コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス   作:餌屋

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BIRTH24: C. S.

 

ブリタニア連邦・・・久しぶりにこの地へ俺は帰ってきた。

 

懐かしい想いに浸りながら空港の通路を歩いていると、前方にスーツに身を包み眼鏡をかけたC.C.の姿を見つけた。

 

「ふっ。お疲れ様、だな」

「C.C.も良くやってくれた。お前がいなきゃ俺達は今こうしていない」

「だな・・・さ、まずはホテルに向かうぞ」

「約束の時間は?」

「なるべく怪しまれずに人払いをする必要があってな。夜11時にブリタニア本庁だ」

 

 

 

 

時間は瞬く間に過ぎていき、夜11時。

 

夕食を簡単に済ませ、俺とC.C.は裏口から本庁に入っていく。

入り口の警備員は、ジノが上手く話を通しておいてくれたらしい。

・・・ブリタニア連邦政府でも最上級の地位を持つジノに言われれば万が一怪しいと思っても逆らうことは出来ないだろう。

 

とにかく俺とC.C.は何の障害も無く、最上階の執務室に到着した。

 

俺は、いつかの如く緊張を覚えながら目の前の重厚な扉を開く。

 

そこで待っていたのは・・・

 

「お久しぶりです・・・お兄様」

 

俺の最愛の妹、ナナリーだった。

 

 

 

 

「ああ・・・久しぶりだな、ナナリー」

 

私は最愛の兄が入ってくるのをブリタニアに戻ってきてからずっとここで待っていた。

 

「元気そうで何よりだ・・・もう仕事に復帰したんだな」

「ええ・・・元々怪我は全くありませんでしたし、やらなければならない事が山のようにありましたから・・・」

 

ぎこちない会話。

お互いに相手の様子をうかがいながら喋るため、中々話は弾まない。

私は意を決してお兄様に更に声をかける。

 

「あの!」

「そのだな!」

 

・・・

 

全く同時に話しかけた私達。

しばらく呆然とお互い顔を見合わせ、どちらからとなく私達は思わずぶっと吹き出してしまった。

 

「ふっ、あっはははは」

「ふふ、うふふふ・・・」

 

私は笑いながらも涙を溢れさせながら話を続ける。

 

「本当に・・・お久しぶりです・・・!」

「ああ・・・色々すまなかった」

 

私は車椅子を動かし、お兄様はゆっくり私に近づき、果たしていつぶりか私達は抱擁し合う。

 

「全部、C.C.さんから聞きました・・・お辛かったでしょう・・・」

「いや、お前に味合わせた苦しみに比べれば・・・」

「そんな事・・・」

「・・・もっと、早く気づけば良かった。分かり合うこと、話し合うこと、相手を理解すること・・・」

「・・・駄目ですよ、お兄様。それはたらればの話・・・私は今こうしてお兄様にまたお会いできた事がとても幸せなのです・・・」

 

離れた所からC.C.さんに優しい笑顔で見守られながら、私達はしばらく抱き合っていた。

 

 

 

 

そして。

 

「お、お恥ずかしい所をお見せしました・・・」

「いや、こちらこそ・・・」

 

しばらく経って我に返った俺達はお互いに照れ合う事になった。

コントの如く流れるような展開だった。

 

「全く・・・2人ともいつまで恥ずかしがっているんだ?」

 

C.C.が呆れた様子で俺達を更に引き戻す。

 

「そ、そうでした!お兄様にお話したい事が・・・」

「俺に?」

「実は、これからの事についてなのです」

「・・・もしや軍縮政策の事か?」

「ええ。実は今回の事を受けて各国から軍縮政策は考え直した方が良いのでは無いかという意見が次々と出ていまして」

「なるほど、今回の二の舞にはなりたくないと」

「・・・私は、軍縮は間違いではないと思います。勿論治安維持の観点では必要な武力かも知れませんが、過ぎた武力は必ず戦争の発生を手助けします。ですが、私は甘かったのではと」

「難しい問題だな・・・戦争を無くしたい理不尽な武力を否定したい、が為に武力を持つしかない。世界がずっと直面している問題だ」

 

この時俺は、ナナリーは俺にアドバイスや意見を求めてくるのだろうと一瞬考えた。

しかし、そんな事はありえ無い。

 

「ですから、一つ考えたのです。世界全体で武力を一つに集めようと」

「それは・・・」

「はい、旧超合衆国における黒の騎士団の立ち位置とほぼ同じです。一つの軍を世界各国が合同で運営し、有事の際の力とする。世界が一つとなり国際連合を組むのです」

 

ナナリーはずっと前から一人で歩ける位に成長した。

勿論不安もあるだろう。

だが一人で考える事を放棄したりはしない。

 

「しかし、それは一歩間違えば独裁を生むぞ」

 

そう、世界を一つにするとは容易な事ではない。

平和的に行こうとすれば必ず離反する国が出てくる。

それを止めるには・・・過ぎた武力を使うしかない。

 

「ええ、ですがそうはさせません。根気よく、平和を求め続けます」

「・・・本当立派になったものだ」

 

ナナリーなら心配ない。

 

優秀な仲間が側で支えている。

自身もとても立派で強い。

 

これなら、大丈夫だ。

 

「・・・頑張れ」

「ええ!」

 

 

 

 

それからしばらくナナリーと久し振りの雑談をしていた。

 

その最中、突然ナナリーが暗くなりうつむき黙ってしまった。

 

「ん?どうした?な、何か機嫌を損ねてしまったか?」

「・・・お兄様は、これから自分の名前を捨て名無しとして生きていく。そう仰っていたそうですね?」

「っ!・・・ああ、そうだ」

 

・・・遂にその話が来てしまったか。

 

「・・・失礼を承知で言わせていただきますが、それは間違いだと思います」

「・・・」

「お兄様のことです。既にお分かりかと思いますけれども・・・改めて言わせてください」

「・・・ああ」

 

名前を捨てるというのは自分の責任から逃れること・・・

そんな事は認められない。

 

そのようにナナリーからも言われる。そう思った。

 

「私はあなたの妹です」

 

・・・は?

 

「いや、それは当然のことで」

「いえ、お兄様は分かっていらっしゃいません」

 

訳が分からない。

一体何が分かっていないというのか。

混乱する俺にナナリーは優しく、だが真剣に言葉を続ける。

 

「お兄様が並ならぬ想いで名前を捨てる決意をされたのは分かります。ですが、名前を捨てるということは私達が兄妹であった事を捨てる・・・という事になりませんか?」

「・・・っ!」

「私は嫌です。いくらお兄様が悪逆皇帝として世に名が刻まれようと、いくらお兄様が不老不死の身体になったとしても、いくらお兄様がご自分の存在を疎ましく思われても・・・それでも私はお兄様の妹であり続けたいのです」

「・・・」

「お願いです・・・どうか、私の最愛の、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを捨てないでください」

 

言葉が、なかった。

こんな俺の事をここまで想っていてくれていたとは・・・

 

いや、気づこうとしなかっただけだ。

 

スザクも、カレンも、ロイドも、セシルも、ラクシャータも、扇も、ジェレミアも、アーニャも、他の元仲間達も・・・

 

俺を信じてくれて、俺に協力してくれた・・・

 

 

「全く・・・どいつもこいつも、簡単に言う・・・」

「お兄様・・・」

 

ナナリーが俺のつぶやきに何を思ったか、更に顔を暗くする。

 

「残念だがナナリー、俺はもうネームレスという新しい名前で世界に姿を見せた。いくら仮面を被った姿だとしても・・・今の俺は、ネームレスという存在だ」

「ええ・・・そうですね」

「・・・だが」

「え・・・?」

「だが、俺を信じてくれる者の前だけ位ルルーシュとしていなければ・・・折角の想いに応えることなんて出来ない、よな?」

 

俺は少しぎこちなくだが、ナナリーに微笑みを返す。

その言葉にナナリーは、うれしさに顔を綻ばせて大きく頷いた。

 

「ルルーシュ、そろそろ警備との約束時間が経つ」

「・・・分かった」

 

そして俺は改めてナナリーを柔らかく抱きしめる。

 

「よっぽどの事が無い限り、中々会うことは出来ないだろう。ナナリーには仕事もあるしな。だが、いつかまた」

「・・・ええ、あの時のようにまた折り鶴を一緒に作りましょう」

「ああ・・・必ず」

 

俺は名残惜しさを心の奥へ押し込むと、ナナリーから離れC.C.と共に本庁を後にした。

 

 

 

その後、ロイドから連絡が来るまで俺とC.C.は姿を隠し生活していた。

 

 

 

連絡があったのは一週間後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広がる草原地帯。

 

そこを馬車が藁山を乗せて丘を登ろうとしている。

荷台の上には緑の髪の女が寝そべっている。

 

穏やかな日差しが彼らを刺す。

心なしか彼らを祝福してくれているような雰囲気を醸し出す。

 

 

 

 

 

しばらく馬車を進めていくと、丘の向こうに人がいた。

 

彼らのために調整を終えた影日向を持ってきたスザク、ロイド。

 

 

そして彼らに手を振る、孤独を生きてきた青年を愛していると、側にいると宣言したカレン。

 

 

 

 

 

「お~い!」

 

そんなカレンの声に青年は微笑みを浮かべると頭上から楽しそうな声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「ギアスという名の王の力は、人を孤独にする・・・

 

少しだけ違っていたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なあ、ルルーシュ。」

 

 

「ふっ・・・」

 

 

 

 

 

ああ・・・

 

 

 

 

 

俺は、独りじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コードギアス 反逆のルルーシュLast Episode ~ 贖罪のネームレス

 

 

 

 

 

and

 

 

Continued Story...

 




以上で本作「コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス」は完結となります。

これからもルルーシュ達の物語は続いていきますが、それは皆さんのご想像次第・・・という事で。
ラストの流れはどうしてもやりたかった。
ちなみに文中に出てきた国際連合は現実世界の物より、良くガン◯ム作品で出てくる地球連邦に近い物を想像して頂ければ分かりやすいと思います。
・・・ナナリー達なら多分大丈夫です。きっと。



最後に、この場をお借りして謝辞を。

拙い文章、あやふやな設定、無理矢理な展開・・・
反省点をあげていったらキリがないでしょう。
処女作という事で何度も躓き、何度も挫けそうになりましたが、こうして完結させる事が出来たのは皆様のおかげです。

また日刊ランキングにも入る事が叶いました。
感想を書いてくださった方々、評価を付けてくださった方々・・・そして何よりこれまで閲覧して頂いた多くの皆様に最大級の感謝を。


今後についてはまた活動報告などでお伝えしていきます。
次回作も確定していますので。
それでは、またどこかでお会いできることを願って・・・

約4ヶ月、本当にありがとうございました!


餌屋
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