蘇る彼と聖遺物   作:はるひよる

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どうするか考え過ぎて爆発しそうなはるひよるです。

今回は視点が多くなってますので読み難いかもしれません。ですがどうしてもしないフォギアを観て入れたくなり書きました。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。


呪いと星と生命のうた
悪と正義と


いよいよ世界への宣戦布告の日となった。

ショッピングモールでの出来事の後に調と切歌にはあの時の少女がガングニールの装者だと伝えてある。

 

「彼女は何の為に戦っているの?」

 

「彼女達は彼女達の日常を守っている。彼女達もまた世界を守っているが立場の違いで衝突するだろう。」

 

調は静かな場所で何かを考えたいのか湖へと向かった。

 

「待つデス調、あたしも一緒に考えるデス!」

 

調を心配した切歌が後を追った。残ったのは教授と私だけだった。

 

「それでは貴方には色々と動いてもらいます。始めにドクターとソロモンの杖の回収です。次にドクターとライブ会場に潜入して待機してください。マリアと風鳴 翼のデュエットで観客を沸かせてネフィリム起動のフォニックゲインを集めます。」

 

そこでネフィリムが起動すれば二課の装者とノイズを戦わせる必要は無くなる。もしエネルギーが集まらなければあのノイズを使うのか。

 

「デュエットが終わり世界中が二人に注目する中でマリアには世界へと月の落下を公表してもらいます。ドクターにはノイズで会場を占拠してもらいます。人質を使い各国政府へ米国の月の落下の事実の隠蔽と米国の特権階級のみが脱出をする愚かな計画を世界中に知らしめる事。そしてフロンティア計画を提示する事。私達の存在を知らしめ米国に他のレセプターチルドレンを始末させない事。これらをクリア出来れば我々のフロンティア計画も順調に進められるでしょう。」

 

私は会場の制御室を占拠する事になった。調と切歌は教授と一緒に会場の見える場所に停めたトレーラーで待機して状況に応じて動かす。セレナはマリアのマネージャーとして控え室で指示があるまで待機だ。

そろそろ時間だな。

 

「それじゃあウェル博士を回収してくる。基地に到着したウェル博士がノイズを使役して騒ぎを起こしてそのどさくさに紛れて回収してくればいいんだな?」

 

「ええ。なるべく死者は出さないようにお願いします。彼等も救いたい命ですから。」

 

湖を眺めている二人に声をかけてから出発しようと湖へと向かう。そこには並んで座る二人がいた。

 

「調と切歌はこれからの事が不安なのか?」

 

二人は頷く。誰だって世界を敵に戦いたいとは思わないだろう。

 

「二人とも私が護るから心配しなくていい。もう時間だ、ウェル博士を迎えに行ってくる。」

 

二人に背を向けてモード鳥之石楠船神になり空へ跳び日本の岩国基地を目指す。

 

基地上空に到着したがステルス状態の私には誰も気が付かない。そこへ二課の女性スタッフと少女二人にウェル博士が到着する。ウェル博士は立花達へ何かを告げて米軍基地へと向かう。その様子を見届けた三人は基地の外に向かった。

 

「そろそろだな。」

 

私はレーヴァテインの力で基地の上空を派手に爆発させるとそのタイミングに合わせてノイズが基地を取り囲む。ノイズはゆっくりと基地の内側へと進行する。攻撃しないように操作されているので迫り来る壁のようだ。応戦する軍人達の銃弾は全てノイズを通り抜ける。騒ぎに乗じてウェル博士が誰も居ない場所へと出て来たのでそこへ跳躍する。

 

「迎えに来た。ステルス障壁で包むぞ。」

 

ウェル博士を障壁で隠す。

 

「やはり不思議な感覚になりますよ。幽霊にでもなった気分です。」

 

ウェル博士の入った障壁を繋ぐ力で繋ぎ上空へと跳び次の目的地のライブ会場を目指した。

 

 

———セレナサイド———

 

姉さんのマネージャーとして私は大人モードになっています。髪はサイドで結んで束ねたポニーで調ちゃんと切歌ちゃんから教えてもらった白の潜入美人捜査官メガネを装備しています。服装は黒のスーツで鏡に映る私は仕事の出来る大人の女性みたいでした。姉さんはそんな私の姿を初めて見た時には震えていましたが直ぐに歌姫マリアの勝気な雰囲気に戻りました。

 

「その姿のセレナの写真が欲しいの。黙って撮られなさい。」

 

歌姫マリアモードの姉さんは欲望に素直でした。

 

今日は私達が全世界に向けてフロンティア計画を提示する日です。米国の歌姫マリアと日本の歌姫風鳴 翼との夢の共演の日でもあります。マムの情報によると風鳴 翼さんは日本の国防の要で防人と呼ばれるとても凄い存在らしいです。そして私と同じマネージャーの緒川 慎次さんは忍者と呼ばれる日本のアサシンで隙を見せれば気付いた時には動けなくされていたりするそうです。

 

「姉さん、いつまで部屋の隅で震えているの?そろそろ共演者に挨拶に行かないと。」

 

「防人………忍者………。」

 

事前の情報に完全に尻込みしている姉さん。こんな時には美味しいものを食べて元気になってもらう作戦に頼ります。日本食を楽しみにしていた姉さんの為に私、取ってきますね!

 

実は私も楽しみにしていた。大和の生まれ育った日本の料理に興味がある。ケータリングの場所へと少し浮かれながら向かう途中に蒼い髪の女性と眼鏡の男性とすれ違った。浮かれていた私は気が付かなかった。

 

ケータリングはとっても豪華で様々な日本の料理に目移りしてしまいます。

 

「これは凄いですね!二人分持って帰りましょう。これが噂の寿司ですか………。」

 

つい夢中になってしまった私は三人前くらい取ってきてしまった。どんなに食べてもエネルギーに換えられるから問題は無いです。

 

姉さんの待つ控え室の扉を開けると蒼い髪の女性とスーツの男性が立っていた。姉さんは歌姫マリアモードで2人に対して何とかといった感じだった。

 

「あなたがマリアさんのマネージャーですか?」

 

優しそうな男性がこちらに話しかける。この人が忍者?とてもそうは見えないけれど………。

 

「はい、私がマネージャーのセレナです。あなた達はもしかして今回共演する風鳴 翼さんとそのマネージャーですか?」

 

そうですと男性が肯定する。風鳴 翼さんは私をじっと見つめている。凄く怖いです。全て見透かされそうです。でもどこと無く姉さんに似ている気がしますね。

 

「姉さん、もう挨拶は済ませたの?」

 

「ええ、ビシッと決まったわ。」

 

これは姉さんが一方的に挨拶をしたみたいだ。

 

「姉さんが済みません。このような姉さんですが本日はよろしくお願いします。」

 

風鳴 翼さんは私に手を差し出して握手を待っている。あのモードの姉さんはおそらくしていない。

 

「こちらこそお願いしますね。」

 

私は手を握ると姉さんと同じで温かい手だった。食事の時間なのでお二人はその後直ぐに去って行った。私はテーブルに戦利品を並べて姉さんを見る。

 

「大和の故郷の料理が一杯あって目移りしちゃったけど何とかここまで絞ってきたよ。姉さんは栄養バランスを凄く気にするけどこんな感じでよかったかな?」

 

姉さんはケータリングの時の私みたいに満面の笑みを浮かべて黄色い声を上げている。

 

「いい!すっごくいい!日本食は最高よ!一つ一つが芸術的で見た目良し、味も良し、栄養バランスも良しの最高の食事!これを食べればもう何も怖く無い!」

 

どうやら元気が出たようで一安心です。

 

『今到着———

 

「ひゃあ!?」

 

大和の声が突然耳元で囁いたかのように聞こえて驚いてしまった。

 

「どうしたのセレナ!?どこか痛いの?大丈夫?」

 

私と大和はエネルギー供給のラインで繋がっているので頭で語りかければ会話が出来るのですけれど………不意に語りかけられると驚いてしまいます。今日は来ると分かっていたけれど予定より早くて気を抜いてしまいました。

 

「だ、大丈夫です姉さん………大和が今到着したみたいです。」

 

姉さんは納得して安心したみたいです。

 

「でもそんなに驚く程?今度試してみようか………。」

 

『分かりました。それではまた夜に。』

 

大和に返事をしてから深く呼吸をして心を落ち着ける。さて、大和とドクターはネフィリムと装置を設置している頃かな?

 

「とりあえず料理を食べましょう姉さん。腹が減っては戦が出来ぬですよ?」

 

姉さんとテーブルに向かい合わせに座って手を合わせる。これは日本人の多かったあの施設ではよく見る光景だった。

 

「「いただきます。」」

 

私は太巻き寿司というのを食べる。お米と海苔はこんなに合う物なのですね。

 

「〜ッ!?———はぁ!ワサビってこんなにも鼻にくるのね。でも、とても良い風味だ。」

 

ワサビを水で流して涙目ですが姉さんはとても満足そうでした。

 

 

明日の朝にでも姉さんの寝起きに大和の囁き攻撃をしてもらいましょうか?

 

 

———大和サイド———

 

ウェル博士がネフィリム起動装置を設置し終えて待機していた私達。ライブが始まってここにも振動が伝わってくる。

 

「もう間も無くですかね大和さん。私はこのモニターを見ながら頃合いを見てノイズを召喚します。現場のフォローは任せましたよ?」

 

その時にインカムから指示が出る。

 

「それでは皆さん、始めましょう。イレギュラーが起きた場合私の指示に従ってください。」

 

「ネフィリムを頼んだウェル博士。」

 

私は地下を出て会場にステルスで潜入する。天井に張り付くように浮遊して進む。制御室の前にたどり着くが入るにはカードキーが必要みたいだがさて………。

ウェル博士の通信が聞こえてくる。

 

「現在ネフィリムへのフォニックゲイン30%です。どうします、プランBに移行しますか?」

 

「そうですね。皆さん、マリアが世界へ米国が月の落下の事実の隠蔽を行い自分達だけが助かろうとしている事実を公表し、フロンティア計画を提示。その後にあのノイズを使用します。」

 

マリアとでは足りなかったのか。

 

「ノイズだ!!」

 

会場が観客の悲鳴に染まりノイズから離れようとパニックになる人々にマリアは一喝する。

 

「狼狽えるなッ!!」

 

マリアの気迫がここまで伝わってくる。世界は今この瞬間彼女に掌握されている。

私は中継を切られては困るので制御室の扉をレーヴァテインの熱を手に纏わせて扉を溶かして侵入する。音も無く扉が溶けた事に気付かないスタッフ三名は気が付けば会場の外に居たという。

 

制御室を占拠した私は入り口を監視しているがノイズが現れた事で逃げ出した者も多いようだ。マリアは中継先の全世界へ向けて言葉を発信する。

 

「我々はノイズを操る力でこの会場を占拠した。そして世界へと要求する!」

 

マリアは歌を歌う。光に包まれて黒いプロテクターを纏った戦姫が一人舞い降りる。

 

「我々は武装組織フィーネ!世界を救済する者だ!」

 

会場はあまりの事態に状況を理解している者は殆どいなかった。だがある男は眼鏡を外して制御室へとあと少しという場所にいた。

 

 

「会場はノイズに占拠されました。ノイズに対抗出来るのは今は翼さんと奏さんだけです。制御室で世界中継とライトを消す事が出来れば翼さん達は自由に動けるようになります。両翼揃ったツヴァイウィングに不可能なんてありませんから。だから信じて待っていて下さい!」

 

制御室が見えてきた。急いで駆け込もうとするが頭の中で警鐘が鳴り背後へ飛び退く。確かに先程まで立っていた場所を見えない何かが通った。銃を構え違和感のある場所を撃ち屈み何もない右の壁へ向けて蹴りを放つと何かに掠る。現れた人影は黒い髪の灰色の混じった黒い瞳の男。二課が探していた葛城 大和さんだった。

 

 

 

私は緒川 慎次と対峙している。あの時案内してくれた男だが戦闘能力は常人を遥かに凌ぐ。

 

「貴方でも容赦はしません!」

 

三発発砲してくるが当たりはしない。私は銃弾を良く見える目を使い人外の身体能力で躱しながら彼に迫り顎へと拳を振るうが紙一重に回避される。

 

「成る程、司令が倒しきれない訳です………でも!」

 

今度は発砲しながらこちらへと突っ込んで来る。三発こちらへと先程と同じようにーーー曲がった!?一発だけ曲がるが難無く躱し私の少し後ろへ刺さった。手の届く範囲に入ってきた彼を掴もうと手を伸ばすが身体が動き辛い。手は空振り彼は制御室へと入り機械を撃ち抜くと中継は切られ会場が暗闇に包まれる。

 

「何が起きたのですか!?」

 

教授は会場に設置したカメラが見えなくなってこちらの状況が見れないようだ。

 

「済まない教授、制御室を破壊された。世界へと中継は出来なくなった。」

 

「………では二課装者が揃うまで耐えて下さい。揃い次第あのノイズを投入し彼女達の歌の力を引き出し利用させていただきます。」

 

暗闇の中で歌声が響き渡る。

 

「奏の歌………。」

 

 

———マリアサイド———

 

朱い影が縦横無尽に会場を駆けてノイズは全て斬り伏せられ崩れ去る。現れた朱い影は暗闇のステージに跳び観客へと指示を出す。

 

「さっさと会場から出て行け!ただし誰かを押し退けたりするんじゃねぇぞ!分かったらさっさと出ろ!」

 

鬼気迫る声に観客は指示に従って順調に会場の外へ出て行く。

 

「………了解よマム。存在は知らしめられて彼ら彼女らは助かる筈よね。だったら残った仕事を全力で成し遂げるのみ!」

 

朱い影と対峙する。彼女が大和の言っていた相方でしょうね。そして、ネフシュタンを起動させた一人。風鳴 翼の相棒の彼女。

 

「さて、あなたが相手をしてくれるみたいね天羽 奏?」

 

アームドギアを手に握り堂々と構える。どうやら何か聞きたいみたいだ。

 

「大和は元気か?元気なら勝手に居なくなった事で怒ってるから一発だけ殴らせて欲しいんだけどな!!」

 

彼女は黒い大剣を肩に構えて跳び振り下ろすがマントで剣の腹を弾いて逸らさせる。

 

「喧嘩っ早いヒトだこと。答えてあげる、大和は元気にしている。だがもうあなた達の仲間ではない………私達の仲間だ!」

 

槍の穂先に風を纏わせて胴目掛けて鋭く突きを放つ。彼女の胴を掠め吹き飛ばす。その様子を風鳴 翼は観客が居なくなるまで堪えているようね。

 

「やるじゃないか!………どうやらそろそろ本気を出せそうだ!」

 

観客が全て居なくなったのを吹き飛ばされながらも確認した彼女は黒い斬撃を飛ばしてくる。

私はその斬撃を真っ向から迎え撃つ。アームドギアを黒い斬撃へと片腕を突き出し構える。可動式ギミックが作動し穂先が二つに裂けてエネルギーを溜めて藤色の流星を解き放つ。真正面から激突した黒と紫は爆発を起こし辺りが爆煙で更に何も見えなくなる。観客が居なくなった今、燻っていた彼女も参戦するか!

 

「来るか!どこからでも掛かって来るがいい!」

 

歌が暗闇の中に響き渡る。煙の中から蒼い斬撃が現れて私に迫る。私はマントでガードすると爆風で煙が晴れて月に照らされる。それを予想されていて月を背景に剣の雨が降って来る。

 

「その程度でこの防御は崩せない!」

 

風鳴 翼は不敵な笑みを浮かべる。

 

「そうだな。その程度で破れるなどと驕ってなどいない!」

 

「少し大人しくしてもらうぜ、歌姫さん!」

 

いつの間にか私の背後へと落ちて迫る黒い大きな影。到底人が持てるサイズでは無いビルのような黒い剣が間近に見えた。

 

「———ッ!?身体が動かないだとッ!!」

 

そして大爆発が起こりステージは再び爆煙で見えなくなった。だが奏は大剣を片手で握りいつでも動けるようにしていた。

 

「どうやら第二ラウンドらしいぞ翼?」

 

奏の横に降り立った翼も剣を構えて煙を見据えている。

 

「何があった奏?確かに当たった筈だが………。」

 

私はガングニールを掲げて突風を巻き起こし煙を払う。正直セレナが来てくれなかったら危なかった。

 

「我々と言った筈。遅かったじゃないセレナ?」

 

白銀のギアを纏うセレナは申し訳無さそうにしている。

 

「ごめんなさい。取り残されていた少女達を会場の外へと連れ出していました。」

 

私はセレナらしい行動に少し緩んでしまう。でもここは戦場。少しの気の緩みが命取りになる。

 

「あなたらしい。でももう少し早く来てくれると助かるのだけれど?」

 

セレナは手に何も持っていない。それはセレナの特性故だ。ガングニールの場合は杖を握るが根本は誰かを傷付けられない優しい子。傷付ければ相手以上に自分の心を傷付けてしまう。

 

「分かっています姉さん、私も戦います。それが誰かを傷付けてしまうのだとしてもです。」

 

セレナは銀色に輝く30cm程の光の盾を自分の周囲に複数展開する。

 

「セレナは奏を任せた。私は歌姫ともう少しデュエットしようかしら!」

 

小さな声でセレナにある要求をしてマントに忍ばせた。

———二枚借りる。

 

私は風鳴 翼へとガングニールを携えて駆ける。真っ直ぐ一直線に槍を勢いのまま突き出す。単調な攻撃だと簡単に避けられ手痛い反撃をくらってしまうだろう。

 

「そんな見え透いた攻撃に当たるものか。」

 

通り抜けざまに剣での攻撃が私の胴を捉えた。しかし剣が砕ける。

 

「何だと!?」

 

アームドギアが砕けた事に驚愕し隙を見せた風鳴 翼をマントで拘束する。そしてあの時のお返しとばかりにアームドギアの穂先が二つに裂けて藤色の流星を拘束して動けない彼女へと構える。

 

「あなたにはここで退場してもらいましょうか?」

 

彼女の瞳には闘志が渦巻いていた。どうやら諦める気は無さそうだ。

 

「こんなところで折れたりはしない。何故なら私も一人では無いのだから!」

 

私はそんな彼女へと藤色の流星を解き放つ。彼女の最後の足掻きで先程の黒い剣サイズの蒼い剣が上空から彼女の前に落ちて来て盾となろうとする。だがセレナから借りた銀の盾を大きな剣へとぶつけると呆気無く砕け散った。

 

威力は抑えてあるから少しだけ静かになってもらうだけだ。そういえば一人では無いと言っていたが奏はセレナが相手をしている。ならばまさか———

 

「翼さん!」「いい加減その布切れを放しやがれ!」

 

上空からガトリングで狙われる。マントでガードする為に彼女を解放し傘のようにしてガードする。拘束から解かれた彼女を立花 響が引き寄せて攻撃を躱される。セレナの方はセレナが優位に立ち回っているがこのままだと数で押されるだろう。

 

「お仲間の心配より自分の心配をした方がいい!だらぁ!!」

 

クロスボウが私を狙い放たれ回避する。

 

「持ってけオマケだ!」

 

ホーミングするミサイルが私に殺到する。しかしミサイルをノコギリの刃が次々に()り刻み爆発する。

 

「危機一髪。でも私が来たからもう大丈夫。」

 

調が上空でホバリングしている。でも切歌が居ないのは一体何故?

 

「切ちゃんは大和を迎えに行っちゃった。必要無いって大和も言ってたのに。」

 

会場の扉から切歌だけが現れる。

 

「大和の分もやってやるデス!あれ?もう撤退するだけじゃ無いデスか?」

 

マムから通信が入る。

 

「………装者が揃いました。それではあのノイズを投入しますので手筈通りに行動してください。特に切歌、分かっていますね?」

 

切歌は敬礼している。

 

「分かってるデスよ!あたしに任せるデス!」

 

切歌は鎌を振るい刃を二本飛ばして奏とセレナを引き離す。調はノコギリの刃を無数に飛ばして立花 響と雪音クリスを牽制する。私は風鳴 翼をマントを駆使してある地点に誘導する。ある程度二課装者が集まったところでセレナに指示を出した。

 

「セレナ、アレをお願い!」

 

セレナは無数に銀の盾を出現させて二課装者達をドーム状に囲み閉じ込める。

 

「ドクター、あのノイズを頼んだ!」

 

通信機に告げると緑のブヨブヨの大きなノイズが出現する。

 

「ここまで出てくるのに手間取りました。またネフィリムの場所に戻ります。帰りは大和さんに僕ごと持って帰ってもらいますよ。それではよろしくお願いします。」

 

セレナの結界を壊そうと中から攻撃する装者達だが全く効果が無い。

 

「剣が砕ける。これは先程と同じ?」

 

「これに当たった攻撃を全て触れた瞬間に壊されて面倒くさいったらありゃしねぇ!」

 

奏は相当苛立っているようだ。

 

「マジかよ!こうなりゃ地面に穴を開けるか?」

 

「どうしてこんな事するの!私達話し合おうよ!そうすればきっと分かり合える!」

 

この言葉に調は感情が高ぶり抑えきれなくなり語気を荒げる。

 

「誰かを守る為にあなたは誰かを傷付ける覚悟があるのッ!?そんな綺麗事ばかりの———偽善者なんて大っ嫌いッ!!」

 

調は怒りを脂肪のようなノイズへとぶつける。ツインテールのようなアームが延びて巨大なノコギリが二つ唸りを上げて高速回転しノイズを伐り刻むと緑のやわい物が辺りに飛び散りそれが新たなノイズとなっていく。

 

「調………もういい。皆撤退だ!」

 

私達は会場から去りマムと合流する。セレナは私達が会場から撤退し次第に結界を解除して大和へと戻る。

 

 

———大和サイド———

 

会場の中を隠れて私は見ている。あの男、緒川にはあの時は油断してしまったがあの後はヴァジュラの電撃で寝てもらった。

奏はどうやらペンダント状態になっているようである。

 

「あれが立花の絶唱を束ねる力なのか。彼女らしいのはそれだけでは無く他者の痛みを引き受け自分を蔑ろにするところもそうだ。」

 

膨大な絶唱のエネルギーを立花は束ねて周囲に解き放ち拡散増殖型ノイズは本体が剥き出しとなる。そして絶唱のエネルギーを右手に収束させると虹色の輪が右手に出現する。だがあの時の黒い影が見え隠れするが飲まれずに立花はノイズへと跳び右の拳を叩き込む。

ノイズは崩れ去り宇宙まで届くかのような虹色の竜巻が発生した。

 

「無事ネフィリムが起動しました。ドクターとともにアジトまで帰還してください。」

 

私はウェル博士の居る場所へと向かう。ウェル博士はケージを持ち証拠隠滅の準備も終えたようだ。

 

「始まりましたね。これから僕達は世界のあらゆるモノから追われるでしょうが最後まで必ず成し遂げましょう。」

 

頷きコートを羽織り事前に調べたルートでアジトを目指す。

 

その日の夜風はいつもより冷たく感じた。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は悩みに悩んで書きました。
セレナの絶唱特性がエネルギーのベクトル操作で攻撃性が無いと言う事で盾になりました。
次回はフロンティア訪問になる予定です。

次回もよろしくお願いします。
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