ねぇマナ・・・。僕はマナに言われた通り歩き続けたよ。あのね、マナが少し壊れてたことは気づいてたんだ。でもマナは僕に名前をくれたからそんなこと気にしなかった。マナが父さんの兄弟だっていうことも知ってた。父さんと僕を重ねて見ていたことも。全部知ってた。
でも、何も言えなかった。だって―――――
「ハァハァッアレン!!起きるさ!!」
ラビは今目の前に起こっていることが信じられなかった。ノアとなったアレンが何かを唱えて自分自身にクラウン・クラウンを刺したのだ。退魔の力を持つクラウン・クラウンはノアとなったアレンにだって効いてしまう。アレンはすぐに苦しみだしその場に倒れた。
「アレン君!!どうしてっ!!」
リナリ―が悲痛な声で言う。他のエクソシスト達も同じ想いだった。アレンの体からは光の粒が出始めていた。すると千年伯爵やノアたちが苦しみだした。
「全てのノアからメモリーを消しています。ロード達も普通の人間に戻るはずです・・・。」
「どうやってっ?!ネアのにそんな力はなかったっ!!」
苦しみながらロードが言った。そういくら破壊のメモリーを持っていたとしても、全てのノアの力を壊せない事をロードや伯爵は知っていた。その問いにアレンは柔らかに笑って話し始めた。
「僕は・・・ネアの娘です。」
「!!!」
「僕は[創造]のメモリーを持つノアです。これはノアの力とクラウン・クラウンの2つで出来る事なんです。――もう戦いは終わりです。」
アレンが少しずつ消えていく。自ら突き刺したクラウン・クラウンも光の粒となりほとんど消えていた。
「なっなんでアレンが消えてるの?!アレンもノアのメモリーが消えるだけなんでしょ?!!」
「ジョニー・・・僕が消えることがこの力の代償だからだよ。」
「アレン君っ!」
「コムイさん。そんな顔しないでください。これはマナに言われた通り歩いて僕が決めた事なんです。」
「アレン君!!駄目よっ」
「リナリ―。皆。ありがとう。」
次は誰の代わりとかじゃなく、僕自身を愛してほしいな・・・。
誰か・・・僕を・・・
「愛し・・て・・・・。」
フッと風が吹きアレンは光となって風と共に消えた。
アレンは真っ白な部屋に立っていた。目の前にはティキ・ミックにそっくりな父、ネア・ウォーカーが立っていた。
<アレン・・・。>
父さん。終わったよ・・・
<よく頑張ったな。すまなかった。お前につらい思いばかりさせた。>
ううんきにしないで。僕は大丈夫だから!それに・・・もう行けるよ?
<本当にいいんだな?あの世界に行って。>
ええ。母さんの世界に行きたい。あの時父さんが見せてくれた夢が本当に未来の事なら・・・あんな戦争あっちゃいけない。僕に止める力があるなら止めたいんだ。
<・・・わかった。白ひげに会ったらネアとフレアの子だと言え。俺たちの友人だ。>
うん。行ってくるね。
アレンは光り輝く方へ向かった。ネアはその後姿を見送りながら願った。どうかあの子にカリプソ―の加護を・・・
コポ・・・コポリ・・・ゴボッ!
?!水の中?!!!
《カリプソ―。お帰り。我らの女神。》
!ここは海の中?
《この上に貴女に愛をくれる船がいます。さぁ。》
愛を・・・?
アレンはそこで意識を手放した。かすかに男の声が聞こえたような気がした。