コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス   作:餌屋

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今回とても長文です。
※一部誤植修正しました


BIRTH21: コワレタ 仮面

 

 

オオサカ上空。

前方には悠々と浮かびお供のナイトメアと戦闘を行う黄泉比良坂がいる。

そこには急遽編成された突入部隊が集結していた。

 

先頭にいる藤堂がオープンチャンネルで全員に呼びかける。

 

「お前達!これが最後の決戦だ!必ず敵艦内部に突入しナナリー代表を救い出す!恐れず立ち向かえ!周りを信じろ!」

「「「応!」」」

 

先頭には他にルルーシュ、スザク、カレン。

最大戦力であるこの3人が最深部に到達できれば作戦はほぼ成功する。

 

「全軍・・・」

 

そして最後の作戦が

 

「突撃!」

 

始まる。

 

 

藤堂の号令と共に突入部隊の隊員達が敵艦に向けて飛び出した。

それに呼応するかのように周りで戦闘を続けていた他の仲間達が突入部隊の道を空けるように動いていく。

 

「ナナリー様の為に!今一度!我が魂の猛攻を受けよ!」

 

ジェレミアが残ったミサイルを全弾、道中の邪魔な敵に撃ち、

 

「・・・お前達、邪魔」

 

アーニャが両手のハドロン砲でなぎ払い、

 

 

道が完成する。

 

「行くぞ!」

 

もはや彼らの前に敵はいなかった。

 

 

内部に侵入後も抵抗は受けたが、難なく突破。

他の仲間を艦の制圧と退路の確保に回し、ルルーシュとスザク、カレンは最深部へ急行した。

 

 

*

 

 

遠くで轟音が鳴り響く。

いや、それが段々近くなってきた。

 

「な、なんだ!?」

 

私の側にいたCが目に見えてうろたえている。

それに比べて私は落ち着いていた。

何てことは無い。皆が来てくれた。

 

と、庭園の出入り口が爆風で倒れ、そこから3機のナイトメアが突入してくる。

紅蓮と、それに良く似た白銀の機体、そして黒を纏ったナイトメア。

 

吹き抜ける突風に少し動揺したが、すぐに落ち着きを取り戻した。

 

「ナナリー、無事!?」

「ナナリー代表、ご無事ですか!」

 

カレンさんとゼロ・・・スザクさんの良く知った声が聞こえてきた。

 

「はい!私は無事です!」

「すぐ降りる!」

 

そうしてお二人がナイトメアから飛び降りて私に駆け寄ろうとする。

 

「動くな!」

 

しかし、爆風から立ち直ったCが私に拳銃を突きつけた。

 

「くっ・・・」

「卑怯な真似を・・・」

「ひゃーはっはっは!ここまで辿り着いたことは褒めてやる。しかし残念だったなぁ!」

 

Cは立ち止まり悔しげな顔を見せる2人に下品な嘲笑を浴びせる。

 

「さあ、ネームレス!引きこもっていないでお前も降りてこい!さもなくばこのメスガキの命はねえぞぉ!!」

 

その脅しに応えるように黒いナイトメアは跪いた体勢になり、コクピットから黒髪で顔上半分をオペラ座の怪人が付けているようなマスクで隠した・・・

 

 

 

 

「・・・嘘」

 

 

***

 

 

俺はCの要求通り影日向から降り、両手をあげる。

ふとナナリーに視線をやると俺の顔を見て驚きの顔を浮かべたまま固まっていた。

 

・・・まあ、気づくよな。

 

だが、今はナナリーに説明する時間は無い。

俺は気持ちを切り替え、Cに相対する。

 

「直接では初めましてだな、C」

「ネームレス・・・何度も何度も邪魔をした男・・・貴様がっ!!」

「それはC、貴様が間違った行いをしていると考えたからだ」

 

さあ・・・ここからが本番だ。

 

「間違い?俺のやった事のどこに間違いがある?ルルーシュ様の理想通り、平和という理想にまみれた甘い考えに浸った世界を変え、力による支配を俺が代わりに実現してやろうとしているんだぞ?」

「それは違うだろう。貴様はそんな事で動いちゃいない。いや、正確にはそれ以外の理由が大半を占めている。そうだろう?」

「・・・」

「大体、初めて話をした時扇相手に口走っていたじゃないか。皇帝ルルーシュを葬ったお前達を許さないって。その時から察しはついている。だが分からないんだ」

「・・・何かな?」

 

食いついた。

 

「貴様は悪逆皇帝を打ち倒したここにいるゼロ、そして黒の騎士団達を許せないのだろう。しかし他の仲間、他の協力している組織はどうなんだ?皆が皆ルルーシュの信奉者なのか?私にはそのようには思えないのだが」

「・・・そう思う理由は?」

「力による支配が実現する平和。

 

そうなれば世界から紛争は無くなり傭兵や裏社会の組織にとって生きづらい世の中が出来かねない。信奉者じゃ無い限り、力による平和よりかは争いが絶えない世の中を選ぶはずだ。

それに、ルルーシュは旧貴族達を弾圧している。調べた所裏社会に存在する多くの組織は、密かに貴族達を大口の客として扱っていたという。

 

つまり君の考えではそういった者達の賛同は得られない。一体どうやって言いくるめた?」

 

 

 

 

Cは俺の言葉を最後まで聞き終わったのを合図に、肩を振るわせ何度目かの大きな笑い声を上げた。

 

「っひ、ひひゃははは、はーっはっは!そうさ!お前の言ったとおり!奴らには新日本とブリタニアの二大国家を崩し、そこから全世界に余波を広げ奴らに都合の良い紛争社会を実現させる、そういう名目で呼び寄せたんだよ!」

「・・・騙した、という事か」

「俺の目的を果たすにはどうしても駒が必要だったからなぁ!運良く知り合いは多かったしなあ!馬鹿みたいに信じて金や兵を融通してくれたよ!捨て駒としか見てねえのになあ!!」

「捨て駒、ね」

「ルルーシュ様が如何に素晴らしい考えを持っていたか理解させるのも時間がかかりそうだったし、理解されなきゃ敵に回るだけ・・・なら騙して協力させるのが手っ取り早い!」

「お前の目的が叶った後はどうするつもりだった」

「そりゃあ奴らのリーダー格をぶっ殺して残りを全部頂くさ!ルルーシュ様の後継者は俺だけで良い!いやもはやルルーシュ様を超えるかも知れんなあ!力を振るうのは俺だけで良いのさ!俺が世界を支配するんだよぉ!くはは・・・あーっはっはっは!」

「・・・そうか。なあ」

「あ?なんだ?」

 

そして俺はCに最後の問いを投げかける。

 

 

 

「お前、馬鹿だろ」

 

 

その言葉にCの目つきが怒りに変わる。

 

「おい、誰が俺様にそんな口聞いて良いと言った?」

「何、思ったままを言っただけだ。何故少しはおかしいと思わない?」

「あ?」

「ナナリー代表に銃が突きつけられ、手出しが出来ない状態。いくらこちらの戦力が充実していてもいつまでも戦闘を続けられる訳では無い。大体、こんな話この状況下で普通する事か?」

「お前何を言って」

「お前は馬鹿だ。だからこんな罠にも気づかない。いや・・・気づくわけが無いと思っていたがな」

 

その瞬間、庭園内のディスプレイが突然映像を映し出す。

 

『話は聞かせて貰った。クロウ』

 

そこには3名の男が映っている。

 

「お、お前ら!」

『そうよ、今お前が言っていた『捨て駒』組織の嘘を見破れなかった哀れなジジイ達じゃ』

『てめえ、良くも俺を騙くらかしやがったな!』

『残念ですよ・・・』

「な、なんでお前達が・・・まさか!」

 

動揺しきったCがハッと何かに気づき俺の方を向く。

 

「そうだ、私の仕込みだよ」

 

彼らは影の兵団に協力していた傭兵組織やマフィアなどのリーダーだった。

 

戦線を一旦離脱した際、俺はC.C.に連絡を取り情報を共有。

兵団の協力者で話を聞きそうな相手を選び、コンタクトを取っていた。

俺がスザク達と同時に降りず、しばらくコクピットの中にいたのは最高のタイミングでCと彼らを対面させる為、この部屋のディスプレイにハッキングをかけていたからだった。

 

『突然この白仮面の若造から連絡が来てお主の本性を教えられた時はまさかと思ったが・・・ワシも見る目が無かったということかのう』

『爺さん!そんな事よりこいつを今すぐぶち殺すぞ!』

『待て待て、我々とネームレスの契約を忘れたか。今すぐ戦闘行為を辞め投降する代わりに、クロウと影の兵団の処理を担い、我々の身柄の保証をするという約束だろう』

『・・・ちぃっ!』

 

Cは俺と彼らの間で落ち着き無く視線を行ったり来たりさせている。

 

『というわけじゃ、ネームレスよ。契約通り我々の指揮下の者には投降するよう伝える。お主もきっちり守って貰うぞ』

「分かっていますとも・・・ですが、次何かあれば容赦はしませんよ?」

『ほっほっほ・・・』

 

そうして通信がきれ、静寂が訪れた。

 

「最初から思っていた」

 

俺はCに対して口を開く。

 

「確かにお前は用意周到だ。しっかり計画を経て作戦を成功させた。だが、俺からしてみれば詰めが甘いと言わざるを得ない。想定外の事にも対処しようとしない。お前がやった事はただ当初の予定通りナナリーを連れ去り、オオサカを攻めた。それだけだ。」

「・・・」

「本来お前は滞りなく目的を達成する為なら不確定要素を確実に廃するべきだった。俺の行方を捜そうともしない。連合軍の最大戦力達を先に排除して置こうともしていない」

「・・・しょう」

「C・・・いや、クロウ。お前は自分の信じる者を失ったショックで未来を見失い、歪んだ理想を追い求めようとして狂ってしまった。だから察しが良ければ簡単に気づける罠に引っかかる」

 

実際、今回俺が仕込んだ罠など少し慎重になれば怪しいと思える箇所は沢山あったはずだ。

それが分からなかったのは・・・クロウ自身、既に周りが見えなくなっていたという事に他ならない。

 

「これでお前が被っていた偽りの仮面は外れた。もうこれ以上の争いは無意味だ。銃を下ろせ、投降しろ」

「・・・くしょう」

「何だ・・・?」

「・・・っ!待て!危ない!」

 

スザクが焦って大声を上げる。

しかし。

 

 

 

「ちくしょおおおおおおおお!」

 

絶望の声を上げながら、クロウは容赦なく俺に向けて銃の引き金を引いた。

 

 

***

 

 

「・・・嘘だ」

 

・・・なんだ、何が起こっている。

 

俺は目の前の仮面の男、憎きネームレスに向けて引き金を引いたはずだ。

 

感情のままに動いたせいで全く狙いが当たらず、奴のこめかみ付近をかすっただけはまだ分かる。

 

その時仮面を付けるための紐が千切れて、仮面が外れ地面に落ちたのも分かる。

 

 

だがそこにあった顔は・・・

 

 

見たことが無いはずの憎い顔は・・・

 

 

 

 

「・・・嘘だ・・・嘘だ」

 

いや、本当は分かっている。

 

見間違えるはずが無い。

 

どれだけテレビや写真でお姿を目に焼き付けていたか。

 

 

 

 

 

「嘘だああああああああああああああああああああああ!!!」

 

そこにあったのは、あれだけ慕っていたはずのルルーシュ陛下の顔だった。

 




如何でしたでしょうか。
まさかの4000文字突破。
色々と混乱しているクロウの事については今後のお話で詳しく。

それでは次回「BIRTH22:終演の ナミダ」ご期待ください。
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