蘇る彼と聖遺物   作:はるひよる

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空白期F.I.S.を書き終えたはるひよるです。

勢いでここまで書き進めたのはいいのですがこれからをどうするか悩みます。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。


繋がる手と手、信頼と絆と

F.I.S.のとある研究所施設。セレナ以外の適合係数をウェル博士に見せてもらいながらある試みを話し合っていた。

 

「つまり、私の繋ぐ力で彼女達と聖遺物の繋がりを強くすれば適合係数が上がりLiNKER無しの正規適合者になれるかもしれないと?」

 

ウェル博士はモニターを操作しながら答える。

 

「ええ、まあそれは上手くいった場合ですが。セレナさんは類稀な適合者で例外的ですが今の彼女は相性の保証されたアガートラームならまだしもガングニールまで纏うという奇跡を起こしたのです。ですので大和さんが繋がりを強化して融合させた事を彼女達にも施して欲しいのです。もちろん融合しないようにですが。」

 

そういうわけで実験施設でギアを纏った状態の二人と適合係数を上げるために手を繋いでいる。映像はウェル博士がダミーを流している。

 

「何度も済まない調に切歌。」

 

右手担当は調で黒髪同士で兄妹のようである。

 

「別に謝らなくていい。」

 

左手担当の切歌は手を握ると少しそわそわしていた。あまり腕を振られると集中できない。

 

「そうデス!調やセレナ、マリアや大和にマムと手を繋ぐのは好きデスし!」

 

目を閉じ意識を内に向けてお互いの手を通して彼女達の内の聖遺物との繋がりを探す。見つけると何故か雑然と繋がっており糸が絡まったような状態のラインが幾つもあったのだ。それを集中して解き疲れたら戻って休憩と作業をLiNKERの負荷も考えて数週間かけてようやく解き終えた。

 

 

実験場を管制室から眺めるウェル博士と私。

 

「大和さんが絡まっていたと言っていたのが邪魔をして適合係数を下げていたのでしょう。おそらくLiNKERが必要な適合者はそういったラインが多いのでしょう。いよいよですね。今彼女達はLiNKERを投与していません。今までの結果から今日にも正規適合者と同等の適合係数になる筈です。」

 

実験場の彼女達は互いに指を絡ませ手を繋ぐ。実験場へスピーカー越しに声をかける。

 

「それでは切歌に調、始めようか。大丈夫、みんながついている。」

 

お互いに手を重ね歌う。同時に光に包まれる。切歌は黒と緑のギアを纏い大きな鎌を構える。調は黒とピンクのギアを纏いツインテールのようなパーツを着けている。見事に二人は正規適合者となったようだ。切歌は調の両肩に手を置き跳ねている。

 

「やったデェス!私達ちゃんとした適合者デスよ調!これでギアを解除しても痛くないデス!」

 

「やったね切ちゃん。でも肩に手を置いて跳ねられると重いよ。」

 

切歌は重いの一言にショックを受けてガックリと項垂れる。

 

「重いデスか………。重いんデスか………。」

 

肩に手を置いて首を横に振る調。

 

「そういう意味じゃなくて、跳ねられると迷惑だからやめてほしいだけなの切ちゃん。」

 

肩に置かれた手を両手で握り膝をついたまま調を見上げる切歌。

 

「迷惑だったデスか?もうしないデスから許してほしいデス!」

 

調は手をひいて実験場の出口に向かう。

 

「冗談。お腹が空いたから大和たちと合流して夕ご飯にしよう切ちゃん。」

 

からかわれていただけと分かった切歌は笑顔になり調と仲良く管制室を目指すようだ。

 

「二人は正規適合者となった。そしてマリアは今や全米チャート一位の歌姫。そして日本で開催される事となったQUEENS of MUSICに風鳴 翼とデュエットまで決定させるとは流石はマリアだ。」

 

「それに私が二課へ出頭しソロモンの杖の護送の日も被るとは運はこちらの味方のようです。サポートは任せましたよ大和さん。」

 

あと一月程で私達は世界と戦う事になるが不安に押しつぶされる事はないだろう。信頼する仲間がお互いに支え合っているのだから。

 

「あとはマリアを正規適合者にする事だけだ。歌手活動は日本のライブに向けての調整と喉の違和感による大事をとっての休養でライブまで一ヶ月の間休みとなった。その間に仕上げる。」

 

扉が開き仲良く手を繋ぎながら切歌は繋いでいない手を挙げる。

 

「早くご飯にするデスよ!もうお腹がへりんこファイヤーで動けないデェス!」

 

そう言いながら腕をひいて催促してくる切歌。その時シャツの裾を調に引っ張られる。

 

「今日は昨日の肉じゃがの残りでカレーにする。マムに野菜を食べてもらう為にどうしたらいい?」

 

教授は肉ばかり食べる。ウェル博士はお菓子しか食べなかった。

 

「それじゃあ教授用は細かくフードプロセッサーで切り刻んでカレーに溶かそうか。ウェル博士は………お菓子にカレーをかけておこうか。」

 

隣にいるウェル博士は苦笑いする。

 

「最近は少しずつ普通の食事も食べてるじゃないですか………。いくら偏食家の私でも甘いお菓子にカレーがけは遠慮願いたいですよ。」

 

その夜、教授は野菜溶け肉カレーをおかわりした。ウェル博士は小盛りカレーとチョコケーキを食べていた。

 

 

 

来週には全世界へと月の落下の脅威を知らしめる日が迫っている。今はマリアを正規適合者にする為に手を繋いでいた。セレナも含めて三人で手を繋ぎ輪になっていた。予定では今日にも適合係数が達するかもしれないらしい。

 

「何だか不思議な感じね。手を繋ぎ正規の適合者になるなんて。別に疑ってる訳じゃ無いのよ?」

 

初めての時は手を繋ぐことに戸惑っていたが切歌と調が正規適合者と到達した事もあってわりとすんなり進み途中からはセレナも加わりマリアとガングニールの絡まったラインを二人掛かりで解いていった。

 

「今日はこれで終わりにしましょうか。明日に正規適合者になっているか確かめますので帰りましょう。」

 

ウェル博士は帰り支度を始めたようだ。私達も帰ろうと出口へと向かう時にマリアはあの時の歌を口ずさむ。

 

「やっぱり世界に喧嘩を売るのは怖い。みんなが支えてくれていると分かっている。それでも私は———

 

セレナはマリアの震える手を包み込む。

 

「大丈夫だよマリア姉さん。私だって怖く無いわけないよ?でもみんなが支えてくれている。支えるだけじゃ無くて時には姉さんを護ってくれるの。だから一人で背追い込まないで。みんなで少しずつ背負うの、だから………ね?」

 

セレナは自分にもそう言い聞かせているみたいだ。その言葉にマリアはもう震えていなかった。覚悟を決めたようだ。

 

「ありがとうセレナ。いつも妹に励まされてばかりの姉だけれど私も頼れる姉になる。だから見ていて。」

 

そして次の日にマリアはガングニールの正規適合者となった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

正規適合者VS正規適合者がしたかった。ここで原作と違ってきます。それでも経験の差で翼&クリスの方が一枚上手ですが。早く戦闘回を書きたいです。

次回はルナアタック後の二課のお話の予定です。
次回もよろしくお願いします。
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