コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス   作:餌屋

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※2015/08/26加筆修正


BIRTH01: 魔神が 蘇る 日

 

ゼロ・レクイエム。

 

それが完遂されたのを俺は自らの胸に起こった激痛で理解した。

 

俺はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。第99代ブリタニア皇帝として世界を支配し、突如『正義の味方』英雄ゼロによって殺された悪逆皇帝。

しかしそれは全て計画。

世界の悪意を全て自分が担い、その自分が死ぬことによって世界を平和へ歩めるようにする。

 

それが、ゼロ・レクイエム。

 

それが今、完遂された。

 

俺は朦朧とする意識の中、自分を刺した仮面の男に最後の言葉(ギアス)をかけ崩れ落ち、最愛の妹の元へ滑り落ちた。

大量の血が流れている。俺は助からない。

 

目の前には驚愕に目を開くナナリーの姿。

 

大粒の涙を流し自分にかけられるは『愛してる』の言葉。

 

その言葉で心が落ち着いていく。

 

 

 

ああ、俺は、

 

世界を、壊し、

 

 

世界を、創る・・・

 

 

 

そして俺の意識は闇に落ちた。

 

 

***

 

 

「・・・ん?・・・はっ!」

 

目を覚ますとそこは豪華な寝室だった。

辺りを見渡しても誰もいない。

 

「まさか・・・死ねなかったのか?」

 

俺は自ら計画したゼロ・レクイエムによって命を落としたはずだ。

そうでなくてはならない。

 

しかし今自分はこうして生きている。

 

「ふふ・・・ふはははは・・・」

 

自然と力のない笑い声が零れる。

 

「一体何のために俺は・・・」

 

世界を騙し、そして自らの命をもって次へと託したはずが・・・

しかし落ち込んでばかりはいられない。

まずは状況を確かめる必要がある。

 

そう思っていると、部屋のドアが開かれた。

 

「お、ようやく目を覚ましたか」

 

現れたのは魔女であり共犯者C.C.と自分を殺したはずの仮面の男、ゼロだった。

 

「お前たち・・・!?」

 

驚きを隠せない。

それも当然だ。

この二人はゼロ・レクイエムの協力者。その二人がここにいる・・・そして今のC.C.の言葉・・・

 

「何故俺は生きている?俺はあの時死んだはずだ。いや待て・・・まさかお前は知っていたのか?俺が生き返ることを!」

 

その言葉にC.C.は呆れ笑いのような表情を浮かべる。

 

「相も変わらず頭の回転は早いな。確証があった訳じゃない。だがあの後・・・Cの世界から戻ってきてからお前の気、お前のギアスが徐々に変質していってる事には気づいていた」

 

「何?」

 

「おそらくお前はシャルルからコードを受け継いでいたんだ。知らない間に」

 

「俺が奴からコードを?一体どういう事だ?」

 

「ルルーシュ。お前はあの時、ギアスが完全覚醒し嘗てのシャルルと同じ存在となった。そして他人のコードを奪うことができるのは完全覚醒した者のみ」

 

「だがコードが受け継がれる方法は多彩だ。お前は無意識の内にシャルルからコードを奪っていたのだろう。その為通常では考えられないイレギュラーが起こり、コードを受け継いだ後もギアスがしばらく使えていたんだ・・・と思う」

 

「思う?」

 

「そう睨むな。はっきり言ってここまでは私の都合のいい推論に過ぎない。私にも訳が分からないんだ」

 

俺は頭を抱えたくなった。

C.C.は嘘なんて一つも付いていないと分かる。

だからこそ頭が痛い。こんなイレギュラー誰が予想していたか。

 

「結局真相は分からないか・・・まあいい、それであれから何年になるんだ」

 

「2日後にはちょうど3年になるな」

 

「3年だと・・・そうか、3年か」

 

それだけ長い時間眠っていたことに驚きを隠せない。

全く、イレギュラーにも程がある。

 

と今度はゼロの方に視線を移す。

 

「それで?お前も知っていたのかスザク」

 

俺の言葉にゼロはその仮面を取る。

その正体は俺の唯一無二の親友、枢木スザクだった。

元々は俺がゼロの正体だったが、ゼロ・レクイエムの為その仮面とその存在理由をスザクに託したのだ。

 

「C.C.から話は聞いてはいた。だけどこうして君と再び会うまで完全に信じることが出来なかった。でも・・・どんどん傷が治っていくのを目の当たりにすると・・・流石にね」

 

「そうか・・・」

 

「でも折角生き返ったルルーシュには悪いけど僕は君に死んで欲しかったと思っている」

 

「え・・・」

 

不意に放たれた言葉に俺は驚き顔を上げる。

予想していなかったわけじゃ無い。俺はこれまで多くの罪を犯し、スザクに対しても恨まれるような事を犯してしまった。

 

しかし顔をあげた俺の前には目に涙を浮かべた親友の姿があった。

 

「勿論ユフィの仇だとかそういうものじゃない。だって・・・死にたくても死ねないというのは、死ぬよりも壮絶な罰だから・・・君がそんな業を背負ってしまったことが・・・僕はっ・・・」

 

そうか。スザクは俺のせいで簡単には死ねないようになっている。

俺は改めてスザクの内心を理解できた気がした。

 

だからこそ正さなければならない。

 

「・・・違うな。間違っているぞ、スザク」

 

「え?」

 

「俺は数えきれない罪を犯した。必要だったものもあったし、必要のなかった罪もあった」

 

「確かに当初の目的とは違う。だが今なら思える。これは当然の報いだ」

 

「ルルーシュ、君は・・・」

 

「スザク。俺はもうルルーシュではない。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアはあの時死んだ。俺に名前はない」

 

そう。たとえ思惑が通り世界が変わったとしても多くの人間の人生を狂わせた俺には相応しい罰だ。

スザクは呆然と、しかしどこか面白いような顔を見せる。

 

さて、話している内に俺の中でも整理はついた。

 

「俺はすぐにここを発つ。俺がいれば争いの種になるだけだ」

 

その言葉にスザクは顔を驚きに変える。

 

「どうした?」

 

「くくっ・・・だから言っただろう。坊やはこういう男だと」

 

「いや、まさかここまで行動を言い当てるとは・・・恐れ入ったよ、C.C.」

 

「なんだ?何の話をしている?」

 

一人困惑する俺を差し置いてC.C.とスザクは部屋を出ようとしだす。

 

「お、おい?」

 

「ついてこい坊や。今の時間なら人目を気にせず政庁を歩ける」

 

「C.C.の頼みでね。君のために用意していたものがあるんだ」

 




※加筆修正を行った為後書きを変更しました

初めまして、餌屋と申します。
今作が初投稿となります。どうぞよろしくお願いします。

さて如何でしたでしょうか?
生き返ったルルーシュ。彼の今後は一体?C.C.達が用意していた物とは?

次回「BIRTH02: 再会 と 謝罪 と」。ご期待ください。
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