盆休みの勢いで書き終えてみたらこの先の展開に悩む結果に。どう書き進めるか未定ですが最後まで突き進みます。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
浜辺で抱き合う姉妹へと近付いて来る人影は二人。金髪の癖っ毛のあるショートで黒と緑に纏まっている少女。その隣には艶のある黒髪のツインテールで黒とピンクで纏まっている中学生程度の少女達だけがこちらに向かってくる。車椅子の女性は遠くからこちらを見ている。
「ねぇ
表情を変えないでいるが二人をさす指が震えて定まっていない。そんな動揺する黒髪の少女に金髪の少女はわかったと得意げに話し始める。
「きっとあのセレナはあいつのヤバい薬を使ったから見えちゃってるだけデスよ!だからほら———触れて?とっても温かいデスよ、調?」
そう言いながら金髪の少女はセレナに近付き肩に手を置く。そして固まる金髪と黒髪の少女。そんな彼女達に気付いたマリアとセレナはお互いに離れる。
「調に切歌………セレナが、セレナが生き返ったの!セレナがね………本当にここに居るのよ!」
赤く腫れたまぶたで二人へと何度もそう繰り返す。見兼ねたセレナは未だに固まり肩に手を置く切歌の手を握り目を合わせる。
「ただいま切歌ちゃんに調ちゃん。葛城さんのおかげで蘇ったの。私は二人にまた会えて嬉しいよ!」
微笑みながら切歌の手をひいて調の下へ歩いて向かい調と切歌を一緒に抱きしめて嬉し涙を流す。
「温かいね切ちゃん。」
「温かいデスね調。」
三人で抱き合いながら涙を流す。マリアもその光景に涙を流す。
遠くからそんな光景を見ていた私は車椅子の女性へと歩いて向かった。向こうもこちらに気付いたようで車椅子でこちらに向かって歩道を進んで来る。あとお互いに数メートルというところで私達は止まり話し始める。
「単刀直入に言いますが貴方の目的は何ですか?」
そう聞かれても今のところはフィーネの脅威は去り月の欠片も砕いた。彼女達の歌に命を助けられたからその恩返しをしただけだ。あの時、私が思っていた事は………。
「理不尽に苦しむ誰かを助けたかっただけだ。あなた方がどのような組織なのかは知らない。けれど、誰かを不幸にするのなら私はあなた方を止める。」
私に何かを言おうとした彼女は突然吐血する。急いで私は駆け寄りガングニールを出現させて彼女に治癒の力を行使する。彼女は楽になったのかポケットからハンカチを取り出し血を拭う。
「先程の貴方の言葉納得がいきました。助けていただきありがとうございます。ところで、その槍とその力は聖遺物ですね。貴方も異端技術を研究する者なのですか?」
マリアがガングニールのギアを纏っていた事から予想はしていたが、また面倒なところに出会ってしまったのかもしれない。
「私は彼女達に近い者だ。どうして持っているかは無闇に話したくない。そちらは聖遺物を研究している組織で彼女達にシンフォギアを纏わせ何を企んでいる?」
女性は口を閉ざして考えているようだ。そんな私達の下へと四人が合流し女性の周りへと集まる。
「マム、この人は誰なの?」
「そうデス。一体誰なんデスか?」
マムと呼ばれた車椅子の女性に代わりにセレナが答える。
「彼がさっき言っていた私を蘇らせてくれた人で名前は葛城 大和さん。お久しぶりですマム。会えて嬉しいです!」
マムに抱きつくセレナを優しく包み込むように抱きしめる彼女は涙を流す。
「私も会えて嬉しいですよセレナ。あの時、私が———
言葉を遮るセレナ。
「いいんですマム。こうしてまたみんなに会えたんですから。」
マムは先程までの険しい表情から態度も軟化し改めてお礼を彼女らに言われた。そして組織の事について語り始める。
フィーネにより米国が発足させたF.I.S.は聖遺物を個人の才に関係無く機械的安定起動方法で扱える研究に力を入れていた。そんなF.I.S.で研究する事になった私はそこで彼女達《レセプターチルドレン》と出会った。
当初彼女達はフィーネの保険の新たな器として米国により非合法に集められていた。
彼女達へ聖遺物を歌で起動させる実験が行われセレナが高い適合係数を示しその後シンフォギアを纏った為に彼女らにパッチテストが実施され姉であるマリアそして月読 調と暁 切歌が選出された。
そしてセレナが機械的起動実験でネフィリムの暴走を止める為命をかけた絶唱によりネフィリムを基底状態へと戻す事に成功するがバックファイアと瓦礫と炎により命を落とした。
そんな事があったにもかかわらず研究は続けられた。そして、マリア達にシンフォギアを纏わせる為に適合係数を引き上げる薬《LiNKER》をフィーネの情報を元に作った。それをさらにウェル博士を中心に改良を重ねて今のマリア達はギアを纏っていられる。
だがフィーネによるルナアタックの影響で近い将来にも月が地球へと落下する事が判明する。しかし米国を牛耳る彼らは自分達だけが助かろうとフィーネの計画していたフロンティアによる地球外脱出を進め始める。そんな彼らに疑問を抱きF.I.S.から離脱した私達とウェル博士は異端技術でより多くの人類を救う為の《フロンティア計画》を成し遂げると決めた。そして、今はその為の準備段階であるという。
彼女は嘘偽りの無い強い意志の宿った目をしている。そして私に話したという事は協力して欲しいという事である。断った場合は邪魔をするのはやめてくれという事でもある。
私はこの月の落下を阻止する手立てを考えるが思いつかない。二課もこの事を知っているのだろうか?嘘をつかなかった彼女には正直に答えよう。
「私も世界の危機に手をこまねいているだけというのは出来ない。私は先のルナアタック間際まで戦う事から逃げてきた。月の欠片を砕く事に参加し砕いた後は力を使い果たし意識を失い海に落下し漂い今ここに流れ着いた。私は二課にもこの事について聞いておきたい。出来るならば二課と連携を取れないのか?」
彼女は考えて答えを出す。
「私達は政府というものを信用出来ないのです。何よりそれだと時間が圧倒的に足りない。彼らの中には賛同してくれる者もいるでしょうがそれでは月の落下阻止の手立てが間に合わなくなってしまうのです。計画を知られ何処かから妨害されればそれだけ救える命を失うのです。ですのでどうか誰にも話さないで下さい。」
確かに政府も一枚岩では無い。二課は政府には逆らえないだろう。ならば彼女達に協力する事が一番なのではなかろうか。私は彼女達《武装組織フィーネ》に参加する事にした。
彼女達のアジトに案内されてついて行くと森の中の少しひらけた場所の中央に近付くと大型ヘリが姿を現した。
「これが私達のアジトであり移動手段のエアキャリアです。」
このヘリには鏡の聖遺物が搭載されあらゆる物から見えなく出来るらしい。ハデスの兜と似ているなどと思いながらヘリに乗り込む。
「おや、見ない顔ですね。新たな協力者ですかナスターシャ教授?それに彼女は………アガートラームの適合者に似ていますね………?」
銀髪に白衣と眼鏡という如何にもな格好の男性がいた。
「そうですウェル博士。彼も聖遺物を扱いルナアタックによる月の欠片の落下を阻止した程の人物です。そして、彼女は正真正銘のアガートラームの適合者のあのセレナに間違いありません。」
ウェルはナスターシャ教授の言葉を受けて両手を広げ大袈裟に振舞う。
「まさか貴方がルナアタックの英雄だったとは何と心強い!それに彼女が蘇ったのも英雄の力でしょう?素晴らしいじゃないですか!」
そんな興奮気味の博士を暁と月読は露骨に嫌そうに見ている。私も彼からは嫌な気配がしている。私の力に興味があるようだ。後でお話しするとしようか。ウェルは研究があると言って興奮しながら奥に消えた。残された私達は先程よりも確りした自己紹介をした。
「いきなり襲い掛かってごめんなさい。色々あって余裕が無かったの。普段からあんな感じとは思わないでくれると助かるわ。私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ。呼び方は大和に任せる。ガングニールの装者よ。」
マリアは凛とした雰囲気だが、セレナと居ると優しく頼りになるお姉さんといった感じだ。
「ならばマリア、これからよろしく頼む。」
「それじゃあ次は私ですね。助けて下さってありがとうございます葛城さん。私はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。セレナと呼んで下さい。」
「やはり堅苦しいのは苦手だ。私の事は大和と呼び捨てで構わない。君は私のエネルギーで実体化している。もう少し自由になるまでどの位かはわからないがこれからよろしく頼む。その身体について分からないことがあれば何でも聞いてくれ。」
セレナに着替えの方法を教え終えると暁と月読が私の前に出て来る。
「そして私が暁 切歌デス!私も好きに呼んでくれていいデスよ?私はイガリマの装者デス。これからよろしくデス大和。」
差し出された手を握ると嬉しそうにする切歌。
「こちらこそよろしく切歌。」
あまり握手しながら勢いよく上下に動かすのはやめてくれ。元気なのはいい事なのだが。そんな私達を見透かすように見つめる月読。
「………ねえ、あなたは何故戦うの?」
そんな問いかけに私は思い起こす。私が戦う事から逃げて立花は戦う道へ放り込まれた事。風鳴が生死を彷徨った事。そして、月の欠片が落ちて来てしまった事。どうしてもあの時こうしていたらという後悔がつきまとう。
「何もせずその結果に後悔をしてきた。月の欠片を壊す時に決めた事があるんだ。何かをしてその結果に後悔をする事になってもそれを受け入れてなお足掻いてやるんだと。」
彼女はその答えに納得したのか自己紹介をする。
「私は月読 調。私も調でいい。シュルシャガナの装者。これからよろしく大和。」
そう言って切歌が振っている右手の反対の左手を握ると上下にゆっくり振り始める。
「よろしく調。ところでそろそろ手を解放してくれないか二人とも?」
二人は互い顔を見合わせて手を離す。
「温かかったデス調。だから大和はきっといい人デスよ!」
「そうだね切ちゃん。大和は悪い人では無いと思う。」
どうやら彼女達には認めて貰えたようである。最後にナスターシャ教授が自己紹介をする。
「私は聖遺物の専門家と思ってくれればいいです。聖遺物の事なら私に聞いてください。この子達にはマムと呼ばれています。どうぞ好きに呼んでください。」
我が子を見る母親のような温かみのある眼差しで彼女達を見ている教授。
「こちらこそ。よろしく教授。」
教授と握手を交わす。
「それと出来れば貴方のあの癒す力で時々でいいですから癒して貰えると有難いです。志し半ばで彼女達を置いてはいけませんから。どうかよろしくお願いします。」
吐血する程の病か。少しでも痛みが和らぐのならば教授の近くに居る時は常に癒そう。
私が教授と話している間、セレナのファッションショーが開催されていた。切歌はデスデスと騒がしくその隣の調は少しうらやましそうに見ていた。そしてマリアは身悶えていた。人類を救う為に活動を始めた組織は賑やかで温かかった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
キャラが増えて原作を観て喋らせていますがマムが書き辛いですね。
次回はアイギスの新たな力であの人がというお話です。
次回もよろしくお願いします。
主人公の設定を軽くまとめました。
ガングニール
一番使っている治療の槍
貫通属性とルーンによる魔術の行使が可能
複製して槍の雨を降らせられる
セレナがギアとしても使用可能
ヴァジュラ
今のところ出番のほとんど無い鉤爪付き籠手
雷属性で電気の武具を作れる(身代わりは作れるが分身では無い)
落雷は結構疲れる
ハデスの兜
行動中は常時発動させており捕捉されないのはこれのおかげ
ステルス状態ならば今のところセレナ以外からは見えない
他者との接触(武器同士で触れた場合も含む)で一時間使用不能
アイギス
チート臭い防具兼外部バッテリー兼拘束具兼浄化装置
防御力はベイバロンの一点収束ビームと風鳴 弦十郎の拳クラスならば突破可能
鎖にエネルギーを吸収させると特性を使用可能
邪悪を祓う機能でウェル博士を更生
レーヴァテイン
使い所が難しい全てを燃やし尽くす炎の剣
対人で使うと危険な為に月の欠片を燃やす時のみ使用
分身を作れるが今のところ出番なし
戦闘力はこのモードが一番高くなるがエネルギー消費が大きい
今後は出力を抑えてパイロキネシスのように使用予定
鳥之石楠船神の力
一番のチート臭い能力
今では対象同士の繋がり強化で魂と聖遺物の融合(相性がある)で奏とセレナを蘇らせる
目視出来る所と一瞬にして繋げ跳躍する
ノイズ3000くらいなら同時に跳躍させる事が可能
アガートラーム
発動すると銀の剣を携えた第三腕として銀の義手が肩から生える
防御力が上昇する
身体能力=風鳴 弦十郎クラス