コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス 作:餌屋
私の目の前に現れたのは、黒色のランスロットだった。
「・・・あなた、誰?」
無駄だと思いながらも聞いてしまう。
すると予想に反し返事が返ってきた。
「僕はレム。そしてこの機体の名は伊邪那岐。あなた方が3年前、フジサンで対峙した物とは別ですよ」
その声は私と同じくらいから少し若いくらいな男の声だった。
「あなたも兵団の戦闘員って訳ね」
「ええ。その中でも僕はC様にお仕えし、C様の望む事を実現する為だけに存在しています」
「そう、それで?今度は何を望んでいるっていうの?」
辺りでは今まさに戦闘が続いているというのに、冷静に会話をする私達。
周りから見れば異質かも知れない。
でも当の私達の間では、相手の出方を見極めようと攻防が始まっていた。
「僕が今回命じられたのは」
その膠着状態が、
「紅蓮と伊邪那岐、どちらが上か。それを示す事です」
崩れた。
「!!」
話し終えると同時にレムと名乗った相手は腰のハーケンを打ち出してきた。
私はそれを難なく躱すがその先を読んだレムは回避した方向へライフルを向けてくる。
「その程度!」
私は銃弾を続けて躱し、相手へ肉薄する。
回し蹴りで右手のライフルを蹴り飛ばし、輻射波動で左手のライフルを爆散させる。
距離を取るレムに小型ミサイルを撃ち出し追撃するが輻射障壁で防がれた。
「なるほど・・・姿形はランスロットだけど中身は全部私達の技術って訳ね」
相手が両肩に装備していた刀を取り出した。
あれは藤堂さんが使っている制動刀を細身にした物だ。
エナジーウイングは恐らく紅蓮のデータを参考に作った物だろう。
「でも、負けるわけにはいかない!」
私は左手に特斬刀を構え、伊邪那岐へ向かっていった。
***
私、藤堂鏡志朗は視界の端で紅月君が伊邪那岐と呼ばれた敵のランスロットと戦っているのを捕らえながら、周りを囲む四機の暁とにらみ合っていた。
伊邪那岐が現れてから少しして、政庁から出てきた暁部隊。
その後に飛び出てきた大型ナイトメアを追おうとしたら、こいつらが私の足止めに回ってきたのだ。
既に何度か小手調べとばかりに切り結んでいるが、こいつらはこれまで我々が対峙した暁とは明らかに別格、エース部隊ともいえる腕前だった。
「貴様ら・・・」
ずっと日本で軍人として、黒の騎士団の一員として戦ってきた私には馴染みがないが、世界には以前から多くの反ブリタニア組織、そしてその戦いに利益も求めて介入する傭兵組織がいるというのは知識として知っていた。
しかし実際相対してみると中々に手強い。
「しかし!私にもプライドという物がある!」
私は制動刀を構え、全速力で目の前の一機に斬りかかる。
不意をつかれた形となった相手はろくに動けず爆散する。
「まずは一機!」
***
俺は高天原ブリッジで指揮に追われていた。
今この艦は敵重量級ナイトメアによるハドロン砲の砲撃に耐えながら部隊を攻撃に向かわせている所だった。
丁度カレンが敵ナイトメアと一騎打ちを始めた頃、政庁から出てきた大型ナイトメア。
いや、もはやナイトギガフォートレス級に近い。
その姿はまるで大蜘蛛の上に人間の上半身が乗っているような異質なものだった。
ブリッジに通信が入る。
『やあ、扇。私のナイトメア、伊邪那美の力はどうだ?』
「C!まさか、あの大型は!」
『私の専用機だよ。技術屋達が持ってきたハドロン砲のデータを見た時、すぐ思いついた・・・む、うるさいハエが来たな』
そう言ってCの操縦するナイトメア、伊邪那美が俺の指示で向かわせた暁部隊に対し誘導ミサイルを発射する。
部隊は散開し、何機かはハンドガンで撃ち落とすなどして対処したがその他は全機撃墜される。
その残った暁に伊邪那美は両手のハドロン砲を向け攻撃する。
たった2分ほどで10機以上いた攻撃部隊が全滅した。
「こうもあっさり・・・」
『ふふふ、ふはははは!何だこの程度か!紅蓮は伊邪那岐、藤堂や他のエース達は我が選抜部隊が押さえている!これは勝負の行方も見えてきたな!』
「くっ・・・」
当初は有利に進んでいたが、主力が出てきた途端このざまだ。
元々、こちらの軍は戦力が少し心許なかった。
騎士団メンバーもそのまま防衛軍に参加した者は半分ほどだったし、エース級は殆どが止めていった。
ブリタニアはラウンズやナイトメア適正の高い皇族がほぼ全員死亡している。
そこに軍縮政策が重なっており、こんな有事が起きるとは誰も思っていないが故の状態だった。
このままだと負ける。
「諦めるな!その程度で諦めるような者に一国の長が務まると思っているのか!扇!」
この声・・・まさか。
「私が道を切り開く!この戦域にいる全ての連合軍所属ナイトメアに告ぐ!その場を絶対動くな!」
その言葉を耳にした次の瞬間、高天原の後方から発射されたプリズム状の何かが戦場へ飛び、そこにビームが照射。辺りにいた敵機を計算されたようになぎ払った。
伊邪那美は大型の輻射障壁でその攻撃を凌いだが、パイロットの心中は穏やかではなかった。
『今の声・・・奴か!!』
「モニターに後方の映像を出せ!」
俺は映し出された映像を見る。
そこにはどことなく蜃気楼に似たナイトメアと、小型浮遊航空艦が映し出されていた。
さあ、遂にあいつが戦場に帰ってきました。
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次回「BIRTH17:ノーディ・ラビット」ご期待ください。