蘇る彼と聖遺物   作:はるひよる

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最近筆が進むはるひよるです。

だんだんキャラを喋らせていますがキャラをうまく表現出来ているか自信は無いです。

今までで一番長いですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。


後悔と生き様と

立花と風鳴が激突しそうになったあの後、風鳴は肩を震わせて俯いていた。司令が近付いて行くと地面が僅かに濡れていた。

 

「翼、お前………。」

 

俯き表情は見えない。

 

「泣いてなんかいません!剣に涙など必要ありません。だから、その様な事は決して………ありません!」

 

司令は無言で風鳴を抱きしめる。そしてまだ立花はショックから立ち直れていなかった。

 

「どうして………?」

 

そう呟くのみであった。

 

 

司令は回収した二人を医療スタッフへと預けると大きなモニターのある部屋へと帰還する。

 

「今戻った。」

 

その言葉にスタッフのひとりである友里 あおいは少々厳しくはっきりと言う。

 

「あまり司令の勝手が過ぎるとこちらが困ります。なるべく控えてくださると助かります。」

 

「ええ、全くその通りですよ。」

 

同じスタッフの藤尭 朔也(ふじたか さくや)も同意する。そんな二課の空気に司令はバツが悪そうに唸る。

 

「そうだ。先程の奴についてわかった事はあるか?」

 

そう言って話を進める。コンソールを操作しながら友里はモニターに映す。

 

「先程の正体不明の反応を今現在も捕捉中です。しかし、反応が不規則に様々なポイントに出現を繰り返しています。」

 

司令はモニターを見ている櫻井へ意見を求める。

 

「先程の奴について了子君は何かわかった事はあるか?」

 

「そうね、先ずは今の不規則な反応についてだけどおそらく聖遺物かそれ由来の異端技術だと思うわ。今もこの反応のエネルギーを調べてるのだけれど実は翼ちゃんのさっきの落下中にも同質のを観測したのよ。その時の映像を解析したところ翼ちゃんが瞬間移動したとしか思えないの。一瞬にして現れたんだからびっくりよ!」

 

新しい研究対象に櫻井は喜んでいる。

 

「という事は奴は何らかの聖遺物や異端技術を持った組織または個人という事か。突然現れた事については何かわかったのか?」

 

櫻井は目を輝かせる。

 

「これもまた推測なんだけど見えないしレーダーでも捉えられないとなるとこれも聖遺物やそれ由来の異端技術でしょうね。その特性はおそらくは光に関するモノを持っているでしょうね。ただ、何か物体に触れるには解除しなきゃいけないみたいだけどね。正体まではわからなかったのよ。捕まえたら色々して見たい事があるのよ。だから頑張ってちょうだい。」

 

「了子君でもわからないか。さて、正体不明の目的不明とはどうしたものか。」

 

様々な問題に頭を悩ませる司令だった。

 

 

それから一ヶ月間。相変わらず合わない二人とノイズを葬る立花以外のガングニールの反応。あれ以来姿を現さない謎の人物。あまりいい流れと言えない中で事態が動く。

 

今日も二課と二人を陰から見守る私は今地下鉄の入り口にて誰かと通話を終えた立花を見ている。近くにはもう既にノイズの反応がある。それ程色の濃い反応はないようだ。これなら彼女だけで十分だろうと上空で待機する。次々と消えていく赤い反応が残り一つとなった。その時に爆発が起こりできた大穴からノイズが飛び出したが、上空から彗星の如く現れた風鳴の放った蒼い斬撃により倒された。穴から這い出た立花は風鳴へと駆け寄る。

 

「私、あれからずっと考えたんです。私がこのチカラを持ち戦う覚悟は何なのかって。でもどんなに探しても戦う理由は見つかりませんでした。ただ、私はこのなんて事のない日常を守りたいってそう思いました。だから私は日常を守るって決めました。翼さん、これが私の覚悟です!!」

 

風鳴が立花と向かい合い何か言いかけたところで横槍が入る。

 

銀の鎧は所々刺々しい。赤い透明感のある刺々しい鎖のような物まである。そして顔を隠す鎧と同じ色のバイザー。性別は女性特有の胸が確認できるので女性だろう。

 

「なんだ、果たし合いでもはじめる気か?だったら私も交えてド派手にいこうや!」

 

風鳴はその乱入者の姿を見て目を見開く。

 

「それはネフシュタンの鎧!?答えなさい!何故貴女がそれを身に纏っている!」

 

鎧の人物は風鳴の気迫に怖気付く事なく堂々と立つ。

 

「へえ………?あんたこの鎧の出自を知ってるみたいだな。一体どこで知ったんだ?」

 

風鳴は強く剣の柄を握り締める。

 

「それは二年前のあの時、覚悟が足りていなかった未熟な私の招いた結果だ。だが今宵、雪辱を果たせる。私にとって僥倖だ!!」

 

「そうかよ。だがまあ、残念だったな。何故ならあんたは私にここでやられて恥の上塗りになるんだからな!」

 

両者がそれぞれ武器を構え臨戦態勢になる。そこへ立花は風鳴を止めようと腰へしがみ付く。

 

「待ってください翼さん!相手は人ですよ!?話し合えるんですよ!」

 

その言葉に両者は声を揃えて言う。

 

「戦場で何を莫迦(ばか)な事を!!」

 

風鳴と乱入者は好戦的な笑みを浮かべる。

 

「奇遇だな。」

 

「そうかい。だったら二人でとっとと殺り合うとしようか!」

 

乱入者は鞭のような物を操り風鳴へ向けて鞭打つと風鳴はバックステップで回避する。その時、腰に抱きついていた立花はその勢いに飛ばされる。風鳴はバックステップで高く上がり蒼い斬撃を放つ。その斬撃は乱入者へと迫るがあの鞭のようなもので打たれ軌道を変えられ外れた。その動きの隙に相手へと肉薄し剣を振るうが鞭のような物でまた捌かれ隙を突かれ鋭い蹴りで吹き飛ぶ。

 

「どうした?あんたのその覚悟はとやらはそんなもんか。そんなんじゃ到底あたしに傷一つつけられやしないぞ。」

 

得物を振るい風鳴を追い詰めていく乱入者。

 

「そうそう、お前はこいつらの相手でもしてな。」

 

独特な形状の杖を立花の方へかざすとノイズが杖により召喚される。

 

「どうしてノイズが!?」

 

いきなりノイズに囲まれた立花はその包囲から抜ける為に駆け出すがノイズの出した粘液で絡められ捉えられてしまう。風鳴は気を取られていた乱入者へ剣を振るい足を掛けてバランスを崩させる。だが、相手に繰り出した蹴りを掴まれ投げ飛ばされる。さらに相手に先回りされ頭を踏みつけられた。

 

「いいか?お前は勘違いしてるかもしんねぇがあたしの狙いはあそこで捕らわれているアイツなんだよ。あんたにはそうして何も守れずにいるのがお似合いだ!」

 

流石にピンチかと思い介入しようとすると乱入者目掛けて無数の刃が降りそそぐ。乱入者は舌打ちをし避ける。そこを風鳴は追撃しまた激しい攻防が繰り広げられる。

 

近くでその光景を見ることしか出来ない立花はふと思いつく。そして、拘束から逃れようともがきながら叫ぶ。

 

「お願いだから出てよ!私のアームドギア!」

 

だが何も立花の手からは出なかった。

 

しかし、上空で見守っていた私は必死に身体の内側で高まっていくガングニールを抑えていた。彼女にガングニールを持たせてはいけないと何かが訴えている。いくら同じガングニールを纏っているとはいえ人である以上は制御出来ずにのまれてしまうだろう。この身のガングニールを意識してある聖遺物の機能を使う。アイギスの鎖だ。モードアイギスにならなくても身体の内側なら問題なく出せる。外側は変身しなければ出せない。こいつはチカラを徐々に奪うのだが以前、試しにレーヴァテインに使ってみた。すると対象から感じられるエネルギーが小さくなっていくのを感じた。奪える限界はあるみたいで奪い過ぎて鎖に亀裂が生じた。そこでふと疑問に思う。奪ったエネルギーはどこへ行ったのかと。答えは鎖だったのだ。レーヴァテインのエネルギーを吸収した鎖は燃えるような赤になっていた。そして、そのエネルギーを鎖からアイギスへと流すと奪ったエネルギー分だけ炎の属性が付与されていた。

 

今その鎖でガングニールのエネルギーを奪い落ち着かせている。因みにガングニールの場合は治癒の力が溜まる。

 

 

その頃、風鳴は乱入者とノイズ両方と戦っていた。ノイズを斬る、突く、刺すと次々と崩れるノイズたち。

再び乱入者と一対一で近接戦闘が始まる。。乱入者は得意な間合いで戦おうとするがそこへ小さな刃が投擲される。それを弾き上げエネルギーの塊を作り風鳴へ叩きつける。

それを剣で防御するが弾き飛ばされ何度も地面にぶつかる。

 

「その程度じゃお前は何も出来やしない。そうやって失ってくだけだ。」

 

風鳴は倒れ臥しながらも立ち上がろうとする。

 

「確かに………私は何も出来ていない。剣としてこの身を鍛えてきた筈の私はあの日に無様に生き残ってしまった。だが今ここでネフシュタンの鎧を取り戻す事が出来たならその汚名もそそげよう!」

 

剣を支えに立ち上がる。

 

「そうかい。だが、お前にゃ出来はしない!」

 

駆け出そうとしたが動けない。影に先程弾き上げた刃が刺さっていた。

 

「こんなもんで!どうにか出来ると思って!………お前まさかあれを………!?」

 

雲の切れ間から月が覗き照らされる。

 

「月が覗いてるうちに決着をつけましょう。」

 

剣を天高く掲げる。

 

「歌うのか………絶唱を!?」

 

戦場で歌が響く。ゆっくりと乱入者へと歩み寄る。抵抗しようと杖を掲げるてノイズを召喚する———が、もう目と鼻の先だった。

 

歌が終わり、高められたエネルギーが乱入者へ向けて放たれその余波が周囲を襲う。乱入者は悲鳴を上げながらノイズ諸共吹き飛ばされた。

 

私はガングニールが落ち着いた直後に迫り来るエネルギーを跳躍して回避する。爆心地に佇む風鳴へ立花は心配そうに駆け寄るが途中で転けてしまう。そこへ司令と櫻井も車で駆けつけた。

 

「翼、大丈夫か!」

 

振り返る。血涙を流し、おびただしい量の血が口から溢れ出て足元には血だまりが出来ている。

 

「私とて人類守護の務めを果たす防人。こんなところで折れる剣じゃありません!」

 

そんな彼女を放っては置けない。助けないとと思った私は崩れ落ちる彼女を上空へ転移させる。突然消えた彼女を探しこちらを見つける司令たち。

 

「お前は………!?翼を一体どうするつもりだ!今すぐ降りてこい!」

 

あまりこちらに繋がる情報を与えたく無いのでそこから人気の無い山奥まで跳躍した。これで彼女の治療を終えるくらいの時間は稼げるだろう。私はモードアイギスになると鎖に溜まったガングニールのエネルギーで彼女の体表面を膜のような障壁で覆う。周囲が黄金色に照らされると彼女の身体の傷が癒されていく。そして、治癒力も高まり造血促進もされただろう。十分にエネルギーを注ぎ終えた後は効果が切れるまで自動で回復してくれる。ここだけ昼間のように明るいので直ぐに見つけられるだろう。私はその場を離れまたランダムに跳躍を繰り返しステルスが戻ると自宅へ帰った。

 

 

しばらくして彼女は発見され病院へと搬送されたが身体のダメージは少なく血液もあり得ない勢いで造血されており命の危険は無いという。しかし、絶唱による肉体への多大なショックによる精神的な負荷により目が醒めるまで数日かかるとの事だった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

乱入者の口調がただのチンピラになっている気がします。アニメを観てない人は鎧を纏ったチンピラを頭に浮かばせてしまうかも。そんな事を勢いのまま書き終えて悩んでしまう。

それでは次回もよろしくお願いします。
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