コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス 作:餌屋
それから、ひとしきり自分の現状、俺のギアスの事について、そして今の世界情勢を聞き終えた俺はC.C.の用意した食事を取りながらロイドたちが何やら作業をするのを眺めていた。
「そういえば、俺に用意していた物とはなんなんだスザク」
「ああ、今ロイドさんたちが準備しているものがそうだよ。といっても薄々感づいているだろうけど」
確かに見当はついている。というかつかなければおかしいくらいだ。
この部屋には大量のKMF、ナイトメアフレームがある。
なら必然的に用紙していたものとはKMFの事だろう。
しかし何故・・・
「何故俺にナイトメアを用意していたんだ?」
「C.C.がね、『坊やが目を覚ませば贖罪だーとかいって旅に出ようとするだろうからその時のために専用の脚を用意してやりたいって」
「C.C.が・・・」
なるほど、だからスザクが驚いていた訳か。
というかC.C.よ、何故そこまで読むことが出来た。
何か妙に悔しい・・・
「別に坊やが目覚めなかったら私が貰っていたんだがな」
「その言葉で色々台無しになったぞ!」
全くこの魔女は初めて会ったときからこんな調子だ。
「お待たせしましたぁ~」
そんな事をしている間にロイド達がKMFを運んできた。
「これが君の為に用意した専用KMF、『影日向』だ」
「これが・・・」
そこにあったのはどことなく蜃気楼に似てはいるが大きさはガウェイン並かそれ以上のナイトメアだった。
「見てわかると思うけど蜃気楼のデータを元にしてるわぁ」
ラクシャータがファイルを俺に手渡してくる。
見たところこのナイトメアの仕様書のようだ・・・おいちょっと待て。
このスペックは・・・
「コンセプトとしてはガウェインと蜃気楼のイイトコ取りって感じよぉ。通信機能と回収したドルイドシステムの性能を上げたおかげで足をつけずにインターネット接続が出来るようになったし、大体の事は出来るわぁ」
とラクシャータは何でも無いことのように言っているがこの性能ならハッキングも楽に可能だぞ・・・何故ゼロや皇帝時代にこれが無かったのかと思ってしまう位には。
「フォートレス形態への変形機構と蜃気楼専用フロートシステムにエナジーウイングの技術を応用した改良型によって陸海空全てで移動する事を可能にしています。
またドルイドシステムを利用した絶対守護領域は勿論、我々最新技術である光学迷彩機能を搭載させました。発動中は目視する事は出来ずに移動する事が可能になります。」
そう、なんといってもこの光学迷彩という技術が凄まじい。
これが軍事面で実用化されれば非常に驚異となるだろう。
今の情勢的にはあり得ないがもし他国と戦争状態に突入すれば敵地偵察など使い道はいくらでも思いつく。
「そして武装は相転移砲とハドロンショットですねぇ~。ただこれだけの性能を発揮するにはいくら効率化してもかなりのエナジーを必要としたので必然的にフィラーは巨大化して大きさもこぉ~んなにでかくなっちゃいましたぁ~。でも大きさの分居住性は蜃気楼以上になったと思いますよぉ~?」
「連続稼働時間は?エナジーが少なくなったらどうする?」
「通常の移動だけだと約3日間、フルスペックで稼働すれば1日持てば良い方ですねぇ~」
「補給に関してはどこか拠点を用意して頂ければ必要な設備を送らせて頂きます。」
「まさか一生宿無しなんてするつもりないだろうねぇ?」
すまん、ラクシャータ。
図星だ。
「如何ですかぁ~?僕たち頑張ったんですよぉ~。」
・・・
頑張りすぎだ!!
ハッキリ言おう、今の俺に何てモノを用意しているんだこのマッドサイエンティスト達は!!
どれも明らかに規格外すぎる性能、量産化するにはほど遠いワンオフ物。
この要塞級のナイトメアなら小国くらい簡単に落とせるぞ!!
しないけども!
忘れていた。こいつらは常にナイトメア技術において世界平均の遙か先を作り出すんだ。
始めてランスロットを見た時、勿論スザクの操縦センスもあるが化け物かと思うくらいだったしな。
俺は明らかな震え声でロイドに感想を伝える。
「・・・ハハ、すごいな」
いかん棒読みになっていないかが心配だ。
「あんたに借り作りっぱなしじゃ目覚め悪いからねぇ」
「借り・・・?」
「世界を変えてくれた借りよぉ」
「・・・そうか、ありがたく受け取ろう」
そう言って俺とラクシャータは顔を合わせ笑みを交わす。
早速起動準備を始めた。
影日向はまるで長年乗っているかのような違和感の無さをもたらしてくれる。調整は完璧のようだ。
「もう、いくんだね」
スザクが寂しげに話しかけてくる。
「ああ、善は急げともいうだろう?動くのは早い方が良い」
「ぷっ・・・それはちょっと意味が違うんじゃないかな」
「む・・・」
良かった。どうせなら笑って見送って貰いたい。
それくらいの我が儘は許して欲しいものだ。
「さてルルーシュよ、最後に聞きたい。さっきお前は名前を捨てると言ってたな?」
C.C.が至って真剣な顔で聞いてきた。
「ああ」
そう。俺は名前を捨て世捨て人として生きていく。その覚悟は既についた。
「ならこれからお前はなんと名乗るんだ?まさかゼロを名乗るわけではあるまい」
「当たり前だ。・・・そうだな、名前が無いのだから適当に『ネームレス』で良いんじゃないか?」
「なんだそのまんまではないか。もっと気の利いた名前はないのか?」
「別に良いだろう。それともなんだ?L.L.とでも名乗れば良いのか?」
「・・・違和感がありすぎるな」
「だろう?」
昔のような冗談を交わしていると自然と場に笑いが生まれた。
うん、やはり悪くない。
「じゃあ、一旦さようならだ。とはいえ拠点の事もあるしまた連絡する。世話になるな・・・」
「気にするな、またな坊や」
「それじゃあお気をつけてぇ~」
「達者でねぇ」
「お元気で・・・」
「またどこかで。親友」
ああ・・・ありがとう。
そうして俺は影日向を駆り政庁から飛び去ったのだった。
※加筆修正を行った為後書きを変更
以上第3話でした。
次回はあの原作キャラが登場します。
それでは「BIRTH04: ソレゾレの 後悔」、ご期待ください。
<追記>オリジナル機体「影日向」の機体設定を活動報告にて公開しています。気になる!という方はそちらも是非。