コードギアス 反逆のルルーシュL.E.~贖罪のネームレス 作:餌屋
時はルルーシュ政庁出発直後まで遡る
***
俺は影日向で政庁を出発後、トウキョウ地区の手頃な森林エリアに一度機体を下ろした。
「さて・・・出発したは良いもののこれからどうするか・・・」
今後の予定を考える。
初めに宣言した通り世界を見て回るのも悪くないだろう。
しかしまだ目覚めて数時間しか経っていない状態の俺は知らないことが多い。
基本的な世界情勢をスザクから教えては貰ったが十分とはいえない。
それに・・・この日本には少なからず愛着はある。
「よし、まずは新日本を見て回るとするか・・・」
俺は影日向のコンソールを展開しネット通信を開始、インターネットで情報収集を開始する。
というのも今はまだ午前4時、日も昇っていない。
今外を活動しても何もする事がない俺はとにかく空白の3年分の知識を得ようと考えたのだ。
C.C.達から聞いた知識だけではやはり足りない。
自ら調べ、自ら知ろうとする。これが大事なのだ。
「・・・本当良くこんな代物を俺に用意したな」
改めてこの影日向の性能には目を疑うものがある。
・・・あいつら本当に分かってやっているのだろうか?
そんな事を考えつつ調べを進めていると、『明後日は世界解放記念日!』という特集記事が目に入った。
どうやらゼロ・レクイエムの日が全世界共通の休日となり、各地で悪逆皇帝ルルーシュが死んで世界が自由になった事を祝う記念祭が開かれるようだ。
「・・・」
複雑だ。
覚悟はしていたがやはり憎しみという重荷は中々辛い物がある。
もやもやとした気持ちを抱えながら記事を読み進めていくと気になる一文を見つけた。
「何・・・『新日本旧シンジュクゲットー特設会場にて記念式典開催。今年もナナリー代表来日予定』だと」
ナナリーが民主化したブリタニア連邦の代表になった事は聞いていたが、日本に来るだと・・・
しかもこの文面だと毎年の記念式典に来ているようだ。
まあ、何かナナリーにも思う所があるのだろう。
「ナナリー・・・」
無性に最愛の妹であるナナリーに会いたくなる自分がいる。
しかしもはや俺には会うことは許されない。
「まあ一目見るくらいは良いか・・・元々街は見て回るつもりだし」
芯が全く通っていない事を情けなく思う気持ちを色んな言い訳でごまかしつつ、俺は行動を開始した。
***
2日後。
めでたく世界解放記念祭がここ新日本トウキョウ地区でもスタートした。
俺は祭りに沸く街中を歩き回りながら、人々から真の笑顔が溢れているのを感じていた。
その笑顔が自分が死んだことを喜ぶ笑顔というのが本当に複雑ではあるが。
いや理屈では分かっているんだ。
理屈では・・・な。
さて今俺はキャップにサングラスをかけて最低限怪しまれない程度の変装をしている。
万が一バレてしまっては大変な騒ぎになることは目に見えているからな。
変装道具は記念祭当日までに適当に購入しておいた物を使用している。
ヒヤヒヤ物だったが何とかバレずに済んだ。
ちなみにギアスは使っていない。
というか使えない。
コードを持つ者はギアスの能力を失うとC.C.から教えて貰った。
屋台のジュースを片手に街を散策していると一際大きい街頭ビジョンが見えてきた。
街頭ビジョンでは空港からの中継でナナリーが到着するのを今か今かと待ち続けている。
アナウンサーが新日本首相の扇がまもなく空港に到着するという知らせを伝えている。
それを眺めながら歩いていると前から歩いてきた女性と肩がぶつかってしまった。
「いたっ」
「いっつ・・・あぁ、ごめん大丈夫!?」
「いや・・・こちらこそすまない。前をしっかり見ていなかったか・・・ら・・・」
「私の方こそ考え事していてホントごめ・・・ん・・・」
俺はぶつかった相手の顔を見る・・・と見覚えのある顔で思わず声を失ってしまう。
すぐにしまったと思ったが相手の様子を見る限りもう遅い。
しばらくしてやっとの思いでお互い言葉を吐き出す。
「カレン・・・?」
「ルルーシュ・・・!?」
※加筆修正により後書きを変更
如何でしたでしょうか。
今作のルルーシュはギアスを失っています。
ギアス無しのルルーシュですが特に問題はないんじゃないかって思ったりします。
それでは次回、「BIRTH07: 動き出す 異変」ご期待ください。