠し事をしているのはやっぱり辛いな………。

 

 

私は二課で次回の作戦について聞いている。最近ノイズが頻発しているのはリディアン地下深くのアビスと呼ばれるとっても深い場所にある完全聖遺物《デュランダル》を盗むのが目的らしい。それでデュランダルを永田町最深部の特別電算室《記憶の遺跡》に移送するらしい。

翼さんは今入院中。デュランダルを私がしっかり守らなきゃ!

 

明朝に開始するらしく荷物を取りに帰ると未来に問い詰められる。またはぐらかして逃げるように部屋を出てしまった。また、未来に隠し事をしてしまった。

 

二課に着くと翼さんのマネージャーの緒川さんにみんな私をバックアップしてるからもう少し肩の力を抜いてもいいんですよと気を遣ってくれた。私だけじゃ大した事が出来なくたってみんなが支えてくれてる! ならきっと大丈夫!

 

 

移送任務当日。私たちが5台の車で向かっていると途中ノイズの襲撃に遭う。師匠の思いつきで薬品工場にあえて飛び込んで攻め辛くする作戦に変える。その時、了子さんの運転する車がひっくり返って本当にびっくりした!?

車から二人で這い出し、その時デュランダルも引っ張り出す。そこへノイズが襲ってきたんだけど………了子さんが不思議なバリアでノイズを防いでいた。驚いていると了子さんが言う。

 

「しょうがないわね。あなたのやりたい事をやりたいようにやりなさい。」

 

私は歌いギアを纏う。絶対に守ってみせるって決めたんだ! 師匠との特訓の成果を出すのに邪魔なヒールを蹴って壊し複数のノイズと対峙する。ノイズを観察し飛びかかって来たノイズを打撃で倒す。師匠と一緒に特訓した映画の拳法で次々とノイズを倒していくとあの時の乱入者が鞭で襲って来る。それを跳び避けるが、それを読まれて飛び蹴りをくらい落ちる。顔を上げて乱入者を探すと何かを見上げていた。私も見上げるとケースから出ているデュランダルが宙に浮いて輝いていた。乱入者はそれを奪おうと跳ぶ。

 

「渡すものかッ!!」

 

私もデュランダルへと跳び乱入者を押しのけてデュランダルを掴んだ。その瞬間、頭が壊せという考えに染まっていく。

 

「そんなチカラを見せびらかすな!」

 

ノイズを召喚する乱入者。私は振り向く。

 

———壊せ。

 

頭を支配する破壊衝動に従いデュランダルを振り下ろす。辺りが爆風に巻き込まれる。気がついたら辺りは破壊されていた。チカラに飲まれて私は躊躇いなく人へと剣を振り下ろしたんだ。このままの弱い自分じゃダメなんだ。このチカラは守るためのチカラなんだ! ちゃんと扱えるようになるんだ!

 

もっと、もっと強くならないと!

 

 

未来にランニングに付き合ってもらった後で一緒にお風呂に入る。未来は私に筋肉がついてきたやら傷があそこもここもそっちもと色々触られて大変だった。今回のお礼にふらわーのお好み焼きをおごる約束をした。そんな簡単な事でいいのと聞くといいのだと言う。本当は未来に………やっぱり隠し事をするのは辛いよ………。

 

 

翼さんのお見舞いに行く事になった。電話で緒川さんにどうしてもと頼まれたからには行くしかない。というより私が翼さんのに会いたかったのだけど。絶唱の時以来会っていなくて心配だった。電話の後に未来が買い物に誘ってくれて約束したお好み焼きにも行こうって………でも、もう翼さんのお見舞いに行く事を決めたから未来に謝った。また、未来との約束を破っちゃった………。

 

翼さんの病室に着いた。扉を開けると荒らされていて………もしかして誘拐!?

 

「何をしている?」

 

慌てていると背後から声をかけられる。翼さんだ!誘拐されてなかったんですね! あれ、じゃあ一体この惨状は?顔を赤らめる翼さん。実は剣として生きてきたからそれ以外は全く出来ないらしい。それじゃあ、私が綺麗に片付けます!

 

片付け終わると未だに赤い翼さん。普段は緒川さんがしてくれているそうだ。マネージャーも大変だなぁ………。あれ、翼さんの下着もあったけどお互いに平気なのかな?

 

「あなたの報告も読ませてもらっている。私が抜けた穴をよく埋めてくれているわ。それに、あの時のあなたが戦う理由をもう一度教えて欲しいの。ノイズとの戦いで死ぬかもしれない。あなたもそれは分かる筈。」

 

私の守りたい理由。特技や誇れるものも無い私はあの日生き残った。せめて誰かの為に何か出来ないかってそう思ってる。きっかけはきっとあの時だ。

 

「二年前のライブで奏さんに救われた時に生きるのをあきらめるなって言われたんです。あの時もしそう言われていなければあの時生きるのをあきらめていた私は生きていなかったと思うんです。あの時の言葉で私は生きたいと思って、今こんなにも笑顔で居られるんですよ。だから私は人を助けてその人も笑顔で明日を迎えられるように。そう願って人を助けるんです。」

 

「あなたらしいわね。でも、誰にでも限界があるわ。抱えきれなくなって潰れてしまいそう。」

 

「やっぱり、私には無理なんでしょうか?」

 

「………少し移動しましょうか。」

 

屋上へとやって来た私達はベンチに座る。

 

「この前、私………デュランダルに飲まれて人に向かってチカラを使っちゃったんです。全く躊躇いもなく人に向けてです。アームドギアをうまく扱えないからあんな事に………。」

 

翼さんは真剣な表情で私を見る。

 

「力の使い方を知った時、あなたは人から遠ざかるわ。あなたにその覚悟はあるのかしら?」

 

私も翼さんの目を見る。

 

「誰かがノイズに襲われていたら少しでも早く助けたい!もし、ノイズでなく同じ人間なら私はこの胸の想いをぶつけて相手に届けたいです!」

 

「ならその想いを強くイメージしなさい。それがあなたの———立花 響のアームドギアとなるわ。」

 

私の想いを強くイメージ………奏さんのような槍じゃない。翼さんみたいな剣でもない。私は一体どうやって守るんだろ?

 

夕暮れ時まで翼さんと話し込んでいたみたいでお腹が空いてきちゃった。未来とお好み焼き………。

 

「あ、そうだ! ふらわーっていうお好み焼き屋のおばちゃんが言ってたんです。お腹が空くとろくな答えが出せないんです。だから私、今からお好み焼き買ってきますね!心配しなくていいですよ。直ぐに持って帰って来ますので!」

 

直ぐに買って来ますから待っててくださいね、翼さん。そういえば何玉がいいんだろう?

 

フラワーへ走りながら向かう途中で二課から連絡が入る。あの時の乱入者が今リディアンへと向かっているらしい。二課から指示を受けて向かう。その途中未来が歩いて来ていた。未来はこちらに気付き手を振りながら私を呼ぶ。

 

「響……?響〜!」

 

そんな!? ここにいちゃ危ない! 林の方から声が聞こえる。

 

「おまえは!!」

 

鞭を振り下ろして地面に叩きつけると未来が衝撃で飛ばされる。悲鳴を上げる未来に同じく飛ばされた車が未来へと落ちていく。このままじゃ未来が!? 私はこの胸の覚悟を歌う。ギアを纏い車を弾き飛ばす。未来は言葉が出ないみたい。

 

「ごめん………。」

 

巻き込んじゃってごめん。未来から乱入者を離すために市街地から離れる。目的は私だからこれで追ってくるはず。そして、誰もいない場所でこの胸の想いをぶつけるんだ!

 

人気のない林の中で乱入者と対峙する。

襲い来る鞭を両手で防ぐ。

 

「どんくせぇのがやってくれる!」

 

この胸の想いを伝えるためにまずは私を知ってもらうんだ!

 

「どんくさいなんて名前じゃない!私は立花 響!15歳で誕生日は9月13日の血液型はO型!身長は157cmで体重は………もう少し仲良くなったら教えてあげる!趣味は人助けで好きなものはごはん&ごはん!あとは………彼氏いない歴は年齢と同じ!」

 

乱入者は突然の自己紹介に動揺している。

 

「何をトチ狂ってやがるんだお前………!?」

 

「やめようよ!私達人間はノイズと違って話し合える!」

 

乱入者は苛立ち声をさらに荒げる。

 

「うるせぇ!なにほざいてやがる!」

 

鞭が飛んでくるが以前とは別人のように攻撃を躱せている。

 

「だから話し合おうよ!私達は戦っちゃいけないんだよ!ちゃんと言葉で話し合えば人間は———

 

乱入者は怒りが爆発して叫ぶ。

 

「さっきからごちゃごちゃとキレイ事ばかりぬかしやがって!人間がわかり合えるものかよ!何も知らないお前が………一番気にいらねぇ!!!」

 

怒りに震える乱入者は跳び上がりエネルギーを溜める。

 

「お前を連れ帰るなんてもうどうでもいい!今度こそお前の全てをめちゃくちゃにしてやる!!」

 

乱入者はエネルギーを叩きつけた。私はなんとか耐える。

 

「持ってけダブルだ!!」

 

怒りを更にぶつけて爆発が起こる。それを耐えきった私はこの胸の想いをカタチにしようと手にエネルギーを集めるがうまく出来ずに弾けてしまい吹き飛ばされてしまう。立ち上がり考える。想いがここにあるならそれを直接相手にぶつければいいだけ!! エネルギーを右の手に溜めて!

 

「させるかよ!」

 

乱入者は鞭を振るい阻止しようとする。私は迫る鞭をしっかりと掴むと力一杯引き寄せる。この想いを最短!最速!一直線に伝える為に!! 背中のバーニアが火を噴き乱入者へと急速に迫る。

 

そして握りしめた私の想いを! ぶつける!

 

「かはっ!?」

 

胴に途轍もないエネルギーを受けてネフシュタンの鎧にヒビが入る。そのまま吹き飛ぶ乱入者は中々立ち上がることが出来ないみたいだ。鎧が意思を持つかのように修復される。私は立ち上がるのを待つ。その様子をみた乱入者はまた苛立つ。

 

「お前馬鹿にしてんのか………雪音クリスを!!」

 

やっと名前を教えてくれた。

 

「もうやめようよクリスちゃん!私達同じ人間だよ?ちゃんと話し合おうよ!そうすればきっと人間同士きっとわかり合えるよ!」

 

その言葉にクリスちゃんの雰囲気が変わる。

 

「お前に………。本当の人間ってものを知らないお前が!!!」

 

今までで一番苛烈に攻めてくるクリスちゃん。私だってこの想いを届けるんだ!クリスちゃんの攻撃をくらいながらも拳を叩き込むが吹き飛ばされる。よろめきながらも立ち上がる。何だかクリスちゃんは焦っているみたいだ。クリスちゃんは周囲を見回して何かを確認する。

 

「ぶっ飛べよ!!」

 

その言葉で弾け飛ぶネフシュタンの鎧を私は防御する。

その時に歌が響く。

 

「よくも………大嫌いな歌を歌わせたな!!絶対にぶっ潰してやる!!」

 

あれは、私達と同じシンフォギア!?

ワインレッドと白と黒のスーツで………手首のプロテクターがボウガンになってこっちに………って避けなきゃ!?

どんどん飛んでくる矢から必死に逃げる私は誘導されていたみたいで目に前に現れたクリスちゃんに蹴飛ばされる。

更にボウガンをガトリングに変えて銃弾の嵐の中を逃げる。トドメとばかりに今度はミサイルがいっぱい迫ってきた! これはまずいよ!?

 

辺りが爆発する。煙で前面が見えないクリスは息を切らせている。

 

「やったか………?」

 

煙が晴れると先程までは無かった巨大な銀色があった。

 

「盾………?」

 

———剣だ!

 

声の方を見上げるとそこには風鳴 翼が巨大な剣に立っていた。

 

「なんだ、てっきりもうポッキリと折れちまったと思ってたんだがなぁ?そいつが頼りねぇから出て来たってわけか?」

 

風鳴 翼は雪音クリスを見据える。

 

「あの程度で折れはしない。それに立花は戦場に挑む覚悟を持った戦士だ!」

 

翼さんが助けてくれて私を認めてくれた。でも、まだ入院中なんじゃ………?

 

「私も十全ではない。だから、立花の力を貸してくれないか?」

 

「もちろんです!でも翼さん、クリスちゃんは!」

 

「安心しろ立花。」

 

そんなやり取りを見ていたクリスちゃんはガトリングを撃つ。翼さんはそれを身を翻して避けながらクリスちゃんに接近して剣を振るいクリスちゃんの背後へと下りた。しかし、接近戦は分が悪いとクリスちゃんはミサイルを下に撃ち爆発の勢いで翼さんと距離をとる。空中でボウガンを撃ち翼さんを寄せ付けること無く間合いをとりガトリングに変えて撃とうとした時、空中からノイズが強襲し両の手のガトリングを壊す。突然の事態に反応が遅れるクリスちゃんにノイズが迫ってくる。

 

「危ない!クリスちゃん!」

 

助けなきゃ! このままじゃクリスちゃんが危ない! 咄嗟に動いた私はノイズに体当たりをかまして撃破するも衝撃で飛ばされてクリスちゃんに抱きかかえられる。

 

「お前何やってんだ!?なんで敵を庇ってんだよ!」

 

やっぱりクリスちゃんはあったかくて話し合えばきっとわかり合えるって確信したよ。

 

「クリスちゃんが危ないって思って………。」

 

「ほんとお前、わけわかんねぇ………。」

 

そう言いながらも私を支えてくれているクリスちゃんは優しい子だってまた一つクリスちゃんの事知れたよ。翼さんはノイズを警戒してくれている。安心感からか私はそのまま気を失った。

 

 

次に目を覚ましたのは検査室のベッドの上だった。そこに居た了子さんがこっちに気付いた。

 

「よかったわ、目が覚めたのね。ほんと相変わらず無茶する子ね。そうそう、外傷はほとんど見られないわ。でも、エネルギーの使い過ぎによる過労状態よ。しばらくは安静にしてなさいね。」

 

「わかりました。じゃあ私———

 

立ち上がって歩こうとすると少しフラついて了子さんに支えられる。

 

「だから安静にしてなさいって………。どうしたの、浮かない顔して?やっぱりお友だちの事気になるの?」

 

「そう………ですね。」

 

未来を巻き込んでしまって今まで隠し事も全部………。

 

「もう、大丈夫よ。緒川君がちゃんと説明してくれてるから。機密保護の説明を受けたらすぐに解放されるわよ。だから安心なさい。」

 

未来、怒ってるよね。ごめんね………。服を制服に着替えると師匠の元へ了子さんと向かう。その途中制服の翼さんと合流した。

 

「翼さんもうそんなに動いて大丈夫なんですか?」

 

「仲間の危機に駆けつけただけ。まだ十全とはいかないまでも立花の援護くらいは可能よ。あなたの覚悟しかと見せてもらったわ。」

 

翼さんが私を仲間と認めてくれた!すごく嬉しい!

 

「翼さん!私、頑張ります!」

 

師匠達の居る指令室に入ると師匠は翼さんを心配していた。翼さんが皆さんの前で改めて私を仲間と言ってくてたのにまた嬉しくなっていた。突然の胸を突かれて叫んでしまった私は犯人である了子さんに抗議する。

 

「響ちゃんの胸のガングニールの欠片何だけど、以前と比べて体組織と融合してるみたいなの。響ちゃんの驚異的なエネルギーはそれと関係してるみたいね。でも大丈夫よ!何たってこの櫻井理論の提唱者である私がついてるわ!」

 

了子さんが大丈夫って言うならきっと大丈夫。さてと、帰ったら未来に謝らなきゃ………。

 

 

部屋に入ると未来が今までに無いくらい怒っていてろくに口も聞いてくれずに今日は別々に寝た。

 

次の日も未来は口を聞いてくれない。何とか未来に許して欲しくて同じテーブルで食べても全然ダメだった。その時仲良しのクラスメートに未来とのこの状況を茶化されて未来は席を立ち走り去って行った。私は慌ててあとを追う。屋上で未来と二人きりになった。私は隠し事をしていた事を謝ろうとした。でも未来はその先を言わせてくれなかった。

 

「もう、友達でいられない………ごめん。」

 

涙を流しながら走り去っていく未来を私はただ見ることしか出来なかった。この何気無い温かな日常を守りたくてノイズと戦い、クリスちゃんとぶつかってきたのにどうして………。こんなの私、嫌だよ………。

 

 

翌日私は学校へ一人で向かった。未来は先に向かったみたいだった。途中、師匠から連絡が入る。明朝にノイズとクリスちゃんの持つ聖遺物《イチイバル》の反応があったらしい。そういえばクリスちゃんは帰る場所が無いんじゃないかな………。師匠には待機を命じられた。その後教室へ入るが未来は居なかった。私、このままじゃ嫌だよ………。

 

結局未来は現れず無断欠席をした。

 

私は放課後屋上で待機していた。すると屋上の扉が開き翼さんが来る。一緒にベンチに座って私の雰囲気を察してくれたみたい。

 

「立花は何を悩んでいるのだ?」

 

「私なりに今まで守りたいものを守るためにシンフォギアを纏って守ってきました。でも、ちいさな事に心を乱してしまって………。私、もっと強い自分に変わりたいんです………。そうならないといけないんです。」

 

私にとっては大きな問題だけど………。

 

「………立花にとってそのちいさな事が本当に大切なものならば、きっと今のままの立花でいいんじゃないかな?そのまま強くなれると私は思う。」

 

私のまま………。そういえば未来にもそんなこと言われたな………。そっか、私は私のまま強くななればいいのか! 少し元気が出てきた。

 

「奏のように誰かを励ますというのは難しいものだな。」

 

「そんな事ありません! 私は少し前向きにまれました。そういえばあの時のダメージは大丈夫なんですか?」

 

あの時の翼さんはいっぱい血を流していて本当に死んじゃうんじゃないかって本当に怖かった。

 

「絶唱とは極大まで高めたエネルギーを放つ自身も他者も傷つけ破壊する滅びの歌。」

 

「でも、奏さんの歌と言葉に私は助けられています。それに、辛いことがあっても翼さんの歌に何度も救われたんです! だから、滅びの歌だけじゃ無くて誰かを元気にできるって私は知ってます!」

 

私は歌に救われて今度は歌で誰かを救えるように頑張ってきたんだ。ちゃんと未来と向き合って私の想いを届けて未来の想いも受け止めて未来と仲直りするんだ。だって未来は私の守りたい日常だから。

 

その時通信機が鳴る。今朝出た近辺でまたノイズが出現したらしい。でもまだ治りきっていない翼さんは師匠に出撃を止められる。

 

「大丈夫です。翼さんがみんなを守ってくれれば私は前だけを向いていられます。」

 

少しだけ驚く翼さん。でも直ぐにいつものような凛とした雰囲気に戻る。

 

「わかったわ。任せたわ、立花。」

 

私は現場へと駆ける途中で悲鳴を聞いた。あの廃ビルの中からだ!中に入り声をかける。

 

「誰かいませんか!」

 

すると頭上からノイズのタコのような足が伸びて迫る。それを下の階へと跳ぶ事で避ける。歌おうとすると横から手で口元を塞がれる。その手は未来の手だった。どうして未来が!?声を出さないでとジェスチャーで未来が伝えてきた。ゆっくりと手を話してくれる。そして未来は携帯の画面に文字を打って見せる。どうやらあのノイズに追われふらわーのおばちゃんとここへ逃げ込んだようだ。今歌えば未来とおばちゃんが危ない。また未来は画面を見せる。

 

[私が囮になる。その隙におばちゃんを助け出して。]

 

[ダメだよ未来!そんな危ない事未来にさせられないよ!]

 

[元陸上部だから大丈夫。]

 

[全然大丈夫じゃない!]

 

[じゃあ響が大丈夫にして。危険なのはわかってる。だから私の全てを預けられる響にお願いしているの。]

 

未来は耳元へ顔を近づけて囁くような声で話し始める。

 

「響にひどい事した。でも、響だけを私は戦わせたくないの。私だって戦いたいんだ。だから私、もう迷わない!!」

 

ノイズがその声に反応する。未来は陸上をしていた時の綺麗なフォームで走り去る。ノイズもそれを追う。ノイズが十分離れてから私は歌いおばちゃんを助け出す。外に駆けつけてくれていた緒川さんへとおばちゃんをお願いし未来の必死に探す。シンフォギアで戦えば誰かを助けられると思っていた。でもそれは思い上がりだったんだ。みんなが必死に戦っていたんだ。私だけが頑張っても人助けは出来ないんだ。だから奏さんは生きるのをあきらめるなって私に叫んでたんだ。

 

———イヤーッ!!!

 

未来の悲鳴が響く。待ってて未来! 今助けに行くから!

そうだ………私が人助けをしたい気持ちは決してあの惨劇を生き延びた負い目なんかじゃないッ!! 奏さんから受け取ったこの気持ちなんだッ!!

 

未来がノイズによって崩れた道路から落下していく。先ずはノイズを想いを込めた拳で打ち砕く。エネルギーを爆撃させて未来へと追いつき抱きかかえる。地面に落ちる前にバーニアを噴射して勢いを削ぎブーツのパワージャッキで衝撃を緩和する。しかし足場が悪くそのまま未来と転がってしまう。お互いに生きている事を実感する。そしてお互いに笑いが溢れる。

 

「響なら必ず助けてくれるって信じてた。」

 

「私も未来なら最後まであきらめないって信じてた。だって、私の友だちだもん!」

 

お互いに涙が溢れているが未来が飛びついてきて押し倒される。すごく怖い思いをしたみたいだ。私もすごく怖かった。

 

「私………隠し事をしていた事に怒ってたんじゃないの。一人で全てを抱え込もうとしていた事が堪らなく嫌だったの!響があの時みたいに大怪我するんじゃないかって心配してた!わがままだってわかってる。だけど今まで通りでいられなかった!」

 

未来が真剣だってわかってる。でもそんなボサボサのボロボロのドロドロ………思わず笑ってしまう。未来は私もそうだと言って笑う。お互いが自分の姿を見たくなって携帯で撮ってみる事にした。画像を見てさらに笑う私たち。やっぱり未来は私が守りたい温かな日常なんだ。

 

 

師匠に未来にシンフォギアをばっちりと目撃された事を伝える。師匠は人命救助だからと帰ってゆっくり休んでいいと解放してくれた。その後未来が師匠と何か話していたが安心していたのでおばちゃんの事かな? 未来が一緒に帰ろうと誘ってくれたのでとても嬉しくなる。帰ったらさっきの画像を飾る事になった。

 

帰ってきてお風呂も一緒に入ってベッドの二段めで一緒に寝る。心地の良い温もりに私は直ぐに眠ってしまった。

 

 

 

しばらくしたある日の朝だった。二課から連絡があって未来を外部協力者として二課内部を案内して欲しいと頼まれた。これで未来にこっちの事で隠し事しなくて済む。未来もそれを了承して一緒に二課へと向かう。あの落ちるようなエレベーターで未来は悲鳴を上げた。二課の許可を貰ってある場所を案内して歩いていると翼さんと緒川さん。それと藤尭さんに出会う。翼さんは未来を見ている。あ、紹介しなきゃ。

 

「こちらが一番の親友で自慢の小日向 未来です。」

 

「私は風鳴 翼。君の先輩でギアを纏って戦う立花の先輩でもある。立花が小日向に迷惑をかけるだろうがどうか支えてやって欲しい。」

 

「いえ、こちらこそ響がご迷惑をおかけしますがどうかよろしくお願いします。」

 

未来を紹介したのに何で私の事?唸る私に緒川さんが

 

「響さんを介してお二人は仲良くなったみたいですね。」

 

うーん? 仲良くなったなら良いか! 次は未来を誰に紹介しようかな。そういえば未来を外部協力者にしてくれた師匠はどこだろう。

 

「ところで師匠はどこでしょうか?」

 

「そうね、私も探しているのだけれど。」

 

「あ〜ら、そんなところでガールズトーク?」

 

了子さんが歩いてこちらに向かってくる。了子さんは大人な女性だしきっとすごい恋の一つや二つ経験してるんだ!知りたい! 聞きたい! 教えて了子さん!

 

「遠い昔にこう見えて実はすごく一途で乙女な私は———

 

その話をしっかりと聞こうと食い入るように未来と二人で見る。すると、恥ずかしさからか了子さんが話を切り上げてしまった。

 

「とにかく、いい女の条件とはどれだけいい恋をしているかなのよ。私はする事があるからそれじゃあね!」

 

片手を挙げて振りながら去って行く出来る女の了子さんの意外な一面を知れた。けど、今度は詳しく聞かせてもらいますからね!

 

藤尭さんはお仕事に戻って四人で師匠の帰りを待つ。それにしても師匠遅いなぁ。翼さんは師匠にメディカルチェックの結果を伝えないといけないらしい。

 

「そろそろ次のスケジュールが迫ってますね。」

 

治ったばかりなのにもう仕事を始めてるらしい。

 

「まだ本調子では無いから慣らしているところよ。」

 

という事はケガは治ってお仕事は少しで余裕がある。だったら私は翼さんに伝えたい事があるんだ。翼さんが病院に運ばれて治療している時に緒川さんと一緒になり温かい物を受け取った。その時に翼さんは奏がいなくなってから戦う事だけに生き、歳相応の楽しみを全く知らずに生きてきた事を話してくれた。何故翼さんがああなったのか少しだけ知った。それと同時にそんなのはとても悲しい事で絶対に翼さんに知ってもらいたいと決めたんだ!

 

「だったら、デートしましょう翼さん!私、翼さんに伝えたい事があるんです!」

 

苦笑いする未来とデートと聞いて疑問符を浮かべる翼さん。緒川さんがスケジュールを確認する。

 

「そうですね………この日は特にありませんから是非行ってきてください。様々な経験は必ずどこかで活きてきますから。」

 

「そうね。何事も経験する事は必要よね。それじゃあどこへ何時に待ち合わせるのかしら?」

 

「じゃあ、あの公園に10時集合でいいですか?」

 

「わかったわ。それじゃあもうすぐ仕事に向かわないといけないからそろそろ行くわ。」

 

「翼さん!絶対の絶対に約束ですからね!」

 

仕事へと向かう翼さんを見送ってから二課を案内する。二課を案内し終えた頃に師匠が帰ってきたので自慢の親友を紹介した。師匠は何かあったら遠慮なく言ってくれと未来に言ってまたどこかへ行ってしまった。

 

 

 

ついに翼さんとのデート!

なんだけど………こんな日に限って寝坊してしまう私ってダメダメだよ………。未来は起こそうと頑張ってくれたみたい。二人で必死に走り20分程遅れて待ち合わせ場所に到着する。

 

「遅いわよ!一体どういう事かしら立花?」

 

「ごめんなさい翼さん!つい寝坊しちゃったんです。未来は起こそうとしてくれたんですけど、起きなかった私が悪いんです!本当にごめんなさい!」

 

「もう、時間が勿体無いわ!さっさと行くわよ!」

 

どうやら怒っているというよりものすごく張り切っているみたいだ。有無を言わせない翼さんの眼光に未来もたじろぐ。でも、それだけ楽しみにしててくれたって事。だったら翼さんを絶対に今日は楽しませてみせますからね!

 

それから私達はショッピングモールに向かう。ズンズンと進翼さんについて行く未来と私。モールに到着して早速翼さんに歳相応の楽しみをめぐるショッピングを始める。

 

ヌイグルミショップでは翼さんはとっても興味を示しててやっぱり女の子の部分もあるんだってわかった。恋愛映画では感動のシーンで私は号泣しちゃった! 隣の未来も泣いてて翼さんは涙を指で拭っていた。アイスの買い食いでは最初は行儀の悪さに渋っていたけど未来と二人で美味しそうに目の前で食べて見せながらこれが作法です!と言うと作法なら仕方ないといいながらすごく目が輝いていたのはきっと気のせいじゃない。洋服店では三人で思い思いの物を試着してファッションショーをした。一番翼さんがノリノリだった。その後も翼さんのファンを撒いたりしながらも楽しい時間が過ぎていった。ヌイグルミに興味が出てきた翼さんのためにゲームセンターでクレーンゲームに挑むけど中々獲れずに思わず声を上げるが未来に止められる。

 

「そんなに声を出したいのなら私がいい所を知ってるけど?」

 

やって来たのはカラオケ! トップアーティストの翼さんとカラオケだなんてこれは贅沢だよ。そんな翼さんが選んだ曲は何と演歌だった。でも、流石はトップアーティストで演歌も完璧でやっぱり翼さんは歌う事が好きなんだなって思った。

 

その後、この街を見渡せる高台の公園へ登り夕焼けを見る。

 

「今日は本当に私の知らない世界ばかりで楽しかった。ありがとう二人とも。」

 

やっぱり翼さんはわかっていない事がある。

 

「違いますよ翼さん。今日見た場所も見てない場所だって翼さんが戦って守ってくれた世界なんです。だから知らないだなんて言わないでください。」

 

翼さんは今までよりもずっと温かい雰囲気になる。夕日を眺めながら何かを呟いていた。

 

 

 

あのデートから数日経ったある日、翼さんからアーティストフェスのチケットを未来と一緒に受け取る。復帰後初のライブになるらしい。

 

「翼さん、ここって………。」

 

「そうだな。立花にとっても辛い思い出のある場所になるな。だが立花私は———

 

「ありがとうございます。どんな辛い過去も乗り越えられるって私、信じてます!ライブ楽しみにしてますね!」

 

翼さんは柔らかい笑みを浮かべる。

 

「そうだな、私もそう思っている。必ずライブを成功させてみせる。」

 

10日後のライブが今から楽しみだ。

 

 

 

ライブ当日。最近の授業態度や提出物の状況に先生から説教されて予定より遅くなってしう。このままじゃライブ開演に間に合わないよ! 走る私に端末からの連絡が入る。港の方でノイズが出現したらしい。師匠は翼さんにも連絡しようとする。

 

「大丈夫です、私一人でなんとかします!だから翼さんには自分の歌に集中して欲しいんです!」

 

「一人でいけるのか?」

 

私は翼さんの夢を守りたいんだ! だから絶対に守ってみせる!

 

「はい!!」

 

現場に急行するとクリスちゃんがノイズと戦っていた。でも大きなノイズと数に苦戦してるみたいだ。右手にエネルギーを溜めてノイズの群れの中を駆けながら攻撃する。

 

「お前は!?」

 

「クリスちゃんは数の多いのをお願い! 私はあの大きなノイズを相手するから!」

 

「なんであたしがお前の………ッチ!」

 

クリスちゃんの方を向いていた私へ大きなノイズがノイズの弾丸を撃つがそれをクリスちゃんが全部撃ち落としてくれた。

 

「ありがとうクリスちゃん! それじゃあお願いね!」

 

「おい! ったくなんて勝手な奴!………仕方ねぇ、雑魚はあたしが相手してやらぁ!!」

 

私は大きなノイズへ向かって駆ける。その周りのノイズをクリスちゃんが殲滅してくれる。右手に今までよりも多くエネルギーを溜める。今にも爆発しそうなエネルギーを抑えながら大きなノイズへと跳ぶ。ノイズは弾丸を撃つがクリスちゃんに全て撃ち落とされてノイズと私の距離がゼロになり拳を打ち込む!

 

膨大なエネルギーに耐え切れずノイズは黒くなり崩れる。これで翼さんのライブは無事に終えれた筈だよね! そうだ、クリスちゃんにお礼を言わないと………あれ、どこにもいない?

 

「翼さんのライブ無事でしたか?」

 

「ああ、響君のおかげで翼のライブは無事だ。ありがとう。」

 

クリスちゃんはノイズの反応が消えると町の方へ移動すると反応が途絶えたそうだ。今からライブに行って未来と合流できるかなぁ? すっごい人だろうし………でも、翼さんの歌っていたステージの雰囲気だけでも感じられるなら行こう!

 

翼さんのステージは観れなかったけど他のアーティストのステージを観れて楽しかった。ライブが終わって会場の外で未来と合流して翼さんの海外進出を聞いた。そっか、翼さん夢を追うって決めたんだ。私、すっごく楽しみにしてますね!

 

ライブの余韻なのか中々眠れずまた学校に遅刻しそうになった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

勢いのまま書いたので不自然になっていないか不安です。見つけ次第修正していきます。

次回は翼サイドですがどのくらいの長さになるか未定です。

次回もよろしくお願いします。
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