コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス   作:餌屋

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BIRTH13: 黒の 布石

扇とCとの通信中、影の兵団の進行ルートを読んでオオサカが危ないと気づいた俺はすぐに通信を切りスザクへ連絡を取った。

そして今、俺は影日向の機内でスザクと秘密回線で話をしている。

 

「そうか・・・扇は決断したか」

「うん、流石に選択肢は無いだろうって事になってね。今急いで部隊を編成している所さ」

「ゼロはどうするんだ」

「乗艦して扇さんと指揮に当たるよ。状況によれば僕も戦場に出るかも知れないけど・・・」

「ランスロットが無い、か」

「フジサン決戦の時ダモクレス内部で大破した後ブリタニアの資料館に展示する事になってね。動かす事はできない」

「まあたとえ持ち出せても使うのは難しいだろうな」

「マイナスイメージが強すぎるし僕の正体がバレかねない。最悪ウォードを使うよ」

「確か今のブリタニアはウォードのカスタマイズ機をエース用にしていたんだったか?」

「うん、戦後新日本とブリタニア連邦主導で軍縮の動きになってから専用機開発の流れは滞っていてね・・・」

「ロイドが嘆いた姿が目に浮かぶようだ」

「1週間はふさぎ込んでいたよ・・・」

 

その時の光景を想像し思わず笑ってしまう。

影日向がオーバースペックなのはその辺りの鬱憤があったのではないかと思えてきた。

 

「それで、作戦開始はいつになるんだ?」

「各地から集結している部隊の編成と機体の整備に時間がかかりそうでね。パイロットの呼び出しもしていて最低でも1週間はかかるんじゃないかな」

「悠長にしていて良いのか?」

「急いで準備を始めて1週間かかるんだから仕方ないよ。議論がもう少し長引けば更にまずい事になってた。丁度兵団はオオサカ地区、旧オオサカ租界全体に部隊を配置して民間人の追い出しに追われているようだし向こうも戦力がかなり削られたみたいだから立て直しも必要だ。十分猶予はある」

「そうか・・・」

「ねえ、ルルーシュ。カレンから聞いてはいるけど・・・君はこれからどうするつもりだい?」

 

俺が状況を聞き思案にふけっているとスザクが暗い表情で尋ねてきた。

 

「俺があまり世界に関わるのは良くない。そう思っていた。」

 

だから俺は俺の新たな覚悟をハッキリと口にする。

 

「だが蓋を開けてみれば俺が起こした行動の余波が世界を危険にさらして・・・ナナリーを危険にさらした。だから俺は決めた。俺に名前はない。だが俺がルルーシュ・ヴィ・ブリタニアであったという過去がある限り俺は自らの咎を背負い続け、責任を取る為、罪を償う為動き続ける」

「・・・」

「それに俺は所謂シスコンだそうなのでな。ナナリーを危ない目に遭わせた罰を奴らに受けて貰わないと気が済まん」

「ふふっ・・・困ったお兄さんだな。分かった、何かあれば連絡してきてくれ。できる限りの協力はするよ」

「取りあえずスザクはゼロとしてやるべき事を続けていてくれ。裏の仕込みは俺がしておく。ああ、後民間人は必ず作戦前までに危険が及ばないか確認しておいてくれ」

 

その指示にスザクが怪訝な表情を浮かべる。

長い付き合いだ。言葉の裏にある俺の意図に気づいたようだが・・・その顔はなんだスザクよ。

 

「ルルーシュ、まさか・・・」

「念のためだ。切れるカードは多い方が良い」

「はあ・・・本当に止めなくて良いのか?僕・・・」

 

失礼な奴だな。

 

「聞かなかった事にしとくよ・・・それじゃあ」

「ああ」

 

スザクとの通信を終え、俺はまた別の場所に通信をかける事にする。

既に連絡先はスザクから教えて貰った。

 

 

さあ、久しぶりに大きく策を弄するとするか。

本領発揮、といこう。

 

 

***

 

 

南米、農園地帯。

そこに3年前突然開かれ、今は地域住民に親しまれている「J印のオレンジ」を栽培するオレンジ農園があった。

 

作業服に身を包んだ緑髪の男がオレンジを大量に入れた籠を倉庫に入れている。

どうやら一段落ついたようだ。

男は倉庫から出て少し離れた場所で作業をしているピンク髪の少女に声をかけた。

 

「今の仕事が一段落したら休憩にするとしよう!」

「わかった・・・」

 

男は少女にそう言い残すと一人家に戻る。

ダイニングへ行き、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出し一息つく。

ダイニングではラジオが流れていた。

事件発生からほぼずっとナナリー代表拉致事件関連のニュースが報じられている。

そのニュースを聞いて男は顔を悲しげに歪ませた。

 

「ナナリー様・・・」

 

血が出るのではないかと思うくらい拳を握りしめる男。

 

 

その時、電話が鳴った。

 

「はい、J印農園ですが・・・ん?なんだ貴様は・・・っ!まさか!」

 

 

***

 

 

場所は変わってトウキョウ政庁の研究室。

そこではロイド、セシル、ラクシャータの3人が端末を片手に紅蓮聖天八極式の調整を行っていた。

カレンも専属デヴァイサーとして調整に協力していた。

 

「ん~エナジーウイングの調子、良い感じだねぇ~」

「輻射波動機構の調整もバッチシよぉ。セシルどぉ?」

「はい、エナジーウイング、輻射波動機構、各部バランス、全てオールグリーン。エネルギー効率も従来より4%アップしています。完璧ですね」

「良かった・・・ありがとうございました!」

「オッケ~、これで僕たちの仕事おしま~い!」

「ロイドさん!今はそんな呑気な事を言える状況じゃ」

 

その時ロイドの端末に通信が入った。

 

「はぁいもしも~し、おやおやお久しぶりですぅ~元気してましたぁ~?

ああ、もうこっちは大忙しで大変ですよぉ~・・・へぇ・・・」

 

「?」

「ロイドさん?」

「どうしたんだい?」

 

「面白そうですねぇ~詳しい話こっちでしましょうよぉ~。はぁ~い、待ってま~す」

 

三人の反応に答えを返さず通信を切るロイド。

そして突然、ロイドは満面の笑みで彼女たちに向き直った。

 

 

「んふふふ~まだまだ面白い事になりそうだよぉ~?」

 




如何でしたでしょうか。
一体J印のオレンジのJとは誰なのか!!
そしてロイドの満面の笑みの理由とは!!

それでは次回までご期待ください。

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