コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス   作:餌屋

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※2015/08/29加筆修正


BIRTH05: 出会う 二人

コンコン

 

扉をノックする。自由に出入りしていいと言われているが最低限の常識は私にだってあるし。

 

「入ってくれ」

 

そう中から返事が返ってきたのを確認し、扉を開く。

 

「扇さん・・・久しぶり」

 

「ああ、カレン。ちょうど1年ぶりだな」

 

扇要さん・・・私のお兄ちゃんの親友でずっと一緒だった。黒の騎士団に参加していた間も。

 

「・・・酷い顔ね」

 

「・・・お互いな」

 

やっぱり。私の顔も相当酷いものらしい。

 

 

***

 

 

その後私と扇さんは、扇さんが入れてくれたお茶を片手にソファーで世間話に興じていた。

 

 

 

しばらくして、扇さんがおもむろに話し始めた。

 

 

「しかしなんだ。ここでこうして毎年話すのも3回目か・・・」

 

「私とお喋りするためにわざわざ時間空けてくれてありがとね」

 

「何、古い仲なんだ。たまにはゆっくり良いだろう」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 

しばらく私たちの間に沈黙が訪れる。

扇さんが何を考えているか、分かるような気がした。

・・・多分私も同じ事を考えているから。

 

 

「・・・もう3年か」

 

「そうね」

 

「早かったな・・・」

 

「・・・そうね」

 

「・・・」

 

「扇さん・・・」

 

「・・・俺はな、カレン」

 

扇さんは顔を・・・苦しげに歪ませながら話し出す。

 

「この3年間ずっと悩んできた。あの日、『今の』ゼロにルルーシュの真意を教えてもらった時、今までの自分を後悔した。そして『彼が望んだ世界を必ず守り抜く』。そう誓った」

 

私は口を挟まない。

この人のこんなにも苦しげな表情を見たのは生まれて初めてかもしれない。

そう考えると挟んではいけない気がした。

今は最後まで話を聞くべきだ、そう思えた。

 

「だがな、やっぱり思うんだ。俺にそんな資格があるのかって。彼に恨まれているだろう俺が、そんな都合の良い事続けて良い道理なんてないんじゃないかって・・・そう思うんだ」

 

「扇さん・・・」

 

「やっぱり俺は近いうちに、首相を降りた方が良いって思ってる」

 

「なっ・・・!」

 

「その方が良い。元々柄じゃなかったし、彼も望んでいないだろう」

 

「・・・本気でそう思っているの?」

 

「・・・ああ。後任も探し始めた所だ」

 

ああ・・・駄目だ、我慢できる訳がない。

 

「・・・ばっかじゃないの!?」

 

「カレン・・・」

 

私は怒りのままに立ち上がる。

 

「あんた本当にルルーシュが恨んでいるとでも思ってるの!?だとしたら扇さん、あんたは大馬鹿よ!!」

 

「だがカレン・・・」

 

「あいつはね!皆から見放されて殺されそうな時でも、嘘をついて私を生かそうとするそんな奴よ!?」

 

「・・・」

 

「本当に憎んでいるならあの決戦の時か終わった後すぐに殺されてる!なんで『何故生かされたか』考えないの!?」

 

目から涙が溢れ出てくる。

でも構うもんか。

だって今扇さんに伝えなきゃ、あいつのやった事が無駄になる、そんな気がしたから。

 

「ルルーシュは言ってたわ。『確かに扇は戦略家向きではない。だがそれ以上に部下から慕われ、支えられる『優しい』心を持っている。それは俺には無い一つのカリスマ性だ。そしてそれはリーダーに重要な素質だ。』って」

 

「彼がそんな事を・・・?」

 

「それにね、万が一恨まれるなら私の方がよっぽど恨まれるような事をしたわ・・・絶対に許されない裏切りを・・・」

 

「カレン・・・」

 

「何でもない・・・ごめん。言い過ぎた」

 

「・・・いや俺の方こそすまなかった。考え直すよ。ちゃんと」

 

「うん・・・」

 

 

沈黙

 

 

ピーッ

 

 

と、気まずい空気を内線の音が断ち切った。

 

扇さんは内心ホッとした様子で急いで内線を取りに行く。

私もこの雰囲気が続くのは本意ではなかったから丁度良かった。

 

「扇だ」

 

『首相、そろそろ空港に出発のお時間です』

 

「分かった、すぐ用意する」

 

扇さんは内線を切ると、急いで荷物をまとめ始めた。

 

「すまないなカレン。今からナナリー代表を迎えに行かないと」

 

「そっか、今日の式典はナナリーも来るんだったね」

 

「ああ・・・気が引けるが彼女の希望、いや決意でもあるからな」

 

「そうね・・・さて、私も帰るね」

 

「今年も式典前のパレードは・・・」

 

「見に行くよ。前も言ったでしょ?見届けなきゃいけない気がするんだ。」

 

「・・・無理はするなよ」

 

そう言って扇さんは足早に部屋を出ていった。

 

「さて・・・私も行くとするかな」

 

 

***

 

 

あれから少しして、私は記念祭に沸くトウキョウの町中を歩いていた。

辺りは屋台なども出ていてその名の通りお祭りムードだ。

・・・その全てがルルーシュが死んだことを祝うもの。

 

「こんな光景ルルーシュが見たら何て思うかな・・・」

 

怒るかな。

意外としょげたりして。あいつメンタル面は弱目だし。

 

そんな事を考えると前から来た人と肩が思いきりぶつかってしまう。

 

「いたっ」

 

「いっつ・・・あぁ、ごめん大丈夫!?」

 

「いや・・・こちらこそすまない。前をしっかり見ていなかったか・・・ら・・・」

 

「私の方こそ考え事していてホントごめ・・・ん・・・」

 

私はぶつかった相手の顔を見た瞬間、驚きのあまり声を失う。

相手の方も驚いているのか私をずっと見つめている。

 

しばらくしてやっとの思いでお互い言葉を吐き出す。

 

 

 

 

 

「カレン・・・?」

「ルルーシュ・・・!?」

 




※加筆修正により後書きを変更

ルルーシュこんな所で何やってんだよ。
そう思うのも無理は無いと思います。
そんな次回はルルーシュ視点をお届け。

それでは次回「BIRTH06: 再会する 二人」をご期待ください。
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