なんとか読めるまでにしたつもりです。
投稿してからも徐々に訂正する予定です。
それでは彼が蘇るところからですどうぞ
※二話と三話を纏めました。
とある海の底にある遺跡。その中の昼の様に明るい部屋に光の粒子が渦を巻き徐々に一箇所に集まると、光はヒトの形に収束する。やがて輝きを一瞬強くした後に落ち着いた。
そこには、癖の少ない深い黒の短髪で背は170cm程の高校生くらいの青年が居た。微かに動き静かに目を開いた。瞳は少し灰色がかった黒で目はやや切れ長で凛とした雰囲気の青年である。
彼は周囲を見回す。先ず目に入ったのは人よりも大きなディスプレイとコンソールと思しき物。今も点滅したりして動いているようだ。分から無い物に触らぬが吉である。
そしてこの空間は何処かの部屋というよりコンサートホールのように広い。壁面には独特な雰囲気を醸し出す模様や色使いで何かが描かれていたりする。
不思議と居心地がいい。広い空間で自身の肉体の状態を把握しようと少し運動していると先程のディスプレイに神様が映った。
『すみません。少々待たせてしまいました。ところで新しい身体はどうですか?』
「そうだな。肉体は以前の私と比較しても少し動いただけだが圧倒的に身体能力は上だとは思う。見た目から年齢も15〜17歳くらいで髪も以前は癖っ毛だったから癖の少ないこの髪でよかったよ。」
以前の身体は少しお腹の出た締りのない如何にもおじさんといった感じの体型だった。
「この身体の詳しいスペックを教えてれ。能力についてもだ。」
ディスプレイの中の神様が頷き説明を始める。
『それでは貴方のスペックを説明します。先ず肉体は人間の中でいうとかなりの上位です。素手でコンクリートの柱を砕いたりも出来ます。武術などの経験は貴方には無かったので他の神に協力をお願いしました。武の知識と経験を貴方の魂へとインストールし、既に武の極みへ到達してます。過去の英雄達とも肉弾戦で張り合える程です。ですので、ノイズとの集団戦闘になろうとも肉弾戦闘では負けることはないでしょう。やはり様々な聖遺物を扱う身体は頑丈でないといけませんので。あと、ノイズに触れられても大丈夫なように身体には常時アンチノイズプロテクター機能が発動しています。これは貴方の中の聖遺物によるものです。そして、肉体に馴染むように数々の聖遺物が埋まって魂とも融合しており、状況に応じて自動で発動したり貴方の意思で発動させたりも出来ます。』
蘇ると人類最強とも言える肉体になっている。驚きを隠せないが人外だから当然とどこか納得する。
前世では健康の為にニ、三駅歩いたりしていた。その時は汗が滲み息が少しあがり苦しくなるような状態だった。我ながら少々情けなかったが今は涼しい顔で仕事場まで行けそうだ。
『貴方の肉体に埋め込まれている聖遺物は貴方の魂とも繋がりを持っています。貴方の想いに応えて発動してくれます。しかし、完全聖遺物を複数埋めると貴方の魂が耐えきれず崩壊しかねない。ですので、耐えられる限界の大きさの欠片を貴方に融合させました。よって本来の出力の20〜45%程と劣化しています。』
完全聖遺物とは文字通り完全な状態の聖遺物らしく人の身には余るらしい。しかも、現世の聖遺物はその殆どが欠片として僅かに残ってる程度で出力も大幅に劣化しているそうだ。確かに今も幾つかの力の存在を自身の内に感じる。何とも不思議な感じだ。
『先ずは常時発動している物について説明します。アンチノイズプロテクター機能の大部分を担っているのが《アイギス》です。これはあらゆる邪悪や災厄を祓う障壁を常に展開出来るようになっており、邪悪や災厄を感知すると祓う力で自動的に防御します。範囲は貴方の周囲半径3m以内なら自在に展開できます。本来の出力ならばノイズを全く寄せ付けずに祓う力で消滅させられるのですが劣化によりノイズの攻撃をある一定量まで防いでくれる程度となっています。集団戦では特に気を付けて下さい。また、貴方の意思により展開させないことも可能です。』
ある程度防げるのなら有難い。奴らに呆気なく殺されるのは二度と御免だ。それに武術によりある程度の数のノイズならそれ程脅威にはなり得ないようだ。しかし、障壁の耐久値が一定量なので見るからに大きいノイズに押し潰されるのは不味いようだ。
『また、私の"渡る神"としての力の一端により時空間をまたいだ存在にも触れる事やその逆も可能です。さらに、移動用の力としても使用できます。あらゆる場所を移動することが可能ですので空も飛べます。最大速度は音速程度です。それよりも渡る力で視界に映る範囲内で空間と空間を跳躍する方が何かと便利です。』
凄まじいの一言に尽きる。空を翔け空間を跳躍する事が出来るのはまさに人外らしいな。
『次に姿を隠す為の《ハデスの兜》で実際にかぶるのではなく魂と繋がってますので念じれば姿や力をあらゆる物から隠す事が出来ます。こちらも劣化により他者との接触で解除され1時間使用不能になります。』
うっかり誰かと接触しなければ不可視化して監視カメラやレーダにすら捕捉される事も無いという。これで足取りを追われる心配は無さそうだ。表の世界に生きていた私は現状引き返せない程に裏側なのだから。平穏無事に過ごせたらなどは贅沢というものだろう。
『最後に貴方の武器となる複数の聖遺物の説明です。こちらは三つ御座います。念の為に全ての聖遺物の使用方法を貴方の魂へインストールしておりますので使用出来ないという事はありません。それではメインウェポンとも言える貴方の武具の中のでも最大出力を誇る炎の剣《レーヴァテイン》です。全長140cm程度の深紅の両刃の剣です。世界の全てを燃やし尽くすこの剣の性能は劣化したとはいえ無限熱量とも言える太陽の如き輝きの炎を自在に操る事が出来ます。1㎢の範囲を灰燼に帰す事も可能です。非常に強力な能力ですので戦闘時には出力を抑えて剣や身体に纏い使用したり火炎球を作り対象に飛ばすのが主になるでしょう。』
防御の聖遺物も凄かったがいきなりとんでもない。自分の周りを常に燃やして覆い、渡る力でこちらの空間に常に誘導すればノイズへの絶対防御となり得るな。
『ですが、この炎の使用には膨大な量の精神力消費を伴いないますので使用しすぎると気を失います。ここぞという場面での使用が望ましいです。』
因みに精神力は鍛える事も出来るらしい。今の私の使用限界までの時間は30分程度らしい。これは要精神修行だ。
『次に必中と勝利の神槍《ガングニール》です。全長200cmで穂先が二股になっている黄金の槍。投げれば対象に必中し貫き持ち主に帰ってきます。劣化により必勝の効果は失われていますが持ち主の運を上げる効果があります。ガングニールは貴方の魂との親和性が高く使用による精神力の消費は殆ど無いに等しいです。一度死んでいる事が原因かも知れないですね。戦闘時は主にこちらとこの後の聖遺物を使用していく事になりますね。』
また凄い聖遺物が出た。投擲すれば必中し貫通する。さらには手元に戻ってくるなど防ぐ手立ては無い。私との相性も良いみたいだ。確かにこれがメインウェポンに最適だろう。あと、力を込めるとルーンにより対象の治癒力を高めたり出来るらしい。
『そしてもう一つの遠近両用の聖遺物《ヴァジュラ》は金剛の籠手で世界一の硬度に如何なる傷もつける事は不可能とされています。さらに先に30cmの鉤爪状の三本の雷の刃を形成できます。雷を発生させ目標に落とす事も可能ですが、これも精神力の消費が大きくあまり多用できない機能です。』
蘇った私はこの身の内にある聖遺物によって炎と雷を操り必中の防御無効の槍を何度でも投擲でき、邪悪と災厄を祓い、空を不可視で自由に音速で駆けたり空間跳躍する人外という存在になったようだ。彼女は説明を続ける。
『なるべく正体を隠した方が私生活で狙われにくくなります。ですが戦闘中に姿をハデスの兜では隠し続ける事が難しいので鎧と仮面等を3つの聖遺物により展開します。一つは戦闘向けではありませんが。それぞれモードアイギス、モードレーヴァテイン、モード鳥之石楠船神があります。これらはそれぞれ得手不得手が出来てしまいますがモード名称の聖遺物の出力が上昇します。他は若干低下します。』
『先ずは、アイギスモードです。アイギスは守りを得意とした白銀の騎士甲冑で顔を全て覆う白い仮面姿になります。そして、甲冑のあらゆる場所から白銀の鎖を出す事ができ、対象を拘束したり出来ます。強度は精神力を込める程上がります。この鎖には劣化したメデューサの石化の呪いがあります。拘束された対象の力を徐々に奪います。』
『次にレーヴァテインは緋と金色を基調とした燃えるような太陽の鎧です。緋色と黒の全身スーツに手足と胸や腰などに最低限の装甲と口元だけ出ている黒いバイザー姿で、機動力と攻撃力を活かしたモードです。そして、炎で分身を造り出すとこが出来ます。分身は簡単な命令しか出来ませんが任意のタイミングで自爆させ周辺を焼き払えます。分身を造り出すのには精神力をかなりの量消費するので現状の貴方では二体が限界でしょう。』
『最後にこの私の鳥之石楠船神は真っ白な
———その後、異空間にて彼女指導のもと能力の行使と模擬戦闘をゴーレム達と三日三晩続けた。
燃え融解するゴーレムや雷で砕け飛び散るゴーレムを大量に作り出す。空間跳躍でゴーレムの上にゴーレムを落とし更にと繰り返しゴーレムの山を作ったりもした。
ガングニールはゴーレムを次々に貫き手元に返って来た。確かに一番馴染むし疲れにくい。指導を全て終えた時に彼女が能力にリミッターで抑えている部分があるが、精神力を鍛えれば徐々に解除されていくと告げたのだ。まだまだ劣化状態の20%程度しか扱えていないそうだ。聖遺物というのは本当にとんでもないと改めて実感した。
初めての修業を終えディスプレイのある部屋に戻ってきた。床に胡座をかきながら己のスペックの高さに今一度驚く。身体は人外、中身は一般人に毛が生えた程度。本当にアニメや漫画のような現実に今にも暴れ出しそうな好奇心が存在した。精神年齢は前世を考えると31歳だ。いい歳した大人が子供のようにと羞恥心が働くことはない。精神が身体に合わせようとしているようで羞恥心よりも好奇心がとても大きい。部活動一辺倒だったあの頃に戻ったみたいだ。
『身体や聖遺物等の説明は以上です。次に新しい生活についてです。蘇り人外となっても不老不死ではないので衣食住は必要です。現在は貴方が死してから一週間程です。生きていくのに必要な貴方の戸籍・住居・資金はお願いする立場ですのでしっかりとご用意させていただきました。そして、蘇りに際して貴方の生きたという記録を現世より抹消しましたので名前は以前のままで問題ないのでそのままです。戸籍は以前とは別物です。両親親類全て偽造し、実在するかのようにしています。住居は日本中に幾つか用意してます。』
名前がそのままという事は嬉しい。馴染んでいる名前を変えるのは違和感が凄い。
以前の私の生きた記録が無くなる事に関しては前世に未練が殆どないのでそれ程ショックではなかった。普通の人は二度目の人生は無いのだからそれこそ贅沢だ。住居も複数所有するなど以前の私にはとてもじゃないが無理だ。少し楽しみだ。
『資金は複数に分けて住居の金庫に保管されています。生きていく上で使い切れない程の金額ですので金銭面は安心してください。』
この金庫は特殊で私が触れないと開かず、バールやドリル、近代兵器でさえ傷つける事は出来ないらしい。
そうして彼女は一呼吸置いて
『ここからが貴方に世界を救って欲しいという内容になります。この世界には貴方の持つような聖遺物を利用した様々な陰謀があります。ノイズの問題もあります。それらを貴方自身で判断し動いて欲しいのです。私達は貴方に強制は出来ないようになっています。しかし、私はきっと貴方なら世界を良き方向へと導いて下さると確信しています。巻き込んで置いて言える立場では御座いませんが貴方のこれからの人生に幸多からん事を。』
辺りが眩い光に溢れる。私はこれからの事に期待しながら意識を失った。
読んでいただきありがとうございます。
なんとか書き終えられた。
アイデアだけが溢れてそれを上手く文章にできません。
中々話を進ませる事が出来ずに次もオリ主の転生後の設定のお話しになる予定です。
宜しければ次回もお願いします。